2015/06/19 のログ
カエラム > 「ああ、氷架も同じ事を言っていた。昔から慣れ親しんでいた言葉だからこそ、とね。
 しかし他の人と比べてみて、彼女の声は特に素晴らしいものだとわたしには思えたんだ」

氷架の声には『当たり前』以上のものを感じた、ということだろう。

「色んな命のあり方を見守ってきたんだ。
 ちょっとやそっとじゃ驚かない自信は……うーん……」

現世にカルチャーショックを受けてばかりなのを思い出して、
やっぱり自信がなくなってくる死神。

「ああ、植物と話すこともあったし、虫や動物とだって。
 けれど最初にわたしと仲良くなった命は、ここに生きる人間と近い姿をしていたかな。
 やっぱり姿形が近いと親しみやすいのかもしれないね」

そうして話しながら歩いているうちに、涼子の目的地が近付いてくるだろうか。

雪城 涼子 > 「ああ……あの子の声は……そうね。あの子の、いいところよ。
 褒めてくれてありがとう」

そういって……今日一番の笑顔を向ける。

「ふふ、まあその時のお楽しみってことで……
 ああ……そういうこと、なのね。すべての命を扱ってたのか……」

つまり、それは人の命すらも絶っていた……そういうことか。
……今の彼ならともかく、昔の彼が私を見たらどう思うのだろう。
いびつな命として、断つ相手、となったのだろうか……なんて、少し考える。

「あ、そろそろ大丈夫なところまで来たわ。。ありがとう、カエラムさん」

そう言って頭を下げる。

カエラム > 顔に肉がついていたのなら、きっと微笑み返していたのだろう。
そういった感情表現ができないというのが、とても歯痒い。

「どういたしまして、涼子」

頭を下げられると、その大きな手をひらひらと揺らす。
死神がけたけたと笑っているのがわかるだろうか。

「今度会った時は、君の話を聞かせて欲しいな。
 それではまた会おう……」

傘をちょい、と掲げながら会釈する。
涼子を無事に送り届けた死神は、降り立った雨粒と共に流れていく。

ご案内:「学生通り」からカエラムさんが去りました。
雪城 涼子 > 「あら、そういえば聞いてばっかりだったかな?
 うん。今度はゆっくり……私の話も、ね。」

それじゃあまた、と、手を振って別れていく。

ご案内:「学生通り」から雪城 涼子さんが去りました。
ご案内:「学生通り」にエトランジェさんが現れました。
エトランジェ > 買い物の帰り道だろうか.
真っ白な髪に黒いゴシックドレスを着た少女が通りを歩く.
その姿は少しふらふらしているようにも見えた

エトランジェ > ととっとたたらを踏みこらえる.

「どうしましょう……『飴』はもう全部なめきってしまいましたし……あと一週間……」

見ればその顔色があまり優れないのが見て取れる

エトランジェ > やはり足りない…研究者達はこのギリギリを見極めて”あれ”の量を決めているのではないかと勘ぐりたくなる.

買い物で一緒に買ったのであろう,チョコを一かけ口に含む.
おなかは満たされる.
だが,この『飢餓感』だけはどうにもならない

ご案内:「学生通り」に山吹 冠木さんが現れました。
エトランジェ > もう少し…もう少し落ち着くまで…
何度も通ってきた道だ.今度も大丈夫

そう言い聞かせても
ショーウインドウの前でうずくまってしまう.

山吹 冠木 > 「……ん?」

通りを散策しつつ、目的の品を幾つか雑貨店で購入していると……見知った姿が視界に入ってきた。
あのドレスは……多分、エトランジェだろうか。
ただ、何か様子がおかしいような……

「……おい、大丈夫か?」
踞ってしまったその姿に、少し慌てて声をかける

エトランジェ > 髪やドレスが地に擦るのも気に留めずうずくまる.

「山吹さん……?」

姿勢はそのままに視線のみを向け応える.

「すみません…こんな姿で」

彼女の透き通るような肌はいつも以上に白い.

