2017/01/31 のログ
東雲七生 > 「はぁ、やっぱ冬に食う中華まんは格別だよなあ。」

湯気を立てる肉まんに息を吹きかけ、小さく唇で啄む様に熱さを確認してから齧りつく。
それでも中の具は熱くて、七生は湯気の混じる息を吐きながら小さく身悶えた。

通りを吹き抜ける風に身を竦めてから、二口、三口を肉まんを頬張っていく。
一つ目の中華まんを食べ終える頃には七生の頬はすっかり上気していた。

ご案内:「学生通り」に高梨由佳さんが現れました。
東雲七生 > さて残りの中華まんは、と七生は袋を覗き込む。
コンビニで買い込んだのは全部で6種類だから、残りは5つ。
そのどれもがまだ暖かい状態はあるが、一つまた一つと食べていくうちに最後に残るものはきっと冷めてしまうだろう。

「……ちょっとくらい冷めても美味そうなのを残すか。えーと、カレーまん辺りどうかな……。」

同じ様な紙包みに包まった中華まんを眺めながら独りごちる。
どうせならパッと見で見分けがつく様にして貰えば良かった、と口を尖らせつつ。

高梨由佳 >  
ドーナツ専門店でおやつを買い込んで、足取り軽く歩いてくる。
右手にはファミリーサイズのドーナツボックス 中には10個位のドーナツがはいっており、
片耳にはトートバッグから伸びているイヤホンがついており、音楽を聞きながら歩いている。

研究室まで帰って食べようと思ったが、外で食べるのもいいと思い直しどこで食べようかときょろきょろとあたりを見回し始め……。

ベンチを見つけるとそこまで足をすすめる。
ベンチに中華まんを食べている先客の少年がいたので、穏やかな笑みを浮かべて
「こんにちは、相席させていただいても宜しいですか?」
と声をかけてみる。

東雲七生 > 「えっ? あ、うん。どーぞー!」

意識が手元に集中していた所為か、声を掛けられれば少し驚いた様な顔で其方を見上げる。
しかし変な因縁の類では無い事をすぐに察すると、幼い子供の特有の笑みを浮かべて了承した。

一人で食べるよりはよっぽど良い、と少しベンチの端に寄って充分過ぎるスペースを相手に確保する。

高梨由佳 >  
「ふふ、ありがとうございます」
穏やかで優しい笑顔を向けると、ベンチに腰掛ける。その際耳につけていたイヤホンを外して接続していたスマートフォンから引き抜くと音楽は自動的に止り、イヤホンをトートバッグに戻す。

「中華まんですか? わたくしはこれを……」

ドーナッツの箱を開けてみせる。
10個位のいろいろなドーナッツが中に所狭しと入っており……
一人で食べるつもりなのか、誰かと食べるつもりなのか

東雲七生 > 「へへ、どーいたしまして。
 風が強いから落ち着いて座れるところは貴重っすもんね!」

まだ湯気の立つ中華まんを新たに一つ手に取って、包み紙を開きつつ。
隣に異性が座ったためか、少し落ち着きが減ったような素ぶりでドーナツの箱を覗き込んだ。

「ドーナツ?
 そんなにたくさん、一人で食べるつもりで?」

七生も中華まんを一度にまとめ買いしているので人の事は言えないし、
仮に一人で食べるとしても何らおかしい事ではないとは思いながら訊ねてみる。

高梨由佳 >  
「そうですわね、風に吹かれて食べても美味しさが半減してしまいますもの」

 穏やかな笑みを浮かべてオールドファッションをワックスペーパーに挟んで手に取る
 覗き込んできた少年に、笑顔を向けると

「よろしければおひとつどうぞ、どうせ一人で食べるつもりでしたから…
 うふふ、女の人は甘いものは別腹といいまして、いくらでも食べれてしまうのですよ」

 かるく煙に巻くように笑いながら一人で食べることを答える。

東雲七生 > 「あ、良いの?
 ……うー、あー……でも、いいやっ。
 今甘いの食べたら、味がごっちゃになっちゃいそうだし。」

手に持った中華まんを示しつつ苦笑する。
ドーナツが嫌いなわけではないし、むしろ好きではあるのだが。
今回買った中華まんの中に餡まんを初めとした甘い具の物は無かった。

