2015/07/15 のログ
ご案内:「学生通り」に桐竹 琴乃さんが現れました。
桐竹 琴乃 > 夜。
バイト帰り。
ゆっくりと帰路に付く。
新人の子が入ってきてたり、その絡みでバイト初出勤時の大失敗などを赤裸々にされ、バカみたいに疲れた。
精神的に。
「私が何をした」
思い当たる節が多いので自分で呟いておいて押し黙る。
とにかく今日のお勤めは終わり。
「さて……」
尞に帰るかまた適当に夜歩きするか。
迷う所である。

何はともあれ、学生通りを道なりにゆっくりと進む。

桐竹 琴乃 > 自分で肩を揉みつつ、んんーと唸る。
どっちにせよカバンを持ってきているのでこれをそのままもって歩くのはメンドクサイ。
「一回尞、かなあ」
戻ってそのまま寝てしまう可能性もまあ、ある。
趣味なモノだしそれならそれでそれで。
絶対にしなきゃならないワケでもない。

流石に夜であるので人はまばら。
道行く人もさっさと帰路に付こうという感じである。
日中程の暑さは無いにせよ、じっとりとした暑さは確かに不快なもの。
家に帰って冷房やら扇風機やらで涼みたい気持ちも大きい。

「……」
自分の部屋でだらっとする意志が強くなりつつあったが、とはいえ急ぎたくも無いので足取りは緩やかだ。

桐竹 琴乃 > 歩きなれた道。
電灯なども整備されている。
切れている電灯などは一つも無い。
「んんー」
それに連想されてふと、先日生活委員だと名乗った彼を思い出す。
こうやって道をそれなりに安全に歩けるのも、言わば生活委員会の功績ともいえるだろう。
「……」
何となく感謝の意を込めて手を合わせてみる。
まあ暗かったら暗かったでそれはそれで好きなのだが。
夜目は利く方であるし。

「ん」
携帯端末が鳴る。
メールか何か来たようなので返信する為に電灯の下で立ち止まった。

ご案内:「学生通り」に湖城惣一さんが現れました。
桐竹 琴乃 > 件名:新作スィーツのご案内。 (見た後)削除。
件名:明日シフト変わってください。 予定見てからでいいすか?
件名:Re;明日シフト変わってください。 ……それ出すの卑怯じゃないっすかね。わかりましたよ。


ぺちぺちとメールを打つ。
特に何というメールも来ない。
強いて言うなら明日シフトが入ったというだけであった。

湖城惣一 >  電灯が点々と続きあたりを明るく照らしだす。
光の中に浮かび上がっては消えていく不審者が一人。
和装をベースにしたジャケットをはおり、腹を丸出しにした若者。
 名を、湖城惣一という。
「……ん?」
 向かいには見覚えのある少女。
いつも通りに……無言で歩み寄っていく。
足音は消して歩くのがくせになっている。
美しい足さばきは衣擦れの音も聞こえないかもしれない。
 友人まで、二歩の距離まで近づいて。
「応」
 と声をかけた。

桐竹 琴乃 > 「んおっ」
一瞬ビクっとする。
目の前にはもう随分と見慣れた友人。
音も無く乙女の前に現れるのはどうかと思う。
「や、コジョー」
携帯端末をポケットにしまい、軽く片手を上げて挨拶をする。

湖城惣一 > 「ああ、久しぶり……というほどでもないか」
 しまった携帯端末に気を払うことはなく、少し街灯寄りに退くと。
「バイトの帰りか?」
 時間的に判断して尋ねてみる。
 竹刀袋を担ぎ直すと、一度自分の身なりを確認した。
戦闘からは時間が経っているし、体調も悪くない。
約束は果たせているだろうと自己判断するのであった。

