2016/06/10 のログ
■東雲七生 > 「ああ、まあ。
保健室もそうだな、全然使わないかも。」
傷の治りが普通の生徒より早いんだ、と告げて。
そして同居人に関して言及されれば、照れた様な困った様な笑い顔を浮かべて
「いやぁ、俺よりよっぽど強いんだその人。
だから……えっと、出来るだけ早く追い付けるように頑張るつもり。
それに、守りたい、と思える相手なら他にも居るしさ。」
軽く肩を竦めておどけて見せてから脳裏に浮かぶは友人たちの顔。
まあそもそもその友人たちも七生より弱いって感じは更々しないのだけど。
「んぉ?ああ、そう?サンキュー。」
髪と瞳の色について言及されれば、少しだけ困った様に笑いつつ。
掃除洗濯、家事をこなしているクロノの姿を思い浮かべようとして、小難しい顔で首を傾げたのだった。
■クロノ > 「…ん、ふふ。あぁそうだ、保健室、お昼休みとか放課後は、実はけっこういろんな人たちが来て賑やかなんだよ。」
(気が向いたら、たまには遊びに来てねー?と話す男の子は、その雰囲気からは医師という肩書きはあまり想像できないかもしれない。)
「…へぇ…すごいね。師匠…?部屋を貸してくれて、目標とする強いヒト。」
(その背中を一生懸命追いかける彼の様子を想うと、なんだか応援したい気持ちになる。守ってあげたい人が他にもいる、ということは、彼は、家族とかそういう経験がないロボと違って寂しくはなかったんだな、と一安心。)
「……?」
(サンキュー、とは言われたけど、彼の表情はどこか気になる一面を宿していて。もしかして、気にしてるのかな…?とロボも申し訳無さそうに、お互い首傾げ合ってみたり。それでも、彼の綺麗な髪色と双眸にはまるで吸い込まれるみたいに見入っちゃって、「…気にしてたらごめん、…でも、その、ちょっと触って…いぃ?」と少し緊張気味に尋ねる。)
■東雲七生 > 「へぇ~、そうなのか?
……怪我したら行くとこ、ってイメージがあったからそんなにいっぱい人が行くとは思えなくてさ。
機会があったら行ってみるよ。……あればいいけど。」
実際のところ、怪我人病人がそれだけ居るのかもしれないが。
健康優良児な七生にとって、保健室は全く未知の場所であった。身体測定でちょっと行くくらい。
「部屋を貸してくれると言うか……ううん、まあそんなとこ!
師匠と言うのも何か変な感じだけどさ。」
何かを教わったという覚えはない。大体好き勝手弄ばれてるようなものだ。
それでも七生にとっては憧れの存在だし、なるべく自分もその存在の近くに至りたいと思う。
「ぇ?……ああ、目立つだろこの色だと。だから俺はあんま好きじゃなくてさ。」
普通の黒髪で良いんだけど、と溜息を溢して。
それでも触って良いかと尋ねられれば、特に嫌がる様なそぶりも見せずに小さく頷いて目を閉じたのだった。
■クロノ > 「…元気で、怪我の治りも早いんじゃあんまり来ることが無くてもまぁ普通、か。…具合悪くなった人が休んでたりするときは元気な皆には別室で過ごしてもらうけど、基本的には、休み時間は男の子も女の子も入り交じって…ある種の溜まり場、って感じ?」
(クラスとか学年とかの隔たりもなく、なんともごちゃ混ぜな自由感。そこで日々生徒たちから仕入れる日々の新鮮な情報が、ロボには嬉しくて楽しいらしい。)
「…んふふ、そういう微妙な顔で想う人って、大切な存在なんだってね。」
(彼とその人の、その丁度良い距離感と関係が、これからも長く続いてくれると良いな、と。)
「…確かに。燃えるような赤、って言ったら格好良いけど、目立ちたくないときに目立っちゃうのは何かと苦労する時もあるよね。」
(髪は地味極まりない黒のロボだけど、首から下が目立ちまくるロボは彼のそんな話にこくこく、と頷きつつ苦笑い。許可が貰えたロボは、「ありがと」って嬉しそうに囁いて、彼の少し癖っ毛な赤にそっと金属の指を絡ませてみて、するすると走らせる。銀色の指先と並んで比較してみても、やはり鮮やかな赤はとても印象的だった。ほんの少しの時間そうしていたけど、あまり長く触れているのも申し訳ないしちょっと恥ずかしくなってきたので、すっと手を下ろして、また感謝の意を伝える。)
■東雲七生 > 「いや、まあ……何て言うか。
あんまり同年代がいっぱい居るところに行きたくないと言うか……」
自分の幼さが際立つので。なんて言える筈もなく。
割とコンプレックスの塊だったりするが、それを補って余りある前向き加減だったりするのだ。
「大切……うん、大切!
