2017/05/15 のログ
ご案内:「図書館」に藤巳 陽菜さんが現れました。
■藤巳 陽菜 > 陽菜が座る机に積まれた何冊もの本。
来たばかりの頃は異能についてばかりだったのに今は様々な種類の本が並べられていた。
異能について、魔術について
ラミア種の身体について、蛇の生態について
料理について、常世島買い物マップ。
以前は体の制御なんてできなくてもいいと思っていた。
すぐに元に戻れるからと蛇の身体での苦労なんてすぐに終わるからと…
でも、一月経っても元に戻る方法は見つからない。
全く前に進んでいるような感じがしない。
…元に戻る事を諦めた訳じゃない。
ただ、時間が掛かりそうだと思ったから。
それなら少しでも、過ごしやすい方が良いと思ったから。
誰に責められた訳でもないのにそんな言い訳が頭に浮かぶ。
「身体の形を変える魔術ってどこに属しているのかしら…。」
目下の興味は魔術について。
本当は授業を受けるべきなのだろうけど必要としている魔術がどこに属するものか
それくらいは先に勉強しておくべきだと考えていた。
ご案内:「図書館」にミザリーさんが現れました。
■藤巳 陽菜 > とある本の記述によれば姿を変える魔術は古来より存在していたらしい。
魔法薬によるもの、呪文によるもの、超常の存在の力によるもの
多種多様様々な種類が存在しているらしい。
『中でも陽菜が求めているような魔術。つまり、人外の部分を人に変える変身魔術は
亜人種の数が圧倒的に増大した大変容後の現代では非常にオーソドックスなものである。
人に混ざって生活する、或いは人を餌食とする亜人種にとってはなくてはならないもので
認識を阻害するもの、映像を被せて隠すもの、身体を変質させるもの、ガワを被るものなど方法は多岐に渡る。』
「で、結局どこで学べるものなのよ…。」
『…これらの魔術を学ぶであれば魔法薬学、黒魔術、幻想魔術、呪術などを教える教師に師事するのが一般的であるが
異邦人街などでも詳しい者はいる為そちらに頼るのもよいだろう。』
さっきの声を聞いていたかのように文字が現れた。
ひょっとしてこれも魔導書とかいうものだろうか?
■ミザリー > 「・・・Zzz・・・んふふ、クレープ・・・。」
三角帽子をアイマスクに、図書室の受付裏手で椅子を並べてベット代わりにしコッソリと居眠りをするサボり教師。
今日は幸い図書委員がいないようだ。
その姿に教師らしい威厳はなく幸せそうな寝言を呟く。
ごろん、と寝返りをうとうと体を回したとき狭い椅子から体は地面へ転げ落ち、(ガタンガタン!)と大きな音を立てた。
「いっ・・・!何!?っは、サボってない!本の整理でもしようかなーって・・・、あれ?」
慌てて言い訳を並べてから冷静になって受け付け裏の部屋を見回す。
誰もいないことに気がつくとホッと一安心してため息をつく。
「はぁぁ・・・、なんだ、よかった、誰もいなくって、私が落ちただけか。
学年もってなくてもサボると怒られるしぃ・・・なかなかいい隠れ場所ないのよねぇ、この学校。」
ぶつぶついいながら乱れた椅子を机へと戻るよう、
手を使うことなく持ち前の杖で椅子を指すと一人でに椅子は机へと入りきれいに立ち並んだ。
地面に落ちた帽子を同じように杖で指しゆっくり私の頭へと乗せ深く被った。
■藤巳 陽菜 > 魔導書なら知っているかもしれない…。
「どうやったら変身魔術を使えるの?」
本に向かって喋りかける。
『魔術の使い方は対象外。魔女や魔術師に師事して学べ。』
(…魔導書って普通魔術を伝える為のものじゃないのかしら?)