桐竹 琴乃 > 「えーと……」
思い出す。
「前に……家行った時、以来かな」
思い出したくは無いが。
っていうか。
「あ、あー。ああー」
色々とアレだった。
そう、あれから会っても居ない、メールもしていない。
試験の結果がどうなったかなどすら伝えていないのであった。
これは流石に不義理だ。
「あー。うん、コジョーのお蔭で……」
ごにょごにょとする。
そして今更このタイミングでお礼を言うということは。
非常に疲れる事なのだ。

湖城惣一 >  相手の態度。言葉。
それをじっくり見つめるようにして、相手の言葉に聞き入った。
最後にごにょごにょと消え入るような言葉まで待つと、
「そうか」
 やんわりと、小さく微笑んだ。
「礼には及ばん……というわけではないが。
あのあと君が上手く言ったかは気がかりでな。
……無事に終わってよかったと思っている」
 なるべく丁寧に。相手の続く言葉を汲み取って小さく微笑んで言うのだ。
明日は槍でも降るに違いない。
「また分からないことがあったら……そうだな。
今度は早めのほうがいいだろう」
 顎を撫でて、小さく笑みを浮かべたまま提案するのであった。

桐竹 琴乃 > 「!?」
思わずぽかんと口を開く。
「え、あ?ええ?」
信じられないものを見ている。
これは熱帯夜が見せる幻かなにかではないか?
私はもしかして疲労でその辺でぶっ倒れて夢でも見ているのでは?

もしそうでないならば―――。

唐突に。
湖城へと琴乃は踏み込んだ。
彼我の距離は二歩であった。
その二歩を一歩へ。
手が届く範囲へと。

そして掌を湖城の額へと伸ばすだろう。

彼女が取った結論は。
恐らく熱でも出て本調子ではないのでは、であった。

湖城惣一 > 「む」
 相手が戸惑っている。自分はまた何かをやらかしてしまったか。
人間関係にいまだ悩みを抱える彼は、再び首をかしげようと、して。
「――――」
 硬直した。無警戒であった。
湖城という男は自動的な存在といっていい。
平時であってもあらゆる危難を退けてきた。
 だのに、完全に不意を打たれていた。
それほどまでに彼女に気を許していたのか、
額に手を触れられたならば――かっと身体が熱くなる。
 ……湖城惣一という男は、古風な男であった。
女人に触れるすら躊躇するほどの。

桐竹 琴乃 > 「……コジョー熱でもあるんじゃない?大丈夫?」
事実掌に感じる熱は次第にその温度を上げている気がする。
一方の琴乃は、自分が何をしたか、と言うのに未だに気づいていない。

ただ無意識に―――。
自然と。
友人の安否を心配しての行動であった。
「具合悪いなら速く部屋戻って寝た方が……ああでも前のあの家はちょっと遠いか。尞の部屋は……」
ぶつぶつと掌を額に当てたまま、考えていた。
自分のしでかした行動にも、コジョーの状況に真に気づくのはまだ後になりそうである。

湖城惣一 > 「あ、いや……大丈夫だ、これは……」
 状況が訳が分からなくなっている。
自分が反応出来なかったことと、不慣れな接触。
それに打ちのめされていた。
 しかし。相手に"慎ましさ"を求めることはない。
わざわざ口に出すこともなく、
「すまない。……君、が。手で触れてきたのに驚いただけだ」
 嘘はつかない。それはあくまでも誠実な態度で、
ただ真っ直ぐに、いつも通り告げる。
「だから、大丈夫だ」
 接触時間の長さ。スイッチが上手く切り替わらない。
神経が迷走状態にあった。

桐竹 琴乃 > 「……」
言われて。
はっと気づきすっと掌を離した。

「あー……ごめん」
ぽりぽりと頬を掻く。
何のことは無い、接触に慣れていなく、それに驚いただけだったようだ。
まあ確かに向こうからの接触はあったけど、こっちから触ったりって無かったなあ、とぼんやりと思う。
まあ琴乃も女の子である。
積極的に男性にスキンシップを取りに行く事が無いので当然といえば当然だった。
そして事態は湖城を見る限りそれほど軽々しいものではないが。
珍しく、今日の彼女は精神的な疲れ(自業自得自業自得ではある)があり、言う程に脳が回転していない事にも起因しているのかも知れない。
「まあ大事ないならそれで」
ふう、と息を一つ吐く。

