2015/08/07 のログ
ダナエ > 「話の中のよう──」と、館内の本を見渡し。

「まったく、その通りだな。とても現実とは思えん。

 色々な話の世界の主人公達がこの島に集って、
 今新しい一冊の物語が進んでいる、
 と考えると、何だか愉快だな。
 差し詰め私は姫を守る御伽話の護衛で、
 シジマは……姫君かもしれん」

ふとそんな想像を巡らせ、目の前の優しい少女を楽しげに見つめる。
少女の物語とはどんな話だろう、とも想像しながら。

恐縮と聞けば微笑んで。
「シジマは謙虚だな。
 謙虚な人間は伸びしろが多い」


「……礼を言うのはこちらの方だ」
お辞儀には、思わずこちらもお辞儀で返し。
少女の言葉や所作に癒されている。

四十万 静歌 > 「私が姫君だとしたら、
 ちょっと気品にかけますけどね。」

なんてクスっと笑ってから、

「でも、ダナエさんが護衛なら、
 きっと頼もしいのでしょうね。
 どんな人が現れても、
 それこそ命掛けで護ってくれそうな気がしますもの。
 きっと、お姫様は幸せだと思います。」

なんていって両手をあわせてにっこり笑って、
ね?とでもいうように首を傾ける。

「まぁ、謙虚というよりは臆病なのかもしれませんけど……
 そうですね。少しずつ伸びていけたらいいなぁ。」

なんて、両手を後ろで組んで上体を傾けえへへと笑い、
そして――

「ふふ、本当にありがとうございます。
 これからもよろしくお願いしますね。
 素敵な騎士様――」

なんて、返されたお辞儀にちょっと芝居がかった様子でいうだろう。

ダナエ > 「そうか? 十分気品は有ると──」
言いかけて、相手の続く言葉にうぐっ、と言葉に詰まり手にしていた『かいてみよう よんでみよう』を落としてしまう。
本を拾いながら、感激を抑え込むように一言一言考えてのゆったりした口調で。
「そ、れ、は……恐らく、騎士に与えられる、最上の賛辞。
 勿体ない、御言葉…………」
呻く。

両手を合わせて微笑む花のような仕草に、
「その仕草、やはり姫君のようだな……」と声が漏れる。

「臆病な騎士が勇気を身に付ける方より、
 無謀な騎士が慎重さを身に付ける方が難しいのだそうだぞ。
 臆病者はきっと成長できる。未来は明るいな」

言わないが実は自分も臆病なので、相手の言葉に共感しながら。

「感謝は私の方こそ、貴女に捧げたく存じます。
 まだまだ修行の足りぬ身ですが、
 姫君の危機には何処からでも馳せ参じましょうぞ」
腕を前に出し、うやうやしく芝居を合わせて。

四十万 静歌 > 「極平凡な女の子なので、
 残念ながら、気品を得るには、
 もっと勉強しないといけません。」

なんてクスリと笑って、

「まぁ、私にとってダナエさんは、
 最高の賛辞を送られてもいいくらい良い人ですので。」

とうめく様子に優しく微笑みながらも、
ほんとですよ、と真っ直ぐ目の辺りを真剣な眼差しでみるだろう。
まぁ、その後の姫君のようの言葉で、
真っ赤になってもじもじするわけだが。

「まぁ、いざという時に動けるようにはなりたいですね。」

臆病だからこそ、
肝心な時くらいは格好がつけたいのである。

「――楽しみにしています、
 貴女ならば幾千幾万の果て無き距離があろうとも、
 どんなに時間がかかっても駆けつけてくれるでしょう。
 それは、どんな剛勇、どんな英知をもったものよりも、
 頼もしく素晴らしい事なのでしょう――」

そっと手を取って芝居を続け、
そして――

「ダナエさんなら本当に果たせそうなので――
 尊敬してしまいます、本当に」

などと、静かに微笑むだろう。

ダナエ > 「気品、は」
口端を釣り上げる。
「精神の産物。
 わざわざ学ばずとも、
 貴女がこのまま優しく気高い生き方をしていれば
 自然と滲み出て来るでしょう」
真っ直ぐな目に、こちらも負けじと同じ目を返す。

