2015/07/07 のログ
ご案内:「大時計塔」に蒼穹さんが現れました。
蒼穹 > (七夕。時刻は夜頃。時計塔の頂上にて。)
(立ち入り禁止だが勿論そんな事は気にしない。当たり前のように頂上に陣取る。)

(短冊に願いを書けば願いが叶うというけれど、一体全体何処の誰が始めた風習なのだろうか。)

(もう一つ。流れ星を見ながら三度願いを言えば叶うというけれど、これも一体全体何処の誰が始めた風習なのか。)
(だけれども、どちらも何か楽しそうだと思えるのは…やっぱり腐ったな、邪神、と。仄かに笑みすら漏れてくる。)

(といって、こんな高い所であっても、一つとして流れ星なんて見えやしないが。)

蒼穹 > …んまぁ、天体観測も悪くはないんだけど、何か物足りないよね。
(上を向いてぽつり。上を向けば夜空、下を向けば島全体と、至れり尽くせりなスポットである。高所恐怖症の人にはお勧めできないけれど。)

どうしよっかな…。
(例えばこういう場合、願いを短冊に書いたら一体誰が叶えてくれるというのだろうか。)
(否、誰も叶えてくれない事などはっきりわかるのだが、分かっていながらも、あちらこちらで竹や笹に短冊が付けられているのは…風習や伝統というのは、中々根深いものである。)

(そんな事を考え始めれば、場所にもそぐわず、柄でもなく己も、と短冊の一枚でも片手に持ち出し、一考を始めるのだが。)

蒼穹 > …願い、ねぇ。
(いざ言われてみると、何も思いつかない。)
(まぁ、書いた所で何処に飾るという事もないのだが。)

んんー、世界平和とか祈るようなタチじゃないしなぁ。
…ま、いっか。
(結局、何を書くも思い浮かばず。また機会があったら、適当になにか思い当たればいいな、なんて思って。)

(手に持った短冊に何を書こうとするもなく、筆記用具を持つこともせず。白紙のまま、大時計塔の頂上から投げおろした。)
(ひらひらと、細い短冊の紙が空気に揺れて。やがて小さくなり、見えなくなるまで見送る。それが、どこまで落ちたかは分からない。けれど、完全に見えなくなったくらいで、ゆっくりと時計塔を後にした。)

ご案内:「大時計塔」から蒼穹さんが去りました。
ご案内:「大時計塔」に渡辺慧さんが現れました。
渡辺慧 > 「やー。久々」

いつもの屋上の定位置。
景色が見渡せる位置。そんな位置に胡坐をかく。
誰に話しかけるわけでもなく、ただなんとなく、久々にきたから。

――そこまで久々でもなかったかな。

まぁいいや、と薄く笑って、右手に持ったブラックの缶コーヒーのプルタブを開けた。

渡辺慧 > 昨日と違って、特に勉強道具はない。
試験は明日で終わり。
明日は、まぁある意味寝ててもいいぐらいだ。

――流石にそれはまずいだろうけど。

どうにもやはり。ここはひどく落ち着く。
誰もいなければ、更に。
誰かいたらいたで、それはまた、違う楽しさなのだけれど。

だから、今日は気が済むまでここでのんびりでもしていよう。

渡辺慧 > 試験期間は少しばかり退屈であれ。
それ相応の気分というものを強要される。
それが悪いものばかりじゃないから、逃げ出さないで済んでいるのだけれども。

明日、終わったら何をするか。

そういえば、結局流し素麺、成功してないよな。
海走りも。

「んー……」
難しげな唸り声。
コーヒーを煽ると、そばに置き。
胡坐をかきながら自らの身体の後ろに両手をついた。

そういえば一人デートとかもやるなんて思ってた気がする。
いやはや。
自由とはすばらしい。

渡辺慧 > 空が見える。星は、少し雲に隠れていた。

そういえば、今日は……。

「七夕」

そんなものがあった気がする。
周囲が話していなかったから、認識としては薄かったけれど。
……周囲と話していないだけか、自分が。

シシシ。
一人で楽しげに笑うと。
しばらく空を見つめる様に、物思いにふけった。

ご案内:「大時計塔」に佐伯貴子さんが現れました。
佐伯貴子 > (こっそりと時計塔の階段を登る)
(誰かカップルとか仲の良いグループが占拠してたら気まずいし、逃げるしか無い)
(そんなことを思いながらそっと様子を観察してみる)