湖城惣一 >  手を離されると、少しだけ目頭を抑える。
危うい所であった。
「……そちらも、大丈夫か?」
 息を吐く所作、思考の流れ。
その程度であれば感情を読む、というほどでもない。
様子がおかしいというか、上手く頭が回っていないことは分かる。
 どちらかといえば、やはり琴乃のほうが問題を抱えているように思えた。
 自分はどうするべきか、と思考しながら。
ひとまずいつも通り横や背を守るぐらいしかできず。

桐竹 琴乃 > 「え?私?」
ううん、と口元に手を当てて考える。
「まあ今日はバイトあったし、疲れてるのかもね」
至極軽い口調ではあるが間違いなく疲れているのは理解はしていた。
自分の思考が鈍くなっている事には気づいてなかったのである。
一種のナチュラルハイ、なのかも知れない。
「ま、後は家帰るだけだし」
こっちは大丈夫、と改めて湖城へ伝える。
健康的には至って問題なく、であるし。
と自分で結論を下した。

湖城惣一 > 「そうか。……ひとまず、送ろう。
この所は更に物騒さを増したようだ」
 ところどころで起きる事件たちは、最早学生街だから安全、というほどでもない。
何がどう爆発するのか、周囲に興味を持たない湖城では理解不能であった。
 だからこそ、ひとまず琴乃の横につく。
 そこで、ふと。別の知人に振った話題を。
「君は、試験後、何か予定はあるのか?」

桐竹 琴乃 > 「ああ、らしいね」
噂話、SNSなどで情報は仕入れている。
面倒ではあるがこれも【夜歩きしてある程度限界まで安全地帯を探す】為である。
「試験後の予定?」
まあつまるところこの休みの間の事だろうと考え。
「一先ず明日はバイト」
ついさっきのメールを思い出し、そう告げる。
「それ以降は特に無いなー」
後ろ頭で手を組み、だらりとそう答える。

湖城惣一 >  琴乃には連絡先を教えているし。
それ以上の心配はあまりするべきではないか。
何度か考え込んだ後、一枚だけ護符を取り出した。
「世話を焼くわけではないが、この護符も持っておけ。
切り傷程度なら、深さの度合いに関わらずすぐに塞がる」
 切腹奉納用の護符だ。以前渡したお守りよりも余程希少なものであったが、
目の前の友人が怪我をして逃げることもままならなくなることが、

 ……ことが?

 分からないが、感情を飲み込んで。
「俺が腹を切った後に使うもの。
使い捨てだが、切り傷を問わず、何かと役に立つだろう」
 そういって、横並びになりながら護符を差し出した。
 続く夏の予定に対しては、ふむ、と顎を撫でて。
「俺もない。……友人同士であるなら、今度どこかにでかけるか」
 漫画知識を活用した、男なりの全力の"友達らしさ"だった。

桐竹 琴乃 > 一方護符を見てんー?という感じの顔をする。
「いやー、私何かよりコジョーが持ってる方が良いんじゃない?」
珍しく、やはり色々と鈍い。
それだけ気を許している、とも取れないことは無いが。

「以前のお守りもまだ、あるし」
ポケットに手を入れてひょいと、取り出す。
何だかんだでずっと持っている。
琴乃は踏み込んでしまう事はあるだろうが、恐らく彼がその危険に【自ら】踏み込む確立よりは低い。
なれば頻度は彼の方が上であるし、彼が持っているに越したことは無い。
という考えである。

「んー……んんー?」

今度 
どこかに
でかけるか

反芻する。

今度
どこかに
でかけるか

「……?」
思考が追いついていない。
―――何か重要な事を今イワレナカッタカ?