何て言うか、ねーちゃんみたいな感じでさ。
俺、実際に姉ちゃん居るかどうか分かんねえんだけど。」
にひひ、と笑みを浮かべながら本当に嬉しそうに話す。
家族との記憶なんて殆ど無いも同然だが、この島の友人たちが家族みたいなものに思えているのかもしれない。
「そーなんだよ。俺はあんまり目立つの好きじゃねえんだけどさ。
この頭じゃ人混みの中でも目立つし、人目引くし……何度か髪染めてみようとしたんだけど、それでもダメでさ。」
参っちゃうよな、なんて髪に触れられながら毒づく。
幼い見た目に加え、髪と目の色と、やっぱりコンプレックスが多い七生だった。
それでも感謝されれば、気にすんな、と良い笑顔を返す。
■クロノ > (あまり乗り気じゃ無さそうな彼の様子、ロボはちょっと残念そうに微笑んで頷いた。彼が気にしているのは髪や眼の色だけでは無いんだろうな、とも思いつつ、いずれ育っていくうちに、自分自身のそういう所も受け入れて、大人になっていくのだろう、とも。)
「…そぅ、かぁ。お姉ちゃんね。…って、後からひょっこり出てきて兄弟発言されたら、それはそれでびっくりしそう。」
(ねーちゃん。血の繋がった家族。その言葉の響きに何を思うのか、ロボは隣で元気いっぱい話す彼の未来が、幸福であって欲しいと願いながらどこか少し遠い眼差しで見つめた。)
「…あ、そういえば。僕、そろそろ次のお仕事に行かなくちゃ。」
(ロボなのに、すっかり忘れていて思い出し、少し慌てるような言動。見た目と違って、その挙動や言葉はとっても人間臭い雰囲気の滲む男の子だ。)
「…僕はもう戻らなきゃだから先に行くけど…ななみも、あんまり遅くならないうちに気をつけて帰るんだよ?」
(再び「よいしょ」とか言って肩を並べていた姿勢から一歩退く。)
「…ななみ、今日はありがとうね。…今度は、ななみのお友だちとも、一緒に遊んでみたいな。」
(そう微笑んで小さく手を振って、男の子ロボはもと来た通路へとまたひょっこり戻って、塔を降りていく。)
ご案内:「大時計塔」からクロノさんが去りました。
■東雲七生 > 「一応本人には言ってあるんだけどさ、ねーちゃんみたいだって。」
さほど驚かれたような気はしなかったし、どちらかと言えば向こうはペットみたいな感覚で居るのだろうと思うけど。
「あ、お、おう!ちゃんと遅くなる前には帰るよ!