渡辺慧 > 時計塔の屋上の様子をみるならば。

のんびりと。
気ままに一人。

胡坐をかきながらぼんやりと空を眺め。
思考している、白いパーカーを着て、フードを頭に被った少年の姿が見えるかもしれない。

少しばかり。その風体から怪しげに見えても、おかしくはないかもしれないが。

佐伯貴子 > (先客がひとりいた)
(一人ならばまあ…邪魔しなければ同席するのもいいだろう)
(同席というのかは分からないが)
邪魔するぞ…。
(若干距離をとったあたりに腰を下ろす)
(物音で気づかれるだろうが、一応声もかけてみる)
(不審そうに見えるがこんな場所でなにか不穏なこともしそうに見えないから特に何も聞かない)

渡辺慧 > 「……ん?」

かけられた声に、ふと横目でそちらを見る。

「おや。こんばんは」

簡潔乍ら楽しそうな声でそういうと。

「君も一人で七夕しにきたの?」

先程の思考。一人で七夕とはまた変なワードではあるが。
星が見えやすい位置だ。なんとなく、それで連想しただけともいう。

佐伯貴子 > ああ、こんばんは。
(挨拶をされれば返す)
そんなところだ。
試験も山場は超えたし、かと言って友人を誘うのも悪いと思ってな。
君も一人七夕か?
(待ち合わせだったらまずいので聞いておく)
(とは言え相手から聞いてきたのだから一人なのだろうが)
(夜空は晴れ渡っているとはいえない)
(少し残念だ)

渡辺慧 > 「いえすっ」

楽しそうな声。

「と、言っても……一人で七夕ってなにすんのかな、ってちょっと考えてた」

ちょっと曇ってるしね。と小さく苦笑。

「……まぁ、それはなくても、よくここに来るから別にいいといえば、いいんだけどね」

佐伯貴子 > 普通の七夕だって、短冊に願い事を書くのがメインで、天の川はおまけだ。
(だから一人でも問題無いという理屈)
ここは一応生徒立入禁止だからな。
先生たちには見つからないようにしよう。
以前登ったら教師に鉢合わせしたことがあるぞ。
(風紀委員の仕事ではない。アドバイスだけ)

渡辺慧 > 「おまけか」
おまけ扱いされた空を眺め、シシシ。
と笑った。
「生憎、飾る笹もないから、天の川がメインになっちゃいそうだ」
立ち入り禁止、という言葉に。
笑い乍ら、知ってる。と返すと。
「むしろ君に注意されるかと思ってた」

制服に気付いたのは最初だ。
だから少しだけ驚いた、とは少年の弁。
「でもさんきゅー」

佐伯貴子 > 笹、飾ってるところもあったが、おすすめできるところではないな…
(落第街に行くなといったのは自分であった)
たまに星を見るのもいいだろう。
私はずいぶん久しぶりのような気がする。
(夜空を見上げながらいう)
同罪だからな。
特に処罰などもないし、自由さ。
(苦笑しながら返す)
(当然、相手も実は風紀委員だということなど気づいていない)

渡辺慧 > 「あら残念」

んー、とうなりながら、ふと。
何か思いついたように。

「……なら、あれだね。この時計塔をでっかい笹に見立てるとか」

随分壮大な話だけれども。折角の七夕。1年に一度しかない。……まぁ、それを言っては、色々なイベントが当てはまるのだけれど。ただの、気分、と言う奴だ。

「ここはいいよー。なんか、すごく、自由だ、って感じがある」
その言葉に、どういう意味があるかはわからないし。ひどく子供じみた言葉だけれども。ここに来る心境には、一番合ってるような気がした。

「なるほど。……君もなんだか見た目のイメージと違って」

――おもしろそうだねぇ。
なんて、実に楽しそうにそう言った。

佐伯貴子 > それならば、短冊も想像で吊るしてみようか。
(ずいぶん想像力豊かな生徒だなと思う)
(自分にはない要素だ)
自由か…そう言われればそうかもしれないな…
(遮るものが何もない風景を見渡す)
(前回登った時には気づかなかった風景だ)
(夜景も見える)
面白いか?
普段は真面目な風紀委員なのだがな。
今夜は特別さ。
(大の字に寝転がる)
君はずいぶん楽しそうだな。
実は人が来るのを待っていたとか?

