2015/07/12 のログ
祐樹 臨助 > 取り敢えず、この付近のエリアには人がいないことを確認する。何せこの図書館はとても広い。全エリアに気を回してたら本など読んではいられない。
油断は仕切らないが当面は安心していいだろうと判断した。
そのあとは刻々と飽きるまで本を読み続けるだろう

ご案内:「図書館」から祐樹 臨助さんが去りました。
遠峯 生有子 >  改めて、魔術に関する蔵書が収められている館へとたどり着く。
 受付カウンターの近くにあった、各館の配置を案内する表示を確認すると、
 途中で通り過ぎる通路を1つずらす必要があったのだが、
 それを勘違いしていたと気づいて「ううっ」と天井を仰いだ。

 足早に目的地へと向かう途中で、何人か、見知った人間の後ろ姿を見た気がしたが、
 周囲を見回してのんびり歩くような気持ちも天文・地学等に関する館へ置いてきてしまっていた。

 魔術館へたどり着く頃になって、ようやくそういった気持ちが
 追いついてきたのか、とりあえず、手近な棚を興味本位で見てまわる。

遠峯 生有子 >  この学園の図書館は、概観しただけでもかなり広く、
 いくつもの建物にいくつもの開架が、
 迷路のように広がっている。

 聞くところによればその迷宮の奥にはひそかに隠された
『禁書館』と呼ばれる館があり、
 そういったものに造詣のない生徒であれば、
 触れるだけで怪異を引き起こすような、
 恐ろしい書物が多数蔵されていると聞く。

 ということはつまりそのような書物は開架には置いていないということだが、
 たまに誤ってそういうものが外へ出てしまうことがあるとの噂も(生有子が聞いた限りでは学園の七不思議レベルで)あるため、
「ちょっと緊張するなぁ。」
 意味もなく左右を見回してから、目に付いた背表紙を引っ張り出す。

『卵の剥き方』何故このタイトルが魔術の棚に。

ご案内:「図書館」にサリナさんが現れました。
遠峯 生有子 >  魔術書には、たまに内容がまったく想像できないタイトルが付けられることがあるようだ。
 それはこの手の本には翻訳本が多く、もとの国ではそれが普通だからという場合もあるが、
 魔術師というものが全般的に秘密主義で、黙示を重要視し、
 自らの著書が知る人にだけ知られるようにその内容を隠そうとするからだと、
 以前読んだ魔術の系統についての書物に書いてあった。

 故に、『卵の剥き方』などというタイトルだからと言って、
 それが魔術で料理をしようとかいう内容とは限らないということだ。

 ひとまず、前書きと目次を流し読む。

サリナ > 魔術に関する書架を眺めつつ移動していると、見知った顔を発見する。
あれは確かこの前話した…そう、遠峯さんだった。

あれから結構経つが、魔術の一つは使えるようになっただろうか…?
遠目から見てみるが、今しがた本を取りページを捲って立ち読みしている。

どんな魔術書を読むんだろうと思って、彼女に近づいていき、後ろからその内容を見ようとする。

遠峯 生有子 >  目次を拾った限りでは、宇宙の概略が(ある魔術系統の立場から)解説されている書籍のようだ。
 それは、魔術というものをいまだぼんやりとしか認識していない自分にとっては
 よい読み物かもしれない。
 キャプチャーのⅢあたりを開いて、冒頭を読んでみる。

 …みようとした。
 そうする前に背後にひとの気配を感じたような気がして、
 その方向に振り向くと、ひとりの女生徒の顔が、
「!!!!!」

 危うく本を(天文の館で手に取った堅そうな惑星の写真の本を)取り落とすところだった。
「こ、こんにちは。」

サリナ > ほう、遠峯さんはこういうものを読むのか…と思っていたが、まだ目次なのに気付いた。
内容の方に入っていないのならどういうものかこちらとしてもわからない。そんな事を考えていると彼女が早速ページを捲りだした。

「!」

背後に居る事が気付かれた。気付いた彼女はとても驚いてた。私も少し驚いた。

「どうも遠峯さん…私の事、覚えてます?」
一応自分の事を覚えているかの確認だけしておく。もしかしたら忘れられているかもしれないし…

遠峯 生有子 >  自分より少し背の高い女生徒の顔、
 驚いたあまり先ほどこの本を取り出した書棚に寄りかかるようになりつつ、
 見上げると、それには見覚えがあり、

