2015/07/19 のログ
ご案内:「図書館」に四十万 静歌さんが現れました。
四十万 静歌 > 「――ん……と。」

どの本を読もうかな、と本を選ぶ。
図書館で涼やかに読書、
優雅な休みの使い方だと思う。
なんというか贅沢感がなくはない気がする。

たまには、と目先を変えて魔術関係の本をぺらぺらと捲る。
読んだ所で使えないんだけど、
こういう知識を蓄えておくと、
ファンタジー関係の本を読んだ時に、
また一風変わった感想をもてるというか、
見方が変わるからだ。

一冊、一冊と軽く目を通して次の本へと移る作業。
じっくり読むのは面白そうなのがあったらの話である。

四十万 静歌 > 魔術、と一言でいっても多岐にわたる。
私自信としては、上っ面な知識しかないのだが――
面白いのは――

「――やっぱり魔術は魔術、
 手品は手品なんですよね。」

という事だ。
無論探せばあるのだろうが――
さすがにそこに労力をかけるくらいなら楽しみたいので、
探したりはしない。
が――

「そんな事より問題は……」

うん、こうやって色々みてるけど、
思ったよりも目移りするってことだと思う。

四十万 静歌 > 「こうなんていうか、
 これだけ本があるとおススメとか聞きたいような、
 でもおススメの本って大概読んでしまってるんですよね。」

なんだろう、このジレンマなんてぶつぶつ良いながら
数冊手にとって読書スペースへと移動して本を広げるだろう

四十万 静歌 > 「――」

ぺらぺらとページをゆったり捲りつつ読んでいく。
いや、何が面白いのか、
時にクスリと笑ったり、
なきそうな顔をしたり、
百面相をしている。

ご案内:「図書館」にアリエンティアさんが現れました。
アリエンティア > ふと、パタパタと駆け足で走って
読書スペースから見える位置の本棚に駆け寄る少女が見える。
身長を見るに年齢的には小学生くらい――
日本人には思えない、黒と白が混ざった特徴的な髪。紅い瞳。
夏の制服から、常世学園の生徒だというのは一目瞭然。
それがさらりと揺れて、なにかの本を探すように視線をきょろきょろ。
そして、目当ての本を見つけたのか、ぴこんっとビックリマークが
頭の上に飛び出るように、笑顔になって
それに手を伸ばそうとするが――
届かない。またか、眉間にしわを寄せる。
精一杯、背伸び――
これまた届かない。
ぴょんぴょんジャンプ。
うまくとれない。

「……ふぬぬぬぬ……」

夏だからと、結ったサイドポニーが跳ねて。
何度か挑戦してから諦めたのか
それとも手段を考えているのか
じーっと恨めしそうにそれをみていた。

四十万 静歌 > 「……?」

偶然にも視界にぴょんぴょんする様子がみてとれたので、
パタンと本を閉じて立ち上がって近づいて、

「代わりにとりましょうか?
 どの本がいいでしょう?」

そして、
なんていいながらやさしく微笑みを浮かべ、
目線が合うようにしゃがみこむだろうか。

アリエンティア > 「……へ?」

きょとんっと、声をかけられたほうを見て。
セーラー服にマント。不思議な恰好。
きれいに整えられた前髪に、さらりとした長髪は
とても魅惑的で。混ざっている自分には出せない色だ。
素敵だと、思う。やっぱり、大和撫子の国は黒を映えさせる女性が
多いんじゃないだろうかなんて、考えて。
でも、そんなに素敵なのに。
顔立ちでどこが、と言われると特徴が思い浮かばなくて……

「Ist es ein Zauberer《マジシャン》?」

ぽつりと、抱いた感想をもらしつつ。
目線を合わせてくれたので、その黒――に見える瞳を見つめて
しどろもどろに……

「ぁ、えっとあの、本で。”ソロモンの悪魔”って本」

ソロモン72柱に関することを簡単にまとめた本。
それを示して……

四十万 静歌 > 「あ、えー、えーっと。」

英語は話せても、何だっけ?それ。
確か、ドイツ語?
Zaubererは聞いた覚えがある。
一瞬冷や汗が流れる。
でも、その後日本語をしゃべっているのをみて、
あ、日本語通じるんだよかったと、
微笑みは崩さず心の中でほっとして、