〖無能にも分かる簡単魔術辞典!〗を力強く閉じて受付へと向かう。
これも含めて借りて読むつもりだ。
そうして受付の辺りまで来ればそこにいた人物の存在に気がついた。
三角帽子そしてあの服装。
童話なんかに出て来るイメージそのままの恰好だ。
見た目は老婆とかではないがこの格好は間違いない。
…魔女だ。魔女がいる。あっ、魔法使って椅子動かした…やっぱり魔女だ。
この学園に来て一月経つが流石にあそこまで魔女魔女しい魔女を見たのは初めてだった。
…でもまあ多分図書委員だろう。魔女である事と図書委員であることは矛盾しない。
「あの、何冊か本を借りたいんですけど…。」
受付の上に本を置いてその魔女に話しかける。
■ミザリー > 「うわぁ・・!ほ、本??あ、あー・・・!本ね。ちょっと待ってて。」
図書室に誰かがいるなんて気がつかなかったから突然の声に驚いた。
慌てたことをなかったことにするように冷静さをすぐ保ち手にもった杖をしまい受付前にいる生徒の方へと向かい。
「おまたせ、えーっと・・・魔道書かしら・・・?ふぅん・・・。」
受付に置かれた数点の本を手で引き寄せ確認する。
1冊2冊と確認していくとどれも魔術に関わる物ばかり。
その本は様々で基礎から上級者が扱う物まで。
視線を本から生徒である彼女の方へと向けて
じぃっと何かを伺うように銀色の瞳を向け続け暫く。
視線を再び本に戻し借用の手続きを初めて行く。
・・・因みに残念ながら図書委員ではない為分からないままそれっぽい紙に借用日をかいておいた。
「・・・はい、これで全部、もっていっていいわよ?」
確認が終わった本を再び生徒である彼女が受け取れる位置へ差し出す。
そして彼女がその本を受け取る前に。
「ねぇ、魔術に興味があるのかしら?」
腕を組んで首を小さくかしげ彼女に尋ねた。
■藤巳 陽菜 > 「…やっぱり魔導書なんですね。」
(これやっぱり魔導書なのね…。
魔術教えてくれないのに…。)
分からないなりに選んだ本数点。
どれが初心者向けでどれが上級者むけのものであるかも分からない。
この前の魔女にはこれらの内容も全部分かるだろうか?
「ありがとうございます。」
背負ったリュックに本を仕舞いこんだ所で声を掛けられた。
…これだけ魔術に関する本ばかり借りているのだからその質問は当然だろう。
「ええ、自分の異能を何とかするために、魔術に頼ってみようと思いまして。
この蛇の身体を何とかする方法も魔術にならあるかなって…。」
もう成ってしまって一月を越えた蛇の尻尾を揺らしながらそう答える。
■ミザリー > 「えぇ、今渡した魔道書は魔法の知識を得るための本よ。」
(でも不思議ね、ジャンルがバラバラな上に魔術が扱える前提の物ばかり・・・。指導者が存在せず独学で進めるのかしら?)
疑問を抱きつつ彼女からのお礼を受け取り笑顔の表情だけで答える。
「貴方の異能・・・?蛇の身体?少し見てもいいかしら?」
受付越しで彼女の下半身は見えなかった為
彼女からの答えを受け取る間もなく
ゆっくりとした足取りで回り込み彼女の隣へ行き
視線を下に落とすと少し屈み蛇の尻尾を見た。
「なるほど・・・・、蛇の身体を魔術で人間に変化させ維持できるるか考えていたのね?」
彼女のその揺れた尻尾を触ろうと手を差し伸べかけたところ、
途中で手をとめて
「少しだけ触ってもいいかしら?」
勝手に触るのも失礼かなと、サボり魔女だが礼儀はあるらしい。
屈んだまま彼女の返事を待つように上を向いて
■藤巳 陽菜 > 陽菜はまだ何を学ぶかを考えている段階。
魔術のその扉にまだ手をかけてもいないのだ。
「ええ、一月くらい前までは普通に足だったんですよコレ。
それが朝起きたらこんな風になってて…本当に困ってるんですよ。」
疎ましそうに尻尾の先を床に叩きつけながら言う。
今でこそそこそこ動かせるようになったが最初の頃は杖が無ければ前に進む事すらままならなかった。
「はい、えーと…多分ですけど魔女の人ですよね?