果て無き距離、果て無き時間。
海底から陸に上がる間での長旅を思い出し、
「…………勿体ないお言葉」
己の苦労を労ってくれる言葉のように感じられ、じんわりする。


「……さて姫君。
 この本を貸して頂ける場所はどちらでしょうか?」

騎士モードになったのが久しぶり過ぎて照れくさい。
冗談めかすような口調で、手に取ったひらがな教本を指し示す。

四十万 静歌 > 目を返されると、頬を紅くそめて

「もう、気高くなんてないですけど、
 少なくとも、今の気持ちが持てるようにがんばりますよ。」

お互い頑張りましょうねというように、上目遣いに、
頬を染めたまま微笑むだろう。

そして――

短くも長い芝居の後、
言葉を静かに受け取り、
記憶に刻んで、

「本はこちらで借りれますよ。」

と本を借りるカウンターまでゆっくりと案内するのである。
案内する道すがら――

「――あ、そうでした。
 文字が早く習熟できますよう――」

おまじないですよ、と、少し祈りをささげるだろうか。

ご案内:「図書館」にダナエさんが現れました。
ご案内:「図書館」にダナエさんが現れました。
ダナエ > ふと、母国の姫君を思い出し。
どうしているだろうかと少し胸が痛む。

頬を染めて微笑む少女に、こちらも微笑みを返す。
──今日は何だか微笑みっぱなしだ、と嬉しくも面映ゆい。
そして心優しく愛らしい姫君と騎士の高貴な?雰囲気を、

──ゴッ、ゴス ゴッ、ゴス ゴッ、ゴス……

台無しにしてしまうこの足音。
騎士は申し訳なく思う。
カウンターの司書に本を差し出し、手続きを終えて。

掛けられたまじないを、胸に手を当てて神妙に頭を垂れて受ける。
「……勉強がはかどりそうだ」
まじないの効果というよりは、
少女の思いに応えたいという気持ちで頑張れるだろう。

「今日の諸々……心から、感謝する。
 次にシジマに会う時には、
 一歩でも二歩でもヤムァナカ殿に近付いていたいものだ」
騎士の一礼。

「シジマに──本の宮殿の姫君に、
 神の御加護のあらんことを」

こちらもお返しにと、少女に祖国の祈りを捧げる。

四十万 静歌 > ――だが、そんな足音も慣れると、
割と心地よいとはいかずとも、
趣あるものとして楽しみながら、
無事に借りれた様子に、一安心。
勉強がはかどれるという言葉に、
良かったと心のそこから――

「ふふ、良かったです。
 やっぱり、何事も上手くいきそうって感じるのが大切ですもの。」

笑顔を浮かべ、一礼に、

「どういたしまして、当然のことをしたまでです、
 きっと、すぐに追いつくどころか追い越してしまうかもしれませんよ?」

なんて一礼に少し恐縮して、だから大丈夫ですよ、ね?
というように少し小首をかしげた。
それにしても

「――」

本の宮殿の姫君なんていわれると、真っ赤になるが、
いや、だってそんなたいしたものでもないですし、
さておき。
だが、照れる以上に、

「それが、ダナエさんの世界の祈り、なんですね。」

なんて見れたことに感激して、
ありがとうございます、とぺこりと頭を下げるだろう。

ダナエ > 足音に対してさえどこまでも優しい少女の心を知れば、
今日何度目かの感謝を思うのだろう。

「その通りだ。
 困難な時こそ、良い予感は大切にしなければ」

頷く。

「そうだ。
 私の世界の神はこの世界では無力かもしれないが……」

それでも、祈らずにはいられない。
礼には再び礼を返し。
まず「しじま」の字を練習することにする、などと告げながら。
あの足音を踏み鳴らし、図書館を後にするのだろう──