「どちらかというと手品師ですかね?
 魔術師ってというほどのものじゃないですよ。
 と、あれですね。」

目を合わせたままにっこり小首をかしげ、
ソロモンの悪魔、か、と
視線を本棚へと移し――

「これかな?」

示された所にある
ソロモンの悪魔と書かれた本を立ち上がって手にとり、
再びしゃがみこんで両手でもって差し出すだろう。

「はい、どうぞ。
 悪魔とかに興味あるんですか?」

なんて笑って。

アリエンティア >  
「手品師! すごい、マジックだ!
 種も仕掛けもありません、ってやつ……
 はじめて見た……」

ほええ、っと赤い目を爛々と輝かせて
憧れのようなまなざしを向けて。

「じゃ、じゃあ、そのマントも正装なの?」

ちょっと興奮気味に声を大きくしてしまえば
視線を集めてしまって。
はっと正気に戻ったころには、顔を真っ赤にして。
結ったサイドポニーとともに俯く。

「ぁぅ……えっと、ありがと、ございます
 悪魔学、専攻してて。悪魔の魔術――」

受け取りながら、ぽそぽそと答える

四十万 静歌 > 「ええ、種も仕掛けもありませんって奴ですよ。」

そっと自分の口元に右手の人さし指をもっていって
ウィンクして微笑む、
隙に――
左手の手の甲で死角を作り、
人さし指と中指でつまんだ一本の白い造花をかくして、
アリエンティアの目の前へともっていき、
右手の指を鳴らすと同時にぱっと造花を差し出すだろう。

「正装――といえば正装かもしれませんね。
 私なりの自己主張みたいなところはありますし?」

なんてはしゃぐ様子を微笑ましく見守って、
小首を傾げて答えるだろう。

「それにしても、悪魔学とか悪魔の魔術なんて、
 凄いんですね。
 私が小さい頃ならちんぷんかんぷんすぎてサッパリだったと思います。」

アリエンティア >  
声を掛けられて表をあげれば

「……わぁ……」

人差し指に視線を誘導させられて。
ウィンクさせれれば、ちょっとドキッとしてしまった。
そんな少女に、種が仕掛けられたことなんて気付くことができるわけがなく……

「すごい……えっ、えっ? パッと出た。パッと出ましたょ?
 わぁ~~~~……」

まるで魔法を見た子供のように、うれしそうに造花を見つめる。
まださっきの恥ずかしさは残っているもののそれよりも
目の前の手品(マジック)の鮮やかさへの興味が優っているようで。

「いや、あのすごくないですよ? すごくないから勉強するんですし
あたしだって、よくわかってないです。ただ、負けたくない一心ですので!」

四十万 静歌 > 「喜んでいただけて光栄です、
 なんて。
 ふふ。そんなに喜んでもらえると、
 やった甲斐がありますね。
 ――よければどうぞ。
 本物ではなく造花ですけどね。」

といって、そのまま造花を手渡そうとしつつ――

「勉強しようと思うだけでも凄いと思いますよ?
 負けたくない一心だとしても、
 それで頑張れる人はとても凄いと思います。
 きっと、大きくなったら、
 立派なレディになるんでしょうね。」

なんて、右手でぽふぽふと頭を撫でようとするだろうか。

「――よかったら一緒に勉強します?
 私も悪魔学は詳しくないですけど、
 ひょっとしたら教えれる所もあるかもしれませんし。」

なんて提案をしつつ。

アリエンティア >  
「わぁ……ありがとうございます!」

えへへと目を細めて、花を嬉しそうに手で取ると。
あわわっと、本を落としそうになってあたふた。
落とすことはなく、なんとか体制を整えて。
みっともないところを見られて少し恥ずかしいのを
ごまかすように、また笑った。
ちょっとぎこちない。

「それ、いろんな人に言われますね
 あんまり自覚ないんですけど――
 あ、えっと、今でも十分淑女(レディ)のつもりですから!」

うんっと、そこだけはこう。なんというか
認めたくなかったので。髪の尻尾を揺らしながら力ずよく
もう一度頷いて。

「え、いいんですか? じゃあ、その。お言葉に甘えて」

頭をなでられれば、気恥ずかしそうにちょっと下を向き
困ったような、どうしたらいいかなという複雑な表情で
ちらちらと、視線を地面と女性の顔を何度も行き来させながら
提案を受け入れて