渡辺慧 > 「そうすると、願い事も想像か」
何がいいかな、なんて呟きながら思考。
書けない願い、届かない願い。
ならばそれに等しい願いでもかまうまい。

目を細めて、その風景を見る。
自由、というものは、こんなに簡単なものかと。

「あぁ、そっちの方がそれっぽいね」
真面目な風紀委員。見た目からはそれが連想された。
だからこそ、イメージと違う。外面と違う内面。
「この場所だからかもねぇ」

いいや? と前置き。その間も楽しそうに笑う。
「待ち人は来ず。どちらかというと、待ち人はいなかった、の方が正しい」

ただ。
「いつも通りさ。楽しんだ方が得。そういう気分なだけ」

佐伯貴子 > 私は「一生甘いものに困りませんように」と書いたぞ。
(参考までに酷くどうでもいいことを告げる)
(自由とはなにか?と考えるのも無粋だ)
(ただこの開放感はこの島ではここぐらいでしか感じられないだろう)
(両手両足を思い切り伸ばす)
あるいは、相手が君だからかもな。
(場所の力もあるが、自分は他人に影響されるところがある)
それは残念だな。
せめて君を楽しませる会話でも考えてみようか。
私は2年の佐伯貴子。君は?
(待ち人の代わりにはならないだろうが、くだらない話をするくらいなら出来るだろう)

渡辺慧 > 「ジョシリョクたけぇ」
ジョシリョクと言うものの未知性は自分にも把握できていないけが。
多分これ高いという奴だと思う。多分。いや、分からない。
「甘いものが好きなのか」
からかうように笑った後、これ見よがしに傍らに置いてあった、ブラックの缶コーヒーを煽る。

「俺? いやだねぇ、俺には自分しかどうにもできませんよぉ」
「でもしかし。そう言うなら……まぁ、たまにはこういうのもいいでしょ?」

といって猫のように笑った。

「そんな安請け合いしちゃっていいのかー? 俺は割とうざったらしいぞー」

とはいうものの、その発言自体には喜びの色。まぁ、いつもそんな色と言われれば、その通りなのだけれども。
「同じく2年。……2年、2年か。先輩かと思ってた」

渡辺慧だよ、よろしくー。といって、彼のいつもの仕草。
片手をひらりひらり、そうやって揺らした。

佐伯貴子 > 女子力はわからんが、今のところ男にもててはいないな。
(苦笑する)
この年代の女子で嫌いな子がいたら見てみたいくらいだ。
普通だよ、普通。
(相手の様子を見て、自分もなにか飲食物を持ってくればよかったと後悔した)

そういう気の抜けたところが、私の生活にはなかなか無いところなのだ。
(けなすわけでも褒めるわけでもない、感想を述べた)
一人七夕仲間だからな。
ただ、期待してもらっても困るぞ。
(適当でいい相手には適当なところが自分であった)

渡辺か。よろしく。
(同学年だったからよかったが、相手が先輩とわかったとたん敬語になっていただろう)
(それはそれで面白かったかもしれないが)

渡辺慧 > 「あんまり興味がない、というよりは他のことで忙しいとかって感じ」
割と自らがみたまんまの率直な感想。
べっぴんさんなのにねー、なんてまた、からかうように笑った。

「俺は、あー……勉強の後には欲しくなるな。それ以外だと、好きでも嫌いでもない、かな?」
ここで食べる、鯛焼きは。……それはまた、違う感覚で。
好みなんだけども。

「気の抜けたって言われた!」
テンプレートで、お約束な。がびーん、とでも音が出そうな驚き方。おかしい、いつも通りなのに……などと抜かすさまは……。まぁ、あいもかわらずかっこうつかない。

「なら俺の気の抜けたところでも学んでいくといいさ。一人でも、気が抜けるように、とかね」

そして、その気の抜けた、いや。適当さ。
それを示すかのように、適当に、そのよろしく、にあわせてゆるく手を振って。
「ん、よろしく。貴子」
そして相変わらず馴れ馴れしかった。

佐伯貴子 > 自分では恋愛願望あるつもりなんだがな…
たしかに忙しいのはあるかな。
(残念そうにいう)

男子はそうなのかもしれないな。
あいにく親しい男子がいないものでな。
(これでは恋愛以前の問題であった)

(相手の様子にふふっと笑い声を漏らす)
よし、学ばせてもらうとしよう。
しかし次に会ったら私の堅苦しさを学んでもらうぞ。
(冗談っぽくそう言って)
(馴れ馴れしさには特に何の反応もなく受け入れる)
(基本的にどんな距離感で来られようが相手の自由だと思っているから)
(ただ軽く頷く)