ご案内:「図書館」からダナエさんが去りました。
四十万 静歌 > 「――ダナエさんの行く道に、幸あらん事を。」

そう願わずにはいられないと、再び祈りをささげ――

「さて、と。」

私も本を借りて今日は帰るとしよう。
借りる本だけ選別して、
残りの本を本棚へと返す。

そして、借りる手続きをすませ――

四十万 静歌 > ――そして、静かに図書館を後にするだろう――
ご案内:「図書館」から四十万 静歌さんが去りました。
ご案内:「禁書庫」にレイチェルさんが現れました。
レイチェル > レイチェルが足を踏み入れたのは禁書庫であった。
風紀委員であることを証明し書類にサインをして、ようやく禁書庫へと足を踏み入れることができた。
怪異が発生する、ということは聞いている。故に、いつでも対処出来るだけの装備はクロークの中に
しまってある。
何故ここにレイチェルが足を踏み入れたかと言えば、捜査の為である。
白崎については、今五代先輩が調査をしている筈だ。
ならば、レイチェルはもう片方、直接対峙したもう一人の存在のことについて調べなければならない。

黴臭い書庫の中には似合わない、艶やかな金髪を揺らしながらレイチェルは本棚の間を行ったり来たりする。

「魔術書……の類をまずは漁ってみるか」

魔術書が並べられている棚だけでも、かなりの数があった。
腰に手をやって、ふむ、と頷くレイチェル。

擦り切れて、タイトルの分からなくなったような本も数多い。
大体の目星をつけたら、後は一冊一冊手にとって調べるのみである。

レイチェル > 足を止めて魔術書、魔導書の類を片っ端から小脇に抱える。
途中、何度かしゅるり、と触手が頁の隙間から這い出したのを目撃した。
ぬめついた、暗褐色のそれは何かを求めるように右へ左へ、表紙を撫でるように
蠢いている。

「さっすが禁書庫……入るのは初めてだが、相当やばいもん取り扱ってんな」
レイチェルが触手の這い出た本の背表紙をぴん、と指で弾いて、何事か唱えれば、触手はその動きを止め、
再び頁の隙間に入り込んでいく。躊躇なくそれも小脇に抱えながら、レイチェルが目指すは
テーブルである。

書庫は数多くの本棚と共に、古びた木の机と椅子が設置してある。書庫内で本を読めるように
配慮して設置したものであろうが、このような所で本を読む人間などそう多くは無いのか、埃
をかぶっていた。更には、粘液のようなものが幾つか並ぶ机の一つ、その裏側から滴って床を濡らしているではないか。

「……最悪だな」
彼女は綺麗好きである。そもそもこんな所に入るのも少々気が引けていたのだが。
一番状態のよい机を選んで、ふぅっと息を吹いて埃を払うと、
小脇に抱えた魔導書を、どん、と机の脇に置き、黒ずんだ椅子を引いた。

座れば、ぎぃ、と。
椅子は今にも壊れそうな悲鳴をあげた。

レイチェル > 「ま、捜査の為なら仕方ねーか」
やれやれ、と肩を竦めながらレイチェルは本の頁を捲っていく。
聞いた限りはスケルトン、ゴーレム、騎士にネクロマンサー、更には黒龍まで
召喚してみせたというではないか。そしてレイチェルが実際に受けた、拘束魔術の
行使も確認されている。

「魔術の勉強だけは好きじゃねーんだけどな……ま、本の上で読んでるだけならいいが」
クロークから手帳とペンを取り出すと、本の頁と睨み合いながら、その内容をピックアップし、
メモしていく。
純粋に学問として学ぶならよい。とても興味深いことばかりであるし、自分の身を守るのにも役立つ。
しかしながら、彼女は魔術の才能に恵まれているとはお世辞にも言えない。
機械化された彼女の身体と、通常の魔術は相性が良くないのである。


時折背後から、獲物の様子を窺うような、獣とも人間ともとれない唸り声が聞こえて来る。
それを無視しながら、レイチェルは調べを進めていく。
幼い頃から魔狩人をしてきたのだ。この程度で怖気づくような彼女ではない。
それでも、長居はしない方が賢明である。そのことは彼女も分かっていた。
捜査はのんびりとやっていられない。十分であっても十ニ分な準備をしてきた訳ではないのだ。