四十万 静歌 > ありがとうございますと、慌てる姿がまた微笑ましい。
今でもレディのつもりという姿も
なんていうか、心の底から微笑ましくなる。

「まぁ、
 自覚する頃にはきっと立派な大人になってますから、
 今はがむしゃらでいいと思いますよ?
 そうですね。確かにレディですね。
 じゃあ、大人のレディって言い直しましょうか。」

なんていいながら撫で続け――
提案を受け入れると、
手を離して、
それじゃ、行きましょうかと本が読める――
先ほどまで本を読んでいた場所へと誘いながら。

「あ、そういえば――
 自己紹介がまだでしたね。
 二年の四十万 静歌(しじま しずか)と申します。
 ――小さなレディの名前をお聞きしてもよろしいでしょうか?」

なんて少し芝居がかった口調でたずねるだろう

アリエンティア > 「ぬぅぅぅ……なんですか、その表情は……
 子供ってめっちゃ言ってるじゃないですか
 日本人、意地悪。覚えましたし」

ネットで見た日本語を早速使ってみる。間違ってないはず。
ちょっと、むすっとしながらも後をついていって
自己紹介を受ければ。

「アリエンティア・ルン・エーデルハルト、です
 12歳です。一応、行程は高校一年生レベルまで
 単位を取得してます……どうぞよろしくお願いします」

芝居がかったそれに、あわてて合わせるように
膝だけ軽く曲げて、会釈。
お譲さまのように――

四十万 静歌 > 「――書、曰く、
 子供といわれて流せないようでは、
 まだ大人のレディといえないそうですよ。」

なんて、恋愛小説でみた文言を引用して、
クスリと笑って、
丁寧で見事な礼に感心する。

「まるで貴族のよう、
 というか、実際どこかの貴族令嬢だったりします?
 アリエンティアさん、ですね。
 なんていうかその年で、
 高校レベルまできちんと習得してるあたり、
 私とは大違いですね。」

なんてちょっと圧倒されつつも、
子供らしい様子も見たので、
うん。飲み込めるレベルではあった。
よかった。
なんとなくお姉さんぶりたい欲求があるのだ。

「意地悪でごめんなさいね。
 こう、アリエンティアさんが余りも可愛らしいからですよ。」

なので、席に着きながら、
意地悪覚えたについて、そんな言葉で返した。

アリエンティア >  
「……むぅ」

確かに。言われてみればそうかもしれない。
ちゃんと覚えておこう。
余裕というやつが必要なのかもしれない。
余裕。よく見れば目の前の女性だって
堂々としているじゃないか。
こう、心に余裕があるというか。
やっぱ年上は強い。そんなことを思う。

「一応。魔術が栄えた一家です
 ドイツではそこそこ、ですよ?
 あたしは、才能なくてあまりそういう場には
 連れて行ってもらえなかったですけど、覚えることではあったですし」

ゆっくり椅子に腰をおろして、本を静かに置く。
リュックからPCを出して――

「い、いまさらそんなこと言っても、懐柔されませんしっ」

四十万 静歌 > ――ちなみにこの女、
余裕ぶってはいるけど、
こう、子供に弱いというか、
今の所心揺らされるような事がないだけで、
直ぐに余裕がなくなってぼろが出るタイプである。

知らぬが仏とはまさにこのことだろう。

「魔術で栄えた、ですか。
 そういえば、ドイツ語しゃべってましたもんね。
 Zauberer以外の意味がさっぱりでしたけど。」

ちょっと天井のほうへと目を逸らしてごまかしつつ、

「才能が無いといっても、
 それは凄い家系だからであって、
 普通と比べるとやっぱり凄そうですね。
 というか、PC持ち歩いてたんですね。
 あ、懐柔だなんてとんでもない。
 思ったことをいっただけですよ?」

と、再びアリエンティアへと視線を戻し微笑む。
PCを出す様子に感心する。
よほど勉強熱心なんだなぁと。
そこまで重くないものとはいえ、
それは私にとってであって、
アリエンティアにとっては重いものだろうにと思いつつ。

アリエンティア > そんな素性を知らず。
PCを起動させて

「あ、聞こえてましたか……
 はい、ドイツ、出身です
 日本語頑張って練習したんですよ、えへへ」

ちょっと恥ずかしそうにしながら。

「いや、そのえっと。ホント駄目なんですよ
 魔術、一個つかえても汎用性はないですし
 こう、うちではガラクタって、呼ばれてましたし」

沈んだ様子は全くない
事実だというように、淡々と。

「PC使ったほうが、レポートとかしやすいですから
 --日本人って、たらしが多いんですかね?」

なんて首をかしげつつ。

四十万 静歌 > 「凄い流暢で、語学も堪能なんて、
 うぅん。
 魔術に関して詳しい事はいえないからなんともなんですけど、
 私からすると十分天才少女って感じなんですけどね。」