湖城惣一 > 「いや。作れば問題ないんでな」
 そのコスト自体が非常に高いのだが、わざわざそれを言う必要はない。
趣味も精々が漫画ぐらい、あとは神事に使う出費だけだ。
 珍しく我を見せるようにして押し付けるだろうか。
「俺としては君に……む?」
 明らかに困惑している琴乃を見て。
 やはりあまり理解していない素振りでじっと琴乃の瞳を見つめてみる。

桐竹 琴乃 > 結局そっちに思考が偏っているので半ば生返事の状態で護符は受け取る。

「今度……どこか……何処かに、でかけるか……出掛けるか」
反芻、反復、復唱。
ふらふらと前を歩く胡乱な思考に。
全力疾走してくる理性が追いつき。
【正気に戻れやオラァ!】と言わんばかりの膂力で。
遥か彼方へと蹴り飛ばした。

「っっっ!?」
バッと思わず一歩距離を取る。
彼我の距離はこれでまた二歩。
「は?え?一緒に出掛けるの?」
髪の毛を無意識に弄り、声は上擦る。

「誰と?誰かと一緒に?」
そうだ、きっと私と後誰か居るに違いない。
そんな希望なのかどうなのか分からない感情を乗せて。

湖城惣一 > 「…………」
 あまりの曖昧模糊な状態に、思わず真剣に見つめてみる。
視点が定まっていないようにすら感じる所作。
 また倒れやしないかと、いつでもフォローできる位置に移動してから、
 バッと琴乃が離れた。
「ん、ああ……そうだが」
 上ずった声。やはりこちらから見返すように瞳を向けて。
「……? 誰と……いや。君と、だが」
 ラブコメハーレム系主人公なら、
ここで『友達みんなで行こう!』というのかもしれないが。
あいにく湖城は友達(だと確認が終わっている相手)自体が少なかった。
 頻繁に顔を合わせる、という条件で更に絞り込むならば琴乃を除くと――。

桐竹 琴乃 > 君とだが。
君と
君。
それはつまり―――。
思考を止める。
まだだ。
相手は湖城である。
(まだ、どうせヘンなトコに行こうって言うに決まっている)
よく分からない暴論を展開する。

距離を横並びへと戻し。
髪は弄ったままではある。
下を向き、視線は合わせないまま。
それでもうまく声は出ず。
「……どこに?」
―――極めて、小さな消え入る声でそう問うた。

湖城惣一 > 「……どこ……」
 そこまでは考えていなかった。
食事……では普段と変わりない。
遊びに行く、というのだから
普段行かない場所のほうがいいのだろう。
 さて。夏、テスト明けとくれば――そうだ。
やはりここで役に立ったのは漫画だった。
ほぼ青春のバイブルと化している気がする。
「俺はそこでの作法など知らないが……」
 一旦区切って、
「海などは定番だと聞くが」
 切り出した。

桐竹 琴乃 > 海。
ほぼ間違いなく現状に於いてパーフェクトと言える答えだ。

本当に、この目の前に居るのは湖城なのだろうか。
再度その思考をしてしまう程に。

「海、ね」
軽く目を閉じ、開いた。
「いいよ」
それは覚悟を決めた声。
「海いこ……」
う、の言葉を飲み込みはた、と止まる。
携帯端末を開く。
給料日まで後もう少し。
「……い、いいけどちょっとだけ待って」
び、と掌で制するモーション。

湖城惣一 >  よもやこれがちょっとエッチなラブコメディ漫画から来る知識だとは思うまい。
 しかし、何事も真剣な姿勢で取り組む湖城という男の性質が上手く噛み合って
"学生らしさ"を漫画から取り込みつつあるのは間違いない。
「……む、そうか……ん?」
 同意の言葉には胸を撫で下ろす。
最近は人間関係の難しさに頭を悩ませるばかりだ。
だから、相手の同意を得られて安心するのであった。
「どうかしたか?」

