2016/05/08 のログ
ご案内:「図書館」に悠樹臨助さんが現れました。
ご案内:「図書館」に留以さんが現れました。
■留以 > ぱら、と本をめくる。
窓際の席に座り、日光で本を照らしながら読んでいる。
図書館は当たり前のように静かで、落ち着いた雰囲気が漂っている。
■悠樹臨助 > ルーチンワークとは自由の中から消去法で選ばされる責務なのだ。
責務と言うのは大概楽しくない。自分は楽しいという感覚が生じなくなって久しいのだが。
楽しくないが、かといって不快である道理などないし無意味である必要はない。むしろルーチンワークとはただ類似した必要な事をただ取り敢えずはこなすだけの事なのだから、意味はあるのだ。
あるのだが…しかし。
「今日でもう何日と通い詰めてるが、魔術は一向に使えない。相変わらず感情に起伏はない。後者はともかく前者はまずいな…」
結果の出ない行為に意味はあったのか、結果のもたらしたものが何も見えないと、さっさと見切りをつけて別の事に取り組んだほうが効率的に思えてくる。
困った事に他にやりたい事など何もないのだが。だからルーチンワークなのだ。
「まるで生きるだけで浪費してるようだ。これは早々と死んだ方がいいかもしれない」
別に鬱になってるわけでも卑屈になってるわけでもなく、無駄をなくす事だけを鑑みた独り言を漏らした。
■留以 > その独り言に気付いたように、顔を上げて男性の顔を見る。
わりと普通の、世間でいうところのイケメンなのかもしれないが、男子生徒がなにか呟いていた。
本に集中していたために、ほとんど聞き逃していたが、魔術とか、死ぬ、みたいな言葉が聞こえた気がする。
失礼なのは承知だが、ちょっとの間、彼をみつめる。
どちらかというと、大丈夫だろうか、という視線をこめて。
■悠樹臨助 > 「ん?」
少し長く、視線を向けられているような感じがして顔を上げ、その目の主を見つける。気がつけば近くで、いかにも大和撫子といった女が本を読んでいた
なんだ、俺の顔に何かついてるのか?
そう口から発する寸前に、なんとなく理由を察した。
さっきの独り言は、人に聞かせるには注意をひかせるものだった。そりゃそうだ、こんな隣で死ぬとか言ってるのだから。不安にもなる。
「………あー………なんだ、あんた、その……」
であれば、先ずは杞憂であると、なんだか心配そうな目を向けてるこの人に伝えねばなるまい。
「心配しなくていい。死ぬときは見つからないように死ぬ」
ルーチンワークで得たものがあるとすれば、「あ、たぶんこういうことじゃないな」と後から気づく程度の鈍い感性くらいのものかもしれない。
■留以 > 「え、と……」
違う、そうじゃない。
そんな言葉がでそうになったが、飲み込む。
その言葉では残念ながら心配は解消されなかった。
本を閉じ、男性をみて質問をする。
「なにかありました……?
私でよければ、ききますけれど……」
■悠樹臨助 > 案の定不安をさらに煽ってしまった。どうやらこの人、自分を心配してるらしい。
とりあえず誤解を解かねばならない。
「この先も大して実りのない人生だろうから早めに死んだ方が資源の節約になるんじゃないかと思ってな」
「ああ冗談だからな」
あぶない、言い切ったがまだギリギリで修正できるタイミングで気がついた。ナイスだ俺の感性。次はもうちょっと早く動こうな。
■留以 > どこまでが冗談だろうか。
困った顔でいて、どう返事をしようかと悩むが。
「えーと……一人が死んでも大して資源の節約にはならないので、あまり関係ないとおもいます……よ?」
斜め上な返答をしてしまう。
自分でもそうじゃないとはおもいつつ。
■悠樹臨助 > 「そうだな、むやみやたらに死ぬとか、無駄だから言ったらいけないな。」
とりあえずこれでなんとなく有耶無耶になっただろう。なった事にしてくれ。俺こういうの何もわかんないからな。
「ま、なんだ……ビビらせて悪かった。読書の邪魔もしたみたいだな」
ともあれ、心配をかけたのなら謝るべきだ。謝れば大概の事は丸く収まるしな。
■留以 > 「いえ、私もへんなことをいってしまってすみません」
ぺこ、と軽く頭を下げる。
とりあえず、あまり触れてもいい話題ではないと理解する。
「ここには、何か本を探しにきたのですか?」
と、当たり障りのないことをいってみよう。
■悠樹臨助 > 「まぁ、そんなとこだ…探すっていうには、目的の本があるわけじゃないのもあるけどな。」
図書館には主に魔術の自主学習と、鈍くなった感情の起伏を取り戻す為に本を読む為に来てる。後者に関しては自分としては大して重要な事とは思えないのだが、そうしろと言われたし逆らう理由もないので従っている。
■留以 > 「そうでしたか、ではこんな本はいかがでしょうか?