山吹 冠木 > 「いや、こんな姿って……それより、具合でも悪くなったのか?」
流れ落ちる髪やドレスを汚さない様に注意しながら、
その様子を覗き込む。

明らかに、普通の状態ではない。
肌が何時もよりも血の気を感じさせない白さだが……
「病気か何かか? 歩くのが無理なら、保健室まで連れていくぞ」
連絡して迎えに来てもらうか……それとも、担いででも運ぶべきか。
まずは相手の状況を聞かないといけないだろうが……

エトランジェ > 「……ただの貧血です.そうですね.ここなら学校の方が近いかも……」

それにもしかしたら輸血パックなんてものがあるかもしれない.
普通はないだろうがこんな学校だ.万が一もある.
事情を話せば譲ってもらえるかも……

そんな淡い期待を抱く.

ガラスに寄り掛かりながらふらふらと立ち上がる.
やっぱり自分の姿は映っていない

山吹 冠木 > 「ただの貧血って……おい、無理するな」
僅かにガラスに視線が向くが、立ち上がったその様子に声をかける。
見るからにふらふらとして……正直なところ、かなり不安だ。

「そんな調子で歩いてたら、途中で倒れちまうぞ!
……おぶっていくか?」
肩を貸すよりも、その方が早く移動出来るだろう。
あまり余裕があるようには見えない

エトランジェ > 「すいません……」

謝罪なのか提案への肯定なのかよくわからない返事を返す.
ただぼーっと学校の方角へ視線を向ける.

山吹 冠木 > 「気にするな……ほら、乗ってけ」
かなりぼんやりとしているが……これは、急いだ方が良さそうだ。
そう思いながら少女の前で背を向けてかがみこむと、
後ろに手を伸ばして招くようにする。

荷物はその場に残すことになるが、それはこの際仕方ないだろう。

エトランジェ > 「……」
ぽすっと背中に倒れるようにおぶさる.
力が入らないのか全体重を預けるような形.それでもそんなに重くはないだろう.

いろいろ当たる気もするがこちらとしてはそのようなことを気にかけている余裕もない.

山吹 冠木 > 「よっ……と」
走るときに落とさない様に、そして要らないところを触らない様に気を付けながらしっかりと背負い、ひょいと立ち上がる。
故郷で多少は鍛えているので、背負うことに不安は無かったが……それにした所でかなり軽い。
背中に感じる軽さと密着する柔らかさに僅かに赤くなりつつ、ちゃんと背負えているか具合を確認する。
「気はつけるけど、辛くなったら遠慮なく言えよ」

エトランジェ > 「……」
これは……結構恥ずかしい.
力が入らないのは仕方がないにしてもまくれ上がるスカートがとにかく恥ずかしい.
公衆の面前で……こんな……
制服のあのミニスカートとはまた違った恥ずかしさ.

それでも抵抗する元気はない

山吹 冠木 > 沈黙を肯定と……あるいは、応える余力もないのかもしれないと判断し、急ぎ足で学校を……保健室を目指す。
配慮しているようだが……悲しいかな、おんぶしている青年の力では、
スカートの状態まではいかんともしがたいのであった。

エトランジェ > そのままぐったりとおぶられていった
ご案内:「学生通り」からエトランジェさんが去りました。
ご案内:「学生通り」から山吹 冠木さんが去りました。
ご案内:「学生通り」に谷蜂 檻葉さんが現れました。
谷蜂 檻葉 > 商店街に続く学生街のとある路地裏。