次の本。また、次の本。
メモ帳にペンを走らせながら。
右の山から左の小山へ、次々と本を積み上げていく。

ご案内:「禁書庫」に美東暦さんが現れました。
美東暦 > [1d100→98=98]
美東暦 > しばらくしてレイチェルの背後から聞こえてくる唸り声に調子の違うものが混じる。
それが唸り声ではなくて鼻歌だとわかるのにそう時間は必要ないだろう。
先に入っていたのか。
後から来たのか。
高くも低くもない鼻歌が蠢く暗がりの音を左右に割っていった。

旧い歌を口ずさみながらやってきた人影はTシャツにマキシスカートを引きずりそうにしている。
レイチェルを見つけるとかけていたメガネを指で直した。
手に本は一冊だけ。
「おー、他に客がいたのか」

レイチェル > ぱたん、と。
小脇に抱えて運んできたその書物の頁を閉じれば、左の山へ積み重ねた。

そうして、背後から聞こえて来る声に振り向く。
背もたれに腕をかけ、半身だけ向けた形だ。

「なに、ちょっとした仕事でな」
そう口にする彼女の腕には風紀委員の腕章が見えることだろう。

美東暦 > 「ああ~~~、お疲れ様ぁ~~ってヤツだな~~
最近なんか色々と騒がしいし、コワイもんな。 頼りにしてるよ風紀委員さん」
腕章を認めてそう声をかける。

書棚の間を進み、踵を上げた。
半ば振り返ったレイチェルの向こう、机に積まれた本を覗きこむようにする。
「何、何、読書家なんだなアンタ。 仕事って何か探しもの?」
眼鏡の向こうの瞳には興味の二文字がわかりやすいほど浮かんでいた。
これと決めた本でなく大量、ならば目星がついていないのかと考える。

レイチェル > 「気遣いには感謝するが、別にこのくらいじゃ疲れねーから大丈夫だ」
そう言って、肩を竦めた。
まぁ、少しばかり休憩ついでに話してみるのもありかもしれない、と。
そう思い立ったレイチェルは椅子の向きを変えて、禁書庫に居た別の人物を
見やる。

「まぁ、召喚術の類なんかをちょっとな。読書家?
 まぁ本を読むのは嫌いじゃない。自分の知らない色んなことを
 知るのはいつだって面白いからな。読書は手段の一つだ」
別に詳しい所まで述べる必要はあるまい、と。
レイチェルは目を閉じてそう口にするのみであった。

美東暦 > 完全に向き直ったレイチェルに、向こうを覗きこむようにしていたのを止めた。
一冊を小脇に抱えたまま踵をつけ普通に立つと、やや見下ろすようにレイチェルと視線を合わせる。

「召喚術?」
レイチェルの眼……眼帯を見ながら首を傾げた。

「そういうの、得意なんじゃーねーのか? 風紀委員サン。
ああ、それとも――――」
笑うでも無表情でもない半端な顔で頷いて
「指輪と鍵持つ王のように、神性を呼ぶような、それとか?」

そして最後に「勉強家って言う方かー」と付け足した。

レイチェル > 「さて、な。神性を呼び出すようなものではないと思うが、分かんねー」
眼帯を見られていることに気が付くが、特にそこに対して反応することはないだろう。
ただ、いつも通り胸の下で腕を組んでその言葉に答えるだけだ。

「それから。別に得意って訳じゃねーよ。 呼び出されたものをぶちのめすのは
 専門だがな」
そう言って、ふっと自嘲するように笑った。
それから対面する人物の顔を見やり、問うた。

「お前は? 禁書庫なんかに何の用だ?」

美東暦 > 「へぇー、そうなのか。 物を取り出すって聞いてたけど。
又聞きはあてになんないなー」
風紀委員のレイチェル。眼帯の女生徒。
そういう話は聞いていたのだろう。
「バレットタイムだかコーラーオブブラックだか」ぶつぶつと呟いてから、肩をすくめる。

そしてレイチェルに問い返されれば
「何っていうわけじゃねーんだけどねー。 前は色々目的もあったけど
今は、そうだなー、オレが今言ったようなのをちょっと。
ここではないどこかから、ここにないものを呼ぶような。
異界の存在を呼び出すための数式についての論文、なんつーのもここにはあるしな」
そう言ってへらへらと笑った。「難しすぎてわかんねーけど」と。

