2015/06/05 のログ
ご案内:「学生通り」に渡辺慧さんが現れました。
■渡辺慧 > 朝。人通りがほとんどない場所を一筋の白い影が走りゆく。
それはどうやら人影。の少年のようだ。
■渡辺慧 > 少しだけ荒くなった息を、リズムよく吐き出し、彼が何をしているのかというと、どうやらランニングのようだ。
その顔は眠そう乍らも機嫌よく。適度に汗をかいている
■渡辺慧 > 彼にとって、それは日課、と言えるほどのものではないが。
だが、趣味とはいえるかもしれない。体を鍛えることは、彼にとって楽しい部類に入る。
走る中、唐突に唄い出す。
■渡辺慧 > 「さーんばーのとーんびがーいーたーとしーて。一羽にーはー、あぶーらあーげー。二羽目にーはー、たつたあーげー。三羽ーめーにーはー、かっぱーーまーぁきぃー」
………………即興のようだ。音程もリズムもまるでなにもないが。ひどく楽しそうに走り続けている。
「でーもー、おーれのすーきなすーしねーたはーたーまーごー」
知るか。
■渡辺慧 > 適当な歌の割には、走るフォームはしっかりとしている。
なれている、という印象を持つかもしれない。
心の中で、とんびの唄。という曲名を付けているほど余裕がある。……が、ペース自体はかなり速い。
「ふんふんふんふふふーん」
思いつかなくなったらしい。
そうして、自宅からかなり離れた場所でようやく。
「……………っと。……いい時間かねー」
走るのをやめ、携帯の時計を見る。
胸中で。今日はカフェにでもよって、冷たいものを飲んでから学校でも行くか、と。そう考えると。
今度は来た道を戻りだした。
……やっぱり。ひどく、楽しげな様子は、変わらなかった。
■渡辺慧 > 「と、と、とんびのとーは、かっぱのとー」
そうして、彼の姿は住宅街――具体的に言うならば、学生居住区の、アパートとなるが――へ消えていった
ご案内:「学生通り」から渡辺慧さんが去りました。
ご案内:「学生通り」に西園寺偲さんが現れました。
■西園寺偲 > 「――――」
表通りを無言で歩く。
その顔色は優れない。
時間が迫っている。
自分でもそれが分かる。
■西園寺偲 > 非常連絡局に対する苦情、学生の不安は徐々に増えてきている。
当然だ。あそこまでの事をしているのだから。
偲はふっと辺りを見回す。
おびえたように何人かが顔を逸らし、足早に歩いていく。
「――嫌われたものですね」
誰にも聞こえない声で呟いた
■西園寺偲 > だが、無茶をするだけの価値はあった。
薬の安定性は徐々に高まっている。
あと少し、最後の一押しさえあれば――
その時に、未だ誰も知らないであろう、偲の目的は達成される。
■西園寺偲 > 表向きには、偲は風紀委員を目の敵にし、わけの分からない薬をばらまく大悪人にしか見えないだろう。
それでいい。
その偽装こそが必要だった。
本当に目的――『ラストステージ』を隠蔽する為に。
■西園寺偲 > あと少し、あと少しだけもてばいい。
どうせ――
「――――ッ!?」
偲が急に道に屈みこみ、ハンカチを口に当てる。
上品な白のレースが、赤く染まった。
■西園寺偲 > 数列解析<ガウス・ブレイン>。
公安委員会の定義する異能等級指定(リスクランクレーティング)でSクラスを叩き出す大異能。
その代償は、確実に偲の肉体を蝕んでいる。
脳どころか肉体にすら電気信号を送り、あらゆる事象を計算するこの異能は、最初から偲にすら制御不能なのだ。
「あと、少し――!」
■西園寺偲 > 己の命など、とうに偲には見えていない。
<ガウス・ブレイン>は自分という存在すら数列の一部として計算する。
彼女にとっての命の価値とは、既に「数式に与える影響の大きさ」でしかない。
そして、自分の影響力が尽きる前に――
(――この学園に、永遠の平穏を与える)
■西園寺偲 > 一度計算をはじめた機械は止められない。
そこに答えが無くても、無限の数字が出てくるだけだとしても。
(何度も計算した。何度だって計算した)
(この学園の未来を、ずっと計算し続けた)
(それでもなお、地獄が必ず蘇るというなら――)
■西園寺偲 > 「――地獄ごと、焼き払ってやる」
その言葉を残し、西園寺偲は人ごみに消えた。
ご案内:「学生通り」から西園寺偲さんが去りました。
ご案内:「学生通り」にレセナさんが現れました。
■レセナ > 不思議なことに今日は何も予定がない。
そういう日もあるだろうし、今日がそういう日であるということだろう。
「たまにはゆっくり出歩くのもよいことでございますね。」
■レセナ > 「落第街と違ってこちらは平和そのものですね。」
少なくとも外見上は。現在の落第街は酷いものである。
島全体を包む不穏な空気に当てられて以前より犯罪が増し増しだ。
おかげで最近は心なしか財布が軽くなった気がする。
■レセナ > 「気がするというか、ほんとにお金がございませんし...」
今晩どうするかなぁ、山の手の方で客取りに営業するかなぁ~!
