2015/08/25 のログ
ご案内:「公安委員会調査部資料室」にクローデットさんが現れました。
クローデット > ぱら、ぱらと、細く美しい指が調査記録をたぐる。

クローデットにとっては、二級学生の大量救済措置はあまり面白くない事態だった。
それは、常世財団に牙を剥きうる存在の懐柔であり…「暴走」に使える駒の減少を意味したからだ。

(…ある意味「厳選」されたとは言えますが…敵とも味方ともつかない存在を、どう敵対させるかこそが重要でしたのに)

公安委員会の通常業務の中で、煽れる範囲の憎悪は煽っているつもりだ。

こうして資料室に足を運ぶのもその1つ。
公安の仕事の種は、イコール憎悪の種なのだから。

クローデット > 昨今の風紀・公安の重要マターは「白い仮面の男」だが、これはクローデットにとってはさほど重要ではない。
学生達にとっては分かりやすい恐怖であり、風紀委員会本部を襲撃出来る力は脅威だが…どうも「彼」には明確な目的があり、常世財団そのものとの敵対はあくまでその結果に過ぎないようだからだ。

それでも、仕事にかり出されたときに困る事がないように、最低限の情報に目は通す。

(…処女を欲している、という情報もあるのですか…おぞましいこと)

その目に軽蔑の念を隠さずに資料を棚に戻すと、別の資料を棚から取り出す。

クローデット > (「フェニーチェ」も最近は大人しくなってしまいましたし…
まあ、彼らは治安上の不安要素程度で、あまり重要視してはいませんでしたが。

………「開拓」するしか、ないかしら?)

資料ファイルの背表紙を眺めながら、資料室を回る。

クローデット > ("あたくし達"以外の組織の暗躍もあるようですから…上手く接触して、憎悪が煽れたら良いのですけれど。
情報が足りませんわね…今までにも増して、足を使う必要があるかしら?)

「武装」用の魔具作製はもちろん、魔術の探究の時間も考えると今以上に巡回に時間を割くのは躊躇われた。
しかし、二級学生の大量救済が行われ、憎悪の種自体が減ったとなると…やはり、丁寧に「掘り起こし」を行うしかなさそうだった。

「…まだ、この島の闇は深過ぎるくらいですものね?」

そう、ぽつりと呟いて…扇子で顔を隠し、その下で微笑んだ。

クローデット > 「…不安は、共存を困難にする…
…『共存のため』、全ては明らかにされなければならない…」

その言葉を残し、資料を丁寧に棚に戻して…クローデットは、資料室を後にした。

ご案内:「公安委員会調査部資料室」からクローデットさんが去りました。
ご案内:「保健課本部」に嶋野陽子さんが現れました。
嶋野陽子 > 事務室のドアが、ノックの後で開くと、
「一年の嶋野陽子です。午後の通常合成と、特別合成分
の薬剤をお持ちしました」という声と共に、陽子の巨体
が事務室に現れる。

今日は薬剤係長が自ら中身を確認すると、
『ご苦労様でした。特別合成で欠席した講義については、
後ほどまとめて補講を手配しますので、来週の土曜日を
空けておいてください』と伝え、さらに
『消耗したでしょうが、何か必要なものはありますか?』
と尋ねる係長。
「保健室に備蓄していたカルシウム剤とプロテインをほ
ぼ全部飲みつくしてしまいましたので、補充をお願いし
ます」と答える陽子。これは次回の合成でまた必要とな
るので、補充が急がれる。
「あと、個人的なお願いなのですが、特別合成のきっか
けとなった、収容施設への襲撃について、もっと詳しい
情報を教えてもらえますか?どのような状況で負傷した
のか、本当に骨折対応のナノマシンだけで良いのか、確
認したいもので」と頼む。

しばらく考え込んだ薬剤係長は、少し待って欲しいと言
って保健課長のオフィスに入ると、数分後に顔を出して
手招きする。どうやら、保健課長のオフィスから外に出
せない情報らしい。

