2016/06/14 のログ
ご案内:「保健課ロビー」に雪城 括流さんが現れました。
ご案内:「保健課ロビー」にリビドーさんが現れました。
リビドー >  保険課の扉が開き、足を踏み入れる。
 ボードを一瞥した後に、ゆっくりとロビーへと歩み寄り。

「失礼。先程連絡したリビドーだが――」

 

雪城 括流 > 来客に受付が対応する。
にこやかに笑みを――この表情で固定されているのだが――浮かべ、こう言った。

「はい、再度確認いたしますが
どのようなご用件でしたでしょうか。」

あとそっと順番チケットを機械から取って渡した。

リビドー > 「雪城括流に、えーと。なんて言ったかな。
 沈黙の蕎麦屋……じゃないな。戦争蕎麦屋の件で話したい事がある、と伝えた筈だ。」

 思案の後に改めて要件を告げ、チケットを受け取る。

「ふむ。チケット式だったのか。悪い事をしたね。
 並び直す必要はあるかな?」

雪城 括流 > 「いえ、システムに必ずしも慣れている人ばかりではないので、問題ありません。
用件の取り違え対策のための処置です。」

取っておくとスムーズと言うだけで、たいしたものではないらしい。
いまは混雑もしていないようだ。

「括流先生ですね。
こちらにお呼び出ししますので、席でお待ちください。」

ロビーの席を手のひらで指し示す。
受付はその後奥に引っ込み、やがて席まで括流をてのひらに乗せてやってきた。

…小さな蛇の目つきはやや安穏とはいえないようだが。なんだか先日より少し不機嫌に見える。

リビドー >  
「職員同士だから顔や軽い人となりは知っているとは言え。
 こうして話すのは始めてかな。」

 着席し待機。
 不機嫌そうな蛇を見て取れば、軽く手を挙げてみせた。

「来島さいこがお世話になっている。
 ……しかしどうにも不機嫌そうだな。日を改めるべきならそうする事も出来るが……。」

 軽い挨拶の後に、機嫌と調子を伺う。
 虫の居所が悪ければ落ち着くことを待つ他ない、と、言わんばかりか。
 

雪城 括流 > 受付さんはそのまま隣の椅子に座る。お仕事は…。
そして括流が口を開いた。

「リビドせんせ、だよね。そうだね、何かと縁がなかったみたいだ。
嫌なことを少し思い出しただけで、用があると言うなら今でも後でも同じだと思うよ。」

しっぽを上下にぺしんぺしん。
受付がそのしっぽの動きをじっと見ている。

リビドー > 「とは言え、波はあるだろう。
 キミだって感情と知性のある存在だ。が。
 ……暫くは波は引かないか。」

 小さく首を横に振る。
 相応お怒りの様子だと把握すれば、やや苦い顔を浮かべる。

「偶然だが、該当の人物に接触してね。
 風紀委員にツテがあると言っていたフードの男子生徒が、そこの張り紙に書いてあるような―― 
 ――蕎麦屋が病院で暴れたとか――の噂話があるなど口にしていた。
 それを受けたその人物……蕎麦屋がそれを肯定したことを聞き、その流れで色々と聞きたい事と話す事と伝えたいことが出来た。

 その上で、ボクがキミを決め撃ちした事にも理由はある。
 が、話せぬ事も多いだろう。先ずはあの事件について、聞ける範囲で聞きたい。
 無理ならばはっきり無理と言ってくれて構わない。推察のみで話す。」

雪城 括流 > じとー。
風紀でもないはずなのに何を目的にきたのか、となにやら疑っているところもあるようで。

「目的が見えないんだよね。
それまで縁のない人物が、突然会いに来る。あまり心象はよくないかな。
感情を語るなら、もう少し世間話の仕方と言うものを学ぶべきだ。」

ぺぺぺぺ。
しっぽを4連射してからはー、とお口をあけてひとつためいき。

「事件と言うほどのことでもないし、そうも書いてない筈だ。
複数名で面会手続きも取らずに入院患者の元にかってに押しかけて、騒いでいたみたい。
そこに説教しにいったら物騒な屋台を取り出すわ窓を強行突破して逃げ出すわで、ろくな事情どころか会話もあまりしてないよ。」

括流からみた事情はこんなところ。ただ…

「掲示物はただの注意喚起。
なのになんでそんなに気になるの?」

そう、通報も(括流は)していません。わざわざ第三者が来る理由が、わからなくて。

リビドー >  
「よりにもよって教師でボクにそれを言うか。 
 まぁいい。この程度の侮蔑は敢えて呑んでおく……まぁ、良い。
 ボクの専攻を鑑みるに最大級の侮蔑だが、まぁ。ボクが悪いよ。キミの感情を汲んでやれなかった。」

