2017/01/11 のログ
ご案内:「大時計塔」に黒龍さんが現れました。
黒龍 > 大時計塔…学園にはこのような建物があると知ったのはつい最近の事だ。
とあるツテで偽造学生証を手に入れたとはいえ、基本学園には気が向いた時にしか顔を出さない。
アウトロー気質が多分に強い男にとって、健全な学園生活というのはいまいち性に合わないのだ。それでも、身分証明があるだけ動きやすくはなる。

そして現在、生徒は基本的に立ち入り禁止であろう時計塔の最上階…と、いうよりもその天辺。鐘楼部分よりも更に上。
何時もの黒いスーツ姿のチンピラかヤクザかマフィアのような出で立ちは相変らず。
夜風にパタパタと、空っぽのスーツの左袖部分をはためかせながら一服中。
基本的に葉巻を好む男だが、こちらの煙草というのも中々に悪くないもの。
口の端に咥えて堂々と一服しつつも、場所が場所だけに咎める者がそもそも居なかった。
まず、普通の輩はこんな場所にまでわざわざ登らないだろう。

「…ふぅ~~…やっぱ一服する時はこういう場所に限るわな」

魔術でも異能でもなく、純粋に体のバランスだけで器用に突っ立ちながら大時計塔からの夜景を眺める。

ご案内:「大時計塔」にイチゴウさんが現れました。
イチゴウ > 「この辺か。」

イチゴウはそう呟きながら
金属音を立てて階段を上ってくる。

「確か音がしたのはこの塔だったんだよなあ。」

階段を上り終え辺りを見渡し音の発生源を探す。
相変わらずこの時計塔の最上階は人気がない
しかし時計塔の天辺に目を移した時に
イチゴウが何かに気付いた。

「あれは・・?人か?」

イチゴウは天辺の存在に首をかしげつつそう呟いた。

黒龍 > 「……あぁ?誰か来やがったみてぇだな…つぅか、何だこの金属音」

足音、にしては変だ。己の世界にも機械の体を持つ種族が存在したが、そいつらの足音に近い。
煙草を口の端に咥えたまま、ヒョイッと飛び降り…るのではなく。
何か両足を屋根に引っ掛けて逆さ吊りのようなポーズでそちらに顔を出すだろう。

「……何だ、こりゃまた珍妙なヤツが来やがったな…どうなってんだこの島は」

開口一番本人が居る前でそんな事を堂々と呟いていくスタイル。こういう男なのだ。
で、無遠慮に逆さまの姿勢で四速歩行のロボットらしい相手を眺めているだろう。

イチゴウ > 声のした方を振り向く。
そこには逆さの姿勢で煙草をくわえたまま
こちらをのぞく男がいた。

「珍妙か、まあ良く言われるよ。」

確かにこの機体の形は当初軍関係者にすら
驚かれたもんだと改めて思う。
そしてイチゴウは自分の立場を思い出し
質問する。

「ボクは学園の警備ロボット。
キミは何者だ?」

黒龍 > 「…だろうな。機械関係の連中はこの島にもゴロゴロ居るっつぅのは小耳に挟んだ事はあるがよ?
テメーみたいなタイプは結構珍しいんじゃねーのか?ついでに言やぁ、相当高度な人工知能でも搭載してるみてーだし」

機械文明も己の故郷である世界には存在していた。故に、ある程度は機械関係も観察すれば分かる。
とはいえ、こちらの世界由来の機械となると、まだ少々勝手が分からないけれど。
相変らず逆さまの姿勢のまま、蝙蝠のように屋根からぶら下がりながら。

「……うげ、警備ロボットかよ……あーこれでも学園の生徒だぜ?黒龍・ランドグリーズ。……これ見せた方が早ぇか」

と、彼の素性に最初は露骨に嫌そうな顔をしてから、次いで面倒臭そうにスーツの懐から何かを取り出す。
それは学生証だった。顔写真と学年、ソレと先ほど名乗った黒龍・ランドグリーズとこちらの世界の文字で書かれており。

「…つぅ訳で、一介の生徒っつぅ訳だ。…ああ、成人してるから煙草は文句言われる筋合いはないぜ?
あと、ここは喫煙禁止というルールも確か無い筈だからいいよな?」

と、言ってみるが、そもそも元々の警備がザルとはいえここは生徒立ち入り禁止である。

イチゴウ > 「ありがとう、どれどれ。
ふむ。なるほど。事情はわかった。」

イチゴウはそう言うと学生証を男に返す。
その瞬間に背部の重機関銃から金属音がした

「悪いけど警戒は解く事は出来ない。
だけどボクは学園とはまだ書類上の付き合い
みたいなもんだからそこまで仕事熱心じゃないんだ。」

そういうとイチゴウは目の前の男を見上げる。
高さ60cmのボディからは男がとてつもなく
大きく感じられた。

黒龍 > 学生証を彼が確認し終えれば、内心で(やっぱこの偽造学生証レベル高ぇな…バレねぇもんだ)とか思いつつ懐に仕舞い込む。

が、次の瞬間、金属音にそちらへと未だに逆さまのまま視線を戻す。
…彼の背部にある重機関銃。そこから音が出たようだ。…今のは装填音か?
どのみち、この距離からぶっ放されたら普通は交わせないし防御も無駄だろう。
…が、男はその重機関銃を一瞥しただけで彼の顔辺りへと視線を向ける。

「……ぶっ放すのは別に構わんぜ?売られた喧嘩は残らず買う主義でな。
とはいえ、そもそもここでそんなのぶっ放したらまず周りが騒ぐと思うけどな…っと」

言い終えればクルン、と引っ掛けていた足を離して鮮やかに半回転して足元から着地する。
とはいえ、こちらは突っ立ったままだから彼が見上げる状態は変わらないかもしれないが。

「で、テメーも個体名とか識別番号とかそーゆーのあんだろ?俺が名乗ったんだからそっちも名乗れよ。ただの警備ロボットじゃ味気ねーだろうが」

と、煙草を蒸かしたままそう尋ねていく。彼の警戒など全く意に介してないというふてぶてしさ…いや、マイペースさか。

イチゴウ > 「確かに、コッチにも名乗る義務があるな。
ボクはHMT-15。魔術師とか異能者に対抗するために人類が作った戦闘マシーンだ。だけど軍が壊滅したから学園に雇われてるってわけさ。」

イチゴウはそう名乗る。
もしただの生徒だったなら
即座に武装解除をしていただろう。
だけどこの男はただものじゃない。
数多くの異常存在と戦ってきたイチゴウの
経験が警笛を鳴らしている。