じゃーな、クロノ!またなっ!」
去って行く後ろ姿に手を振りつつ見送って。
ロボ、すげーなあ、なんて簡単な感想を呟きつつ、時計塔に一人残ったのだった。
まだ少し、のんびりして行こうと。
ご案内:「大時計塔」に浅田扁鵲さんが現れました。
■東雲七生 > 変わった奴だったなあ、と満足げに呟いてその場に寝転ぶ。
ふわぁ、と自然とこみ上げる欠伸を噛み殺すと、空を見上げてのんびりとこれからの予定を確かめはじめた。
「えっと、取り敢えず買い物して帰って……、何作って貰おうかなー」
自分もそろそろ料理の一つくらい出来た方が良いんだろうけれど。
だって仕方ない。作って貰う料理が美味し過ぎるんだ。
■浅田扁鵲 >
【先の来客が去って、少しした後。
のんびりとしている少年の下に、ひたひたとした足音が近づいてくるのが分かるだろう。
音の方へ目を向けると、なにやらやや大きめ、頭から尻尾の先までで60cmほどはありそうなトカゲっぽい生き物が近づいてくる。
体色、鱗の色は淡い赤、頭からも赤い角が生えた爬虫類は、どことなく竜のようなイメージがあるかもしれない】
『…………』
【その爬虫類は少年のすぐ近くまで歩いていくと、なにやら興味深そうに少年を見上げるだろう。
爬虫類の感情の機微なんて分からないかもしれないが、その目がなにやら好奇心に満ちていそうなのは分かるかもしれない】
「……参ったな、先客が居たか」
【そしてその後ろからやってくるのは、作務衣を着た気だるげな様子の男。
少年を見ると、困ったように頭を掻いていた】
■東雲七生 > 「……ふぁ。」
まったりのんびりしていたら、ふと意識が途切れていた。
ちょっとだけうとうとしてしまったのか、と軽く目を擦ったところで視界に入ったのは、
「……トカ…ゲ?」
珍妙な生物だった。
古代生物図鑑とか転移荒野とかで見た事あるなあ、と漠然と考えて、
ふと、手を差し出し。
「……お手?」
半分寝惚けた頭でそんな事をトカゲへと告げる。
その直後に現れた男には、どっかで見た事あるなーと思い出そうと試みつつ。
■浅田扁鵲 >
【お手、と手を出されると、その上に前足を乗せる。
乗せられた前足は爬虫類特有のひんやり、かと思えば、むしろ温かいくらいの体温だろう。
そしてその珍妙な生き物は、なにやら期待に満ちた瞳を向けている。
いや、爬虫類だし表情なんて殆ど変わらないのだが】
「……ああ、すまんな。
どうも遊んでもらえると思ったみたいだ」
【後ろの男がまたけだるげな欠伸をしつつ、そんな事を言う。
少年の近く、とはいえ近すぎない大人の距離というくらいで腰を下ろすと】
「一応聞くが、君は学生かな?」
【と、質問した。
これでも浅田扁鵲、教員である。
講義に出ていれば勿論、学校内で見かけたことはあっても不思議ではないだろう】
■東雲七生 > 「ん……。」
自分の手に置かれたトカゲの、見た目こそ爬虫類の物そのものの手だか前脚だか表現に困るそれを見て。
少しだけ満足げに頷くと、もう片方の手でわしわしと喉の辺りを撫でようとするだろう。
日頃、転移荒野で珍妙で奇天烈な生物たちを相手にしている身としては、犬猫の相手よりもよっぽど慣れているものなのだろうか。
「んす、別に遊んでも良いっすけど。
……いまいち何がしたいか分かんない顔してんすよね。」
まだ眠たげな眼をしたまま、近くに腰を下ろした男を見る。
学生か、と尋ねてきたということは、今度こそ教員かなあなんて思いつつ。
「えっと、はい。そっす……東雲七生、二年っす。」
生憎と七生が履行している中に担当の講義は無かった様で。
だったら校内ですれ違ったか、くらいの認識なのだろう。
■浅田扁鵲 >
【爬虫類は撫でられると嬉しそうに? 目を閉じる。
自分から手に体を押し付けるようにしてくる辺り、構ってもらいたくて仕方ないのかもしれない】
「まあ顔は爬虫類だからな、分かりづらいだろう。
遊んでもらえるなら助かるよ、さっきから退屈だと暴れて参ってたんだ」
【少年に負けず劣らず眠たげな顔の教員は、はあ、と疲れたようにため息をついている】
「そうか、二年の東雲だな。
俺は一応教員の浅田だ。
偶に講義もしてるが、普段は教室棟の隅で治療室をやっている……まあ、保険課の亜種みたいなもんだな」
【と、自分の身分を簡単に伝えると、また困ったように顔を掻いた】
「一応な、教員としては伝えなくちゃならんのだが。
ここが生徒は立ち入り禁止になってる事は知ってるよな?」
【などと、特に言いとがめようなどといった雰囲気もないまま、面倒くさそうに確認する】
■東雲七生 > 「何して遊んでやればいいんすかねー……」
うーん、と視線を爬虫類に再び向けて思案気に唸る。
普段やってる事と言えば、自分より数倍も大きい体躯の怪物相手に殴り合いだ。
さながら熊と相撲を取る金太郎みたいなことをしているので、このサイズの相手と何をすれば良いのか、
とんと見当がつかない。
「浅田……先生。
……いやいや、知ってましたけど!