と笑って、たらしとかいわれると――

「いや、それはどうなんでしょうね。
 でも、こう優しい人は多い気はしますね。
 残念ながら私の場合はたらしというには、
 同性ですから。」

今の所は百合の気ない、ないですよ?と首をかしげて。

「――それにしても、レポートにするなんて、
 本当に厳しそうな授業ですよね。
 悪魔学。
 そういえば、72柱すべてについて調べてるんですか?
 それとも、その中の1柱について重点的に?」

アリエンティア > 「……今はぼろが出てないだけで
 日本語不自由ですけどね?
 あはは、すっごく頑張りましたから
 日本語。ちょっと追いかけたい人がいまして」

ぽつりと、頑張れた理由をこぼす。
それは恋とはまた違う。憧れのような。
そんな表情ではにかみつつ
PCの掻きかけの手ポートを開き

「……なんかそれ、前も言われました
 同性だと、成立しないんです?
 でも日本のアニメだと、結構こうありますよね?」

お姉さんは、違うのかな? そういうのには興味ないのかな?
なんて思いつつも。そういうものなのかと
二回目の納得。

「え、あ、厳しい授業っていうか先取りっていうか
 できないので、その場その場じゃ間にあわないので
 あたしの場合。だから今からやっておかないと
 72柱の5柱ですね。まぁよく知ってるものもあるんですけど
 4柱はよくわからなくて――」

四十万 静歌 > 「それだけしゃべれれば十分ですよ。
 もし速すぎて聞き取れないとか、
 分かりにくい言葉があったらいってくださいね。
 そういえのは――
 本人でないと分かりませんし?
 それにしても、追いかけたい人、ですか。
 どんな人だか分かりませんが、
 たどり着けるといいですね。」

憧れるような相手、か、
きっと素敵な相手なのだろうなぁと思いを馳せて。
その人が男だか女だか分からないからなんともいえないけど。

「……まぁ、同性でも成立しない事もないですけど、
 確かにアニメや小説その他で成立してるものもありますし。
 ただ、少なくとも私は最初から同性相手にそうなりたい……
 とは思いませんね。
 憧れ、だとか素敵だとかは一杯ありますし、
 そんな相手からいわれると……うん、
 ちょっとぐらつくかもしれませんけど。
 基本的に普通の男女の恋愛のほうがいいですね。」

なんて少し照れくさそうに笑って。

「いわゆる予習という奴ですね。
 予習は大切だしいいことだと思います。
 ――その四柱はなんて名前ですか?」

なんて興味深々に聞くだろう。
ひょっとしたら多少知ってるかもしれないし、
知らなかったら、丁度手元に魔術の本がある。
何か書いてあるかもしれない。

アリエンティア > 「お気遣い、ありがとうございます
 分からなかったら、そうさせてもらいますね」

ふわりと微笑む。
さっきまでの子供っぽい笑みとは違う
貴族っぽいそれで演出する。
なんとなく、さっきの意地悪のお返し――みたいになっているが
本人はそんな使い分けをしているつもりは全くないので
無意識だ。でもそれだけ根に持ってるということなのかもしれない。

「はい、すごい人なんですよ。上級――ううん、至高の2体を
軽々しく使役して、”教会”でも高位の方ですし
かっこいいし、素敵だし。すごいんです、とにかく」

興奮気味に早口で、まくしたてて。
はっと正気に戻ったのかこほんっと咳払い。

「そういう、ものですかね?
 恋愛は縁がないので分からないです」

前髪をちょっとてで避けて。サイドポニーを一回ほどいて。
またひとまとめにして、後ろに結う。
よしっと気合を入れて。

「……気になる男の人、いるんです?」

なんて質問しつつ。

「アスモダイ、アスタロス、パイモン……そしてバアル、ですね」

四十万 静歌 > 「――
 やっぱり流石はレディですね。
 こういうお礼をいう瞬間や、
 挨拶の何気ない瞬間、
 見事なまでに私とかとは違う、
 風格みたいなものを感じます。」

