2017/11/22 のログ
ご案内:「大時計塔」に伊都波 悠薇さんが現れました。
伊都波 悠薇 > 夜。日々の終わり。お祭り――騒ぎは止むのか、それとも激しくなるのか。
そんな時間帯。これからどう、お祭りがなっていくのか、それを見守るように見下ろす――

「月は、私の時間帯。夜は、私の世界、なんて――そんな気取った日もあったかなぁ……」

なんて、呟きながら。
ギリギリの、いつ落ちてもおかしくない場所で。
あぁ、そう。いつか誰かが落ちたような位置取りで――

ご案内:「大時計塔」に伊都波 凛霞さんが現れました。
伊都波 凛霞 >  
時計塔から見下される学園内の敷地を少し早足に歩く

妹の帰りが遅いので探しに来たのだ
携帯にも出ないし、何かあったのではと

──最近ではそんな心配をすることも少なくなったのだけれど、
それでもたまにこういうことがあればやはり気にはかかるもので

「お祭りにでも遊び歩いてんのかなぁ……」

少し乱れた息をふぅっと吐きながらそんなことを零して

伊都波 悠薇 > いた。見下ろせば、いつも見ていた彼女が。
黒髪が上から。普段なら見上げるだけだったろうに。
いや――見上げるだけで満足していたのに。
今では見下ろすこともあったりするから不思議なものだ。

――そのまま、見ていることにする。

探すのは、追いかけるのはいつもあの子だったから、なんとなく。
たまにの優越感に浸っていたくて

伊都波 凛霞 >  
最近は少しずつ冷えてきた
自分は一度家に帰ってから厚着をして出てきているものの、妹はどうだったか

「遅くなるなら連絡くらいいれてよね、っと…」

夕飯の支度だとか、そういうこともあるのだ
溜息をつきつつも、もう一度コールをしてみようと携帯を操作する

伊都波 悠薇 > 音量は上から。
競馬のテーマ曲が流れてきた。

――あ、電話かけてきたんだとか思いつつ

通話をクリック。耳に電話を当てる。

「はい、もしもし?」

格好は。制服にただ、マフラーをしているだけだった

伊都波 凛霞 >  
「ん…?」

小さいけれど近くで鳴っている気がする
というか、上から……?

「もしもーし…って、どこにいるの悠薇!?」

時計塔仰ぎながら、夜の陰りでよく見えないものの通話でそう呼びかける

伊都波 悠薇 > 「んー? この前、男の子が飛んでた場所」

簡単に言う。いやー、空気が冷たいねーなんていいながら。
あっけからんと。

「姉さんこそ、どうしたの? こんなところまで。お祭り、友達と回らなくてよかったの?」

伊都波 凛霞 >  
「そんなとこにいるの!? 危ないでしょ!?
 そもそも時計台は立ち入り禁止!!
 風も冷たいんだから、風邪引くよ、コート持ってきたから、降りてきなよ」