渡辺慧 > 「そろそろ夏だしね、いい人頑張って見つけるといいさ」

夏。……まぁ、そうすると。風紀委員の活動も忙しくなるのかもしれないけど。それはあえて言わないでおこう。自分は、まぁ。
気が向いたらやる、程度のあれだから。

「俺も親しい、親しい……うーん」
親しい女子はいない、と言おうとして。どこからが親しいものか。そもそも、それ以前に友達が少ないのだから、何とも言えないものだ。
そんな思考の元、思わず苦笑。

「俺も参考にならないかもしれないけどね」

おや。
「やってみなさーい。俺に堅苦しさがどこまで通じるか、試してみるといいさ」
挑戦を受け付けるかのように、不敵に笑う。
内容は、ひどく。馬鹿っぽいものではあったが。

「なら、今度は。堅苦しい場所で、会えたらな」
なんて。そういって、また笑った。

佐伯貴子 > むしろもう夏だぞ。
水着を見せる男もいないんだ。
今年はクリスマスまでが目標かな。
(生々しい目標を掲げる)

ははっ、一人七夕の時点でわかっていたさ。
(おかしそうに笑う)

堅苦しい時の私はうんざりするほどだぞ。
まあ、いじって遊ばれるのが最近のオチなのだが。
(苦笑する)

もうテストも終わる。
堅苦しい場所とはしばらくサヨナラだな。
(風紀委員はどうだろう?)
(とにかく、相手に堅苦しいところを見せるのはかなり先になりそうだ)

渡辺慧 > 「俺も見る相手がいない」
「そ、一人七夕の時点でね」
至極残念そうに、いや。
至極残念そうな顔の割に、声はひどくおかしげだ。
「でも海に行けないのはもったいないから、一人で行くことにしている」

決心を硬く。物凄く残念な決意を、そう新たにした。

「それは何となく想像できる。安心して。俺もいじるのは得意だ」
そんなからかいの一言を交えながら。

「シッ」
短く笑って。

「それまでに俺の気の抜け方に負けないようにな」

佐伯貴子 > そうだなあ…
(少し考え)
浜辺に行けば水着の女子くらいいるんじゃないか?
私もとりあえず一人で泳ぎに行く予定だし…
タイミングが合えば私の水着でいいなら見せてやるぞ。
見るのは勝手だからな。
(特に誘惑するという口調ではない)
(そもそも自分に色気があるとは思っていないので出たセリフだ)

…これ以上いじられるのはつらいものがあるな…
(せっかく慣れてきたというのに、新たないじり役が加わると大変だ)
ううむ…これまでの会話の流れから、あまり君に学べてないような気がするな。
講義を聞くように簡単ではないな。
(こういった発言が気が抜けていない証拠だ)

渡辺慧 > 「その目的だと誰もいなかった時に悲惨だな」
苦笑ひとつ。
「しかしながら、見たいわけじゃなくて、いやみたいと言えば見たいけど、ウーン?」

しばし、腕を組んで考える。
そもそもどうして海開きに行きたいのか、をつきつめると。
泳いで遊びたいだけ、なのがまず一番上に来て――。

「うーん……」
「まぁ、でも。貴子が見せてくれるというならばまぁそれで良しという事にしておきましょうか」
会うかは知らんけどね、と猫のように笑って。

「シッシ、お堅いお堅い」
「講義じゃない。受けるべき義務もない」
「だから、軽く聞き流すぐらいに受け止める」
「そんぐらいの緩さでいいのさ」

そもそも、俺の言葉なんて、全部受け止める意味もないしな。
そう言って。再び空を眺め、コーヒーを煽った。

佐伯貴子 > そうだな…それにその目的だとただの覗きに近いな…
(腕を組む)
私も、ただせっかく島にいるのだから、海で泳ぎたいという理由以外はないかな…
海辺で出会いがあればいいな…
(多少妄想が入る)
あっ、見てもいいが感想とかはいうなよ!?
どういう感想にしろ恥ずかしいからな…
(念の為に言っておく)