なんて、少し憧憬の目で見るだろう。
凛とした姿には憧れがあるのだ。

「教会はわかりませんけど、
 それが人の身にあまるほどの才能なのは分かりますね。
 なんとなく。
 ――ふふ。自慢の人なんですね。
 いいなぁ、憧れの人。」

なんてどんな人なのかちょっとにまにまするかもしれない。

「まぁ、恋愛なんていうのは、
 気づいたときに落ちて、
 気づいた時に理解するものだそうですから、
 焦らずそのうちそのうち。
 それでも知りたかったら恋愛小説でもよんでみたらいいかもしれませんね」

なんて。
気合を入れる様子がまた可愛らしいなぁ、と
顔が綻びっぱなしである。

「き、気になる男の子ですか……っ!
 いや、いなくもないですけど、
 恋愛まではまだ。」

思わず声があがって顔があかくなるが、
首を振って否定する。
さすがにその質問は不意打ちすぎた。
誤魔化すように。

「それにしても、どれもメジャーな悪魔ですよね。
 アスモダイ……、
 色欲をつかさどり数学を授けるといわれ、
 アスタロスは過去と未来を知るといわれる悪魔
 パイモンは……
 服従させない限り会話が成立しない知識豊かな悪魔、
 バアルは……
 元々は豊穣の神だったんですよね。」

などとうろ覚えの知識を一つ一つ確認するように

アリエンティア > 「……?
 そうですか?
 そんなこと言ったら大和撫子な黒髪
 謙虚な姿勢。何気ない、守りたくなるような
 日本人然とした、貴女にあたしはちょっとあこがれますけど」

示すように、前髪を増える。
まじりがない黒髪。
何もないように見えるのに
特徴がないのに、それでも彼女が
彼女足るなにかがあると思わせる。
それはきっと、すごいことだと少女は思った。

――まるで■■■のよう……

「……ぁ、教会はこう、悪魔契約とか
 そういうことをしてる魔術師が登録してる
 ドイツの組織? みたいなもので」

なんて軽く説明をして

「な、なんですか、その表情」

くりくりと指で前髪をいじって、落ち着かないように

「恋愛小説……童話は好きなんですけど……
 日本のは――あ、いっこだけ!」

思い出したように、指をひとつ立てて。

「えー……いるんじゃないですか
隅におけない……しかも”まだ”……」

ふぅんっと、そのしぐさに
余裕を取り戻し、じーっと見つめる。

「だれですか、どんなひとなんですかっ?」

少女とはいえ女の子である。
こういう話はしたことないし、憧れではあった。
なにせずっとひとりだったから。
だからちょっとはしたないかなと思いつつがっついてみる。

「はい、有名。故に、いろんな節があります
今あげられてのも”ひとつ”でしかないです
その中でいろいろ調べて、下ろしたとき、契約した時の
メリットデメリット、してはいけないこと
それらの”考察”をレポートにする予定です」

うんっと間違ってないと頷いて。

四十万 静歌 > 「うう、なんというか、
 そう褒められると少し照れてしまいますね。
 まぁ、私は日本人ですから、
 普通ですよ、普通。
 ――無いものをほしがるともいいますし、
 隣の畑はよく見えるといいますか、
 それでのかもしれませんね。」

なんてふんわりと笑う。
じっと見ていると、黒マントにそらされていた視点が、
顔へと集中して整った顔立ちなのがはっきりしてくるかもしれない。

「なるほど、ドイツの魔術結社ですか。
 凄そうです……!」

小説とか読んで覚えてきた事を思い返し――
ぽんと手をうち頷く。

「いえいえ、憧れる人がいるっていいなぁって思っただけですよ。
 日本のは一個だけってどんな本を?」

なんて小首をかしげて聞くだろう。
で、隅におけないなんていわれると、
顔を赤くしながらも平静を保ち――

「ただ、
 その人とどうこうっていうとイメージがもてないんですよね。
 恋未満、なんだと思います。
 まだ、憧れの範疇だと思いますよ。」

と、自分を言い聞かせるようにいうだろう。

「それと、正直な話男の人に免疫がないので、
 誰、といわれても特定も難しいです……!」

――まぁ、もし、もう少し踏み込んだ男性なり、
恋愛的な意味で踏み込んだ女性がいたならば、
きっとその名前を出すだろうが まだピースが足りない。

「それにしてもやっぱり難しいですね。
 複数が集まって一つの悪魔をなしている、
 メリットデメリットもひょっとしたら、
 呼び方一つで変わってきそうですよね。」

なんていいつつ、
手元にあった悪魔との契約と書かれた魔術本をそっと差し出し、

「確か之に悪魔契約の過去の実例が書いてあったと思いますので、
 参考にされてはどうでしょう?」

と笑顔で提案するだろうか。

アリエンティア > ――わ、やっぱり美人さん……でもあれ? さっきよりもはっきりしているような?

