2017/11/20 のログ
ご案内:「大時計塔」にHMT-15さんが現れました。
■HMT-15 > 学生区は常世祭の開催中という事もあってか
大変賑わっておりそしてその中央にそびえたつのは
この区画を象徴する時計塔。
しかしその塔はいつもならば時を刻んでいるはずだが
現在の時刻に限ってはその針が動いていない。
また聴覚に優れている者がこの近くにいれば
内部から不気味な音が聞こえてくるのが感じられるだろう。
大きな時計盤に存在する整備用と思われる小さな戸が開いており
ここから内部へと入れるようだ。
■黒峰龍司 > 「…そういや、さっきから針の音が聞こえねぇな」
文庫本に集中して一服していたからあまり意識していなかった。ただ、代わりに別の音が聞こえるのだけれども。
なんとなくそちらに意識が向けば、煙草を咥えたまま両手はスーツのポケットに手を突っ込んでブラブラと移動。
程なく、時計塔の内部機構の整備・点検の為と思われる小さな戸を発見する。
不気味な音の出所はここらしい。確認すれば矢張り時計の針は止まっている。
(……定期メンテナンスでもやってやがんのか?)
ともあれ、躊躇する性格でもないので、ヒョイッと器用に身を滑り込ませて中へと入っていくのだ。
■HMT-15 > 時計塔の内部に広がっているのは大小様々な歯車。
互いに噛み合いながら回転しており
激しい駆動音と振動を轟かせている。
足場も少なく高さもそれなりにあり
大量の歯車が回っているので人間の侵入に適していないのは
言うまでもない。
そしてその奥に存在するひときわ大きな二つの歯車。
何とその間に四つの足を持つ妙なロボットが挟まっている。
しかし歯車の力によってロボットが潰されかけているかと言えば
そうでもなくむしろシャーシ剛性に歯車が負けており
このままでは歯車にダメージが入ってしまうだろう。
「そこの魔物、少し手を貸してほしい。」
そのロボットが遠目で入ってきた者の姿を確認すると
そんな言葉を発する。
歯車の音が煩いからかいつもの機械音声も
普段より大きめに。
ご案内:「大時計塔」に黒峰龍司さんが現れました。
■黒峰龍司 > 「…オイ、誰が魔物だ誰が。つーかテメェ、イチゴウじゃねぇか。俺の姿忘れたとか言わねーだろうな?」
と、諸々の現状を目で確認しつつも、まずツッコミ入れるのはそこだった。
俺は以前、ここでコイツが転移荒野に”ロンギヌスの槍”とかいう衛星兵器の試射をしたのを忘れてない。
「…で、何でテメェはこんな場所に挟まってんだよ…お前がここのメンテナンス担当って訳でもなさそうだが?」
サングラスの奥からジト目で彼の様子を見遣る。今、この瞬間にも歯車の方がむしろ破損しそうだが男は自分のペースを最優先だ。
ちなみに、男は重力軽減や浮遊、その他幾つかの魔術を同時多発的に発動しているのでこの場でも問題は何も無い。
まぁ、素の耐久力がおかしいレベルなので、そもそも魔術を使う必要すらないのだが。
「…んで、手を貸すってどーすんだ?お前引っこ抜けばいいのか?」
■HMT-15 > 「む、声紋と容姿から判断するに黒龍か?