桐竹 琴乃 > 「女にはですね」
至極真面目な声であり。
相手に教えるかのような口ぶりで。
「準備期間っていうのが必要なんです」
ぐたいてきにいうとみずぎがありません。
ありますがいちねんまえのなのであたらしいのをかいたいです。
(などと死んでも言えるかーーーー!!)
心は大絶叫。
表面上は大真面目。
「まあうん、ね」
こほんと、わざとらしく咳き込む。

湖城惣一 > 「準備期間。……なるほど」
 流石に無知すぎるというほど無知ではない。
説明されれば、ある意味化粧のようなものだろう、とアテをつける。
 こちらは彼女と違って準備はさほど必要ないが、
そのため相手の言葉をあっさりと受け入れる。
「分かった。…………ふむ、楽しみにしていよう。
準備が終わったら、連絡をくれ」
 他意はない。ただ、自分の変化が小気味よかった。

桐竹 琴乃 > 「はああ」
髪を弄る。
適当に肩口からさらっと流してみたり。
片手で束ねてすぐ離したり。
特に意味は無かった。

水着以外にもそれこそ色々ある。
色々。
そう色々。
当然説明などする訳も無い。
「まあ、そう言う事だからもうちょい待って。連絡はうん、必ずするから」

湖城惣一 > 「ああ。もちろんだ。いくらでも待とう」
 割りと大マジで、いくらでも待っているはずだ。
湖城という男は嘘をつかない。
準備に時間をかけすぎたら、
くらげのうようよいるシーズンに海に行くことになるかもしれない。
「楽しみだ」
 それはちょっとした心境の変化。
他者に関心を持つようになった、という。
些細で大きな一歩。

桐竹 琴乃 > ―――。
少しだけ。
揺れる。
何がかは分からない。
動悸は速くなる。
確かに疲れているのかも知れない。
熱が出てきた気もした。
「……じゃ、私今から走って帰るから」
勿論。
準備の一環である。

その場で足踏みをしつつ。
「あ、コジョー試験とか色々」
足踏みを止めないまま。
「ありがとね」
それは自然体の笑顔で。
何一つ気負う事の無い純然たる笑顔であった。

それだけを伝え。
琴乃は特に呼び止めないのなら駆けて行くだろう。

湖城惣一 > 「…………ま」
 て、と言おうとして止まる。
わざわざ走りだしたその理由。
きっと何かがあるのだろうと、ようやく察する。
 護符も渡したことだし、すぐにどうこうというわけではない。
ゆっくりと、その後を追いかけるようにして歩き出す。
何かがあればすぐに駆けつけることができるだろう、と。
 走り去っていく琴乃を見て、湖城惣一は頬を掻いた。
自分の中の何かが変わっていった感覚を得る。
「……悪くないな」
 常に孤高であった男は、また小さく微笑んだ。

ご案内:「学生通り」から桐竹 琴乃さんが去りました。
ご案内:「学生通り」から湖城惣一さんが去りました。
ご案内:「学生通り」にクリフさんが現れました。
クリフ > 「………」

(少年は悩んでいた)
(ひどく真剣な顔つきで腕を組み、街を行く)
(普段の軽いノリからは想像も出来ない表情―)

「…どうやって、あの警備を突破すべきか」

(ぽつり、と思案中の事柄について漏らす)

ご案内:「学生通り」からクリフさんが去りました。
ご案内:「学生通り」にクリフさんが現れました。
クリフ > (一瞬、少年がその場から消えたように見えた人は疲れているのだろう)
(それはきっと幻だ)
(だって彼は今もここにいるから。いいね?)