「お姉さんの方こそ、中華まん一つ食べるっすか?」

一つだけが最大限譲歩できる個数だった。
ケチだと思われても仕方ない。だって食べ盛りだもん。

高梨由佳 >  
「うふふ……一番隅っこのはチキンのパイですから甘くないですよ?」

一番隅に砂糖から守るようにワックスペーパーで包まれていたパイを取り出し、差し出す。
甘いもの大好きな彼女にしては珍しく買ってみたのだった。

そして、お一ついかがと問うてくる相手に穏やかな笑みのまま

「では、これと交換ということではいかがでしょうか?」

食べ盛りの相手にもらってばかりというのは流石に気が引けた

東雲七生 > 「チキンパイ?」

そんなのも、ドーナツ屋さんで売っているのだろうか。
日頃コンビニやスーパーといった量販店でしか買い物をしない七生には、専門店の品ぞろえには割と疎い。

感心したように頷いていたら、トレードの提案をされて。

「えっと……じゃあ、うん、それで!
 俺が貰うのはそのチキンパイとして、お姉さんは何にするんすか?」

コンビニにある様な中華まんなら、多分あるっすよ、とビニール袋の口を開けて選びやすい様に向ける。

高梨由佳 >  
「最近のドーナツ店はお惣菜系も少しはあるみたいですわよ?」

感心して頷いている相手に、笑いかけながら言うと、
コンビニの袋を開けてみせる相手に、少し思案をしながら……

「ではこれにしますわね」

取り出したのはチーズカレーまん。
先程食べていたオールドファッションはいつの間にか食べてしまっており……。

東雲七生 > 「はーい、それじゃあ交換ってことで!」

チキンパイを受け取って、大きく頷く。
そして先に持っていたピッツァまんに齧りついた。
早く食べないと冷めてしまう。今貰ったチキンパイも同様だ。

「んむ。……そういや、ドーナツ屋さんよく行くんすか?
 俺、あんまり行かないから詳しくなくって。」

きちんと話し始める前に口の中を空にしてから訊ねる。
その直後にまた中華まんに齧りついて、咀嚼しながら小首をかしげた。

高梨由佳 >  
「ふふふ、交換ですわね」

受け取ったチーズカレーまんを一口かじりついて……

「~~~~~~~~!」

幸せそうな笑顔で食べている。
そしてその後に聞かれた言葉に、隣に顔を向けて……

「そうですわねぇ……他のお菓子は自分で作れるんですけど、
 ドーナツを揚げるのは少々手間がかかりますから、買ったほうが安くて早い……という理由もあってよく行きますわね」

お菓子作りは大好きですので…と付け加えてから…
ふと気づいたように

「せっかくの縁ですのでお名前を聞かせて下さいな。
 わたくしは高梨由佳と申します。 学園で魔導学の講義とお菓子作りを担当しておりますわ」

東雲七生 > 「ふぅん、ドーナツって家でも作れるんだ。」

それは初耳だった。
てっきり専用の設備とか無ければ作れないものなのかと思っていた七生である。
そもそも料理自体しないのだから、仕方ないと言えば仕方がない。

「あっ、えっと東雲七生。二年生……もうすぐ三年生、か。
 て、講義ってことは先生だったんすか?」

思わず背筋が伸びる。
元々姿勢が悪い方ではないし、座高もそんなに高くないので何かが変わると言う訳ではない。
気持の問題だ、あくまでも。

高梨由佳 >  
「うふふ、かなり手間がかかりますけど出来なくはありませんわ」

料理の話をし始めるうちに、食べていたチーズカレーまんは無事彼女のお腹の中に収まっている。

「ええ、一応教鞭を取らせていただいてますわ、
 ですが、かしこまる必要はありませんわ、七生くん」

ぴんと背筋が伸びた相手に楽しそうに笑いかけると、ドーナッツを手に取り口に運ぶ。
とても美味しそうに食べており、輝くような笑顔すら浮かべており……

東雲七生 > 「へえ~……帰ったら作って貰おうかなぁ。」

結局自分で作るわけではないのだが、少しの期待に顔が綻ぶ。

「ええと、そう、言われても……。
 これは癖みたいなもんだから、……き、気にしないでくださいっす。」

困った様に眉根を寄せながら、笑みを浮かべる。
それにしてもよく食べるなあ、と他人事の様に高梨がドーナツを食べるのを眺めた。
何処に入って行ってるんだろう、と小さな疑問符を頭上に浮かべつつ。