女の子が機械相手に恋をするお話なんですけど、最近私がはまっている本でして」
本をもって、彼に差し出してみる。
にこにこしながら、本を差し出している辺りわりと好きな本なのかもしれない。
■悠樹臨助 > 「ん、おお、どうも。」
差し出された本を受け取る。
「恋愛小説か。そういえば読んだ事ないな。」
いつもダイスを振って適当に本のナンバーを選出して読む本を決めてるのだが、ここまでずっと、何故か変身だとか胎児の夢だとか眼球譚だとかよくわからない本にばかり当たるのだ。ここにきてついにまともな本に巡り合えたと言えるかもしれない。
しかしずいぶんニコニコして勧めるんだな。ハマってるというし、女性らしくこういうのが好きなんだろう、きっと。
■留以 > 「人によるかもしれませんけど、恋愛小説は書き方のうまい作者さんにあたると面白いですよ。
その作者さんは舞台の構成力がすごいんです。
その小説の世界には女の子と、あと雑貨屋のお姉さんしかいなくて、女の子は毎日寝るか、趣味の工作をするだけだったんですけど。
ある日、変な機械を拾ってしまったために世界が大きく動き出しまして……」
表情がころころとかわり、本の魅力を語っていく。
優しく微笑んだかと思えば悲しそうな顔をしたり、登場人物に対し怒ったかと思えば共感するように楽しそうな笑みを浮かべたり。
とめなければ、そのまま本の魅力を語っていくだろう。
■悠樹臨助 > 適度に相槌を打ちながらその話を聞いていた。まるで本の中に入り込んで体験してきたとばかりに熱弁を振るう彼女を見るにつれ思う。
楽しいとは、嬉しいとは、価値を見出し思うとはこういう事だと。理屈じゃない。
「成る程な、あんたはこの本を読んで楽しかったんだな」
■留以 > 「ええ、すごく。
現実ではこういうことはありえないってわかりますけど、何度読んでもドキドキしました。
ですので、もしよろしければと読んでください。
興味がなければ、そのまま図書館に返して下さってよいので」
そこを悲しむことはない。
人には読んで合う文体と合わない文体があるから、無理に薦めることはできない。
だが、もし感想を聞くことが出来たら留以は喜ぶだろう。
■悠樹臨助 > 「…ああ、読むよ。」
目的の本がないのだ、突き返す理由なんかない。
それにだ。
「少なくともこれについて語ってるあんたは…見てると楽しい……気がした。
だから多分、俺も読めば楽しいんだろ、多分」
■留以 > 「ふふっ、楽しいと感じていただければ幸いです。
もしよかったら、こんど感想を聞かせてください。
面白かった、でも、つまらなかった、でもかまわないので」
そういいながら、自分が借りるつもりの本を束ねる。
恋愛の本もあれば、武術、古典、英語の本などいろいろあった。
■悠樹臨助 > 「そうだな、よくここに来るならそのうちまた会えると思うぜ。その時にでも言うよ」
抱えていた魔術の本の上に今しがた受け取った本を重ねる。
視界に貴女が抱える本が入った。
「あんたも勉強か?」
■留以 > 「はい、勉強と、あとは息抜き用に読んだ事のない本を少し。
久しぶりに義務教育レベルの勉強をすると全然できなくて、ちょっと恥ずかしいんですけれどね」
困ったような笑みをしながら、本を見せる。
一冊だけだが、それは中学生向けの英語の本だった。
■悠樹臨助 > 「へえ。まあ、使わないなら忘れちまうもんだろ」
その上取り戻す意欲があるなら、別に恥じる事でもないだろうに。
真面目な人なんだろう事が察せられる。