「警備は厳重。決して簡単な道程じゃあねぇよな」
「けど…やらなきゃいけねぇんだよ」

(ぎり、と拳を握りしめて苦い顔)
(普段の彼を知るものであれば何事かと思うかもしれない)
(迷宮に迷い込んだ思考は出口に辿りつきそうにもない)
(それでも、彼はやらなければならないのだ)

ご案内:「学生通り」に鈴成静佳さんが現れました。
クリフ > 「此処であきらめちゃ男が廃るってもんだ」
「俺は自由を愛する男…やりたいことを、やりたいようにやる」
「障害が有るほどに燃えるのが男…そうだろ?」

(ぶつぶつと自分を鼓舞するように呟く少年の姿は不審者丸出しである)
(露骨に怪しいその姿は嫌でも注目の的)
(普段であれば自分に注がれる視線にテンションを上げるところだが今はそれどころではない)

(入学以来、いつかはやってやろうと思っていた課題にようやく着手するべき時が来たのだ)

「ある程度は警備の構造も把握はした」
「あとはアドリブで…なんとかするしかねぇか?」

鈴成静佳 > ♪~~
(どこぞのパーラーで買ったと思しきソフトクリームをぺろぺろと舐めながら、向こうから歩いてくる少女)
(アイスを食べていても暑いものは暑い。汗を拭き拭き、ハンカチは片手の指に挟みっぱなしだ)

(……と、道に突っ立って苦い顔をしている少年を見つける。外人か、さもなくば異邦人か?)
(顔が歪んだり、ぶつぶつと何かを呟いたり。熱中症の可能性さえある。躊躇もなく近づいて)
……あの、お兄さん? 大丈夫ッスか?(目を丸く見開いて、顔を覗き込みながら)

クリフ > 「二人、いや一人でも協力者がいれば―」

(と、そこまで思考を巡らせたところで声をかけられる)
(顔を上げればそこにはソフトクリームを手にした健康的なボーイッシュガール)

(その時クリフに電流走る―)

「おぉっと!俺様としたことが…こーんなに可愛い子が目の前にいたってのに気づかないとはね!」
「ご心配サンキュー。俺はいたって健康体。思考も健全。実際全く怪しくないただのイケメンだ」
「物思いに耽るイケメンって絵になるだろ?俺がそうしようもんなら世の中の女子が放っとかないと思って試してたワケ」

(きらりと光る歯を覗かせて爽やかに決める)
(先ほどまでの深刻な表情はどこへやら)

鈴成静佳 > あははー、可愛いだなんて! 開口一番にそう言われるのはさすがに初めてッスね。お世辞が上手いッスね!
(歯を見せ、照れくさそうに頭を掻きながら笑って応える)
……でも、さすがにちょっと挙動不審だったッスよ。こうも暑いと、熱中症の疑いもあるッスからね。心配にもなって、声をかけさせてもらったッス。
ナンパにせよ何にせよ、とりあえずどこか日陰に行ってから話しましょ?(声を掛けたのはこちらからだが)
(キョロキョロと周囲を見回す。休めそうな喫茶店も幾つかあるだろうし、路地に入っても日光は防げそうだ)

あっと、アタシは保健委員の鈴成静佳。イケメンのお兄さん、お名前は?

クリフ > 「っかー!可愛いだけじゃなくて心も優しいとはね!」
「やだこの子天使…?俺様、今なら天使信じるわ…実物いたからな…」

(あーめん、とうろ覚えの雑な十字を切る)

「俺はクリフォード・ガムリアンド。一年だ。」
「呼びづれぇだろうし気軽にクリフ、って呼んでくれよな」
(びし、とサムズアップして胸焼けがしそうな程にわざとらしい爽やかスマイル)

「っと、落ち着いて話すってんならその辺の喫茶店で良いっしょ。あそことかどうよ?」
(ん、と指さしたのは値段も手ごろな大衆向けのコーヒーショップ)
「店員のおねーちゃんが可愛いんだよあそこ。俺の一押しのお店なんだわ」

鈴成静佳 > アハハー、よく言われるッスよ。天使みたいだって。
(言われていない。しかしたまに自称していたりするのだ。クリフさんのその言葉には満面の笑みを浮かべる)
保健委員だもの、みんなにやさしくないとね~。
クリフくんね。よろしく!(アイスを持った手を掲げる)