 名前は確か…
「さ、サリナちゃん?」
 覚えていることを示すために、そしてその記憶が間違いでないかを確認する意味もこめて
 そう呼びかける。

 確か以前話したのはテスト勉強期間中だったはずだ。
 しかも、自分の前で見事な魔法を使って見せた少女のことは
 強い印象に残っていた。(名前はちょっと自信がなかったが)

サリナ > 本当に驚いているようだったが、私の事は覚えていてくれたようで安心する。

「合ってます。…その本は?何を読んでいるんですか?」

自分が覗き込んでいたのは気付いていただろうか。通りすがったぐらいに思ってくれればいいけれど…
そんな事を考えてたので少し誤魔化すような聞き方になってしまった。

遠峯 生有子 >  覗きこんでいたとまでは思わなかったものの、
 いやに近いところに気配があったことに、若干疑問を感じていなくもなかった。
 ただし、あまりそういうことを追求するような性格ではないために、
 というよりは、あれこれ考えた挙句にそのような追求は差し控える性格であるために、
 そこは置いておいて手にした本を彼女に見せる。

 キャプチャーIIのあたりを広げつつ。
「えっと、なんか宇宙がどこから始まって…みたいな内容だと思うんだけど。
 サリナちゃん読んだことある?」

 それはそれなりにオーソドックスな論ではあるが、
 著者の流派が若干マイナーであるために、
 地球で生まれ育った魔術師であっても読んでいるかどうかは分かれるといった程度の書籍だった。

サリナ > 「恐らく読んだ事はないですが…ちょっと失礼」
ページを捲ってその内容をいくらか流して読む。

………正直、私にも難解だった。こう、哲学的というか心理的とでも言えばいいのだろうか、
そういう表現があるように感じた。私がまるでわかってないだけかもしれないが。

「…私にはちょっとわかりませんね。軽く流してみた所、占星術か何かの類だとは思いますが…
 遠峯さんはいつもこのような本を読んでるんですか?」

だとしたら少し彼女のイメージに沿わない気もする。

遠峯 生有子 > 「ええ、そういう本だったんだ。」
 驚いていた。
 やはり目次を流し読みしただけではこういった本はわからない。

「いつもっていうか、占星術の関係だとあんまり手を伸ばしたことないなあ。
 本物の天文の本は読んだりするけど、そういうのとは違うような気がするし…。」
 手元に抱えた写真の美しい惑星の本を、サリナに見せるというわけではないが
 落とさないように抱え直す。

「でも、この本、タイトルだけだとちょっと何のことかなあって思うでしょう?」
 にこにこと、笑顔になって、『卵の剥き方』というタイトルの方を見えるように示した。

サリナ > なるほど、天文学か。私の世界では占星術と何かと同一視されていたものだが、この世界ではどうやら全く別物らしい。

「は、【卵の剥き方】……難解です」

妙な題名だ。彼女はなんだか面白い物だと言って見せてくる子供のような顔をしていた。
だが、それだけに何か深く考えさせられるものもある。

「そうですね…ゆで卵の殻を剥くのは難しいです。指に殻が刺さる事もありますし…
 そういう『苦痛』…言い直せば、『苦労』があって初めて得る事ができる内容なのかもしれません。
 もしかしたらもっと簡単な剥き方をその本の中に書いているだけかもしれませんが…」

と、思っている事を述べた。正直、こんな題名をつけた理由なんて私にはまるっきりわからない。

遠峯 生有子 > 「んー。卵の剥き方が書いてある占いの本ってなんかちょっと変かなあ?
 私、魔術の本って獅南先生の講義を取るようになってから読むようになったから、
 よくわかんないとこがあるんだけど、
 普通の魔術の本ってそういうことが書いてあったりするの?」
 そういうもの読んだことある?と、

 尋ねながら別の手近な本を
(大きさと背表紙の堅さから取り出しやすそうだったものを)
 書架から抜き出す。
『宇宙の音楽』という、先ほどの書籍よりはストレートなタイトルの、
 比例で世界の成り立ちを説明しているものだった。
(が、生有子にはそのあたりの知識がさっぱりだった。)

サリナ > 「普通の魔術書というのは詠唱法やその領域に関する知識が載っているものです。
 この宇宙の音楽?という本もどちらかというと……」

沈黙した。というか、これは本当に魔術書なのだろうか。
世界の成り立ちを説明する魔術書なんて私は正直見た事がない。もしや地属性の魔術書か?なら何故題名が宇宙なんだ。

私的にはこれらは魔術書のようなものであって魔術書でない。

「あの、こういうのは正直、魔術学とは関係が薄いか、もしくはとてつもなく難解でその道を知る人にしかわからないものなのかもしれません。
 私としましては、あっちの方にある棚の方がよりそれらしい魔術書です」

