2015/07/13 のログ
東雲七生 > うぇっへっへっへ……たこ焼きなんて久し振りに食うなあ。

(立ち上がる湯気に目を細めながら、緩んだ笑みを浮かべている。
 一緒に渡された爪楊枝を手に取り、どこか落ち着いて食べられそうな場所を、と辺りを見回した。
 ちょうど近くに街灯が立っている。あそこで寄り掛って食べよう。)

ギルバート > あくびをしながら注文するは8個入り。
手馴れたやり取りは来店一、二回のそれではない。
ソースの代わりに浴びせるはしょうゆとマヨ。
この和を感じさせる香りがたまらないのだ。
特に小腹がすいた時にはたまらない。
委員会の仕事で夕食のタイミングを逃したときには、少年は頻繁に通っていた。
大船を受け取って見知った顔に気付く。

「あ、東雲じゃん。」
「よく来るの? ここ。」

東雲七生 > へっ?
ああ、ギルバート! お前も来てたんだ?
……俺は今さっきこの店見つけてさ、初めて初めて!

(見知った顔に声を掛けられ、笑みを浮かべて手を振る。
 寄り掛っていた街灯から離れると、お互いが手に持っているたこ焼きを見比べた。)

へえ、お前ソースじゃないんだ?

ギルバート > 「ソースの味ってあんまり好きじゃないんだよ。」
「甘いものは好きだけど、『今欲しいのはその甘さじゃない』って感じで。」
「わかるか? わかんないか……!?」

ようはデザート以外の甘味をあまり好まない。それだけの話。
妙な熱弁をしたと、ひと呼吸入れてテンポを正す。

「あー……そういえば、ダシで食べるやり方もあるらしいなぁ。」
「食べたことある? オレ、全然なくて。」

東雲七生 > へえ、ソースってそんな甘い……かな?
いやまあ、確かにしょっぱいわけじゃないけど、そこまで気にした事ねえや。

(腹が減ってる時は味なんて気にせず食う。それが東雲のモットーだったりする。
 味わって食べるよりも腹一杯食べる。シンプルで彼らしいと言えば彼らしいだろう。)

出汁……あー、明石焼きだっけ。
俺もねえなあ……この辺で売ってるとこってあんのか?

ギルバート > 「さあ? オレも話で聞いたぐらいだし。」
「自分でつくった方が早いのかもしれないな。」

……はて。たこ焼きとはどうつくるのか。
自炊経験のあまりないギルバートには、遠目に見える店主の手つきからしてもうマジックに見える。

「たこ焼きパーティっての、聞いたことあるんだけどさ。」
「もしかして、無茶苦茶高度な技術が要求される社交の場なんじゃ……?」

東雲七生 > たこ焼きって、専用の器具が必要って聞いたけどな。
ほら、あの穴ぼこだらけの鉄板とかさ!

(東雲から見れば真似しようと思えば出来なくもない動きではあったが。
 どういうわけか自炊して成功した試しがなかった。)

え、何そのたこ焼きパーティって。初耳だけど。
みんなでたこ焼き作るの?それとも食い続けるの?

ギルバート > 「オレだってよく知らないよ!」
「ただどうも、みんなで焼いてみんなで食べるみたいだ。」

ただ食べるだけならまだしも、焼きながらなんてどうするのだろう。
頭に浮かぶ光景は、焼肉のように鉄板を囲むようなもの。

「……オレ、自分でつくるのヤだなあ。」
「のんびり食べるのでいいや。」

ざくりと表面を齧れば、中からはどろりと濃厚なうま味が流れ出る。
初夏の風はゆるりと熱を帯びているが、その最中に食べるのはまた格別な趣があった。

東雲七生 > みんなで焼いて、みんなで食べる?
それは……楽しい、のかな。変なモンが流行ったりするんだなー。

(そもそもパーティというものが想像しにくかった。
 気心の知れた仲間と立食会めいてたこ焼きを食べる様子を想像し、なんだかちょっと楽しそうだと思ってしまう。)

俺も出来れば食ってるだけが良いなあ。
ギルバートさあ、たこ焼き作れそうな知り合いとか居ねえの?