「武術の本もあるな。あんたもなんかやってるのか。」
■留以 > 「そうなんですけれどね。
この歳で、中学生レベルができないのはどうなのかしらとおもって」
頬を少しだけ染めて恥ずかしそうに笑い。
武術の本に触れられれば、ああ、といった風な顔で。
「いえ、これはちょっと参考程度に、とおもって。
あ、お察しの通り武術はやっているのですけれど、うちのは少し特殊で、人間を相手にするための武術じゃないので……」
ちら、と机にかけてある自分の大太刀をみる。
■悠樹臨助 > 「ふぅん。そんなもんか。」
まぁ、やる気出してるのを削ぐのも良くない。
これ以上否定的に何か言うのはやめよう。
「…あぁ、そうだ。変な心配させた分、良けりゃ英語くらいは教えるぜ。ここに来る前は海外にいたんだ。」
■留以 > 「え、いいんですか?
その、私、あまり頭がよくないので大変ですけれど……」
それは願ったり、といわんばかりに。
が、同時に不安そうな顔もする。
■悠樹臨助 > 「義務教育も自転車も変わんねえよ。総じて慣れだ。センスもあるけど慣れでカバーできる。大体、頭の良し悪しで使えなくなるような言語ならこんなに普及してねえだろ、多分。」
普及した理由については、まあ多分違う気もするが、出来ると思わねば大抵の事は出来ない。出来ぬよりできた方がいいだろう。
■留以 > 「そ、そうなのかしら」
なんだかすごい説得力があったように感じ、思わず納得してしまう。
確かにそんな気もする。
となれば、うん、と頷き。
「そ、それじゃあすみませんがしばらくよろしくお願いしますね、先生」
ぺこ、と頭を下げた。
■悠樹臨助 > 「あんたのが歳上だろう、ぺこぺこしなくていい。」
などと、歳上を敬わない不遜なタメ口で宣いつつ。
「で、義務教育程度まで修得出来ればいいのか?」
■留以 > 「え、ええ。
とりあえず義務教育までできれば……と」
ちょっと怒られ(たかもしれない)、しゅんとする。
が、ふと思い出したように
「あの、そういえば名前を聞いても……大丈夫かしら」
■悠樹臨助 > 「…ん、なんだ、しょげてるのか。俺、何か言ったか?」
自覚はないしそのつもりもないけど、まぁ何か言ったんだろう。
「なんかわかんねえけど、まぁ、気にすんな。
…で、名前か。俺は悠樹臨助だ。」
■留以 > 「ん、大丈夫。大丈夫よ。
悠樹臨助くんね。
私は阿曇留以っていいます。
よろしくね」
多分、よくてまっすぐな子なんだろう。
今ようやく理解し、悪気がないとわかって頷く。
■悠樹臨助 > 「阿曇留以だな、了解した。義務教育程度なら覚える規則も少ない。さっさと済ませて年齢に見合った面目を取り戻そうぜ。応援する。」
よろしくの意味を込めて手を差し出す。
■留以 > 差し出された手をみて、柔らかく微笑んで手を握り返す。
「ええ、よろしくね。
ふふっ、すぐ覚えて見せるわ」
■悠樹臨助 > あ、そういえば挨拶での握手はにこやかにやるんだったか。
無表情のまま手を差し出してしくじったかと思っていたところに手が返されて、少しばかり安心した。
柔らかい手だ、と思った。
「じゃあ早速テキストを開いてくれ。まずはbe動詞から…」
ご案内:「図書館」に悠樹臨助さんが現れました。
ご案内:「図書館」に悠樹臨助さんが現れました。
ご案内:「図書館」に悠樹臨助さんが現れました。
ご案内:「図書館」に悠樹臨助さんが現れました。
ご案内:「図書館」に悠樹臨助さんが現れました。
■悠樹臨助 > (あれ、なんか何度も入室扱いになっとる)