わざわざこんな場所に店を開かなくてもという所にお気に入りのパン屋が店を構えていた。 理由は誰も知らずとも、味の良さで客を集め、そこそこの繁盛を見せている。

そこから、満足そうな笑みを浮かべた少女が紙袋を手に抜け出してきた。

谷蜂 檻葉 > 「いやー、いいタイミングでこれたなー♪」

丁度店に入る所で今日最後の”焼きたて”に出会えて、普段よりも2割増しの笑顔で学生街に戻ってきていた。

「明日はどうしよっかなー……常世神社、足運んでみようかな。」

なんて、明日のことを考えながらのんびりと歩く。

谷蜂 檻葉 > ふと、何かに気づいたようにして立ち止まる。

「………?」

偶然かは判らないが、通りに人が誰もいないのだ。
いや、人の気配はある。ただ、檻葉の周囲だけに人がいなかった。

谷蜂 檻葉 > それが一瞬だったのか、それとも暫く放心したように時間が過ぎていたのか。

やがてまた”人のいる場所”に居た。


「…………何、今の…………?」

谷蜂 檻葉 > 白昼夢の類というにはあまりにも現実的で、しかし確かに”この世ならざる何か”を感じていた。
ただ、手元のパンが温かいということだけが、今の檻葉にとって確かなことだった。

ご案内:「学生通り」から谷蜂 檻葉さんが去りました。
ご案内:「学生通り」に苗羽 寧々さんが現れました。
苗羽 寧々 > 放課後、夕暮れ時。ATMでバイト代を下ろして銀行から出てくる。
残高は数字だけ見ればそこそこあるが、
実際のところ、近々引き落とされる弟の治療費を差し引けば皆無に等しい。
今下ろしたこれは当面の生活費であって、これは大事に使わなければならない。
数か月振りに故郷の酒を一杯だけ許された下級武士が、それを一晩かけて舐めるようにだ。

お財布は基本的に首から提げていて、服によっては胸元に入れてしまう。
盗難リスクはこれが一番少ないと、寧々はそう思っている。

苗羽 寧々 > さて、晩御飯の食材でも買って帰ろうかな。
今日の献立は何にしよう。

そうぼんやりと歩いている寧々の脇、車道を走る一台のバイクが追い越した瞬間。

「……ん?」

首が、なんだか軽くなった。
直感的に見回せば遠く、バイクの搭乗者の手に、どういうわけか自分の財布。
ライダースジャケットの内に、滑り込ませるのが見えた。

ご案内:「学生通り」に湖城惣一さんが現れました。
苗羽 寧々 > 悠々と走り去らんとするバイク、その搭乗者は治安のいい場所で油断した学生を狙う不良学生、いわゆる引っ手繰りの類。
彼の異能、《お前の物は俺の物》は2m圏内の軽質量の物体を対象に取り、自分の手元に転送する。
寧々が銀行から出てきたのに目をつけ、異能を使って電撃的に財布を窃盗。そのまま逃げおおせようとして――ミラー越し、徒歩で猛然と追い縋る人の影。

「ド・ロ・ボー!!」

『盗まれた』と判断してからの僅かな間。寧々は金勘定だけは早かった。
盗まれた財布の中身と、バイクと同等の速度を実現可能なだけの『使用料金』を衡量し。
ポケットに入っていたガラケーのおサイフケータイ機能を介して異能を発動――
寧々の異能《有料勇者》は、現金をコストにした身体強化の能力である。

疾走するバイクを、強化された脚力で猛然と追走。
夕暮れの大通り、バイクと人間の追いかけっこが始まった。

湖城惣一 >  少女とバイクがすったもんだの捕物劇を演じているそのさなか、逃げ去ろうとするバイクの正面。一人の男が立っていた。
聞こえてくるのは『ドロボー』の叫び声。
実にわかりやすい事の顛末に、男は悠然と手を伸ばした。
 バイクのフロントを掴み、軽く横に力を加えながら残った手で搭乗者を引っ掴む。
結果としてバイクは空転。男を軸にくるりと回転し、アスファルトに叩きつけられる。
 引っ張られた下手人もまた、それに巻き込まれるように倒れ込もうとするが、既のところで引き上げられた。

苗羽 寧々 > 寧々は悔しかった。
どうせ取るなら有るところから取ればいい。
この学園都市に黒い金ならいくらでもあろう。かの市川五右衛門を見習うがいい!

