2017/04/13 のログ
ご案内:「学生通り」にステーシーさんが現れました。
ステーシー >  
コホン、と咳払いをした。
眼前にいるのは生活委員会の後輩たち。
そう、下っ端だったのは今や昔。
ステーシーは三年生……後輩を指導する立場にいた。

「いいかしら、あなたたち。桜は綺麗だけど散ったら花びらが残るわ」
「今回は通常清掃業務に加えて、桜の花びらの徹底回収がメインの仕事よ」

『オオー』

「別に大したことは言ってないわ」

後輩たちは素直でリアクションが大きい。
それを好ましく思いながらも、若干持て余していた。

「それじゃ三班に別れて早速清掃を始めてね」
『はい、ステーシー先輩!』
「返事が良いわね、それじゃ散!」

シュバッと動き出す後輩たち。

「……そこまでしろとは言ってないけれど」
「っていうか忍者? うちの後輩はみんな忍者なの?」

生活委員会は清掃業務がメインとなる。
春先の問題は大きい。
花見客が残したゴミも大きい。

ステーシー >  
早速ステーシーもゴミを摘むトングみたいなアレ(名称不明)と
箒とちりとりが一体化したアレ(名称不明)を手に動き出す。

桜の花。
それ自体は風流でとても良いと思う。
ただ、散った後がすごく大変だ。

椿の花みたいに首ごとぽろっと落ちてくれたらいいのに。
でも不吉か。

ビールの缶があちこちに落ちている。
こんな学生通りで……まさか学生が飲んだわけじゃないだろう。多分。
それにしても大人がこんなところで歩きながら酒を飲むだろうか?
桜の花が散った後には、謎が多い。

ステーシー >  
『はい、ステーシー先輩!』
「何かしら、田中さん」
『桜の花びらが地面に張り付いて掃除しにくいです!』
「粗く全体を掃除したら、もう軍手で一枚一枚剥がしたほうが早いわ」

『はい、ステーシー先輩!』
「何かしら、鈴木くん」
『桜の木の下に冷蔵庫が捨てられていました!』
「後で回収車を回してもらうから、場所だけメモを取っておいてね」

『はい、ステーシー先輩!』
「何かしら、山田さん」
『ゴミ箱の中に注射器が捨てられていました!』
「え゛っ」

いきなりシリアスプロブレムが発生した。
ゴミ箱に注射器……どう考えても普通ではない。
風紀案件だ。

ステーシー >  
後輩達に近づかないように言ってから、問題のゴミ箱に歩を進める。
使用済みの注射器……
風紀に報告を済ませる前に。

ゴミ箱の一歩手前で匂いを嗅いだ。
ゴミの臭いに紛れて、独特な甘ったるい匂いがした。

間違いない、変革剤の匂いだ。

変革剤。自身の異能を一時的に進化させる違法薬物。
真世界という、今はない組織が作って生徒たちにバラ撒いていたもの。
それがどこかでレシピが割れたのか、今も時々生徒の間に流通している。

ふぅ、と深く重い溜息をついた。
力を安易に求めると、人の発想はここに行き着くらしい。

風紀に連絡を取った。
誰が来てもいいけれど、とりあえず清掃作業は中断ということになる。

ご案内:「学生通り」にイチゴウさんが現れました。
ご案内:「学生通り」に楊柳一見さんが現れました。
イチゴウ > 奇妙な白いロボットは油圧機構独特の音を
たてながら学生通りをまっすぐ歩いていた。
本来は別の場所のパトロールだったのだが
生活委員会からの緊急の通報を受け
ここに駆け付ける事となった。

「ここか。」

現場に到着するとまず辺りを見渡す。
どうやら生活委員会は清掃中だったようで
結構人数がいる。
とりあえずリーダーらしき猫耳の少女に
近づくと

「どうも風紀委員会です。一体の何の騒ぎで?」

どういう事になっているかを質問する。

楊柳一見 > 「おー、やってるね。街角クリーン作戦」

清掃に勤しむ面々から、若干離れた場所から高みの見物。
手伝ってあげよう…なんて殊勝な心はない。
そういうのキャラじゃないんで。
来がてら自販機で買ったペットボトルのお茶をぐいとやりつつ。