レイチェル > 「あぁ? あぁ……こいつのことか。こいつは呼び出すっていうより、ただの格納庫みたいなもんだ。
 繋がってる先は異次元だけどな。ここから色んな物取り出すとこを見た奴が勝手にそんな呼び名を
 つけたんだろうよ」
そう言って、身につけているクロークをふぁさり、と翻して見せた。

「勉強熱心だな。その様子じゃオレのことは知ってるらしい。お前の名前は?」
禁書庫に入り、異界の存在を呼び出す論文を探している生徒。
そう警戒する必要はないかもしれないが、万が一ということもある。
一応名前を聞いておくべきだと判断し、レイチェルは名を問うた。
職業柄、思考のプロセスから質問まで、一連の癖のようなものである。

美東暦 > 「あ、おおーそれそれ。 へぇー、いいじゃーん、便利そうーオレも欲しい~~」
コートを翻すレイチェルに唇を尖らせて羨む。
勉強熱心と言われればゆるく首を振って苦笑した。

「出来はよくねーよー。 まーおかげ様で四年生にはなれてるけどな。
名前はミアズマだ。 えーIDカード出す? 出す?」
風紀委員に聴取されている。
そういうわけではないのを理解しつつ、このやりとりを愉しむように自分から話し出す。

「えーっと四年目でーIDが435-10-500-の……
あ、部活はどれがいいかなー全部言うと結構多いんだよな。
えっと美術部と映画部と、アーチェリーと、えーなんだっけ、ああ茶道部ね? あと電脳会話部と……何かあったかなーぁ」

レイチェル > 「大事な人からの貰い物でな、悪ぃが、くれてやる訳にはいかねーな。他を当たりな」
唇を尖らせる様子を見て、子供みたいな奴だな、などと心の内で思いつつ、
彼女は頬杖をついた。

「分かった分かった、もういい。十分だ」
IDカードの確認だけで事足りる。
これだけの情報が提示されれば、レイチェルから言うことは何も無い。
溜息をつきながら、レイチェルは手をひらひらとさせた。

「さて、オレはちょいと別の場所を当たることにするぜ。
 そっちの探しもの、見つかるといいな」
机の脇に置いた本の山を持ち上げると、そのまま返却スペースへと置いておく。

美東暦 > 「ちぇっ、そうか、カツ丼とか出してくれてもよかったのにな」
口元を緩めたままそう言う。

「だーからー、オレは特別今これってもの調べてるわけじゃあねーって。
そっちこそ、なんならどんなもの探してるのか言ってくれりゃ、手伝えるぞー。
さすがにここの本全部なんて知らねーけど、多少なら見覚えもあるかもだしなー」
一応は机にかかえてきた本を置きつつ声をかけた。
レイチェルが積んだ本やここの数多ある禁書と同じく古めかしい装丁が音をたてる。

レイチェル > 「ん、神性を呼び出すような論文探してんじゃねーのかよ。それとも十分なものがもう見つかったか?
 読めないからって諦めちゃここに来た意味ねーだろ」
小首を傾げながらそう聞いた後。

「どんなもの、って言ってもなかなか難しいんだよな。……じゃあ例えば、数万本の黒い糸みたいなの
 を操る魔術とか? 知ってるか?」
と、駄目元で聞いてみるのであった。

美東暦 > 「まーそっちほど気合入れてねーってだけさ。 一応これもそうだし。
それでも結構馴染みがあるから、まあ、しっかり許可とれば入れるわけだしな。
ははは、そりゃそうだ」
意味がないと言われて笑い飛ばす。

「またえらく具体的な話になったなー!?
どうだろー…糸ねー、蜘蛛関係とか?
『全ての蜘蛛を支配する者』から力を借りるヤツがいたって聞いたことがあるな。
その魔術がどうっていうか、さっき召喚術って言ってなかったか? そういうのって力の元があるわけじゃーん。
対処したいことがあるなら、そういうところからじゃねーのかな」
やや離れた席を引いて腰掛けながら、
「ま、マレビトってことになると色々話は変わってくるか。
風紀委員サンも、ここ出身か?」