じぃっと不思議そうに見つめる。
やっぱ綺麗は綺麗だが
ぼんやりとした感じからくっきりした感じ。
とても鮮やかな華が咲いている園で。
ひとつ、ひっそりと自己主張をしないように
まぎれたように咲いた小さな花のような――
うまく胸中で言葉にできない
だが確かに魅かれる女性であるのは確かだった。

「まぁ、そんな感じです……といっても全容は
あたし如きじゃ知ることもできませんが……」

頬を掻きながら

「タイトルは、覚えてませんが変な日本語が
英語だと……I Love Youって訳されている奴、です」

なんだっけ。そこだけは印象的だったが覚えている。

「――でも、そんな素敵な表情をさせるくらいだから
きっと、すごい人なんですね。免疫がないのに
仲良くできるくらいですし」

推測をしつつ、いいなぁっと声を漏らす。
自分に縁ある男と言えば、むかつくアイツくらいだ。

「そーなんですよ! だからすごく、大変で――」

っといったあたりで口をふさぐ。
声が大きくなっていたからだ。

「あ、ありがたくお借りします……」

しゅんとして、その本を受け取った

四十万 静歌 > そんな事を知る由も無く、にっこり笑って

「そんな事無いですよ、
 まだまだこれから。
 きっといつか手を伸ばせば届くと信じて――
 伸ばし続ければいつか届くかもしれない、
 信じなければ届かないともいいますし。
 如きなんていう必要はないですよ。
 そんなにも頑張っているんですから。」

きっと、ね。なんて。
小首をかしげて、傾げた首に平行に右手の人さし指をピンと伸ばす

「あー、日本語は同じ表現でも色々ありますからね。
 I LOVE YOUを我君ヲ愛スと訳したら、
 そういう時は月が綺麗ですねというものだとか、
 ツルゲーネフの片恋でI LOVE YOUを、
 死んでもいいわと訳したり。
 詩的表現っていうんでしたっけ。」

なんていいつつ、英訳のほうは基本よまないので、
結局タイトルは分からないので豆知識をひろうするのである。
誤魔化しているともいう

「まぁ、確かに皆素敵ですね。
 私にはもったいないくらいに。
 からかわれたりしますけど優しくて……
 皆自慢の人たちですよ」

と誇らしげに胸をはって答え、
大きくなってしゅんとする様子に大丈夫ですよというかのように穏やかに。

「難しい試験の時は私も叫びたくなりますね。
 だから気にしないでもいいと思いますよ。
 まぁ、メリットもデメリットも必ず悪魔と繋がっていると考えると、
 少しは楽になるかもしれませんよ?」

なんてちょっとした提案をしてみる。

アリエンティア > 「……フラウ・シジマって、すごく綺麗で、こっそり隠した
 なんていうか、ちっちゃな宝石って感じでずるいですね?」

わけも分からず首をかしげて、指を唇にあてる。
うん。密かにそっと、爪を隠してる感じ。
こう、女としてそれってすごいんじゃないだろうか。
きっと、こう男の人は、自分だけは知ってるみたいで
こう……魅了されるんだと思う。
うん、すごく大人な女性だと、認識を変える。