(冷めないうちに、とたこ焼き1つを一口で頬張る。
 うん、美味いなと満足げに笑みを浮かべた。)

ギルバート > 「うーん……オレもそんなに友達いるワケじゃないし。」
「……生活委員の安室先輩あたりは得意そうだ。」
「自炊結構するらしいし。スーパーの閉店時間前に行けばよく会えるよ。」
「普段温厚なのに、その時ばかりは修羅の覇気を纏っている。」

酷い人物評ではあるが、それ以外評しようがないのだから仕方ない。
それにしても飲食施設が充実しているせいか、あまり自炊関係の話を聞かないなとも思った。
特に彼の所属する公安委員会はその危険性から多額の収入を得られるため
自ら進んで自炊しようとする者も少ない。

「東雲の方こそどうなんだ?」
「お前、オレより女の子の知り合いとか多そうじゃん。」

東雲七生 > 安室……先輩?
生活委員にそんな先輩居るんだ?
あ、でもちょっと気持ちは分かるかもなあ、俺もスーパーの半額弁当買うとき、気合い入れるし。

(顔も知らない先輩に少し親近感が沸いた。
 明日から夏季休校の間までにどんな人か一度見てみるのも良いかも知れない。
 そんな事を考えながらたこ焼きを頬張る。青のりの香りが口内に広がった。)

え!?そんなことないない!!
別に女子の方が多いとか、ないない、普通普通!それに、知り合いってだけで料理出来るかとか全然だし!
……あ、いや。でも確実に料理出来るって分かってるのなら一人居るなあ……。

ギルバート > 「ほー。そう慌てるなんて、余計に怪しいが?」
「大人の階段か。もう登り詰めた後だというのか??」

疑うようなジト目。

「……まあ、それはいいとして。」
「その一人ってのは誰のこと?」

東雲七生 > 別に怪しくなんかねーって!
……ほら、同じ一年の焔誼だよ。ちょっと大人しそうな感じの。
よく弁当作って貰っててさ、美味いんだ。だからたこ焼きももしかしたら作れるかも……!

(明日にでも学校で聞いてみようか、と爪楊枝を軽く振りながら笑う。
 他に料理が出来そうな知り合いと言えば、あまり心当たりは無かった。
 案外、友人の事など詳しく知らないものだなあ、と少し寂しくなる。)

ギルバート > 「はあ。女ですか。東雲さん。」
「弁当を? えっ。 今、なんと……。」

よろりとうろたえ後ずさる。
東雲の一言はあまりにもパワーが強く、ただの一言が内臓を強打するかのようだ。

「そうか。女子の知り合いがいないと豪語するわけだ……。」
「そりゃもう女つくってりゃいりませんよねェー。」

口を尖らせ抗議する。
抜け駆けとはなんと破廉恥な! と。

東雲七生 > はぁ?だから弁当を……

……。

ちっ、違うからな!?そういう関係じゃないからな!?
何つーか、恩返しみたいなあれやそれで、昼飯だけ作って貰ったりしてるっつーか!
俺はまだまだフリーだから!たぶん!……ってこれ胸張って言う様な事じゃねえな。

(後悔しても後の祭りというものだ。
 今まで何度か同様のリアクションと誤解は受けた。その度に面倒な訂正をしてきたのだが、つくづく自分は学ばないやつだなと自嘲する。)

ホントにそういうのじゃねえんだって。
あ、頼んだらお前の弁当も作ってくれるかもよ!

ギルバート > 「それ頼んだら、オレが焔誼にぶっ叩かれない?」
「遠慮しとくよ……まだ先は長いんだから、円滑な学生生活を送りたい……。」

そんな話をいくつか繰り返し、時間はゆっくりと過ぎていった。
中身のなくなったから容器をゴミ箱へ捻じ込む。

「あー……明日からまた登校か。」
「もし遅刻したらノート借りるかも。」

一段と大きなあくび。

「それじゃ、おやすみ。」

ご案内:「学生通り」からギルバートさんが去りました。
東雲七生 > あ、おやすみ!
ノート……は、まあ問題ねえけど、遅刻すんじゃねーぞ!