捲りたてて、再び溜息
突拍子もないことをしてくれるものである

「私も私の周りももう卒業前でお祭りどころじゃないの
 たまの息抜き以外はそうそう遊んでられないよ」

伊都波 悠薇 > 「いや、まぁ、そうだねぇ。危ない。でも、来たかったんだもん。しょうがないじゃん?」

くすっと笑いつつ、屈んで。下を見る。
光が見える。携帯の光――

「そういえば、そうだったねぇ。卒業。もう、来年かぁ……

伊都波 凛霞 >  
「そうだねぇ、じゃなくって!…はぁ、もう……」

下に見える形態の光が時計台の中へと消えてゆく
やがて下の方から、カンカンと靴が階段を叩く音が聞こえてきて

「──そ、もうすぐ卒業。 …どうかしたの?」

なんだかしみじみとした言い方に疑問を覚えて

伊都波 悠薇 > 「……んー?」

あぁ、登ってきてる。
自分で立ち入り禁止とか言ってたくせに――

その様子にほほ笑みを浮かべながら。

「また、追いかける側だなぁって」

伊都波 凛霞 >  
階段を一段一段昇りながら、電話越しに会話をする
電話越しではない声が少しずつ近づいてきて

「…?
 私のほうがお姉ちゃんなんだから、先に卒業するのは当たり前だよ」

返す言葉は、きっと妹の言葉の真意を外したものなのだけど
こういうところでの鈍臭さはもうこの姉は治らないのだろう気がする

伊都波 悠薇 > 「そうだねぇ……そう。当たり前――わかってるんだけどさ」

それでも。

「ま、いいや。姉さんはいつもそんなんだし」

にししと、笑いつつ。静かに振り返ってみる。
そろそろかなぁなんて思いつつ

そして星を見上げて。

「空が近いねぇ……」

伊都波 凛霞 >  
「なぁにそれ、またなんか外れてる?
 悠薇の言い方が難しかったりぼかしてたりするからだよ」

非難の言葉を吐きつつ、ピッと通話をオフにする

ちょうど背面からコートをばさっと被せるようにして、姉が立っていた

「そりゃこんなに高いんだし…落ちたら死んじゃうよ?
 あと見つかったら怒られるんだから」

伊都波 悠薇 >  
「そこは、私のせいじゃなくて、お姉ちゃんの短所だと想うなぁ……」

やれやれと肩を竦めて

「流石に落ちないでしょ。落ちるつもりもないし。あぁ、姉さんが上がってきたから、下がるってなるってこと? ないない」

くすくすと笑いながら。コートがばさっと、降り掛かって。

「――掛け方が雑じゃない?」

なんて――

伊都波 凛霞 >  
「はいはい、言葉の通りにしか受け取れない人間でごめんね」

返ってきたのはむすっとした返事
肩を竦めている妹に、コートを掛け直す
別に雑だとか言われたわけではない、決して

「そんなことになったら笑いごとじゃないよ。もう」

言葉を連ねながら、コートの袖なぞを通させたり

伊都波 悠薇 >  
「そうだよ。少しぐらい、もっと裏とか考えないと。女の子は、やっていけないよ?」

袖を通させてもらいながら――
まぁ、そうだねぇと呟いて。

「大丈夫大丈夫、多分ならないから。多分」

伊都波 凛霞 >  
「知ってる。痛い目にもあったし」

かといって直ったかといえば、悪化したような気がするけれど

「多分じゃ大丈夫とは言わない。
 あと遅くなるなら遅くなるってちゃんと連絡しなさい」

伊都波 悠薇 >  
「――知ってると、治そうとしてるは違うんだよなぁ……」

やれやれと、ため息を吐きつつ。

「別にしなくてもよくない? こうやって見つけられたんだし。たまにはほら、追いかける側になってくれてもさぁ?」

なんて甘えたことを言っていれば。

「はくち」

なんて、かわいらしいくしゃみが

伊都波 凛霞 >  
「溜め息つかれてもねー」

治そうというよりも、相手の裏を探ろうとしたことはあったけれど
まあその大体が的外れだったりしたのできっと向いていないのだ

「あのねえ…父様達も心配するし夕飯の支度だってあるんだから…。
 あ!ほらもう、そんな格好で夜までいるから……」

伊都波 悠薇 >  
「――そんな、姉さんを持って妹は大変です。ええ」

からから笑いつつ。鼻をすすり――

「まぁまぁ、反抗期だからその辺りは大目に見てもらうとして。大丈夫大丈夫、姉さんがあっためてくれるでしょ?」

とか冗談なのか本気なのかの詞をまた言いつつ

伊都波 凛霞 >  
「そう思うなら、もうちょっと素直にお話してくださいね、妹様」

言いつつポケットティッシュを手渡しつつ

「何が反抗期、まったく…ほら、帰ろ?」

温めて、という言葉がなくても多分そうしたのかもしれない