 相当に機嫌が悪いのだろう。
 眼前の蛇は舌から毒を吐く勢いだ。

「これでも目的の為だ。
 だが、大した事件ではないと言ったな。注意喚起と言ったな。
 人が死ぬ死なないの話でもないし、決して一瞬の時間が惜しい程切羽詰まった危機ではないんだな。
 大きな事件でないなら落ち着いて対処してくれると信じて言う。

 本人からどうかキミと話をさせてほしいと、頼まれた。
 ――それが理由なんだが、な。悪意にしたってそこまで云われちゃ自信を喪う。
 知性ある教師ならば、もう少し落ち着いて欲しかった。」

雪城 括流 > なにやら互いに不機嫌だ。
その様子とそれでもそれを押さえ込む様子に、多少戸惑った素振りを見せる。

「そちらが蛇の哲学を修めているというのなら、謝罪するけど。
…とりあえずこの話題はやめておこうか。おそらく今までに縁がなかった理由でもあるけど、おそらく私達は相性が悪い。」

頭を左右に振る。
おそらく、おそらくだがそれぞれの出自そのものが良くない予感がする。

「そうだね。詳しい事情についてはまったく知らない身だけど。
もし裏でなにか大きな事件が動いている、とかだと保障はできないよ。
ただ、だからといって事情も説明せずにルール破りは許容されないはずだ。」

逆に言えば、そして病室に検査患者がいたことを考えると何かが起こっている可能性には思い至る。
ただ、そういうことも含めてじっくり話を聞くつもりだったのだ。…逃げ出されさえしなければ。

「つなぎをつけたいだけならば、事情まで聞く必要はないはずではないかな。
とりあえず、頼まれごとについてはわかった。
…ううん、悪意があるわけじゃないけどね。掘り下げたければ互いに議論の場を設ける必要があると思うよ。」

結論が出るかどうかは、また別の話しだけど。
どうにも互いに逆鱗つつきあう気がしなくもない。

リビドー >  
「この学園に居るならば、互いに適応されるのは哲学以上に人の理だと思っていた。
 だからこそ、その言葉を引き出させてしまったのならば詫びなければならない。怒る以上にそうすべきだ。
 それを持ち出す程怒らせてしまったのなら、相性以前の問題だ――だから、腹が立った事も含めて詫びよう。」

 座ったまま、頭を下げた。
 そうしてから、話を切り替える。
 少々疲れた素振りを見せているが、害意や敵意などは一切出さない。

「……そうだな。ルール破りは許容されない。
 然るべき処置はする必要があるが、それを感情に任せ最大限に盛る事もない。
 罰則については読み方一つで変わるのが法律だ。重ねて、ルールを破った奴の事情は聞かないで断罪しても欲しくない。
 だって、彼女のような神性が理由もなしにそうする他ない。誰かの為だろう。
 身分を創らない理由は気になるが、ある子を気に掛けての行動と言った。
 だから、事情次第ではその子にも責があると認識している。
 聞いた話だけだと蕎麦屋に全部責をおっかぶせそうだったからな――まぁ、それ以上は聞かん。
 彼女とキミが、人から外れている者同士が人の世を食い合いながらすれ違って欲しくなかっただけだ。……悪かった。」

雪城 括流 > 「学園に限れば、だね。
ただし今回のケースは双方が学園に居るものでもないし、人間でもないんだよ。
どうにも機嫌の悪さはそこに由来するんだけど。」

ああ、もうやめておくねと話を続けようとすればさえぎるだろう。
つまりそのあたりに不機嫌の理由があるらしい。

「…入院患者や病院関係者に片端から蕎麦をばら撒くことが誰かのため…?
万に一つそうだったとして、流石に他にやりようがあるはずだ。一応事情を聞かせてもらうつもりだったんだけど。
召喚獣と言う割りに主置いて逃げ出したから、どちらかというと召喚主に責任ぜんぶ被らせそうなんだけどね…。」

どうにもすれ違いが激しい気がする。

「断罪ってどうするの。
掲示物は極力ぼかしたし、捕まえろともかいていないはずだよ。
あとね、彼女に限らずここのところ立て続けに病室や病院のデータベースに侵入が続いたんだ。」

掲示物についての真意を再度説明して。

「あと、もし彼女の罪や立場がというのならその身分の問題であって、風紀に掛け合うべきだ。
私は別に怒ってるけど、怒ってないんだよ。」

リビドー > 「……ま、思惑を話せただけ十分か。」

 ――"その不機嫌"を受け止めながら、話を打ち切る。

「念のためだよ。キミたちのようなものの強さは、それほどまでに大きいからな。
 ……小さいもので、互いに私情を抑えるならボクは言わない。
 蕎麦屋も目が笑っていなかった。そこまで思い詰めているように見えたから、
 少し気に掛かっていた。小さな事件以下ならもうそれでいい。
 祟っているならともかく、そうでないなら触らない。で、召喚主か。やっぱそういう関係か…。」