何て言うか、そのぉ……すいませんした。」
特に言い訳も思いつかず、素直に謝る事にした。
■浅田扁鵲 >
「その辺はまあ、本人にでも聞いてやってくれ」
【浅田も丸投げである。
爬虫類の方は、今は撫でたりしてもらっているだけで十分嬉しそうな動きを見せているだろう】
「ああ、いや俺もわざわざ注意なんてしたくないんだがな。
職務上やむを得ないだけだ、あまり俺みたいなの以外には見つからないようにだけ気をつけるといい」
【謝られると苦笑を見せて、そんな風にやや斜め上の注意だけに留める。
そして、ふうと息を吐けば】
「ここはいい場所だ。
静かで、隠れてサボるには中々良い」
【くっく、と笑うその様子からは、少しばかり子供っぽさが見えるだろうか】
■東雲七生 > 「本人にって……
そもそも、こいつは何なんすか?リザードマン?
まさか生徒じゃないだろうし……何なんすか?」
嬉しそうな爬虫類を見つめ、首を傾げる。
特に種族についてとやかく言う様な性格ではないが、何も知らないままというのも何だか据わりが悪い。
ひとまず、せいやっ、と爬虫類の頭と、足元、二点を円を描く様に手で払ってその場に転がそうと試みる。
「ういっす、肝に銘じときます。」
とはいえ、あんまり真面目な教員が此処に向かう姿を見かけた事もない。
生徒に危険ならば、教員にも危険。そう判断するのが、真面目な人間であれば、普通なのだろうか。
「そっすねー……と言っても、俺はもう放課なんでサボりじゃないっすけど。」
笑う浅田先生の様子に軽く肩を竦めて。
そもそも授業サボって来ることも、今はあんまり無い。
自分に合わない授業から、合うものへと切り替えた今は毎日それなりに楽しく過ごせているのだ。
■浅田扁鵲 >
「そいつは竜だよ、大陸で神と崇められてた竜の子だ。
シャオという名前だが――」
【そう答えてるうちに転がされる子竜。
中々物怖じしない生徒だな、と思いつつ面白そうに浅田は眺めているが】
『――今の面白かった!』
【コロンと転がされても子竜はすぐに起き上がる。
すると今度は、子竜のほうから人間の、それも幼い少女の声が聞こえただろう】
「そうか、サボりじゃないのは偉いな。
俺はやむ得ない事情によって学園に申請をした上でのサボりだ。
本来はまだまだ業務時間内なんだがな」
【と、そんな一人と一匹の様子を見ながら、堂々とむしろ自慢するくらいの語調で言う教員。
ちなみに本当に申請して早退扱いになっているため、サボりではない。
書類上は】
■東雲七生 > 「竜?」
そいつは予想外だった、と言わんばかりに訊き返す。
とはいえさほど驚いている様子もなく、ああ、そういうものななのか──と妙に納得した様子ではあったが
「……へ?うぇ?」
今度は驚いた。
鳩が豆グレネードランチャーでも食ったような顔をしながら、竜と、浅田先生とを見比べる。
「いや、もうサボりとかそういうのは良いんすけど。
今、こいつ、喋っ──
……そっか、喋れんのかお前ー。」
狼狽える様な視線を浅田先生へと向けたが、凄まじく適応が早かった。
まあ竜なら、それも神性を持つのであれば言葉くらい発するか、とその程度の納得の仕方ではあったが。
常世学園の一年生として1年間あらゆる出会いを経験してきた七生にとって、
もはや竜が喋るくらいなら、ちょっとパンチの利いた黒人が関西弁で話しだすくらいの驚きでしか無かったようだ。
■浅田扁鵲 >
「……順応が早いな、東雲。
普通はなんだ、もう少し驚いたりしないか?」
【むしろその適応力に浅田のほうが驚いた。
まさか目の前の学生が、前年度ですさまじい出会いを繰り返しているなどとは夢にも思わない】
『うんっ、シャオは喋れるよ!