バイクの男を射程圏内に捉え、むしゃくしゃした感情のまま、
こないだ映画で見た古式ムエタイの奥義『鬼の都ロンカーを渡る猿王ハヌマン』を見舞うべく跳躍しようとしたその瞬間。

どこかで見た武士が窃盗男をひっ捕らえるのを見て、慌てて急ブレーキをかけた。
路上にありありと残るタイヤ痕ならぬ靴底痕、白煙をあげつつ武士の手前ギリギリで止まる。

「えーっと……ありがとうございました?」

あまりに鮮やかな手並みだったので、ちょっとよく理解できていないがための疑問形。

湖城惣一 >  目の前の男はそれをさしたる関心も向けずに慣れた手際で拘束する。
「む」
 奪ったと思しき財布をひっつかむと、白煙を上げて現れた少女に
「見事なものだな」
 などと、無表情に告げながら財布を差し出した。
「その分なら加勢は要らなかったか」
 その速度たるやすさまじいものであった。
自分が捕まえずとも彼女が捕まえていただろう、とその身のこなしから判断し。
ひとまず壊れたバイクと下手人を紐で結びつけて拘束した。

ご案内:「学生通り」に神崎 聖さんが現れました。
神崎 聖 > 学生通りを歩く…
先ほどの落第街とは違った感じで
またこれはこれでいい…。

こうして歩いていると変化が起きたりする…。

例えば『ドロボー』の叫び声とか…
何かを叩きつける音とか…。

「騒がしいね…。」

私はそう思った。

苗羽 寧々 > 「いえその、大したものでは」

必ず殺すの字句を付してよい感じの技を今まさに放たんとしていたことを誤魔化すように謙遜。

不審者が犯罪者を拘束している絵図であるが、
この不審者(武士)、聞くところによると風紀らしいので、お仕事ご苦労様というべきところである。
頑丈で長持ちという一点に生産コストを割り振ったと思しき安物の財布、寧々にとってはまさしく生命線、をありがたく受け取って。

「ありがとうございます、助かりました!」

疑問形抜きで改めてお礼を言った。

神崎 聖 > どうやら先の光景は…。

ひったくりがあったようだが…
無事に解決したようだ…。

「さて…」

壊れたバイクと下手人を見る…。
笑顔だが、ものすごく怖い。

湖城惣一 > 「そうか?」
 相手の謙遜にはこちらも疑問形を返し。
あの時の身のこなし、むしろ武術を嗜む彼にとって見たこともないものだった。
いささか興味はあったが――。
「構わん。気にするな」
 などと、風紀を呼び出しバイクもろとも引き取ってもらいながら軽く手を振った。
 すると、視線を感じて。
「む」
 こちらも視線だけを返して少し唸った。

神崎 聖 > 見られた気がして…

笑顔は返したが、さっきの怖い雰囲気はない。

「やあ ごきげんよう。」

そつなく挨拶を返す。

苗羽 寧々 > ヘッドバンギングよろしくこくこくと頷く。
深く突っ込まれなかったので助かった。
その傍ら、窃盗男は名も知れぬ風紀に神妙に連行されていく。

神崎の視線を感じて寧々はそちらに目を向けたし、
その笑顔を視界に入れて『うわっ怖っ!?』って思ったし、その思いが顔にも出た。
顔に出たのを認識して冷や汗をかきつつ。

「ご、ごきげんよう……?」

愛想笑いで鸚鵡返し。

神崎 聖 > さっきの怖い雰囲気の笑顔は…
ひったくり野郎に向けた者であろう…。

まるでその雰囲気は…

『次やったら、君の首を跳ね飛ばしてもかまわないね?』

まさにそれであった。


だが、今の笑顔は、そんな雰囲気は無い。
というか怖いと言われてしまった。

「おっと…怖かったかな?」

湖城惣一 > 「ふむ」
 挨拶をされたならば返すのが礼儀だろう。
「ごきげんよう、かな」
 相手に見覚えはないが、どう返したものかと。こちらもオウム返しのように返してしまった。
 見たところ害意はないようだし、格別何か動きを見せるわけではない。