向こう側の書架を指した。

遠峯 生有子 > 「え、ああ、そうなんだ。
 じゃあここの書架がちょっと全部おかしいのかな?」
 言われて、示されたほうの書架を見やり、
 今いる場所を一度見上げてから、先ほど引っ張り出した本と、最初の謎の(?)タイトルのものを元に戻す。
 よく見てみれば、他にも蛸壺がどうこうとか、直線がなにやらとか、よくわからないタイトルがいっぱいだ。

 そのへんの本は見捨てて、書架を移動しながら、振り向いて尋ねる。
「サリナちゃん、よくこの辺りには来るの?」

サリナ > きっと彼女の言うようにおかしいのだろう。そこらの本の題名を見てみればイカがどうたらとか超兄貴…?超兄貴って何…
とりあえずは彼女が移動したので私もついていく事にした。

「私は…そうですね。よく来ますよ、図書館には知り合いも居ますし…遠峯さんはどんな本を読んでいるんですか?」

ちょうど私がよく来る書架の辺りに来たので足を止めて眺め見る。彼女でも簡単にわかりそうな本はないだろうか…

遠峯 生有子 >  後ろを歩く彼女が足を止めたので、生有子も足を止める。
 見上げると、なるほど、この書架の背表紙には海産物を示す名詞とかは見当たらない。

「図書館の知り合いって、図書委員の誰かってこと?」
 見知ったなんとか委員の面々を思い出すと、知っている範囲では生活委員がそれなりにいたものの、
 他の委員には思い当たるものがいなかった。
 単にそれを生有子に話していないだけかもしれないが。

 しかし続けてこちらのことを尋ねられたので、少し考えつつ、
「ええと、ここへ借りに来るのは魔術の本が多いと思うんだけど…
 今までよく読んでたのは宇宙の本とか天文の本かなあ?
 そんなに難しいのじゃないんだけど…。」
 答えながらも視線は書架と、書架を見る彼女に向ける。

サリナ > 「そうですね…図書委員に知り合いがいます。メガネをかけていて…まあ、図書委員の人は割とメガネかけてる人ばかりかもしれませんが」

言いつつ手頃な一冊を見つけるとそれを引き抜いた。
彼女は魔術の本を借りてると言うが、概論とか起源とかそういうものが多かったりするんじゃなかろうか、
そう思ったのでそういうのよりは少しは実践的かつ彼女の性格に合いそうな本を選んだ。
それは【パーティートリック】、そういう題名のついた内容が想像し易い本だった。

「こういうのはどうでしょう?これも魔術です。一応言っておきますが、手品ではありませんよ?」

中身は所謂魔術師達の宴会の景気付けに使われるような魔術だ。
変な音を出したり、幻の胡蝶を召喚したりとか…そういうものの詠唱法等が書かれている。

そういえば思ったが、あれ以来遠峯さんは魔術を使えるようになったんだろうが。
この本に書かれているのは難易度が低いものばかりだ。だが、最低限魔力を扱う術が必要だった。

遠峯 生有子 >  それは彼女の推察の通りで、獅南の魔術学の概論を補う意味もあり、
(授業が難解なのは自分が魔術を学ぶ上での常識や背景的なものを
 知らないからではないかと考えていることもあり)
 概ね魔術の系統とか総論とか、そういった本を選ぶ傾向にあった。

 そこには彼女がいまだ全く魔術らしきものを扱えないために、
 実践的な内容に対して、敷居が高かったせいもある。

 ただし、先日までの定期考査を受けた経験からもう少しその敷居をまたいでいく必要を感じ、
 元素魔法とか召還術とか(これは週明けに出会ったもう一人の魔術教師、リグナツァの影響もあった。)
 そういったものを選ぼうとした矢先に謎のタイトルにつかまっていた。

 つまりサリナとの遭遇は生有子にとっては渡りに船と言えたわけで、

 …その、一見すれば手品集かとも思えなくもないタイトルの本を彼女から受け取る。
「ありがとう」

「これ、びっくり箱みたいに悪戯で使える魔術っていうこと?
 それかこれもちょっと深い意味があるタイトルなのかな。」
 言いながら、ぱらぱらと中身をめくってみる。

サリナ > 「悪戯ですか…そうですね、そういう用途に使えるのもありますね…。
 実は全く題名通りの中身の本です。パーティートリック…こちらの世界だと隠し芸…という表現が適切でしょうか……
 簡単に言うと、魔術師達が宴会に使うような魔術でして、子供に見せても多分喜ばれるかと思います」