ねえねえっ、さっきのもう一回やって!』
【喋りだしたと思えば、見た目は爬虫類顔なのに、声は非常に感情豊か。
ぴょこぴょこ跳ねて、全身で要求を訴えているのが嫌でも伝わってくるだろう】
「……こいつがな、まじめに治療室に詰めてると、退屈だって騒ぎ出すんだよ。
あんまり放っておくと暴れだして被害が出かねないからな、数日置きに許可を取って早退してるんだ」
【と、困ったように言うが、少年に向けて遊んでくれとじゃれ付いている様子を見れば、子供を見る父親のような表情をして笑っているだろう】
■東雲七生 > 「いやあ、まあ……
色んな知り合いが居るんで、竜が喋るくらいはそんなに……」
逆に何であれば驚くだろうか、と少し自分でも考えてみる。
校舎が変形合体したり、鯨が飛んでたりしたら驚くだろうか。いやいや、『そういうこともあるか』で済ませてしまいそうな気もする。
「シャオ……シャオか。
今の気に入ったのか?……まあ、別に疲れるもんでもないし良いけど。」
ほら、と再びシャオの重心を二点でくるっと回して転がす。
授業の片隅で覚えた合気道の初歩初歩みたいなもので、これがもう1mを越える相手になるとまるで通用しないのだが。
「ははーん、なるほど。
まあ真っ当に生徒をやるようなつもりがなきゃ、退屈なんでしょーね、学校って。
俺の知り合いにも一人居ますもん。退屈だからってすぐどっか行っちゃう奴。」
こんなところでこんな風に他人に言ったなんて知られたらどうなるだろう。
少なくとも夕飯が減るな、と思いながら。
■浅田扁鵲 >
「……中々苦労をしてそうだな、お前さんは」
【師が占ったら随分な相が出てきそうだ、と易にも通じた恩師を思い出し。
そういえば自分も、そもそも竜にばったり会って、子供を預かるなんて事になってる辺り、他人のことは言えないような気がして目を逸らした】
『きゃーっ!