規則では学生は立ち入り禁止となっている。」
無様に挟まりながら頷きつつそんなことを。
少なくとも助けを求めながら吐いていいセリフではない。
「ここ時計塔の基部に障害が発生したらしく
人間では危険なので急遽ボクが担当する事となった。
そして上部の足場で作業していた所、
後左足を約20cm程踏み外しそのまま落下した。」
上の足場を眺めながら酷く冷静に状況を報告する。
その間にも歯車は金属の悲鳴ともとれる音を発している。
「その手段で問題は無いが歯車になるべく
ダメージを与えないようにお願いする。」
歯車はどこか一つ壊れれば時計台の機能に甚大な
障害が残る。そうなれば始末書は不可避だろう。
そもそもこのロボットの自業自得なのだが。
■黒峰龍司 > 「あーー…細かい事は気にすんな。つーか、テメェはんな事を冷静に指摘してる場合でもねーと思うが」
ロボットだからか、規則とか何やらに基本忠実なのは分かるが時と場合を考えた方がいい気はする。
むしろ、今最優先するのは自身の脱出だろう。彼はともかく、歯車の方がもう限界ぽい。まだ皹や欠けが無いだけマシだが。
「…あーー成る程な。んで、テメーだけをそこから脱出させつつ歯車とかに損傷は与えるな、と」
普通ならあれこれ考える所だろうが、男からすれば解決方法は単純だ。
なので、一応彼に「おい、今から魔術使うけど防衛機構とかあるなら一度キャンセルしとけよ?」
と、前置き。そうしてから、彼へと擬似門の魔術を発動。いきなり出現した黒い穴が彼だけを飲み込んで――…
次の瞬間、足場の上へと出現した穴から吐き出されるような勢いで、五体損傷無く出てくるだろう。
つまり、彼だけを魔術で転移させたのだ。正確には、一度彼だけピンポイントに亜空間に放り込み、足場の上の座標を指定して再出現させたのだが。
見れば、歯車も問題なく動き始めているようだ、これで、止まった針も動き出すだろう。とはいえ時間がズレているだろうから調整は必要だろうが。
■HMT-15 > ロボットが亜空間へつながる黒い穴に飲み込まれると
二つの歯車はガチンと大きな音を響かせ互いに回転を伝え合う。
それと同時に時計盤の針が再び時を刻み始める。
「なるほど、確かに合理的だ。
高次元空間に転送すればよかったのか。」
実のところこのロボットにも
余剰次元へ接続するシステムが搭載されている。
しかし活用しているのはもっぱら戦闘時のみで
日常生活へは全く応用していない。
「各種機構異常なし。
それと今、常世フェスティバルなるものが
開催されているらしいがキミは遊ばないのか?」
前右足、左足、続いて後ろと順番に足を踏み鳴らし
最後に小さくジャンプして動作確認を終えると共に
いつもと変わらぬ様子の黒龍にそう言った質問を。
■黒峰龍司 > こちらの世界で自分以外を転移させるのは初めてではない。だがロボットの類は初めてだ。
少なくとも、この術式を確立してからは初めてだが上手くは言ったようで何より。思わぬ所で検証が出来た。
「高次元っつーか俺のは亜空間…まぁ似たようなモンか。俺は専ら倉庫代わりに使ってるけどな。
まぁ、今みたいに”転移”の再現つーか移動手段にも応用出来る」
お陰で、座標とかを正確にイメージ出来れば、ほぼ確実に狙った場所に転移可能だ。
ただ、まだ術式が完全ではないので偶に事故って変な場所に出る事もあるのだが。
と、自身の状態をチェックしながらの彼の質問に肩をすくめてみせる。
「あー…正直あまり興味ねーな。美味い酒とか珍しい煙草が売ってるなら話は別だが。
欲しいモンも特にねーし、美味い食い物を食いたいって訳でもねーし。
…ま、暇潰しにはなりそーだから、気が向いたら適当に散策はするかもだがよ?」
無関心、ではないが殆ど興味が無いというニュアンスだ。そもそも遊ぶ見た目でもない。
どちらかといえば俺様で、自分のペースを貫く男なので周囲のお祭り騒ぎに素直に乗っかる筈も無いのだ。
「ともあれ、歯車に破損もねーみたいだからコレで問題はねーだろ。んで、基部の障害の復旧作業は終わったのかよ?」
■HMT-15 > 「亜空間というものはよくわからないが
ボクのものもキミと大体同じ使い方だ。
普段は兵装の格納に使用し加えて自身を転送させれば