嶋野陽子 > 「失礼します。」
と言って、恐る恐る保健課長のオフィスに入る陽子。
無論、これが初めてだ。

中に入ると、保健課長が
『君が嶋野陽子君か。大きいとは聞いていたが、こ
うして直接見ると本当に頼もしいね。先週は保険病
院で良くやってくれた』と四十万先輩の治療につい
てねぎらってくれる。何らかの事情で、シインさん
の病院襲撃自体が無かった事とされているため、戦
術核兵器に相当する大出力レーザーの発射は不問と
されている。
『薬剤係長から聞いたが、襲撃に関する情報は風紀
委員会から何も得られていない。だが、救急出動し
た保険委員が撮った映像ならば見せられるので、こ
こで見ていくと良い。かなりショッキングな映像も
あるが、本当に良いのだな?』と念を押す課長。

「はい、クラーケンに荒らされた海水浴場よりも酷
い事になっているのは覚悟しています」と答える陽
子。この場では口に出来ないが、四肢が黒焦げにな
ったエルピス君も見ているので、大抵の事では動じ
ない覚悟ができているつもりの陽子。

『判った。ならばそこのソファに座って、そこの画
面を見てほしい。10分程度かかるよ』と言うと、
映像の再生を始める課長。

嶋野陽子 > およそ10分後・・・

機械化獣に引き裂かれた風紀委員や、終末速度
で地面に激突したと思われる遺体。そして、救
急車の中で撮られたと思しき、特殊装備の回収
班に囲まれた平岡さんの姿。見せられた映像は、
陽子の事前の想像の最悪に近いものだった。
特に、同じ寮の平岡さんが重体で収容された事
を知り、動揺を隠せない陽子。

「あの・・・平岡さん・・・回収班に収容され
た風紀委員の容体はどうなんでしょうか?」と
尋ねる陽子。

保健課長は、
『特殊療養施設に収容されたので、今は判らな
いが、容体が悪化するようならば、保健課にも
支援要請が来るかも知れない。その時は連絡す
るようにするよ』と答える。

課長の回答を聞く間に心を落ち着けた陽子は、
「内蔵の再生が必要な患者もいそうですが、そ
ちらの対応は必要でしょうか?」と薬剤係長に
確認する。
『そちらの対応は別途手配してあるので、嶋野
君には骨折対策に専念してほしい』と回答する
薬剤係長。

「了解しました。映像を見せていただき、あり
がとうございます」と二人に深々と一礼する陽
子。

『あと2回、今日とほぼ同じ規模の特別合成を
頼む事になる。恐らく今週の木曜と土曜になる
と思うので、その時はよろしく頼む』と告げる
と、オフィスのドアを開ける薬剤係長。
「了解しました。それでは失礼します」と言っ
て、保健課長のオフィスを後にする陽子。

嶋野陽子 > 薬剤係長がオフィスのドアを
閉めた所で、
「今日は、私のわがままを聞いていただき、本当にあ
りがとうございます」と薬剤係長に深く一礼する陽子。

『いや、先週に続いてまた無理をお願いする事になっ
たから、あれ位の事ならば造作ないよ。事務局長も君
の事を褒めていたし』と、先月の白崎先輩の脱走事件
の際の対応に言及する係長。それを聞いて心がちくり
と痛む陽子だが、係長は悪くない。

「それでは、今日はこれで失礼します」と言って、事
務所から出ていく陽子。

ご案内:「保健課本部」から嶋野陽子さんが去りました。
ご案内:「風紀委員会本部」に四十万 静歌さんが現れました。
四十万 静歌 > 申請書に記入して、提出。
証拠品として預かられていた数々の物品を返して貰う為に。