緩いな。
私も君のような緩さで生きていければ、多少はモテタかもしれないな。
(苦笑しながら夜空を見上げる)
(雲の切れ間に天の川がのぞく)
いい夜だ…

渡辺慧 > 「おっけー、任せろ。じっくり見て感想言ってやる」

と、言っても。
此処であったが初めてだ。
今まで会わなかった理由は、時間帯が違うか、偶然か。
どちらにしても……まぁ、浜辺であう確率は低そうなものだ。
だからこその冗談、軽口でもある。

「どうかな。生きやすい生き方がいいと思うよ」

自分にとって、それが生きやすい生き方かは、よくわからないけど。

「その結果、堅苦しいなら……まぁ、それは。それで。個性と言う奴かもね」

そうして、同じように見上げた。
特に、声は上げずに。

佐伯貴子 > くそぅ…
(息を吐き出す)
(早速いじられているではないか)
(まあ広い島だし、会うこともないだろう)
(会ったらその時にまた考えればいい)

生きやすい生き方、ね…
(しばし考えて)
自然体でいたからこうなったのだから、個性なのかもな。
君も同じだろうな。
(ふっと笑う)

天の河が見れたから、七夕達成だ。
織姫と彦星よ、おめでとう。
さて…
(立ち上がり、背中を叩いてホコリを取る)

渡辺慧 > 「ナイス反応」
さて、どうなるかは。
今後次第ではある。彼女がいじられるか。
または、彼の気分であるか。
いずれにしても……海開きは、もうすぐ来る。

「そーかもね」

ただ、笑う。
何をあやふやに。
それが本心かどうかも見せないで、楽しそうに笑った。


立ち上がる彼女を横目で見て。
「これでこの後会えなかったら織姫と彦星かってんだよな」
「それはそれでおもしろそうではあるけど」

「じゃーね」
そう言って、片手だけ。ひらりと振った。

佐伯貴子 > (相手がどこにいようと自分は泳ぐ)
(相手も泳ぐだろう)
(それだけの話)

悩みのない人間などいないことくらい知っているぞ。
(相手のことは何も知らないが、ふとそんなことを口にする)

残念ながら、そんなにロマンチックな会話ではなかったな。
(苦笑する)
その例えは面白いが。
じゃあ、また会えたら。
(軽く手を降って、時計塔を降りていく)

ご案内:「大時計塔」から佐伯貴子さんが去りました。
渡辺慧 > 「七夕も、案外そういう話だったりして」

ロマンチック差のかけらもないが……。
まぁ、親しみやすい物語になるのかもしれない。

「どーかな……」
悩み。……さて。
なんのことやら。肩をすくめて。

「またね」

渡辺慧 > 彼女を見送った後もしばらくそこにいた。

風景を眺めていたが、ふと何かを思いついたように頭をかいて。
懐からメモ帳と、ペンを取り出した。

そこに、何かを書き込み。

渡辺慧 > まるで、短冊のような形に、器用にメモ帳から切り離す。

それを片手で摘み、ふらり。
立ち上がり、まるで短冊が風に揺れるかのように時計塔の風に、それを揺らした。


「――――……シッ」

渡辺慧 > それを思いっきり自らの拳で握りこみ。
ぐしゃぐしゃにすると。
その紙をポケットに詰め込み。

傍らに置いてあるコーヒーの缶を、思いっきり、蹴り飛ばそうとして……。

「……さて」
しゃがみこみ、それを一気に煽ると。

そのまま時計塔から、歩き去った。

ご案内:「大時計塔」から渡辺慧さんが去りました。
ご案内:「大時計塔」にクゥティシスさんが現れました。
クゥティシス > (あの後、目を覚ましたら見知らぬ部屋の中だった)
(ベッドの中で軋む身体を無理やり起こせば、ベッドにもたれかかるようにして焔が寝ているのに気が付いた)
(介抱してくれたことはわかる。わかるけれど―)

(それでも、一人になりたかった)

(他人が―怖かった)

(善意を持って介抱してくれたのであろうことぐらいはわかる)
(それでも、その裏を、考えてはいけないことを考えてしまう)

クゥティシス > (吹き抜ける夜風に思わず両腕を抱えてうずくまる)
(寒くはない。けれども夏が近づくこの季節に―震えが止まらなかった)

「こわい、こわいよ……」

(人の目が怖い)
(向けられる視線が、投げかけられる言葉が怖い)
(差し伸べられた手ですら、今は恐ろしいものに思えてしまう)

(信じたその先にあったものを掴もうと手を伸ばした矢先に、振り払われてしまった)