すごいすごいっ、くるんってなった!』
【転がされたまま、その場でごろごろ転がってはしゃぐ子竜。
顔が爬虫類顔でなければ、嬉しそうに無邪気に笑う表情でも浮かんでいそうな様子だ】
「ああ、俺が学生の頃にもよく退屈だからと抜け出すヤツはいたな。
後は年中寝ているやつとか……。
まあどっちも、今じゃ俺よりよほど稼いでるらしいが」
【真面目なヤツが成功するとは限らず、不真面目なやつが失敗するとも限らない。
そんな世の報われなさを思って少しばかり遠い目をした】
「ちなみにだが、シャオは生徒じゃなくて俺の私物だ。
つまりまあ、ペットという扱いだな。
学生として入学させるには、まだ少しばかり幼くてな」
【『見ればわかるかもしれんが』と、はしゃいでる子竜を眺めながら呟く】
■東雲七生 > 「そうでも……どーなんだろ。
まあ、その分面白い事とかもたっくさんあるんで!」
苦労よりもそっちの方が多いから、大して気にならないと笑みを浮かべる。
他人との、特に異邦人と呼ばれる人間の枠から外れた者たちとの出会いは七生にとって益にしかならないのだろう。
「ははっ、楽しいなら何よりだ。」
転げまわるシャオを見てから、浅田先生へと振り返って。
この世の不条理さには肩を竦めるのみで何も答えなかった。
そんなことは七生にとって遥か未来の話でしかないのだから。
「幼い……っすね。
あ、でも子供って事は親もこの島に居たりするんすか?」
それとも他の世界に居るんだろうか、などと推察してみたり。
■浅田扁鵲 >
「そうか。
ならそれは、お前さんにとってはいい出会いだったんだろうな」
【自分が竜の親子に出会ったように、奇妙な縁があったのだろうと頷いた】
「ああいや、大陸で今もありがたく祀られてるはずだ。
どうもこいつの親に気に入られたらしくてな、預けられてしまったんだよ。
独り身に子育てなんざ、無理だといっ――」
『もーっ、扁鵲はすぐにシャオを子ども扱いするー!』
【と、浅田の言葉を遮るように、起き上がった子竜が不満そうに尻尾で床を叩いた】
「……な、子供だろう?」
【子ども扱いするなと言うのは子供の証拠だ。
そう言わんばかりに、少年へ同意を求めるように肩をすくめてみせた】
■東雲七生 > 「んまあ、今になって思えば、って奴っすね。」
たはは、と少し照れたように笑いながら頷く。
まあ、険悪な出会いというのは無かったな、と。
「へえ、そうなんすか。
大陸──俺もいずれ行ってみたいっすね、日本だけじゃなく、世界中あっちこっち。」
そんな事を言いながら、不平を口にするシャオの姿を見て小さく噴き出した。
「ホントっすね……あ、と。
俺、そろそろ行かねえと。スーパーのタイムセール始まっちゃうんで。」
シャオにもまたな、と手を振って身支度を整えると、
ぺこり、と浅田先生へ一礼して階段の方へと向かい始める。
■浅田扁鵲 >
「行くと良いさ、世界はあまりにも広い。
君ならどこに行ってもやっていけそうだしな」
【うん、と頷いて勧めるような事をいい、少年が笑えば浅田も苦笑を見せた】
『むー……ええー、もう行っちゃうの?』
【不満そうな子竜は、また別の意味で不満げな声を上げるが、その首根っこを掴まれて浅田に持ち上げられる】
「すまんな、子守をさせてしまって。
おかげで助かったよ」
【そう子竜を座った自分の足に乗せながら、片手を挙げて少年を見送る】
『また遊んでねー!』
【そして子竜もまた、そんな少年を見送るのだった】
■東雲七生 > 「それじゃ、また会う事があればっ!」
階段へと続く扉の前で振り返り、二人へと大きく手を振った。
浅田先生には、今度校内ですれ違ったりするときは挨拶をしっかりしよう、と決意しつつ。
(他所の国、か……やっぱり他の世界に行く前にこの世界の他の国にも行ってみたい、な。)
そんな思いを胸に、七生は時計塔を後にする。
ご案内:「大時計塔」から東雲七生さんが去りました。
■浅田扁鵲 >
「中々、活力のある少年だったな」
【手を振って去る少年を見送れば、浅田は足の上に置いた子竜を撫でつつ呟き】
「……さて」
【多少遊んでもらって気が済んだとは思うのだが】
『扁鵲扁鵲!
扁鵲はさっきの出来る?』
「ああ、まあ似たような事ならな……」
【新しい遊びを覚えたシャオに、暫く付き合わされて。
翌朝、少しばかり妙な筋肉痛に悩まされるのだった】
ご案内:「大時計塔」から浅田扁鵲さんが去りました。