回避目的にも使用が可能。
ただし継続時間は1秒程度なので移動距離は限られている。」
そう言うとロボット自身が眩く発光すると共に消滅し
次の瞬間、黒龍を挟んで後ろ側に現れるだろう。
しかしやはり限界が存在してしまうのが
科学技術を利用したシステムの悲しいところか、
魔術ほどの利便性は兼ね備えていない。
「興味が無いとは興味深い。
人間達は年に一度の行事ごとを良く好むようだが、
人間でないキミは例外らしい。
因みにボクは非常に興味があるが決まって来るのは
パトロールの任務だ。」
不意にしょんぼりとした動作と言うべきか
自身のシャーシを少し落とす。
このロボットは物珍しいものがあればすぐさま興味を示す。
ほっておけばあちらこちらへと行ってしまうので
委員会もそれを理解した上で任務を課せているのかもしれない。
「精密分析の結果でも歯車に損傷は確認されない。
それと基部の修理は完了している、安心してくれ。」
そもそも黒龍とは何の関係もなかったものだが
彼が来ずにこのまま放置されていたら
深刻な障害が発生していた可能性も十分に考えられる。
ご案内:「大時計塔」に黒峰龍司さんが現れました。
■黒峰龍司 > 「簡単に言えば、次元の狭間…この世界と別の異世界の中間地点で、そのどちらでもない空間…と、俺は認識してる。
時間と空間が完全に隔絶されてるから、例えば食料保存とかも出来るし容量に基本制限が無いから色々詰め込める。
…ま、さっきの俺の術式は最大で直径2,3メートルしか開けないからそれ以上にデカいのはそもそも入らないけどな」
と、肩を竦めてみせつつも目の前の彼が行う転移現象…いや、機能か。それを確認する。
反対側に出現した彼をゆっくりと振り返り眺めて。
「へぇ、大したモンだ。魔術的要素が一切入り込んでない純粋な科学技術…か。
こっちの世界の科学水準も強ちバカには出来ねぇって事か。」
男の世界は魔法文明と科学文明の二つが発展している。だからこそ、彼の機能は興味深いし感心する。
とはいえ、転移機能は容量やシステム、エネルギー効率の問題など色々と実は課題が多い。少なくとも男の世界ではそうだった。
そうなると、彼のこのシステムも武装の格納・出現は問題なくても自分自身の転移は効率が悪いかもしれない。
「異邦人でも楽しんでるヤツは楽しんでるだろ。俺は何つーか、昔は兎も角、今はあんましお祭り騒ぎにゃ興味ねーんだわ」
何故なら、長い年月の間に色々と祭の類は経験しているから飽きてしまっている。
異世界のこの祭は新鮮なのだが…それでも興味が惹かれるかはまた別なのだ。
この辺り、無駄に長く生きている事によるある種の弊害に等しいかもしれない。
好奇心旺盛な彼とは対照的に、暇潰しは好きだが好奇心が半ば死につつある。
とはいえ、退屈はとても苦手なので暇潰し名目で結局は祭を冷やかし見て回る程度はあるかもしれない。
「そうか、ならいい。流石に歯車の修復とか出来ないでもねーが面倒だからな」
それに、自分の場合は修復は専ら魔術が基本だ。何かしらそれで歯車に影響が出て時計塔そのものに障害が出たら面倒でしかない。
まぁ、ともあれこれ以上自分がここに留まる理由も無さそうだ。時計塔内部は基本、生徒は立ち入れないとなれば散策もありなのだろうが。
「んじゃ、問題が片付いた所で俺は引き上げるわ。そっちはどーすんだ?」
■HMT-15 > 「どうやら既存の次元とは異なった新たな空間と
認識するのが適切なようだ。」
黒龍が繰り出した高度な転移魔術の解説を聞けば
彼の方を振り返りふむふむといった様子。
「効率はさておき魔術や異能に対して
既存の科学で勝つという所に意味がある。」
異能や魔術は物理法則などに縛られない強力な力であり
それらは世界のバランスを一瞬にして打ち崩した。
勿論それらに対し人類の持つ力である科学で勝つのは
容易なことではない。しかし異能魔術に頼り過ぎない事が
この世界の延命に繋がるというのはあるかもしれない。
「ボクはお祭り騒ぎに興じてみたい。
少し上層部へ提言してみようか。」
独り言気味に発されたセリフ。
目の前の黒龍とは対照的に興味津々の様子である。
ロボットは人間文化について知識として知っているものの
実際に経験したものはかなり少ない。