「……春先になるとついついハシャぐアホもいる、と」

注射器うんぬんの声を拾い上げ、独りごちた。
酒ならまだしもクスリまでやるとか。
さすが常世島。やる事がデカイ、とか地元民に失礼な思考。

「あ、何かすごいのが来た」

清掃班のリーダーっぽい少女のもとへ駆けつけたタンクにやや瞠目。
あんなのまで飼ってるんだろうか学園。

ステーシー >  
近づいてきたロボット、確か風紀の…高機動戦車?とかいうのだ。

「どうも、生活委員会のステーシー・バントラインです」
「後輩がゴミ箱の中に使用済みと思われる注射器を発見しまして」
「それが……どうにも匂いを嗅いだ感じ、違法薬物、それも変革剤みたいなので」
「風紀の方の判断を仰ぐためお待ちしておりました」

小さく頭を下げてゴミ箱を指差す。

「とはいえ、検査をしないと何とも言いがたいのですが…」

自分の鼻に自信がないわけじゃない。
ただ、犯罪が絡むのに匂いを嗅いだから間違いありません、じゃ風紀はいらない。

離れた場所にいる楊柳一見に気付いた。
小さく会釈をして、そのまま検分の協力に戻る。

イチゴウ > 「ふうむ。なるほどねえ・・・」

変革剤ーーこの島では結構有名な違法薬物だ。
話には聞いていたが現物を見るのは
初めてだったりする。とはいえ成分データは
入っているので検査は容易だ。

「把握した。臭気検査を行うんで
匂いの強いものは出さないでくれよ。」

ステーシーと名乗る少女をはじめ
生活委員会のメンバー達に注意し
例のゴミ箱の方へとゆっくり歩いていく。
それと同時に何やらこっちを見ている
人影に気が付いたが今は薬物探知の方に
集中することにした。

楊柳一見 > 律儀に会釈してくれた少女へ、ペットボトル持った手を軽うく挙げ返す。
そこはお辞儀し返せよと言うツッコミは知ったこっちゃない。
所作がワンカップ持ったオッサンじみてるとか言うのもな。

「……変革剤、ねえ」

島入りするにあたって、本部のお偉いさんから渡された資料にそんなのがあった――ような気もする。
何せ体裁を保つ程度の流し読みしかしちゃいないのだ。
語感からして異能がらみのクスリと思しいが――

「……取って来いとか言わんよなあ」

サンプルが欲しいとか絶対言い出すに違いない。
やだよアタシこれ以上危ない橋渡んの。
見たところ、班長さん(仮称)もタンクもお仕事に掛かりっきりポイし、余計な厄背負わんうちにこの場を――

「――って」

踵を返そうとする矢先、それを見た。
鳩だ。目も嘴も紙のように白いそれは――

「……野郎、フィードバックでくたばってりゃいいものを」

本部からよこされた術師の手になる式神である。
それはタンクが目指す先のゴミ箱の縁にひらりと舞い降りた。
そして嘴を中へ突っ込み、件の注射器を探り当てようと――

「……Fuuuuuuck」

ひねり出すような呪詛を軋らせつつ、彼ら彼女らの方へ早足で進む。
表情はそりゃもうバケツ一杯の苦虫を噛んだような具合で。

ステーシー >  
「よろしくお願いします」

生活委員会のメンバー達と共に下がる。
入ってきたばかりの後輩にはちょっと刺激的な清掃活動になってしまったかも知れない。

ただ、こんなことは時々あることなのだ。
こればかりは風紀と連携を取っていくことを覚えるしかない。
下手に触って指紋をつけなかっただけ今年の子は優秀だ。

「あれは変革剤って言って……体に悪いけど、一時的に異能を進化させる薬で…」
「もちろん違法薬物。激痛が走ったりするらしいの」
「そういう薬を勧められても断る、確実に通報を……」

後輩に説明をしていると、目の前で白い鳩がやってきて。
クチバシを? 中に? まさか……注射器を取ろうとしている?

「あの……風紀に白い鳩はいましたっけ…?」

腰の刀に手を掛けながらイチゴウに質問をした。

イチゴウ > ーーサンプルデータ一致。

どうやらこの臭気は変革剤のものである事は
間違いないようだ。
とりあえず検査データを風紀のデータベースに
送信しようとしていると・・・

一羽の鳥、鳩だ。
ゴミ箱をあさろうとしている。非常にまずい。

「風紀に鳩なんかいるか!
あのままじゃサンプルが持ち去られる!」

イチゴウはそう急ぎ気味で口を走らせると同時に
背部が眩しく発光し重機関銃が現れる。
しかし鳩はもう飛び去ろうとする所のため
迎撃が間に合うかは厳しい所だ。