自分の巻いている長いマフラーを二人で巻くようにして、これで妹はマフラー2倍、ぬくぬくである

伊都波 悠薇 >  
「こんなに素直な妹をもって、そんなことをいうなんて……姉さんってば贅沢ー」

不満げにつぶやき。巻かれれば

「60点かなぁ……はいはい、帰りますよ―」

おとなしく立ち上がり、隣に並び立つ

伊都波 凛霞 >  
性格は素直である、それは認めよう
言葉が素直かどうかはまた別なのであった

「60点~? じゃあどうすれば100点なのよ」

マフラーを二人で巻いているので否応なくそれなりに密着して歩くことになる

伊都波 悠薇 >  
「えーそれは、ほら。恋人のようにあっつあっつにしてくれるとかじゃない?」

声は茶化したようだが、顔は至って真剣だった。
そういえば、”今”の彼女はそれが最初からの目的であって――

伊都波 凛霞 >  
「───……」

何を言い出すかと思えば
いや、今の妹なら、そういうことを求めるのだろうな、なんて思いながら

「…風邪引かれたら困るから、温まるまでだからね?」

ほんの少し困った表情
そのまま、階段に座り込むようにしてぎゅっと妹の身体を抱きしめてやる
心音が互いに届くくらいに、服越しとはいえ体温が伝わるくらいに、密着して

伊都波 悠薇 > ――おやっとか思っていたら。抱きしめられて……

「……え、するの? そこでー?」

あんなひどく、フッたというのに。
こんなことするなんて、とても残酷ではなかろうか。

「――どういう風の吹き回し? 姉さんらしくない」

なんて、強がってみるけれど。心臓の音とか。
ミミが真っ赤だったりとか。そういうのを見られたくないから。
胸の中に埋まるようにして。密着して――

伊都波 凛霞 >  
「……こうされたかったんじゃないの?
 ──っていうのは、冗談だけどね。
 悠薇はよく風邪引く子だし、その身体は冷え性なの」

吐く息も白い、二人で温まりながら

「そこはほら、温まるものがお互いの身体しかないのも事実だし…?
 こんな場所にいると思ってなかったから、カイロかなにか持ってくればよかったね」

伊都波 悠薇 >  
「されたいのと、されるのは違うの。複雑な乙女心なのっ。ていうか、こういうことしたら諦めきれないじゃん……」

なんてぼそぼそと早口で言いつつ。

伊都波 凛霞 >  
「諦めない、みたいに言ってたくせに」

くすりと笑って
するりとその頭を撫でる

「くしゃみしてたんだし、温まるまでこうしてようねー」

思えば妹とこんなに触れ合っているのは久しぶり
──今の悠薇と、で考えれば初めてだったかもしれない

「あと、そういうこと言うなら挑発めいたことも言わないこと、かな?」

伊都波 悠薇 >  
「…………むぅ――」

珍しく反論はしてこなかった。
いつもならもっと言ってくるというのに。
その代わりとして――ぎゅううっと話してたまるもんかと思う存分抱きついて。

――静かに時間を過ごす

伊都波 凛霞 >  
今日は妙に大人しいな…
そんなことを考えながら、お互い密着していると流石に温かい
夜風は吹き込んでくるけれどコートとマフラーで完全武装していれば、くっついてさえいればなんともないといった風

静かな時間が流れていると…凛霞の携帯の着信音が鳴る
姉らしい、流行のポップスのメロディが流れて──

「もしもし、あ、母様。
 うん…大丈夫、もう少ししたら帰るよ。
 悠薇も一緒、うん、夕飯は帰って食べるよ」

抱き込んだまま電話に出てそう応えれば、簡潔に通話を終えて、ピ、とそれを切る

「もう温まった?
 …それとももう少しだけこうしてる…?」

再びその頭を優しく撫でて

伊都波 悠薇 >  
「……すぅ――」

聞こえたのは、安心したのか。それともなにか他の理由か。

落ち着いた、寝息が――聞こえて……

伊都波 凛霞 >  
「……悠薇? ……寝てるし」

起こさないようマフラーを丁寧に巻き直して
そっと片手で携帯を操作する

『やっぱり少し遅くなるかも
 夕飯は、二人で食べて帰るね』

簡潔な文言を母親の携帯へと送信し、ポケットへと携帯を仕舞って

「やれやれ…ほら、こんなところで寝たら風邪引くよー悠薇ー」

起きなければ仕方なし、起きるまでこのまま待とう
勿論途中でくしゃみでもしようものなら起こして無理やりでも連れて帰るのだけれど

伊都波 悠薇 >  
「……姉さん、好き――」

起きる様子はなし。
ぬくぬくとしたぬくもりに、安心感。
まるで――そう。母に抱きしめられているような。
いやそれ以上の居心地に、妹は起きる気配もなくて……

「すき……」

うわ言のようにつぶやきが響いて