ご案内:「図書館」に悠樹臨助さんが現れました。
■留以 > 握った手は普通の、いや、少し男性っぽさを感じる筋肉質の手だったか。
自分にはない堅さに、多少照れつつ。
素直にテキストを開き、be動詞について書かれたページを開く。
大学生ぐらいの年齢の女性が、自分より年下の子に中学英語を習う様は、滑稽だったかもしれない。
「えーと、たしかこういう構文で……」
ご案内:「図書館」から悠樹臨助さんが去りました。
ご案内:「図書館」から留以さんが去りました。
ご案内:「図書館」にフィアドラさんが現れました。
■フィアドラ > …先生は言いました。
分からないことがあればまず自分で調べる。それでも分からないなら人に聞く。
そして、分からないことは何でもこの図書館にくれば分かるのです。
「えーと、と、も、だ、ち、作り方…。」
入学したころには使い方が分からなかったこの機械も今ではこのとおり使いこなせます。
『検索結果457件』
「…凄いいっぱいある!」
そう!使いこなせているのです!
■フィアドラ > なんで、わたしが友達の作り方について調べているのか。
それは…四月に入ってから新しい友達が一切増えていないからなのです!
三月までの仮クラスから出て始まった新しい生活。
先生はきっと新しいクラスになれば友達もたくさんできると言っていたのです!
そう、今私に新しい友達ができないのはきっと今のやり方が間違っているから!
足し算から掛け算に変わったようにきっと友達の作り方にも新しいやり方があるのでしょう。
「とりあえずこれにしよう…。」
私が初めに手に取った本は『読んですぐ友達が出来る!?実践友達の作り方!』というタイトルでした。
■フィアドラ > 席に座りページを捲ります。
一番初めのページにはこんなことが書かれていました。
『これを読んでいるあなたはきっと友達を作りたい!と強く思っている人でしょう!でも、大丈夫…』
「…当たってる!」
思わず声をあげてしまいます。
どうして私が友達を作りたいと思ってる事を当てることができたのでしょう?
少し不安になりながら、でもかなりの期待を持ちながら次のページを捲ります。
■フィアドラ > 次のページを捲ると更に驚くべき言葉が書かれていました。
『…この本を読むとすぐに友達が!…出来る訳ありません!友達というのは一朝一夕でできるようなものではない。これを念頭に…』
「えっ!?」
衝撃の展開です。初めてハヤシライスを食べたときと同じくらいの騙された感です。
確かに、私もすぐに友達が出来るとは期待はあんまりしてなったですけど!
してなかったですけど!タイトルをもう一回見直してみます。
『読んですぐ友達が出来る!?実践友達の作り方!』
納得いきません…。
■フィアドラ > この本は嘘つきです。次の本を読むために本棚にこの本を戻そうとしました。
一つ取って一つ戻す。初めて図書館を使った時にあの背の高い先生に言われたことです。
そういえば、黒い髪のあの獣人の先生は言ってました。
『良いことも、悲しいことも何でも言い合えるようになったら友達だ。』って
そう考えると、この本も初めのタイトル以外は嘘じゃないのかも…。
「うーん。」
本を元に戻す手を止めて考えます。
■フィアドラ > 結局…。
「すいませんトショイインさん。この本を借りたいのですが…。」
この本が正しいかどうか。それは全部見てから考えます!
私は期待と不安を持ったまま家に帰るのでした。
ご案内:「図書館」からフィアドラさんが去りました。