人の足に戻せそうですか?」
恐らく目の前のこの人は見た目通りなら魔女だろう。
魔術に様々な種類があるといっても少しくらいなら分かるかもしれない。
「…ええどうぞ。」
少し、複雑そうな顔で尻尾を向ける。
その蛇の身体はツルツルとした鱗に覆われ巨大な蛇(ニシキヘビのような)に近い感触だ。
しかし、爬虫類である蛇とは異なり陽菜の身体は蛇の部分であっても人肌並みの温かさがあるだろう。
■ミザリー > 「色々な人を見てきたけれど、また珍しい症例ね・・・。」
ツルツルとした鱗に覆われた彼女の身体の一部を
そっと手で触れて触感を確かめるように尻尾の先までゆっくりなでていく。
形は蛇だが彼女自身の体温は残っており暖かいが、
所々蛇特有の構造が出来上がってきている。
(然し発症一ヶ月でこれだけの進行度、さらに月日を重ねれば人の姿ではなくなるかもしれないわね・・・。)
そんなことを考えつつ彼女の問いを受け取り、
視線は彼女の尻尾に向けたまま。
「えぇ、隠す必要もないから言っちゃうけど、
あなたの言うとおり私は魔女。」
彼女の尻尾からゆっくり手を離し屈んだからだを起こし立ち上がり銀の双眸を向けると
「魔術でこの足を元に戻すことは・・・。
出来なくはない、わ?
どういうことかというと、魔術で姿を変えることは可能ということ。
けれど常にその状態を維持することはきわめて困難、といったところね。
それに、会得しその魔術をことも基本的に禁意となってるの。
・・・他に手がない事は無いけれど・・・、いえ、だめね。なんでもないわ?」
滑ってしまいそうな口を自ら手でおさえて言葉を遮った。
無かったことにすべく首を横にふり言葉を濁した
■藤巳 陽菜 > 「らしいですね…。」
身体の一部が他の物に置き換わる、自分の姿を変える。
そんな異能は存在するが下半身のみ蛇に変わる例は殆んどないらしい。
少なくとも調べて貰った時には初めて見たと言われてしまった。
「ひぅっ!…ち、ちょっと、くすぐったいんですけど!」
尻尾の先は神経が集まっている。
人間でいえば足の裏をくすぐられているのに近い!
思わず変な声を上げてしまう。
「…やっぱり。」
それ以外の感想が浮かばない。
これで魔女じゃないですって言われたら逆に怒っていただろう。
見た目で判断した上の逆切れ酷く理不尽ではあると思う。
「何で禁忌なんですか?
例えば人を傷つけたり甦らしたりそんなのが駄目だったりするのは分かります。
でも、足を元に戻すのが何で許されないの?誰も困らないじゃない!」
ようやく見つけたと思った方法。
それは禁忌であると言われてしまえば感情的になってしまう。
目の前の魔女が悪くないのは分かっているわかっているのだけど…。
理由を知らなくては納得ができない!
「他にも手があるんですか?教えてください!
私、なんでもしますから!」
そこにぶら下げられたもう一つの希望。
言い淀むからには何か理由があるのだろうが元にもどれるのであれば
どんな辛い事でも耐えるその覚悟が陽菜にはあった。
■ミザリー > 「あら?ごめんなさい、ちょっと反応が可愛いからもう少し触ろうかしら?・・・冗談よ、ふふ♪」
(それにしても、本当に蛇化は進んでいるわね・・・。)
悪戯っぽく笑いもう一度触れることはやめておいた。
ほんとはもっと弄りたかったりするのだが・・・。
「そ、隠してると逆にやましく見えちゃうでしょう?
私は魔女って堂々としてなきゃ、ね?」
半ば誇らしげに胸を張ってドヤ顔してみる。
ま、最初疑うのも無理は無いだろう、魔女なんてこの世にまともに存在しないのだから。
「落ち着いて・・・。いい?あなたがその力を得る分には全く問題ないわ?
きっとあなたは姿を変える力を悪用しないから。
けれどこれは自分の姿を一時的に変える魔術、つまり、他人そのものにもなれるその魔術。
私なら見抜けるけれど、他の人はそうじゃないでしょ?
