2016/12/25 のログ
ご案内:「拘留部屋」に雪城氷架さんが現れました。
雪城氷架 >  
「………」

部屋の隅っこで三角座り
顔を伏せ、ただただ時間が過ぎゆくのを待つ

自分が此処に来て何日経っただろう
未だ事件は調査中ではっきり断言はできないものの、
証拠不十分ということで家族へ連絡が行ったらしい

指折り、日付を数えて

「………クリスマスじゃんか」

───予定してたことが、何もできなかった

どうしてこんなことになったんだろう
そう思うと自然と目頭が熱くなるのを感じる……

ご案内:「拘留部屋」に雪城 括流さんが現れました。
雪城 括流 > 一方そのころ、人姿の括流が施設での引き取り手続きを済ませていた。
書類を整え、知人の教師に事情を聴き、氷架が連れてこられてくるのを待っている。

「・・・。」

口元を引き結んだまま、怒っているような、泣き出しそうな複雑な表情で、腕組をしてじっと待っていた。
知人の教師がやれやれ、といった様子で作業に戻っていく。

雪城氷架 > コンコン、というノックの音
それに続き『出なさい』という女性の風紀委員の言葉

目元を袖で拭って立ち上がる

ドアの前にいくと
まだあくまで仮釈放に似た扱いだと言うこと、
今後の行動に制限がつく、ということを申し渡される

正直、まともに耳に入らなかった
迎えに来てくれたのが父であれ、母であれ、姉であれ、妹であれ
どういう顔をして会えばいいのかということばかりを考えていたからだ

風紀委員に並列される形で、廊下を歩く
やがてロビーへと到着すると、その見慣れた姿が目に入る

「───」

どういう顔をするかどうかもなく、色んなものが込み上げてきて双眼から溢れてしまった
女性の風紀委員はそっと氷架の背に手を当てて、ゆっくりと前へと歩ませてゆく

雪城 括流 > 「帰るよ、ひょーか。」

こんな場所であれこれと会話したり、説教したりするものじゃない。
一刻も早く一度、離れたほうがいいだろう。

括流は氷架の手を掴んで、背を向けたままずんずんと出口に向かっていく。
途中先ほどまで話していた教師と視線を交わして、相手が二人にむけて苦笑をしてみせた。

括流がどういう表情をしているのかは、氷架からは見えない。

雪城氷架 >  
「…ゔん」

涙声でそう答えながらその手をとって、後をついていく

歩いている間も涙が止まらなくて、ちょっと誰かに見せられるような顔じゃなかったり
たまに嗚咽が漏れてしまうぐらいだったけど

こんなに独りで過ごしたことがなかったし、
括流の顔を見て心底自分が安心しきってしまったのか…
あふれるものがまったく我慢できなかった

雪城 括流 > あえて顔を見ないようにしながら、ふわふわのタオルを氷架のもう片方に手に握らせる。

「女子寮…は、今の格好でロビーは通りにくいかな。
どこかのホテルか、職員寮に一度向かおうと思うけど。」

建物から出て人のまばらな、冬の空を見上げて。
どっちがいい?というように手をしっかりつないだまま、振り返らずにそう問いかけた。

雪城氷架 >  
「………」

無言でタオルを受け取って、人目も憚らずぐしぐしと顔を拭う
いつも薄めとはいえお化粧もばっちりな氷架

「──括流の部屋がいい」

ありのままの素顔で、そう答えた

雪城 括流 > 「じゃあ職員寮だね。」

あそこなら人目にあまりつかずに部屋に向かえるだろう。
目的地が決まったなら人の多いような場所を避けて、そちらへの道を選んでいく。

互いの顔を見ないままの、しっかりと手をつないだ二人の少女が細い道の奥に姿を消した。

ご案内:「拘留部屋」から雪城氷架さんが去りました。
ご案内:「拘留部屋」から雪城 括流さんが去りました。