(薄暗い穴底から這い上がろうとしていた)
(きっと、少しずつだけど日の当たる場所へと近づいていたように思う)

(けれど、たった一度の会合で再び奈落の底へと叩きつけられた気分だ)

クゥティシス > (今再び手を伸ばされたとして、それを掴むことが出来るのだろうか?)
(その手を掴み、引き上げられて)

(振り払われないという保証はどこにも無い)
(信じようと思ったニンゲンに再び裏切られ)
(今、何を信じればいいのかが分からない)

「クゥは、何処にいればいいの…?何処に居れば安心なの……?」
「わかんないよ…」

(両腕を掴む指に力が籠る)
(それでも震えは止まってくれない)
(自分が生きていくための導が見つからない)

(生きたいと。そう願いこの人間の社会へと飛び込んだ筈だった)
(この社会の中で生きて、いつか故郷へと帰る日を夢見ていた)

「クゥは、どこで生きていけばいいの……?」

(その社会から弾き飛ばされ、少女は完全に生きる術を見失ってしまっていたのだ)

ご案内:「大時計塔」に風間蒼介さんが現れました。
風間蒼介 > (少女の泣き声だけが響く空間にカツッと硬質な音が響く
 見れば隅っこの方に凶悪な感じの造形をした、いわゆるカギ爪が石材にがっつりと食い込んでいるのが見られるだろう
 つづいてキシキシとロープが軋む音が響き…パシッと手がそこにかかり)

っふぅ…立ち入り禁止ならば立ち入らずに入ればセーフでござるよね…
して、遠めになんかしゃがみ込んで震えてるの見えたでござるが
高いところに登って降りられなくなった系のアレでござるかね?
(よっこいせ、と鼻から下を赤いスカーフで隠したあからさまに怪しい風体の男が体を引き上げ這い上がっていく
 その視線は主に主に耳に向かっていた、上のほうの)

クゥティシス > (乱入者の存在に気づくのが遅れたのは彼女が心を閉ざしていたが故だろうか)
(男の存在に気づいた時には既に隠れるのには遅すぎて)

「―っ、…っ…!!」

(自分に向けられている視線は何を意味しているのだろうか)
(風にゆれる大きな耳に向けられる視線)

(それは、彼女がニンゲンとは違うという証)
(彼女がこの社会の中で異物であるという証)

「っ……な、なに……?」

(かろうじて、それだけ絞り出した)
(怯えるように視線を向けられた耳を伏せて一歩、後ずさる)

風間蒼介 > ぬ……いや、ほら、もし登ったはいいけど降りられなくなった系のアレならば、助け必要でござるかなーと……
(木の上でなーごなーご言ってる奴の拡大バージョンではないかと思ったらしい、耳的な意味で)

あれ?拙者何かミスったでござるかね?
(カギ爪を巻き取り懐に忍者的にしまい込めば服の上からは見て取れなくなる
 怯えられてるっぽい事に気付けばじわっと汗を浮かべて必死に頭を回転させる
 一体何が悪かったのだろうか…夜に忍者に忍び込まれては刺客と思われないかとこの通り隠蔽性能を捨て学生服で来たわけで
 考えたところで答えは見つからず)

拙者怪しいものではござらぬよ?
(そう胸を張って覆面の男は主張するのだった)

クゥティシス > (怪しい怪しくない以前の問題だった)
(今の彼女にとって他人は全て恐怖の対象であり)

(それがこんな逃げ場のないところに唐突に現れたとあれば猶更であった)

「あ、あの……クゥ、は。悪いことしてない」
「もう、物盗ったりもしてない!誰かに怪我させたりもしてない!」
「クゥは、クゥは悪くない!!だから怒らないで!!」

(見知らぬ侵入者に向けられたのはただ、懇願であった)
(他人は全て自分を傷つける可能性があると、そう思い込んでいるからこそのもので)
(お願いだから傷つけないでくれと、涙をこぼしながらそう叫ぶ)

(その言葉は決して初対面の相手に向けられるようなものではないだろう)
(状況を知らぬ者であれば理解不能である筈のもの)
(ただ、この少女は尋常でないほどに怯えているということだけは―伝わるかもしれない)

風間蒼介 > ……はい?
(その狼狽っぷりに思い切り首を横に傾ける
 あ、よく見ればなーご系ではなくアオーン系でござるなあ…ケモ耳といえば猫という認識を改めねば
 など益体もない考えが頭を通り過ぎていく)