悪用されてしまうからこの術は昔から禁意の術としてあつかわれてるのよ、魔女である私の世界では。
・・・ごめんなさいね、希望を持たせ落とす気は無かったの。
けれど貴方の質問に方法は無いと嘘をこたえることができなかったわ。
・・・真剣さが見えたから」
声を荒げた彼女を宥めるように理由を告げる。
自分の過ちにも謝罪をつけて。
「・・・この場所では話せないわ、少し一目につきすぎすぎてしまうから・・・。
そうね、もし本当にあなたにリスクを背負う覚悟があるのなら。
これを持ってここに来なさい?」
先ほどの悪戯な様子はなく真剣かつ指導者の厳しい表情で
指先で遠くの白紙のメモ紙とペンを引き寄せ、
さらさらと文字を綴っていく。
そしてその紙と直径1cmほどの水晶球を彼女へ差し出す。
「私が普段居る場所よ。その水晶球が鍵となり一箇所だけすり抜ける壁を通ることができる。
私の家へとつながる道が開けるわ?・・・一本道だから迷うこともないわよ。
ただし、本当に覚悟ができたときにしなさい、もしかしたら貴方のみに何かがおきるかもしれないから。」
渡し終えると厳しい表情から一転、優しい笑顔に戻ると。
「そういえば・・・、あなたと会うのは今日が初めてね?
私の名前はミザリー、一応教師なんだけれど、しらないわよね?あんまり生徒をもってないもの、ふふ♪よろしくね?」
そっと手をだし握手を求めた。
ご案内:「図書館」からミザリーさんが去りました。
■藤巳 陽菜 > 「…止めてください。はたきますよ。」
むすっとした顔で尻尾を振って威嚇する!
本当にくすぐったいのだ今度触られたら容赦しない!
「確かに魔女って他の魔術を使う人たちと比べたら何となく悪いイメージが…
いえ、物語の読みすぎですね。ごめんなさい。」
童話などでも悪い役をやっている事が多いイメージがある。
人魚姫でも白雪姫でもあまり良い印象を持てない。
だけどそんなイメージのみで話してしまうのは良くない癖だ。
「厳しいですね魔術…。
こんなことも許されないなら落ちた物を拾うくらいにしか使えないんじゃないんですか?
…この身体だと落ちたものを拾うのも大変だから丁度いいかもしれませんね。」
苛立ちから皮肉を込めて言う。
悪意がない事は謝罪と真摯な態度から分かっている。
さっきの魔術書の説明では割とオーソドックスとか言ってたのに…。
でもきっとこの人が使う魔術の宗派の中では禁忌という事だろう。
魔術にも色々あるみたいだし…。
「家ですか?ここにいけばいいんですね分かりました。
…覚悟はできているつもりです。つもりですけど…。」
陽菜はまだこの目の前の魔女を信頼しきれていない。
…行った先に何があるのかは分からない。でも、そこには人の助けなど入らないだろう。
そういう意味でのリスク。そして、魔女が信頼できるとしてその彼女が示すリスク。
超えなければならない二つのリスクがある。
(…やっぱり少し怖いけど乗り越えないと…元の身体に普通の人間に戻る
その為にこの島に来たのだから…。)
「先生なんですか。私は藤巳陽菜です。
よろしくお願いしますねミザリー先生。」
手を差し出して握手に応える。
教師なんだ。なら信じてもいいかもしれない。
残るリスクは一つ陽菜の身体に何かが起きるかもしれないというリスク。
(…これ以上どう変わるというの?あれ以上の衝撃なんてもう一生ないわ。)
思い出したくもない。自分の身が蛇になった朝の事。忘れられはしないあの日の事。
「…それじゃあまた、覚悟が出来たらお伺いさせてもらいますね。」
メモと水晶を大事そうに握り締めると会釈して図書館を後にする。
一歩、確実に人の身体を取り戻すための一歩をやっと踏み出せたそんな予感がする。
…蛇の身体に踏み出す足はないけれど。
ご案内:「図書館」から藤巳 陽菜さんが去りました。
ご案内:「図書館」に飛鷹与一さんが現れました。
■飛鷹与一 > 今日の風紀委員会の警邏の仕事時間も終わり、その足でやって来たのは学園の図書館。
テスト勉強でも読書でもなく、目的は異能についての文献漁りだ。
今まで、何となく避けてきたがそろそろ真面目に異能と向き合わなければいけない頃合。