神崎 聖 > 「いやぁ、さっきのはすごかったね。
バイク相手に追いかけるのとか、
バイクをひっくり返すのとか。」

見た風景をありのままに話す。

「まぁ、あのひったくり犯には多分再犯しないんじゃないかな?」

一応くぎを刺しておいたし

苗羽 寧々 > 「あ、あはは……」

あの窃盗犯が釜茹でにされる姿が頭に浮かぶ。
寧々は思った。この人カタギじゃないなと。
昔見た借金取りのおじさんたちの偉い人と同質の何かを持っている。あくまで寧々の主観である。

「何故です?」

一応聞く。あの怖い顔でなんとなく想像はつくけれど、話の流れという奴だ。

湖城惣一 > 「ちょっとした体の使い方だ。簡単だとは言わないがな」
 いずれも彼にとっては大したことではない。
隣の少女の知人でもないようだし、単なる野次馬か。
 問いを投げる苗羽の姿を横目で見た後、せっかくだからとその問いの答えが帰ってくるのを待ってみる。

神崎 聖 > 「うーん…。さっきの笑顔を怖いと言ったね?」

そして…

「もし聞こえてたかは分からないが…
『次やったら、その首はねるぞ。』って言っておいたのさ。」

嘘か本気かは彼女からは感じない。
まったくよくわからない。

苗羽 寧々 > 言ってない。断じて言ってないが伝わっていた。伝わろうとも。思いっきり顔に出てたし!
寧々は必死でごまかし笑いを浮かべて、続く言葉を聞いた。

「……顔で?」

どう考えても口では喋っていなかったので。
思わず言ってしまってから気づいたが、これ自分も殺されかねないのでは?寧々は迂闊な自分を後悔した。

神崎 聖 > 「そうだよ?」

あっさりと答える。

「こういうのは口に出すよりも効果的でね。
あ、君は大丈夫だよ。あのひったくりだけに向けたから。」

そういうが、すこし怖かったかなーと内心思っている!

湖城惣一 > 「…………」
 苗羽女史の懸命な戦いが見える。
手に汗握るその展開に思わず心中でエールを送った。
 まあ殺されはすまいが、万一殺されたら首は拾って……もとい、助けに入るから平気だろう。
 いずれも尋常でない様子だったと見える。
その顔を見ては居なかったが、後悔する苗羽の姿を見てそう受け取った。

苗羽 寧々 > 寧々の結論は次のようである。
怖い顔を向けた相手の首を将来的に刎ねる異能!
『あ、あぶないところだった……』
内心で安堵しながら、冷や汗をだらりと流す。

「こ、効果的なのは身をもって理解しましたとも」

軽い錯乱により言語中枢に軽度の不具合をきたし語尾に『とも』が付された。
どうやらより丁寧にしたかった様子である。

神崎 聖 > 「(唯のカマかけなんだがなぁ…。)
まぁ、そういうことなんだよ。うん。」

カマかけただけだが、とりあえずそう言う事にしておこう。

「…そういえば名前は聞いていなかった気がするね。」

とりあえず話題かえそう。そうしよう。
このままじゃ私が怖い笑顔の人になってしまう。
てかなってる。

湖城惣一 > 「……」
 男はふと、笑みを浮かべながら背を向けた。
 なんだかいい流れだ。ひったくりも捕まえたし、苗羽女史は新たな知己を得た。
なんでもない話の流れに突入していくに違いない。
 彼女たちの自己紹介を背に、すさまじい表情をする少女を心に留め、男は風のように去っていった。

ご案内:「学生通り」から湖城惣一さんが去りました。
苗羽 寧々 > 先の『顔で?』に至る前に一瞬脳裏を過ぎった『テレパシー的な?』という仮説は顔の怖さに塗りつぶされて消えていた。無念である。
さておき、名前を聞かれたので言われるがまま名乗った。
この場の支配権は完全に怖い笑顔の人にある。寧々は素直である。

「苗羽寧々、在学2年目の2年生です。 よろしく」

句点の直後の全角スペースは果たしてこの人とよろしくしたものかという逡巡を表す。
でもやっぱりなるべくご機嫌を損ねないようにしたいな。リスク・コントロール!

