2016/08/19 のログ
ご案内:「学生通り」に水月エニィさんが現れました。
水月エニィ >  
「……手紙を出すのも久々ね。」

 郵便局帰り。
 冷房の効いた屋内から外へと一歩踏み出れば纏わりつくような暑さが襲ってくる。

 出たばかりの汗に暑さを覚えればハンカチでぬぐい、太陽の下を進む。
 
 

水月エニィ >  
「……」

 時折、在る筈のない宛名を書いて手紙を送る。
 この行為が何かと言えば、気休めだ。
 送った手紙には今の私の住所を書いてあるが、戻ってくる事もない。
 少々訝しげにも思うが、きっと宛名不明のものとして廃棄されているのだろう。

 それにしても、

「暑いわね……。」

 コンクリートの路から照り返される太陽光が暑い。
 ……光が熱い。刺さる様に熱い。
 

ご案内:「学生通り」に影打 鈍さんが現れました。
影打 鈍 > (本体たる黒刀を左手に通りを歩く。
 今日も今日とてバイト探しに精を出すのだが、結果は芳しくない。
 しかめっ面でカランコロン。)

主め、私を置いていくとは何事だ。

(しかししかめっ面とバイト探しが上手く行っていない事は関係がない。
 バイトはそうそう簡単に見付かるものではないと分かっているし、半ば散歩のようなもの。
 機嫌が悪い――と言うかふてくされている理由は、主が自身を置いて風紀委員の取調べに行ってしまったという事だ。
 別に置いていかれたとかそんな理由ではなく、単純にあの手合いに隠し事をするとろくな事にならないと思っているからだ。
 寝ている間に置いていかれて若干寂しい思いをしたとか、そう言うことじゃない。)

――エニィ?
エニィではないか、おーい。

(郵便局の前を通り掛かると、以前落第街で出会った人物に再会した。
 腕をぶんぶん無邪気に振り回しながら走り寄る。)

水月エニィ >  私を呼ぶ声が聞こえる。
 馴染んだものではないが、あまり良い印象を抱いていない記憶のある声。

 ……振り向いてみれば、落第街の、あの時の。

「影打さん、で良いかしら。」

 表情はあまり崩さず、凛とした調子を作って挨拶を返す。
 平たく言えば気を張っている。

 ……目の前の少女については黒刀の影打、銘は鈍。
 そのように名乗りを受けた記憶がある。

 その時とと比べると随分と懐っこい様に思えるし、
 服装についてもそこそこ整っているように見える。
 少々の様子の違い故に明らかな敵意は出さず、警戒に留めている。

 

影打 鈍 > 鈍でいい。
影打と言うのは個を表すそれではないからな。

(緩い表情で彼女の言葉を訂正。
 彼女の傍まで来て、彼女が出てきた建物を見る。
 郵便局。)

誰ぞに手紙でも出したのか?

(視線を彼女へと戻して首を傾げる。
 以前のことは覚えているが、気にしていないようだ。)

水月エニィ > 「鈍(なまくら)……。」

 鈍。刃物の切れ味が鈍いこと。
 転じてが力が弱いこと。意気地がないこと。未熟な事、鋭くないこと。

 脳内にそれらを浮かべれば、やや、厭そうな顔をする。
 そう呼べる手合いのようには思えなかったし、よしんばそうであってもそのように呼ぶ事は好まない。

 とは言え、本人から鈍で良い。そう告げられれば頷いた。

「……貴方がそれで良いのなら。
 いいけれど……そんな所よ。」

 彼女の性格は行動理念は良く分からない。無垢 なのだろうか?
 とは言え親し気に話し掛けてくれている。水月エニィはそれを無碍に出来る性格ではない。

 誰に出したかはぼかしつつ、ざっくりと問いを肯定する。
 

影打 鈍 > 刀にしては妙な銘と思うだろうな。
だがそれで良い。
それが良い。

(微妙な顔をしている彼女にそう声をかける。
 口には出さぬが、自分で決めた銘だ。
 結構気に入っていたりする。)

家族にでも宛てたか。
まぁ、詮索はせんがな。

(プライベートな事だ、それを聞いても彼女は面白くないだろう。
 理解は出来ないが、その程度は知っている。
 なので彼女が言わない限りは触れないでおこう、
 腕組みをする。
 以前会った時より胸が増量されている事がわかるだろう。)

水月エニィ > 「そう。それじゃ、遠慮なくそう呼ばせて貰いましょう。」

 意図があるならば否定するものでもなく。

「家族はもう居ないわよ。
 当たらずとも遠からずでもあるけど、ええ。聞いて面白い話でもないからそうしましょう。

 ……と言うか貴方、普通そうにこの辺歩いているけれど平気?
 学生証や教員証、あるいは研究員証の類でもないとしょっぴかれちゃうかもしれないわね。」

 ふと、思い浮かんだ疑問を口にする。
 この前の口ぶりや在り方は常世学園の制度すら知らなさそうなものだった。
 身分もなしに学生街を、つまり治安が保たれている場所を歩いてしまえばとっ捕まってしまうのでは。
 それを理由に彼女を追い返すつもりはなかったのだ、頭にちらついてしまったものは仕方ない。
 言ってから自覚すれば、自分にそう言い聞かせた。

影打 鈍 > 家族は居らんのか。
――と言う事は汝、自分で稼いで生計を立てているな?

(家族が居ないと聞いておや、と言う顔をする。
 が、しばらく後ににやりと口の端を僅かに上げて顔を近付けた。)

あぁ、まぁまだ生徒登録はしておらんがな。
近いうちにすることになっとる。
風紀委員になんぞか言われたら、むしろこちらから苦情を言ってやるよ。

(自身からすればよくわからない理由で生徒登録を断られた、と言う形だ。
 勿論生活委員会は正規の手順に従って応答しただけだし、それは風紀委員には関係ないのだが、そこらへんは自身にも関係ない。
 腰に手を当てて偉そうにふんぞりかえる。)

水月エニィ >  
「ええと、それを考えなくもないけれど……そうでもないわ。
 幸い今の所は遺産があるから、それで食べているのよ。」

 精確に言えば肉親の遺産ではない。ないものの、
 本来この世界に居る筈だった者の遺産を食いつぶしているなど、今ややこしい話を説明するのも宜しくはない。
 なのであながち間違いでもない説明で訂正すした。

「近いうちに、ね。
 それは好かった話よ。ええ、とっても。」

 自身の胸を撫で下ろす。偉そうにふんぞり返る辺りやっぱり何か性格が違う気がする。

 ともあれ、少なくとも生徒になるのならばあのような無茶はしないだろう。
 しないだろうとは思うものの、そう思う故にあのような事も思い出す。
 
「……そう言えば、あの約束は今しばらくだったわね。
 追加の血を奉げれば、生徒の貴方も大人しくしてくれるかしら。」