(自分も食べ終えたたこ焼きの容器をゴミ箱へ。
 それからふと考える。
 女子に弁当作って貰うって、叩かれる様な事か?と。)

別に無理やり作らせるわけでもねえし、非難される様な事じゃねえと思うんだけど……。

東雲七生 > よし、美味いもん食ったし、今日はぐっすり寝れそうだ!
明日からまた授業あるし、気合い入れていかねえと。

(満足げに大きく伸びをして。
 近く迫った夏季休校へと思いを馳せる。この夏は何をしようか。
 海で泳ぐか、山に行くか。それとも特撮ヒーローのDVDを徹夜で見ようか。
 落ち着いて考えてみれば、最後は夏じゃなくても出来る事だったが。
 わくわくし始めている東雲は気付かなかった。)

東雲七生 > ……さてと、また歩いて帰るか……な?

(店じまいをするたこ焼き屋の店主に軽く挨拶をして。
 自分も帰路につくか、とその場から歩き出す。

 そしてすぐに気付いた。

 たこ焼きの匂いを辿って来たので、現在地がどこか分からない。)

え、えーと……確か、あっちから来たか……ら?
あれ?あっちだっけ?……いや、こっちか。あれ?

東雲七生 > ………。

ええい、とりあえず適当に行きゃあどっか知ってる場所に出る!!

(意を決して道なりに歩き始める。学生通りがあるのは研究区から見て南だ。
 ということは研究区に戻るには北に行けば良い。
 きっと涼しい方が北だ。
 と、謎の理論を展開して、道なりに歩き始める。

 しかし、東雲が向かう先は西だった。)

ご案内:「学生通り」から東雲七生さんが去りました。
ご案内:「学生通り」に安室 冥路さんが現れました。
安室 冥路 > 皆さんはカニカマをご存知だろうか
かに風味かまぼこ。
二十世紀後半、初めて歴史に姿を表した、色、形、食感、味わいをカニの身に似せた魚肉練り製品
高級品であるカニを手軽に味わった気分になれるこの食品
およそ半世紀の後には改良に改良を加えられ、本物のカニに極めて近い味わいとなる
いや、ともすれば本物のカニの、『ハズレ』よりも余程美味しく
しかしコピー食品、大量生産品故の安定性から『ハズレ』の無いカニとして世界的なヒット商品となる

安室 冥路 > そのほかにもコピー食品と言われる商品には21世紀、飽食の時代といわれた世紀に様々なものが開発、商品化された
衛生的な問題から発売が禁止された生レバーを極めて成功に真似て作られたコンニャク
手頃には味わえない高級果実の味わいを真似たゼリー
酒税の犠牲となり高価となったビールの代替え品として作られた発泡酒等等…
21世紀初頭ですらそれほどの精度を誇り、隆盛を極めたコピー食品
それは現在、どうなっているかというと

安室 冥路 > 食堂『イミテイション・カタルシス』
コピー食品を専門に取り扱う飲食チェーン店である
キャッチコピーは『本物では味わえない快感を貴方に』
安価で美味で量が多く
本物じゃなくても美味くて安いからいいや、という若年層を中心に人気を集めている

その常世学園学生通り店。そのカウンター席。
安室冥路は分厚いステーキをかっ食らっている。
本物であれば数千円するであろう厚さと脂のノリであるがこれは現代技術の粋を集めて作られた形成肉
なんと一食700円である
肉をダブルにしても1200円という格安さだ

安室 冥路 > 金欠によりここのところもやしを中心とした粗食で日々を乗り切ってきた
贅沢は敵だった。
肉、魚、麺類、甘味
食べたいものはたくさんあったけれど、もやしとパンの耳を友達になんとか今月を載り切らねばならなかった
苦しい戦いが続いていたが…先日、先日の蟻人との接触戦。それに駆り出された事により報奨金が支払われたのだ
思わぬところで臨時収入を手に入った事で多少、懐に余裕が出来た
…まぁ治療費だなんだの支出もあったので苦しい事には違いがないのだが
とかく、肉が食いたかった。大量に、美味しい肉が食べたかった
故にこの店を選択したのだが