高梨由佳 >  
「あら、料理を作ってくれる方と一緒に暮らしておられるのですか?」

くすくすと笑いながら相手を少しからかうように聞いてみる。
相手がどういう暮らしをしているのかは当然知らないが……

その頃にはすでにドーナツは最後の一つになっており……。
ドーナツを食べる相手に気づくと、小首をかしげて相手を見る。

「どうされましたか?」

東雲七生 > 「うん、まあ。居候みたいなもんなんすけどっ!」

最近すっかりその自覚も薄れてきているのだが。
折に触れて自分が居候の身である事は思い出す様にしていた。

「いや、女の人ってあんまり一度にたくさん食べないけど、
 高梨先生は結構食うんだなーって思ったんすよ。その割に全然見た目からそんな感じしないし。」

視線を上から、下へ。そして下から上へ。
何か運動でもしてるのだろうか、と怪訝そうに眉根が寄る。

高梨由佳 > 「あら、そうなんですのね」

家に帰っても誰もいない自分とは違い、帰りを待ってくれるものがいる相手に
若干の羨望が混じった優しい笑顔を向け……

自身に上から下からと視線をやる相手に

「あらあら……」

そう笑いかけながら、少し流し目で相手を見やりながら

「わたくしは人より食べることは自覚しておりますわよ。
 でなければスイーツ食べ放題のお店で入店拒否をされたり、5倍から10倍の特別料金を設定されておりませんわ」

大食いを認める発言をしてから、ふと気づき

「その割には『太ってない』と言いたそうな顔ですわね。
 そうですわね、わたくしの専門は付与魔術でして、その応用で代謝能力を向上させることで体型を維持しておりますわ」

女性からすればインチキ極まりないダイエット…もとい体型維持法を暴露すると

「他の方には内緒ですわよ。 普段から努力されている女性からすればインチキもインチキですもの」

そう釘を差しておくことも忘れない。

東雲七生 > 「へえ、付与……魔術。
 そりゃあ、人に言っても仕方ないっすね……。」

黙ってるっす、と真剣な表情で頷いた。
まあ話したところで誰の得にもならない事、と認識したのだから誰かに話す機会が来る前に忘れてしまう事だろう。
そもそも魔術魔法の類には、もうすぐ三年生になろうと言う身の上でもさっぱりなのだった。

「まあでも、食べたものが消えちゃうわけでもないし、
 虫歯とか気を付けた方が良いっすよ、虫歯とか。」

朝昼晩と歯磨きを欠かさないのが大事、と人差し指を立てながら笑みを浮かべる。
きっとそんな事は解っているのだろう事は何となく感じてはいるのだが、念の為というやつだ。
体型が維持できる代わりに虫歯になったとあれば、生徒に示しがつかないだろうし、と。

「……んじゃ、俺そろそろ帰るっすね。
 さっそくドーナツ、作って貰えないか訊いてみないと!」

いつの間にか中華まんを全て食べ終え、空になったビニール袋を包み紙もろともくしゃくしゃっと丸めてポケットに仕舞う。
そしてベンチから跳ねるように立つと、くるりと振り返ってにっこりと笑みを浮かべた。
挙動がいちいち子供じみているが、れっきとした高校二年生である。

高梨由佳 >  
「はい、よろしくお願い致しますわね」

その後の虫歯…という言葉ににこにこと笑顔だけを浮かべて何も答えない。
そっちは強力な魔力との親和性の副産物の『不老』の範疇で心配ないことは言えずに
その代わりに

「ご心配ありがとうございますわね。そうそう………」

トートバッグから虹色の石の埋め込まれたワンドを取り出す。

「楽しいひと時のお礼に、プレゼントを差し上げますわ」

そう言うと、相手に知識……ワンドの虹色の石……賢者の石に蓄積された膨大な知識の中から
ドーナツのレシピの一端を授ける付与魔法をかけようとする。
相手が拒否しなければその知識は彼のものになるであろう……。

「ドーナツのレシピですわ。 彼か彼女か分かりませんが教えて差し上げてくださいな」

大事にするんですよ、と言いたげな笑顔を浮かべると、腕時計の時間を確認する。

「わたくしも、そろそろ食べ放題のビュッフェの開店する時間ですので、
 行ってまいりますわね」

まだ食うのか……割りととんでもないことを言いながら、空になったボックスをたたむとトートバッグに入っていたレジ袋に入れる。

おそらくは立ち去る相手を見送ってから自分も歩きはじめるであろう

東雲七生 > 「プレゼント……?」

きょとんとしている七生を他所に、付与魔法が発動する。
怪訝そうに首を傾げていた七生だが、高梨の笑みを見ると釣られて笑みを浮かべて。

「うん、ありがとうございます!」

ぺこり、と一礼すると食後に小さな深呼吸をして。
それから大きく片手を挙げると、

「それじゃ高梨先生、さようならー!」

元気よく挨拶をして、見送る貴女へ背を向けて家路を急いだのだった。

高梨由佳 >  
「ええ、どういたしまして」

一礼した相手にニコニコと笑顔で返す。

「はい、さようなら、七生くん」

ニコニコと走って去っていく相手の背中を見送ってその姿が見えなくなると
トートバッグを肩にかけなおしてから踵を返しゆっくりと歩いていった…。

ご案内:「学生通り」から東雲七生さんが去りました。
ご案内:「学生通り」から高梨由佳さんが去りました。