特に、二つも異能を抱えているので、せめてどちらかは完全に制御出来るようにならなければ。
と、言う訳で現在、異能に関しての書物があれこれ収められた書架の一角で書物を吟味中だ。
「……あまり専門的過ぎても読めないしなぁ。入門書とかはもう目を通したし…」
死んだ魚のような瞳で書架にぎっしり詰め込まれた書物の背表紙を確認して行く。
専門的過ぎても難読だが、初心者向けなのは望んでいない。いわゆる中級者向けの異能に関しての書物が理想だ。
(…特に、概念系というか改変系の異能に特化した書物があればベストなんだけど…)
ご案内:「図書館」に竹林はんもさんが現れました。
■竹林はんも >
図書館。いいですよね、図書館。
静かで平穏なのはもちろん、パルプの香りが肌から染み渡るようで私は好きです。時間を忘れてうろうろしてしまいます。
「んー……」
ちょうど見回っていたのは、異能に関する書架。この辺り……魔術にかぎらず教養が求められる棚にはあまり人は立ち入りません。
今日は私の他に一人居るので、商売繁盛と言えるでしょう。
まあ公共の場で人のことを気にしすぎるのもいけません。私は目についた本を取ろうと、首を斜めに向けました。本の5割は私の目線より高い位置にあり、いま、私が目指している本は、書架の最上段にあります。
手が届かない? 何を仰る。私はめちゃめちゃ魔術が使えるんですよ。
すっと手を上段に伸ばします。指先も。当然、あと1メートルは足りません。これはこれで棚が高すぎるんですけどね。蔵書が多いのでやむを得ませんが。
その指先から――私は、砂の指を伸ばしました。生きている軟体生物のようにするすると、砂の指が目標の本へ届きます。余裕ですね。
そのままずるり綽々と本を取り出し、すぽっと引き抜きました。
さて、辞典サイズの本を最上段に置くのはユーザビリティが流石に低いと思うんですよ。
予想より2キロは重かった書籍に砂の指はあっさり折れて、本は背表紙――要するに角――を私に向けてヤッホーと落ちてきました。自然落下です。
あああああああああああああああ!!!!!
ご案内:「図書館」にイチゴウさんが現れました。
ご案内:「図書館」に飛鷹与一さんが現れました。
■イチゴウ > 「これも違うな。」
棚の近くの机に大量の本を積ませながら
分厚い本を開き椅子にちょこんと乗っかっている
奇妙な四足ロボットがやれやれといった
ご様子で言葉を漏らす。
積まれている本の内容は認識災害についてや
ミームの感染についての本なのだが
大半がすでに自身のライブラリに
保存されている内容であった。
少し準備運動がてらに前足を動かして
パキパキと音を立てていると
何やら横方向から別の音がした。
振り返ってみればやけに背の低い生徒と
1人の男子生徒。
普段ならばこのまま調査に戻るのだが
二人には何となく見覚えがあったため
椅子を下りて二人に近づいていく。
■飛鷹与一 > どうやら、今日は自分以外にももう一人誰か異能に関しての書物を探しているらしい。
流石に面識も無い相手なので、あまりジロジロと見るのも失礼だという常識は普通にある。
なので、こちらもこちらで目的の書物を探す事に集中する――が、何か嫌な予感がした。反射的にもう一人の人物へ顔を向け…
(…あ、これはマズいかも…!)
状況的はその人物が砂で形成された腕を伸ばし、高い所の書物を抜き出し、その重さに砂の指が耐え切れず折れた事。
当然、その次の展開は大いに予測できるものだ。
ここからダッシュしても流石に間に合わない…!!
なので、頭の中で想像図と数式と魔力を組み合わせ、右手を伸ばす。
瞬時に展開した氷の腕が落下する書物とその少女の間に割って入ろう。
砕けるかと思われた氷の手は、ガッチリとその重い書物を受け止めていた。
(…あ、駄目だ展開が甘かった)
具体的には、慌てて魔術を展開したので氷の腕の強度が足りない。
やがて、ピシパシと氷腕に亀裂が入り始めるが、頑張ってその書物を一度床へとそっと下ろす。
同時に、氷の腕が砕け散ってしまい、空気中に霧散して行く。
流石に、ここで氷の欠片をばら撒いてしまうと司書さんに怒られてしまう。
「いきなりすいません、大丈夫でしたか?」
と、初対面であろうその少女に声を掛けてみて。