ご案内:「学生通り」に平岡ユキヱさんが現れました。
安室 冥路 > 「………美味いには美味いんだけどね、うん」

美味い。確かに本物そっくりで、尚且つ美味い。
下手な定食屋で出てくる固い筋張った本物の牛肉などより余程、美味い。
だがしかし、されどこの美味さは、所詮模倣品の美味さなのだ。
…美味いけど、何処か虚しい。

「………選択ミスったかな…」

肉、飯、肉、飯。交互にモリモリと食らいながらも何処か虚しそうな、虚ろな目をしていた

平岡ユキヱ > そんな店に、キャリーバッグを転がしながら一人の女子生徒が入店する。
イヤに派手な金髪に不釣り合いな風紀委員の制服。店員と2、3やり取りすると、安室の横のカウンター席に案内されて。
「あー、すみません。ちょっと荷物が多くて邪魔になっちゃうかもしれないけど…隣いいですか?」
見た目とはチグハグな、いわゆるシャンとした喋り方に凛々しい目つきで、少し申し訳なさそうにほほ笑んだ。

安室 冥路 > 「ふぁい?」

虚しさを紛らわす為に口内に肉を一杯に頬張りながら、さながら頬袋にひまわりを詰め過ぎたハムスターのような顔をして振り向いた
自分に声がかけられた、という事を改めて認識すれば。もしゃもしゃもしゃ…と急いで咀嚼し、水で一気に喉奥へと押しこむ
ちょっと咽た

「ゲッホゲッホ…はいはい。うん、別に全然構わないよ。というか、いろいろと見苦しいかもしれないけど、それでいいなら…うん…」

現時点でかなり見苦しかっただけに。逆に大分申し訳無さそうに隣の席をどうぞ、とばかりに手で示した

平岡ユキヱ > 「…?」
咽る安室に少し心配そうに視線を送るが、相手の小動物のような仕草の面白さに小さく吹き出す方が最終的に勝った。

「ああ、ごめんなさい。悪気は…」
言いながら、示された先に座ると、ステーキ定食ダブルの大盛り! と店員にカッと注文をする。
こういうのはスポーツと同じで、変に恥ずかしがったり遠慮はせずにサッサと言ってしまうに限る、とユキヱは思っていた。

「まだこの島に来たばかりだけど…。こっちにもこういう格安店があるのね?」
安室の方を見て、ニッと笑った。

安室 冥路 > 「いやいや、まさかこんなところで丁寧に声なんてかけられると思ってなかったからさ」
「油断しまくってた俺が悪いんだよ、こっちこそなんかごめんね。」

少々気恥ずかしそうに笑い。今度は別段変わった様子なく食事を再開する。
流石に横に女子がいる状況でやけ食いめいた食べ方をするのは、男としてというか人としてどうなのか、と気が引けたらしい
…まさか自分と同じ定食を頼むとは思っても見なかったので若干驚きはしたものの、表には出さない

「そりゃそうだよ。こういう学園ではあるけど…誰もが金持ちっていう訳じゃあないしね」
「むしろ割りとギリギリの生活してるような奴の方が多いくらい。俺とかね。」
「来たばっかり…って事は転校生?日本から来たの?」

笑顔には笑顔を、人懐こい微笑みを浮かべ平岡を見返した

平岡ユキヱ > 「おっと失礼。平岡ユキヱ、一年。まだ入学手続きを済ませたばかりだけれど、よろしく。
 育ちは東京浅草、生まれは…まあどこかな? この世界の人間だとは言っておこうかしら」

必要なこと、あるいは名乗らなければならないことをテンポよくパンパンと述べる。
生来の気質なのかはわからないが、安定食屋で丁寧に会釈するのが何ともお上品で不釣合いか。

「それは電車から見た光景や…委員会に入る説明で。大体は
 …いや、あの存在しないはずの地区や人たちはお金とは関係ないかもしれないけど」
少しキナ臭い話題を混ぜつつ、小さく息を吐く。