なんて不穏なことを考えながら宛てもなく通りを彷徨う。
■レセナ > いやいや、今日は働かない日なのだ。
頭を振って邪念を振り払う。
「草むしりで悟りを開いた私に一晩の絶食など容易い事...」
(後光が差した)
ご案内:「学生通り」に黒星さんが現れました。
■黒星 > 通りに面し、外のオープンテラスまでも深夜営業中のカフェもどきの一席。
さっきから何か特に、目的も無さそげにフラフラ深夜徘徊している女生徒を何とはなしに見ている男性教師が居た。
「何だろうねえ、暖かくなったせいかネ。」
片手に冷えたコーヒーのグラスなど持ちつつも、へらへらと笑いながら通りに視線を向けていた。
■レセナ > ぺかーっと光ったも一瞬。
ぐぅ、とお腹が鳴る。
そうだ、たかりに―――
チラリと視界の隅に移るカフェのテラス席。
そこから投げかけられる視線に轢き付けられて。
「暖かくなると変な人が増えるし、深淵を覗くと深淵に惹き込まれますわ。」
■黒星 > おっと、こちらの視線に気付いたのか?
確認の意味も込めて、締りの無い顔をそのままに、グラスを軽く上げて挨拶してみた。
「まぁー、変なんじゃないのを見つける方が骨かもしれんがネ。
背中から光るのとかはレアモンかもしれんね、カカッ。
後はそうだネ、道を歩いてるだけで深淵なんぞあっては堪らんヨ。」
■レセナ > すすす、と足音もなく近寄ってしまうのは職業病かもしれない
本来の職業は学生だった気もするが。
「誰かと思えばくろぼし・・・ヘイシン先生でございましたか。」
大陸の東国は同じ文字に二通りも三通りもあるのでややこしい。
「それもそうです、学生街のようなところに転がってたら偉い方々が黙ってございませんでしょうね。」
「それはそうと一杯おごってください。」
■黒星 > 「その歩き方はどーにかならんのかネ、キミは。
あぁ、そういえばキミ、受講生だったっけか?ネ?」
ちなみに、講義は今週も休講でした。
来週もそうかもしれません。なので生徒の顔が曖昧みーまいっぽいようだった。
近づいてくるのに目を細めながら、自分のグラスに口をつけて……
即座にタカりにきたのに細めた目を即、開くことになった。
「最近は、色々と騒がしいようだけど いや、最後何って言ったか、よく聞こえんかったヨ?
もう一回言ってくれんかネ?」
■レセナ > 「どうにかすると業務に支障をきたすので。教員から免許を取り上げるようなものと思ってご理解ください」
実際に面と向かうのは入学してから両手で数えられるくらいだったか、
「ええ、楽に単位取得できるので先生の授業スタイル大好きでございます。」
「だから一杯おごってください」
もう一回言った。
■黒星 > 「キミ、もうちょっとオブラートに包むとかそういうトークを覚えるべきなんじゃあないかネ。
授業はまぁ、朝に弱くてねぇ、ワタシは……」
へらへらと薄ら笑いをしながら、まぁ、座れば?とグラスを置いて、長い白い指で前の席を示した。
「何をフラフラしてるのかと思ったら、金無しかネ。
そんな歩いても、早々財布なぞ落ちとらんヨ?ど直球のタカりが面白かったから、奢ってあげるけどネ。」
■レセナ > 「善処いたします。」
「朝に弱いような低血圧には生活の改善が必須だそうですので早起きして授業を実施してみては?」
「モーニングコールサービスは如何でしょう。」
誘われるままに正面の席に座りつつ営業。しまった、今日は働かない日だった。
「財布ではなく明るい未来を探して彷徨っておりました。明るい未来は此処にございました。」
店員を呼び軽食と珈琲を勝手に注文する。
■黒星 > 「善処って便利な言葉だよネ……」
こりゃ駄目だなってのがハッキリ分かる、いい言葉だ。
あれ、今、コーヒーだけじゃなかったオーダーが聞こえたんだが?