(喫茶店を指し示されれば、そちらへと歩いて行き、まずは注文)
んー、アイスコーヒーのトールで! ブラックね。

(席を探しつつも)
……そういえばさっき、声をかける前「協力者がいれば……」とか言ってたような気がしたけど、何か困り事ッスか?
(首を傾げながら問う)

クリフ > 「俺も同じの頼むよ、綾香ちゃん」
(店員に馴れ馴れしく注文をすれば、店員がため息」
(どうやら彼女目当てに通い詰めているらしい)

「んっ!?あ、あー…アレ?いや、そのー…何つったらいいかな」
「男には…時に乗り越えなくちゃいけねぇ壁ってのがあるんだよ」
「それを乗り越えるための算段を立ててたってワケ」
「具体的には鉄条網とか監視カメラとかトラップとか」

(やけに具体的な壁の内容)
(それらは全て防犯のために備え付けられるものであり)
(それを乗り越えるということはつまり―お察しである)

鈴成静佳 > (気さくに店員さんの名前を呼ぶクリフさんの姿に、苦笑を浮かべ、その「綾香ちゃん」へ同情の視線を向ける。大変ッスね~、と心のなかで激励)
(2人席を見つけて座る。クリフさんの注意を店員さんから逸そうと、席に座るように手振りで促しつつ)

ふぅん、乗り越える。……って、鉄条網? カメラ?
(物騒なことをペラペラ喋る少年に、思わず声を潜めてしまい)
……ちょっと、それって刑務所か銀行にでも侵入しようっていうの? ダメよ、危ないじゃない!
風紀や公安に見つかったらいまの発言だけで職務質問か任意同行ッスよ!
(鋭く周囲に目を配りつつ、睨みつけるようにクリフさんを見すえる)
アタシはそこまで厳しくないし、他言はしないけど、怪我をしそうな行為は事前に食い止めるッスよ?

クリフ > 「あぁいや!別に重大な犯罪行為をやらかそうってわけじゃねーのよ?」
「何かを盗む訳でもなけりゃぁ誰かを殺すわけでもないしね」
「ただまぁ…見つかったら怒られるだろうなーってこと」

(真剣な眼差しの静佳に対し苦笑いを浮かべる)
(そんな警戒しなくてもだいじょーぶ、と付け加え)

「ただまぁ…小さい頃からの夢なんだよ」
「ホントはずーーーっとやってみたかったんだけどさ、今まで実家の締め付けがキツくてね」
「折角気ままな暮らししてんだし、やるなら今しかねーって感じで」

鈴成静佳 > (フゥ、と溜息をつき)
なーんだ、危険な行為にすすんで手をつける、ってわけじゃないんスね。なら安心、かな?
(命に関わることでなければ、静佳の立ち入る余地はない。肩の力が抜け、持ち込んでいたアイスをひと舐め)

小さい頃からの夢ねぇ……盗むとかそういうのでなく、行ってみたいところがある、と。
(探偵よろしく、指であごを弄りながら思案のしぐさ)
ふーむ、この島にそういう場所ってあったかしら。興味を引く場所はだいたい財団だの何だのが絡んでて危険な気がするし。
……男子が興味あるとすれば、女子寮くらい……?

クリフ > 「そーそ、男は何時だって夢に生きてんのよね」
「女子から見りゃバカらしいかもしんないけ、ど―」

(楽し気に夢について語りはじめようとした矢先、動きが止まる)
(静佳の発した言葉はまさに核心であった)

「い、いやいやいやいや!!!そそそそそそんなわけないじゃん!?!?」
「だって俺だよ!?クリフ君だよ!?そんなさ、女の子の裸とかそんな!見たことねーけど!!!!」
「見たいけど!!!!!」