安室 冥路 > 正直なところ、こんなところで普通に会話を持ちかけられるとは思ってもみなかっただけに多少、驚いてはいる
この手の格安店にありがちな光景だが、主な客層は男子の一人客である
さっさと食ってさっさと帰る、というのが主な扱われ方の店で女の子に声をかけられる日が来るとは
少々奇妙な光景にチラチラとこちらを伺う生徒もいるが…まぁ、駄弁って怒られる訳でもなし
気にせず会話を続ける事とする

「俺は安室冥路、二年。まぁ一応上級生だけど、特に気は使わないでね、俺堅苦しいの嫌いだからさ」
「浅草って…アレだっけ、雷門。あと落語とか。なんか変な形の金色のモニュメントがあるビルとかあるとこ」

日本通ぶった外国人のような浅草への印象の持ち方である

「んー………まぁ『アレ』も含めて常世島、だよ」
「慣れるまではちょっと気になるかもしれないけどね。真面目な子からしたら、なんであんなの放置してるんだって思うかもしれないけどさ」
「下手に触ると火傷するから注意しといた方がいいよ。普通に暮らしてる分には関わらなくても問題無いから」

平岡ユキヱ > 「ん? 先輩か…。気を使わないというのは難しいけど…」
しかし「使うな」と言われてはしょうがないと観念したのか、わかった、とだけ短く答えた。

「あはは! まあ大体あってます! うるさくてゴチャゴチャしてて…いい所よ?
 今では異邦人とかも混ざって、昔以上に混沌としているみたいだけどね」
あそこはそういう場所だから別にいい、と明るく笑い飛ばした。
そんな話をしていると、自分が注文した定食が運ばれる。いざ! と食べ進めながら会話をつづけて。

「水清ければ魚棲まず…。絶滅させようなんて大事は考えないが、これでも風紀委員なものでして」
関わらないわけにはいかないだろう、と少し眼光が鋭くなった。

安室 冥路 > 「あはは、まぁ気楽って事だよ。変に気を使わないようにするっていうのも肩に力入るだろうし」

ひらひらと手を振りながら、好きにするといいよと苦笑を浮かべる。
見た感じはギャル、という印象だが中身は随分と体育会系…というか、生真面目そうだ
こういう性格の手合には自由にさせた方がいい。
経験上、気を使うな、と言い過ぎると『気を使わないという気を使わせる』

「へぇー…俺日本にはあんまり滞在したことがないからネットでくらいしか見たことないけど」
「…そういう風に聞くと、ここと大して変わらないような気もするかな」
「24時間どっかしらで騒ぎが起きてるような島だからねぇ。」

…改めて口に出すととんでもないところだな、という気がしないでもない

「あぁ、風紀。…風紀?転校したばっかで、良くもまぁ…」
「…あそこ結構、大変だよ。俺は生活委員だからまぁ、平和…といえば平和なんだけど」
「風紀の連中は皆大概忙しそうにバタバタと動きまわってるからねぇ。」
「…日本は治安がいい、って有名だけど。ここは異邦人、怪物含めて危険が多い」
「怪我とかしないように気をつけなよ。ほんと。下手すりゃ死ぬような事件も多いから…」

平岡ユキヱ > 「へえ…安室先輩って帰国子女ー?」
日本にいなかったとはどういうことなのだろう、と少し不思議そうに首を傾げながら、それはさておき肉を食らう。

「そうそう、こういうのでいいのよ、こういうので…!」
このいかにもな形成肉! となぜか満足気にライスとあわせて食べる。
野郎の一人客が多い店であろうと関係ない、ただ自由に、食事しているときは豊かに救われていないといけないのだ。
もっきゅもっきゅと食べすすめ、飲み込み。

「異邦人はともかく…怪物はあんまり地元にいなかったかな?
 まあ慎重に動きますって。それになにより…」
少し逡巡した後、堂々と答える。
「楽や苦労の損得勘定で選んだ道じゃあないので…。ただ、誰かがやらないといけないと思ったから、私もやるって、感じです。
 まっ、こう見えてけっこータフなんで、その辺は任せちゃってくださいよー!」
わははと笑い、食事を続けた。