「キミは帰るのか、ボクの方は針が止まっていた分の
誤差を修正する必要がある。」
黒龍が引き上げる事を告げれば彼を見送り
その後ロボットは足場を利用して上へ上へと
駆け上がっていく。ミスから学んだのか
素早いながらも後足の位置にはかなり気を配っているようだ。
ご案内:「大時計塔」に黒峰龍司さんが現れました。
■黒峰龍司 > 「まぁ、俺も科学者とか数学者って訳でもねーし、研究者でもない。その辺りの空間談義はあんまし出来ねーけどな。」
小さく苦笑気味に肩を竦めて。ただ高次元空間と亜空間…男は虚無空間と呼称しているが、それらは案外似て非なるもので実は近いのかもしれない。
「ま、人間の科学で再現できたらある意味でそれはもう魔術や異能みたいな超自然的な力ではないって証明にもなるからな。同時に、科学の可能性を広げるって事にも繋がるだろうしよ」
男は魔術をメインにしているが、別に科学技術を軽んじていないし理解も深い。
この辺り、いわゆるファンタジー一色ではない、科学文明が発達した異世界出身というのも大きい。
(…ま、人間の知恵と技術の結集みてぇなモンだしな…)
異能や魔術に頼りすぎず、己が持つ知識や技能を生かす。そして異能や魔術への対抗手段となれば矢張り科学は筆頭となるだろう。
彼もそういう意味合いでの産物の一つだろうし、これからまだまだ発展していく分野でもある。
「ああ、いいんじゃねーか?上層部とやらが素直に許可するかはわかんねーが」
そもそも、風紀委員会と自分は相性が非常に悪いので深入りしたくない。個人付き合いなら話は別だが。
そもそも、この男は分かりやすいくらいにアウトロー気質なのだから。本人も別に隠してないし。
「あいよ。ああ、下に一応防護ネットみてーな魔術の網を敷いておくから、万が一落ちても心配すんな。
ま、気紛れのサービスってやつだな…効果は30分程度だが、まぁチェック程度ならその時間でも余裕だろ」
と、言いつつ魔術を展開。今、二人がいる足場の下の方にびっしりと光る網のような魔術が展開される。
効果は30分。その時間が経過すれば自動的に消滅する仕組みなので解除の手間は無い。
彼も用心しているだろうが、まぁ万が一の保険というのはあっても困るまい。
「んな訳で、じゃーなイチゴウ。祭見学の申請が通るといいな」
と、ヒラリと右手を振って時計塔内部から出て行こう。そのまま、後は門の術式で転移して引き上げていくのだ。
ご案内:「大時計塔」から黒峰龍司さんが去りました。
ご案内:「大時計塔」からHMT-15さんが去りました。
ご案内:「大時計塔」に鈴ヶ森 綾さんが現れました。
■鈴ヶ森 綾 > 長い階段を上りきってその頂上部へとやってくる
時刻は西の空には太陽が輝き、水平線とじきに交わる時間帯
夕方である
下を見るとまだ大勢の人間が行き交っているのが見える
ここ数日の学園の敷地内はどこに行ってもそんな状態だ
人混みは別に嫌いではないが、多すぎると流石に辟易する
人の波を避けるようにして訪れたのがこの場所だったが、どうやら正解だったらしい
元々立ち入り禁止なだけあって、ここだけは普段と変わらぬ姿だ
■鈴ヶ森 綾 > 「それにしても…」
多すぎるのではないか?人
おそらく島外からも来てるのだろうが、それにしても、だ
「いつまで続くのだったかしらね」
はっきりとは記憶してなかったが、確か開催期間は二週間弱
後十日は残っているではないか
この日は祭りとしてそれなりに楽しんだが、早くも日常を懐かしむ気持ちが湧いてきている
「ふぅ…」
小さくため息を付き、外縁の柵に背中を預けた体勢でぼんやりと遠くの景色を眺め見る
■鈴ヶ森 綾 > とは言え、時間も時間だ
今日のところは人出も一段落つくだろうか
夜に催し物を行うところがあったとしても
そう多くはないであろう
そうだ、夜がくるのだ
賑わっているのは学園の敷地内だけではない
歓楽区の方もまた、ここと似たような状況だ
あちらの方はむしろこれからが本番かもしれない
大勢の人間が、警戒心も薄く羽目をはずして騒ぎ立てる
それはつまり…自分のような者達にとっては、喜ぶべきことかもしれない
邪な考えに小さく口元を歪め、先程より少し水平線に近づいた太陽に視線を向け、その光を手で遮る