「そうですかね? まぁ、あたしはこのままでもいいんですよ
すごくなくてもいいんですよ。負けない、その一点があればそれで
報われなくてもいいです、あたしは」

室内だというのに、さぁっと風が舞った気がした。
なぜだか、すごく。その姿ははかなく見えるかもしれない
なびく、黒と白の髪―いと―

「あ、それ! それです。月は綺麗ですね!
 タイトル、なんでしたっけ?」

でもそれは一瞬で。
すぐに快活な笑顔になった。

「そういうもんですかね。ま、契約はもうしないですし
できないから、理論だけちゃんとしてればいいんですけど
机上の空論ってやつです」

四十万 静歌 > 「そんなにたいしたものではありませんよ。
 宝石箱の片隅の宝石みたいな感じはいいえて妙かもしれませんけど。」

どこにでもいる普通の顔だと笑う。
でも、爪を隠しているのは確かにその通りだと。
その爪が何を指しているかまでは知る由もないだろうが。

「まぁ、報われなくてもいい、負けなければいい、
 ですが、でも――ですね?」

儚い、あまりにも儚い様子に――
いわずにはいられない、
いわずにおけようか。

「――私は、
 それでも貴女に報われて欲しいと願わずにはいられないのです――」

と真剣な眼差しで告げるだろう。
同じくこちらも一瞬でにっこり微笑みなおし、

「あれのタイトルは――
 なんでしたっけね。」

確か作られた話であるともいわれているが――

「ひょっとしたら夏目漱石の自伝か何かだったのかもしれませんね。」

なんて答え、

「まぁ、私も基本的な魔術は一切使えませんしね。
 理論だけちゃんとしてればって気持ちは分かりますよ。」

と同意するだろう。

アリエンティア > 「……そういうものです?」

ううんっと唸って。
タイピング。かたかたと、音が鳴る。
合間合間に打っていたが、そろそろ目標に届きそうだった。

「――…………」

呆然。そんなこと言われると思ってなかったし
手品師だと称した彼女は実は演劇団のものなのかななんて
ずれた感想も抱いた――

「あはは、光栄です。フラウ。でもその言葉は
 好きな人や恋に落ちた方に言うと効果てきめんですよ」

なんとか平静を保って言うけど、だめだった
胸元を抑える。両手で。どきどきする。
恋とはまた違う。これはそう
うれしいと恥ずかしいが混ざった
なんだかくすぐったいそれだ。
どうしようもなく、顔をほてらせるから……

「……シジマさんも知らないんじゃないですかぁ」

ちょっと、泣きそうな声で抗議しつつ。

「そ、そんな感じですってわああああ……」

タイピングをすごく間違ってることに気付き。
あとで修正しまくりな現実にうなだれた

四十万 静歌 > 「そういうものですよ。」

と笑って答えた後、てき面の言葉に、
不思議そうに小首をかしげる

「?
 そんなに私は変な事をいったつもりはないですよ。
 本心です。
 いや、好きな人や恋に落ちた方にいえといわれても――
 あの言葉はアリエンティアさん相手だから出た言葉ですし。」

と心の底から他の誰かになんて難しいですね。
とふわりと笑って答え、
泣きそうな声での抗議に、

「ごめんなさいね。
 あれは何か原典がないという話もあるものですから。
 と、何かミスしました?
 ――あ、私と話してたせいかもしれませんし、
 お手伝いしますよ。」

なんて笑っていって、
慌てた様子に修正の手伝いをして時間が過ぎ行くだろうか――

アリエンティア > 「あぁぁ、いえ、大丈夫……Ganz recht《だいじょうぶだからこっちこないでぇ》!!」

今近くに来られたら大変だ。
多分声も出せなくなっちゃうし、きっと何もできなくなる。だから落ち着くまで待っててもらって、修正を手伝ってもらって――

「今日はありがとうございました。いい時間だから、帰ります」

ようやっと、満足に言葉を交わせるようになったのは、それからだいぶ後で……

「あぁ……それと、ご友人にもったいないってことはないと思います
貴女だからこそ、できた友人なのですし――
それはつまりそれだけシジマさんが素敵ってことですよ
だからきっと、小さくても……立派なダイヤ、そう感じました。
Danke,ではまた」

そうとだけ告げて図書館を後にする。
いい逃げという、らしい。
アニメで見たこの方法が
すごくどきどきさせられた女性への
精一杯の反撃だった

四十万 静歌 > よらないでーみたいな反応をされて首を傾げつつも、
修正を手伝い

「ええ、お疲れ様でした。
 こちらこそありがとうございます」

やっぱりふんわりと笑って――
精一杯の反撃に、

「――さようなら、それでは、また。
 ……上手くいえませんが、
 その、そんな風にいってくださり、ありがとうございます。」

少し頬を赤くして頭を下げて見送り、
きっとこれが同じくらい以上の女性や、
男性からだったら間違いなく悶死していただろう。
少女を見送った後、
本を片付けて帰るだろう。

ご案内:「図書館」から四十万 静歌さんが去りました。
ご案内:「図書館」からアリエンティアさんが去りました。