神崎 聖 > 「おや?」

湖城が去っていくのを見て…。

「まぁいいか…後で調べるとするか…。」

そして苗羽が自己紹介するのを見て…

「私は、神崎 聖。よろしく頼むよ。」

私はそう名乗る。さて…この名前を知ってるかな…?

苗羽 寧々 > そういえば切腹武士殿が静かであるな、と思ったら、
静々立ち去るところであったので、その背に向けてもう一度お礼を投げかけた。

さておき、相手の名前に憶えはあったろうか。
神崎聖。なんだかありがたいお名前だなあ。
このありがたさに既視感を感じて記憶を探ると、
なんだか生徒会役員を選ぶ信任投票――大体の人は機械的にマルをつけるだけ――のとき、
ぼんやりお歴々のお名前を眺めていたときにそんな感じの人がいたような。いないような。
ご利益がありそうだからマルってしたような。してないような。

「生徒会の人、で、す??」

とてもあやふやだったので、疑問形が自信なく強い。

神崎 聖 > 「そうだよ?」

随分あっさり、答える。
生徒会の人間が目の前にいて
【笑顔が怖い人】がそのありがたい名前の人であった。

「たまたま歩いてたら、さっきの現場に出くわしてね。」

おかげで面白い物も見れたしね。

苗羽 寧々 > 「あ、やっぱり」

名前で抱いていたイメージが実物のそれと混交し、
イエスブッダの感じから、インド神話の感じにすり替わった。

鬼子母神。うん、具体的にはよく知らないけど、鬼子母神って感じ。
完全に字面のイメージだけで相手をなぞらえ、寧々は内心頷いた。

「お恥ずかしい。お財布は無事に戻ってきたのでよかったです。
(歩いていたのは)生徒会のお仕事か何かで?」

素性も知れたので、少し緊張は解けてきている。
聞いてみたものの、寧々は生徒会が具体的に何をしているのかよく知らない。
とにかく権力があるということしか知らない。あと、行事の時などときたま前に出てスピーチ。

神崎 聖 > 「ふふふ、よろしく頼むね。寧々さん。」

鬼子母神に例えられた聖…。
まぁ確かに怖い笑顔のせいもあるかもしれない。

「いや、ただの暇つぶしだよ。
生徒会のお仕事もやったりするけど…
今回は暇つぶしだね。」

正直に答える。
私自身も生徒会の仕事はやるが…
大抵はふらついてることが多い。

仕事はやってるからね?

苗羽 寧々 > 生徒会って暇なんだろうか。
生徒会長っぽい人がマイナー部活に廃部勧告をしに行ってるのはたまに見かけるけど。
寧々は頭を捻ったが、考えたところで及ぶところではなかったし、なんだか本能的に圧力を感じたので、それ以上考えるのをやめた。

ところでバイク窃盗が起こった時すでに夕暮れで、
立ち話などしてる間に、そろそろ空のオレンジ色もなりを潜めてくる頃合いである。

「あ!」

なんでお金を下ろしたのかといえば、短期的に見れば夕飯の食材を買うためであった。
何故この時間に下ろしたのかといえば、夕方のタイムセールに合わせてである。
寧々はそれを電撃的に思い出した。寧々にとってタイムセールは優先度2位タイの重要案件である。

「私、そろそろ行かないと!お話、また今度聞かせてください!」

と、安売りのスーパーの方へ勢いよく駆けていく。
異能の効果時間は既に切れており、それは常識的な速度であった。

ご案内:「学生通り」から苗羽 寧々さんが去りました。
神崎 聖 > 「ええ、また。」

そういって寧々を見送る。
そう言えばタイムセールとかあったような…。
私には関係ないが…彼女には死活問題なのだろう?

しかし…。

「普通だな…。」

あのさっきので行けばすぐに行けるだろうに。

神崎 聖 > 「さて、私も…」

そういって普通に歩いて去っていく…。
しかし…。

「私ってそんなに怖いかなー…?」

すこし悩ませて歩く。
どうみても怖い。

ご案内:「学生通り」から神崎 聖さんが去りました。