(焦りすぎて欲望ダダ漏れであった)
(コーヒーを運んできた綾香ちゃんが汚物を見るような目でクリフを見ている)
(彼は社会的な死を迎えたのだ)

鈴成静佳 > (図星を見事に射抜いたようだ。プッ、と思わず吹き出してしまう)
アハハー、やっぱり女子寮かぁ! わかる、わかるッスよその気持ち!
(テンションは上がるが、周囲の客や店員さんに配慮して声は抑え気味に。店員さんには愛想笑いで応える。保護者の気分だ)

先に言っておくと、アタシ女子寮暮らしだからね。まぁ女子寮っつっても幾つもあるけど。アタシは常世寮。
で、夢とか言ってるけど意外と女子寮ってそんな夢な場所じゃないッス…(一瞬口どもり)…いや、あまり野暮なこと言っても仕方ないッスね。
(実際、寮には可愛い女性も多いが、その枠に嵌らない規格外の人種も相応に居る。超乳だったり、筋骨隆々だったり……)

とりあえず、女の子の裸を見たくない男子なんて普通いないッスよ。健康な男子ならね。
そこは無理にごまかしてもしゃーないッスよ?(コーヒーのストローを弄りながら、女子らしくないフォロー)
なんなら、アタシがその「協力者」になってあげよっか?(ニッ、と口の端を吊り上げながら)

クリフ > 「えっ!?」

(静佳の提案に素っ頓狂な声をあげ、3秒程時が止まった)

「は!?」

(動き出したところでやっぱり素っ頓狂な声が出た)
(まさかの展開である。予想外の提案に戸惑うも、これはチャンスであると脳内の煩悩が活発に動き始める)

「おいおいおい…まさかマジで天使だったとはな」
「いやマジでいいの?そりゃ女子寮の内部に協力者が居りゃそれほど心強いもんはねぇけど」
「…アレだよ?俺ブレーキ上手くないかんね?」
「アクセル踏み抜いて大参事待ったなしかもよ?」

「……マジでいいの?」

(何度も確認を取る辺り、クリフという人間の本音が透けて見える)
(デカい口を叩くわりには、実は小心者だったりするのだ)

鈴成静佳 > そっ、アタシは天使だからね。困ってる人の味方で、青春に悩む友達の味方!(サムズアップしながらウインク)
まぁホントのところは、そういう楽しい話が大好きだから悪乗りしたいってところもあるッスけどね。にひひ。

……と言っても、全責任を負うとかそこまではしないからね。あくまで助言とか、あとは口を聞ける範囲で都合をつけるとか、くらい。
自分でドジ踏んだら自分でケリつけるんスよ? こういうことは冷静さも大事。ブレーキ大事。
一応保健委員は生活委員の下部組織だからねー、寮の事情にもある程度は介入できる……かも?
(実際権限については自信はない。他の女子に迷惑が掛からないレベルに抑えておく必要もあろう)

で、実際に何がしたいんスか。ロビーに入りたい? お風呂を覗いてみたい? それとも住んでみたい?
とりあえず手っ取り早いのは女装ッスね。(勝手に話を進める静佳。実際、女装して侵入してきた奴には前例もある)

クリフ > 「…OKOK、ビビってんなよ俺。長年の夢の方から歩み寄ってきてくれたんじゃねぇか…!!」
(ぴしゃん、と両頬を叩いて気を引き締める)
(引き締めた所で臨むのは下衆い行動ではあるのだが)

「OKOK、手引きしてくれるだけで俺としちゃ言うことねぇよ」
「あとは俺が上手いことやれるかどうか…静佳ちゃんに迷惑かけるようじゃぁ男が廃るってもんだわな」

「…そうさなぁ。何したいって言われると実際迷うなこれ」
「こう、いざ何してもいいよー!って言われると困るあの気持ち」
「女装…いやでもよ、こんな肌の女生徒ってあんまいなくね?」
「俺結構タッパもあるし、体格的にちぃと厳しいような気もすんだよなぁ」