とりあえず、護身グッズ……
主にスタンガンについて、
何故持ってるのかきかれたけど、

「いや、女一人で、
 護身用の最終手段としては、
 便利ですし……」

というと、納得してもらえたので、
無事、なんと!
今、目の前に全ての物品があるのである。
確認してきますと、ちょっと隅のペースの机をかりて検分中。

特に問題はない、特に問題はないよ。
少なくとも何かがなくなってるとかは全くない。
なくなってるものは……ない。

四十万 静歌 > 「はぁ――」

だが、全てを検分しおえて、
思わずため息をつく。

まぁ、そりゃそうなのである。
電気製品系は全滅、
火を使う手品の種は全滅。
紙の類の代物は全滅。

トランプに関してはちょっと使用不能かなというのもあり、
結局使えない。
高かったのに。
でも、今回みたいに目くらまし的には使えるから、
……

「そんな機会いらないっ……!」

思わず声にでた。

四十万 静歌 > ともあれ、確認を終えたので、
手続きをすませて返してもらう。

ぎゅっと帰ってきた荷物を抱きしめて――

「おかえりなさい。」

そういって満面の笑顔になるのである。

だって、特注品だし。
このマント。

四十万 静歌 > そして、荷物を抱いたままかえるのである。

……修繕とかに掛かることを考えて、
途中また涙目になったけど、
仕方ないと思う。

ご案内:「風紀委員会本部」から四十万 静歌さんが去りました。
ご案内:「委員会街・休憩所」に久藤 嵯督さんが現れました。
久藤 嵯督 > テーブルに突っ伏して、死んだように眠る赤い制服の男。
珍しくノルマ分しか書類仕事をやらなかったかと思えば、休憩時間になって即離脱。
大抵誰も使わないこの場所まで来れば、すぐさま居眠りを始めた。
真っ白な髪には夕焼けが橙色をかざし、眩しそうにして眉間にシワを寄せる。
時々魘されては、首の向きを変えたりもする。

昨日の演習が祟ったのだろう。
本来なら疲労で立てなくなる状態から限界を超えて体を動かしたため
そのしわ寄せが今日に響いたのである。
栄養は十分に補給したのだが、イマイチ吸収効率が悪い。
その分の体力も消費してしまった所為だ。

もちろん、今日が本部勤めの日だという事を見越しての無茶である。
どうせ後でヒマになるのだから、そこまで鍛えるには昨日のような日が一番丁度いい。

久藤 嵯督 > こうして眠っている間は、完全に無防備である。
普段ならちょっとやそっとの気配を感じ取って意識を覚醒させることなど造作も無い事であったが、今この時に限っては否。

「………グ……」

ちょっと喧しい程度であれば、寝苦しそうに唸るだけ。
委員会街内であるためか、糸を張る事すら忘れている。
今此処で誰かが首元にナイフを付き立てようものなら、あっけなく刺さってしまう事だろう。


『クドウのサスケ』としてあるまじき行為であるが、彼もまあ失敗する事はある。

ご案内:「委員会街・休憩所」に黒神 蓮さんが現れました。
黒神 蓮 > 「仕事、やっと終わった……」

ぐい、と伸びをしながら、休憩所へとやってきた。
書類仕事や収容所襲撃事件の後始末が一段落したので、今から休憩タイムである。
缶コーヒーでも飲んで寝るかーと考えながらこっちに来てみたが、奇妙な先客が居た。

「……久藤くん?」

こなまいっきーで愛想が悪いことで有名な後輩が、無防備な寝顔を晒している。
普段の彼なら絶対にありえない姿である。
……起きる気配は無い。

久藤 嵯督 > 以前は講義で居眠りをすることなどザラであったが、今はそうでもない。
二学期になっても同学年内で孤立しているのは相変わらずだが、授業は真面目に聞くようになった。
公共の場で眠るのは、これが久しぶりだ。

「………んん……!」

寝付きはいいが、夢見は悪い。いつもの事だ。
しかし今回はいつも以上にそうらしく、元々不良じみた人相を歪ませながら目を閉じている。

眠るだけで周囲を威嚇するこの男。
誰が起こしても絶対に眠ってやるぞと言わんばかりの強情さをにじみ出している。
赤鬼は眠っても赤鬼なのか。