「朝から電話なんぞ鳴ったら、握り潰したくなるから要らんヨ。
スマホを買い換えるの面倒じゃないかネ、SIM が割れると手続き大変だったんだヨ、アレ。
というか、ワタシが言うのもアレなんだが、そんなサービスで金なんか儲かるのかネ?」
■レセナ > 特に返事をせずにこり、と愛想を振り撒く。
「なにをどうしたらSIMが割れるような怪異がおこるんですの...」
「いえいえ、電話ではなく泊り込みで起こすサービスでございますよ。」
「それなりに良い値で買ってくださる方もおりましてありがたいことです。」
軽食のパスタを運んできた店員に会釈を返し、フォークでくるくるとパスタを捻る。
■黒星 > 「握り潰したトコロが丁度、SIM があったアタリだったんだヨ。」
こう、グシャっと、と片手を握って開いてグーパーして見せる。
「クカカカ、ワタシの家で寝るとキミの方が起きれないと思うヨ。
それに今日はもう、飯は食った後だからねネ、残念だヨ。」
グラスのストローでズズーっと中身のコーヒーを啜りつつ、笑う顔の目は、じんわりと赤く光ってレセナを見ていた。
■レセナ > 「握り潰したくなる、と表現は何度か聞いたことありますが実際に握り潰した方は稀有でございます。」
パスタを咀嚼しながら呆れた視線を送る。
「あー、先生の家ってなんか汚れてそうでございますものね。」
掃除で徹夜では「起きる」行為は実行できず、うんうん。と一人納得する。
「もぐもぐ。先生、あまり見つめられると照れるのですが。」
パスタの皿を空にして珈琲に手をつける。何処が照れてるのかわからない。
■黒星 > 「働いて寝た後に鳴る電話って、イラってこないかネ?
ぁーそうだねえ、物が多いからあんまり片付いてはないヨ、確かにネ。」
上手く逃げたネ?と笑い顔が続く。
「照れてる割にゃあ、随分、良く動く口じゃあないかヨ。
どんだけ腹減ってたんだネ……あぁ、やっと名前思い出したヨ、レセナだっけかネ。」
■レセナ > 「相手によるかと...」
笑顔には笑顔で返す、にっこり。
「YES. レセナ・ロディアと申します。以後お見知りおきと成績加点願います。」
ずずっ、と珈琲を啜る。
■黒星 > 「ワタシん携帯にゃ、寝起きに嬉しい相手なんぞ登録されとらんのだヨ、残念だがネ。
あと、成績良くしたければテスト問題買えばいいヨ。
今期の分もウチの店で売ってるヨ、去年と同じだけどねネ。」
やっぱり1ビットも照れてないだろ、この子。
「まぁ、知ってる顔なら優遇するのは吝かじゃあないけどネ?」
■レセナ > 「先生って先生のクセに商売上手ですわねー...」
次の給金貰ったら買いに行こう。ギブとテイクはイコールでなくてはだめ。
「そういうことでしたら」
頭にぴこーんと電球を光らせる。
どうぞ、と紙ナプキンに自分のアドレスを書いて差し出した。
「ほら、先生のも下さい。これで二人は正式なお知り合い」
「ついでといってはなんですが今晩の宿代もいただけると嬉しいです。」
■黒星 > 「小銭も稼げば札に変わろうってなもんだヨ、教師の特権だネ。
この島の教師は楽でいいヨ、クカカ。」
グラスの氷を口に放り込み、ガリゴリと噛み砕いて飲み込む。
差し出されたアドレスを受け取りつつ、レセナの顔を見て……
「これ、アドレス代をせびられてるんじゃないのかネ、ワタシ。
宿代も無いのかヨ、キミは住所不定の家無き子かネ?」
■レセナ > 「世の中には苦学生というものがございまして、楽してる先生の慈悲の心でそんな可哀想な学生をいっちょひとつ救ってやってはござりませんか?」
にっこりとお決まりのスマイル。
「それに寝起きに嬉しい相手が登録されるじゃあございませんか。」
ゴクリ、と珈琲を嚥下し、とても真面目な顔で言う。 カップは空になった。
■黒星 > 「そんな学生を見て、愉悦に思うのが最近の教師の流行だヨ。」
言いながらスーツの内懐に手を入れる。
財布を取り出すと、名刺と札を何枚か取り出してレセナの前に置いた。
名刺には 「紅棍」と赤字で大きく書いた二文字と、裏には 黒星という名前、アドレスが書いてある。
「寝起き以外の連絡なら歓迎するヨ、キミみたいのは使い道も多いかもしれんしネ?
色んな話に使うにゃ、先に少しは払っておいても損もないから、気前良く払ってあげるヨ。」
へらへらと、最初からずっとへらへらと笑ってレセナを見ていた。
■レセナ > 「現実は非情でございました。」
がっくり、と頭を垂らし――ていると視界にスッと望んだ物が滑り込んでくる。
べにこん、例の薬屋。そう読むのかは知らない。大陸の東国は同じ文字に二通りも三通りもあるのでややこしい。
「ありがたく頂戴いたします。」
胸の前で抱くように受け取って。
「仕事には自身あります、業務は多彩に、如何様にもお使いくださいませ。」
にこり、とスマイルにはスマイル。
■黒星 > 「役に立つ生徒は、教師が大好きなモノの一つだヨ。
金で買えるなら手をつけておく気にもなるネ。」
飯と宿代で使えるのなら、安いモノだよ、と付け加えて。
「何回か使って見て、デキがよければもっと払うヨ。」