 僅かに天井を仰ぐ。
 薄々感じていたが、どうにも全体的に行き違っている気がしている。
 ・・・・・全員が薄々感じているのかもしれないが。

「どっちにしても、大事にならないのならば踏み込まない。
 ただ、いくら人が異能や魔術を獲得したと言え、
 神性や化生に準ずるそれが僅かでも絶大であることには違いないと思っているからな。
 思う所があって、そう言うのには気を張ってしまうんだよ。」

「……だが、確かに相性が悪いのは残念だが安心した。
 つなぎも承諾するのならば問題ない。
 怒っているけれど怒っていないと言える程に理性があるなら安心できる。
 邪魔をして悪かった。互いに人の理で動くならばボクは余計だ。最後に段取りだけ決めておいてくれ」

雪城 括流 > 「そうだね。やろうと思えば何でもやれるかもしれない。
だからこそ人のルールではなく、固有のルールが必要になるものも少なくないよ。
私たちは在り様をそう簡単にかえられはしない。人と違ってね。」

すうっ、とその上半分を伸ばしてじっと蛇の瞳でリビドー先生を見つめる。
人の枠にはめようとすれば結局のところ、括流はペットにしかなれないのだ。

ただ目指す場所、そういう力持つものが道を誤ればなんとかするという立ち位置だけが同じなのかもしれない。

「…懸念としては一度逃げられたから、彼女にその人の…学園の理は説明できていないんだよね。
そちらからそういうことについてきちんと彼女に講座をしてあげてくれないかな。」

どうにも次あって滔滔と説教をするのは難しいだろう。
段取りを決めると言う言葉にその問題点を告げる。

「ところで、これは次に聞いておきたいんだけど。
リビドせんせにとっての『人の理』とはどういうものかな。」

最後の声をかける直前に、受付さんが席をたつ。その背中から蛇の声が聞こえる。
段取りはついたのだろう。留めなければ、そのまま立ち去ると思われた。

リビドー > 「ああ。ボクだってきっとそうだからこうするのだろう。
 だからこそ、過激に張ってしまうのだろうな。
 ……それでも、それを心がける事は間違いではないと思っている。」

 故にこうしてしまうのだろう。
 暗に言い訳と内心を吐露した後、学園の理については小さく首を振る。

「いや、な、問題はある程度は把握しているんだよ。彼女。
 キミにしたように、ボクなりのものは軽くは説いた。
 理解があるから今までは息をひそめていて、それを破る程の覚悟があったのだろう。
 落ち着いたのか事が大きくなりすぎた故か分からんが、今回だって渡りを付けようとした。
 
 ……ただ、端から所有物だ危害加えるだ常識外れだ言及されることに憤っていた。
 やはり、在り様はそう変えられないかもしれないな。」

 強く、苦い顔を浮かべる。
 ……それだって人間で言う所の個性には違いないし、そう在る故の矜持でもある。
 それは分かっている。それでも、と。

「……難しいな。特に今は自信がない。一言で言えるようなものではない。
 キミたちを含め人の理そのものだっていくらでもある。
 斎藤先生なら的確且つ穏便に応えられるかもしれないが、そうだな。
 ……だから、今回の事に寄せた言葉として応えてみせる。」

 立ち上がり、踵を返す前に見据える。
 ――意地と矜持を振り絞り、立ち上がって答えてみせる。

「他なる世界を理解しようと努め、渡る事だ。感情も内的世界として含む。
 しくじったボクが言う話でもないが、そう言う他あるまい。
 完全でないと喜ぶべきなのかもしれないが……いや、厳しいな。
 いずれにしても以上だ。時間については追々としよう。」 
 

ご案内:「保健課ロビー」からリビドーさんが去りました。
雪城 括流 > 「やっぱりそうなんだ。」

どこか人とは違うようだとは思ったが。でも括流には人にも見える。

「その憤りは同調できないけど、理解らなくもない。
だけど人の世では、そうなんだよ。そしてその言葉は、彼女じゃなくて召喚主に対して向けたものだったんだ。
彼女は憤りを感じる権利はあるけど、主まで人の法から外れさせるわけには、いかないはずだ。」

括流は教師ではあるが、氷架の所有物(ペット)だと思っている。
自身にはそのことに対する憤りはない。もし同じようなことがあれば、同じ扱いだろうと思っている。
だから矜持への配慮が足りなかったというのも認めざるを得ないところだが。

「…哲学者らしい答えだね。」

そして同時に、固有のルールも精神構造もまったく異なる括流たちのような存在がそれを満たすのは困難だとも思ったが。
その言葉は飲み込んだ。続く言葉も含めて、丸呑みだ。

そんな二人の会話をただただ聞いていた受付さんは、静かに業務に戻る。「はい、次の方―――」

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