彼女がページを捲るので私も隣で一緒に見る。図も描いてあって、なんだかわかりやすい。
むしろ魔術でなくてもできるのでは?と思わせるものも多い。そこをあえて魔術でやるから魔術書なのかもしれないが…

遠峯 生有子 > 「ええ、私そういうのしたことないよう。」
 隠し芸とか。
 小さい頃に家族を喜ばせるために絵を描いてこっそり寝室に忍ばせたりはしたことがあるが、

 手元のページをぱらぱらめくり、
「んー、この蝶々を出すのとかいいかも。
 宴会っていうより、お祝いの出し物とかにしたら素敵かなあ。
 でもこれ、私に出来るかな。」
 本の最初のあたりを繰りなおし、なにか前提となる条件が書いていないか確認する。

サリナ > 「【胡蝶の召喚】ですか、いいですね。これは見た目が綺麗ですよ。
 こう、様々な色に輝く蝶が一斉に召喚されるんです。それで辺りを蝶で埋め尽くしますね」

図面からして蝶々が魔術師の周囲を飛び交ってるので、きっと彼女も綺麗な感じのものを思い描いているのだろう。

とか思っていたら彼女が最初のページの方に繰り出した。私もそれに倣って読んでみる。
なんでも最低限の呪文詠唱はできなければならないだのそんな事が書かれていた。
私なら読み飛ばす部分を、彼女はなんだか真剣に読んでいるような気がする。

もしやというかやはりというか、彼女はまだ魔術を扱った事がないのでは…?

「…まあ、本当に簡単な部類ですからできるとは思いますが…それでも使えなかったら私に教えてください。
 これは私の世界でのやり方なんですが、呪文詠唱について確実な学び方があります」

遠峯 生有子 > 「わあ、見てみたい、それ。
 それに蝶々じゃなくて、お花とかうさぎとかもできたらかわいいだろうなあ。」
 ふわーんっと、いかにも幸福なことを思い浮かべているような表情と声で、
 いきなり応用のことまで考え始める。
 おそらくそういうことは、ちゃんと術を理解した人しか出来ないのだろうと思いながら。

 しかしこの“最低限の呪文詠唱”とはなんだ。
 天文学と同様、彼女は外国語(今のところ英語)にも興味が深かったが、
 なにか魔術的な言葉を習得する必要があるのだろうか。
 それとも、先日のテストで結局なにも出来ないということを思い知らされた、
 魔力のコントロールのことだろうか。

 落ち込みかけた生有子の心を、
 今度もこの背の高い同級生が明るくする。
「それ、こんど教えてもらっていい?」

サリナ > なんだか彼女がとても興味津々な顔をしている…!
呪文詠唱の話を切り出したらすぐに食いついてきた。私にはそう見えたのだ…

「さ、早速ですね。わかりました、今度お教えします。ああ、一応その本も借りてみたらどうですか?
 今度教える時にあると便利かもしれませんし…」

そうと決まれば私の方でも一応準備をしないといけない。割と大変な作業だが、彼女の期待を裏切ってはいけないだろう…

遠峯 生有子 > 「うん、そうするね。
 便利かもしれないし、サリナちゃんのお薦めだから見てみるよ。」
 にこ、と微笑み。
 先ほどから小脇に抱えていた惑星と太陽系についての本に、『パーティートリック』を加える。

「んー、あとは灯火の呪文みたいなのが載ってる本があるといいなあ…。
 サリナちゃんもう帰る?
 私まだ暫く見ていくけど。」
 仰ぎ見て、そう尋ねる。

サリナ > そういえば彼女がたまたま目についただけで私の方は本を借りてさっさと帰るはずだったのを忘れていた。
書架から色々と魔術書を引き抜くと、それを手の上に重ねていった。

「灯火の呪文のようなものならその魔術書にもあるかもしれません、些か彩りに溢れてるかもしれませんが……
 ああ、私はそろそろお暇させて頂きます。呪文詠唱については今度時間を決めるという事で…それでは」

あれだけ興味があるのなら習得も早そうだ。私も今から準備に取り掛かった方がいいだろうな、と思ってその場を後にした。

遠峯 生有子 > 「じゃあね。今日はありがとう。」
 にこにこと、サリナを見送って、彼女もまたその場を後にした。
 書架のもう少し奥の方向へと。

ご案内:「図書館」からサリナさんが去りました。
ご案内:「図書館」から遠峯 生有子さんが去りました。