いや、拙者は別にそんな…こんなたっかい場所によじ登って怒りに来るってどんな執念深い奴でござるかそれ…
えーっと、拙者おぬしとは初対面でござるし…
遠くからここでうずくまって震えてるのが見えたので何ぞ困った事でもあるのではと思ったわけでござってね?
まあつまり助けに来た系のアレでござって…
(女子の、それも見た目幼い系の女子の涙というのは効く
 てきめんに効く、主に精神惑乱効果が
 が、怯え方が尋常でない事に気付けば訳ありである事には考えがいたって、深呼吸してスイッチを切り替える)

拙者、お主の事を傷つけたりせんでござるよ?
(両手を開き…高く掲げるのは余計な事を想起させるだろうと顔の横辺りに肘を曲げ挙げて)

クゥティシス > (目の前の男が言っていることは最早頭に入ってこない)
(これ以上何も言わないでほしいと)
(投げかけられる言葉が自分に向けられた非難にすら聞こえて耳をふさごうとしたときに―)

(目の前の青年が敵意が無いことを示すポーズをとったことだけはわかった)

「―っ、く、ぅ……ほん、とに…?」
「クゥの、こと。怒らない…よね…?」
「大丈夫…だよね…?」

(言葉一つ紡ぐ毎にびくりと身体が震える)
(それでも、それでもこうして言葉を投げかけられるのは―)
(此処が時計塔だからだろうか)

(下界から隔離された場所だからこそ)
(此処で過ごした時間が好きだったからこそ)
(此処であるからこそ、今、こうして目の前の男を何とか視界に収めることが出来ている)

風間蒼介 > …まあ拙者の家におもむろに火を放つレベルでもない限りは怒らんでござるよ?
というか……よう判らんが大変だったんでござるなあ…
(何があったかはわからない、わからないがその怯え方から
 そして特定の物ではなく全てに向かうという根の深さによほどの事があったのだろう察しはつく
 ならば言葉には心底、共感の意思を込めて)

うむ、どうしても拙者の事が怖いのならば立ち去るでござるが
出来れば少しの間、話でも出来んでござるかな?
大丈夫、近づかれるのが怖いのならばなるべく離れ…
(一歩、下がろうとした場所はすでにがけっぷちで…)

近づかんでござるから
(シームレスに言い直し、しゃがみ込む)

クゥティシス > (ぽろりと、滴が床に落ちる)
(何故だか自分でも理解は出来なかったけど)
(何をさせるわけでも、何を求めるわけでもなく)
(ただ、そこに居てもいいと)
(そう言ってくれていた気がして)

(ぐし、と拳で涙を拭い顔を上げて)

「……なら、いい。別に…此処、クゥの場所じゃないもん」

(そこに居るだけだというのなら、それを拒否する理由もない)
(自分が此処に居ることを許容してくれるのであれば、それでいい―)



「………ねぇ、貴方は…ニンゲン、なの?」

(幾らかの時間が過ぎ)
(頬を伝っていた涙の後が乾いてしまった後)
(ようやく落ち着きを取り戻した少女が、ぽつりと問いかけた)

風間蒼介 > 期間限定ならば意外とバレんでござるよ?自分の場所扱いしても
(ようやく、怯える以外の言葉を返してくれれば冗談めかしてそんな事を言い
 言葉を発しないならばただそれを待つ
 時折街の明かりに目をやったり、星を見上げたり、注視しないようにしつつ
 時折視線を戻し)

む……人間でござるよ?垂直の壁に張り付くとか虫っぽいとか言われる事あるでござるが
(霊視なりなんなり、体の霊的な構造を見る事が出来ればギリ人間名乗れるレベルといった弄り具合がされているが
 本人的にも肉体的にも人間のつもりだった)

クゥティシス > 「―そ、っか。やっぱり…ニンゲンだよね」

(その言葉に含まれる想いは如何なるものだろうか)
(彼の言葉を受け、クゥティシスは再び視線を床に落とし―)

「ねぇ。……ニンゲンは、自分と違うものを嫌うんだよね」
「だからクゥは、嫌われるのかな。…だから……友達に。…友達だと、思ってた人に」

(そこまで零して言葉に詰まる)
(乾いた筈の涙が再びぽろりと一滴)

(小さく震えながら、次の言葉を紡ごうとするも上手く行かない)
(落ち着こうと大きく息を吸うも、それすら震えて嗚咽に代わる)