2018/11/23 のログ
ご案内:「学生通り」にレイヴンさんが現れました。
ご案内:「学生通り」に伊都波 凛霞さんが現れました。
■レイヴン >
(メインストリートから路地に入り、更に狭い路地の先にある喫茶店。
紅茶のシフォンケーキが絶品だと言うこの店は、意外なほどに客がいない。
表通りから見えないと言うこともあるのだろうが、何より店主がグルメ情報誌などの類が嫌いらしい。
そのためふらりと立ち寄るか、人づてに聞くしか店の存在を知る方法がない。
その存在感の無さは、自身からすればむしろありがたいくらいで。
売上が心配ではあるが、自身が学生の頃からある店なのできっと問題ないのだろう。
そんなことを考えながら、コーヒーを啜りつつ注文したシフォンケーキを待つ。)
■伊都波 凛霞 >
『へー、ここが例のお店?』
『そうそう、シフォンケーキがすっごい美味しいんだって』
『わー、楽しみだねー♪』
4~5人ほどの女学生グループが店に現れた
その中に長身の、ロングポニーテールな目立つ女学生が一人
「こんなところに喫茶店なんてあったんだ。
今度妹も連れてきてみようかなー」
──女学生グループはまだ彼…教師と学生として幾度も顔を合わせた存在に気づいている様子はない
こんなところにいると思ってすらいない、というのも手伝って、だろうが
だがあろうことかグループが座った席は、レイヴンの隣に位置するテーブルであった
席につくとさすがに店の中が少し賑やかになる
講義の話、交友関係の話…流行の話、学生にはありがちな歓談がはじまっていた
■レイヴン >
(声。
身体がビシリと固まる。
ギギギ、と軋む音がするような動きでゆっくりと首を回せば、自身の隣――椅子の位置的には背後になるそこへ女子生徒のグループが陣取っていた。
その中には見たことのある顔も混じっている。
と言うかそのうちの一人は色々と名前の知られている女子生徒だった。
再びギギギ、と正面を向く。
なに、このまま後ろ姿だけ見せていればバレることは――)
――。
(そんな希望的観測は、お待たせしましたシフォンケーキです、と言う老店主の声で消し飛んだ。
こっちの方が先に店にいるんだからこっちのケーキが先に出てくるに決まってんじゃねぇか阿呆。
自分で自分に悪態を吐きつつ。さっきよりもなお軋む動きで背後の様子を窺うように首を回す。
鬼のような形相で。)
■伊都波 凛霞 >
『あ、あれが噂のシフォンケーキじゃない?』
『美味しそー』
隣のテーブルに運ばれてきたシフォンケーキ
当然騒ぎ立てる…というほどでもないが反応を示す女学生グループ
『あれ、先生じゃない?』
その背中に無慈悲な言葉が突き刺さる
「あ、ほんとだ。数学の…って、顔コワイ!?」
機嫌でも悪かったのだろうか
あまりの迫力に引き気味の女学生グループだった
■レイヴン >
――――――おう。
(たっぷりの沈黙の後、どうにかこうにかバリトンボイスの返事を絞り出す。
別に隠しているわけではないし、イメージがどうこうと言うわけではないのだけれど、なんだか生徒にバレるのは避けたかった。
いや別に恥ずかしいとかそういう訳ではないのだが。)
……何してんだ、こんなとこで。
(多分向こうのセリフである。
マジで俺は何をしているのだろう。
哀愁漂う何故だか今にも泣きだしそうな不機嫌顔である。)
■伊都波 凛霞 >
「えっと…ケーキが美味しいお店があるっていう話を聞いて…」
『うん、みんなで放課後にいってみよー、ってなって…』
『来てみたんですけど……』
口調とか表情とかで怖い系の先生かと思っていたけれどまさかの一面を見てしまった
そんな学生達の反応は、わかりやすいものである
『先生こそなんでこのお店知ってるの?』
『え、もしかして常連?』
『先生もこっちのテーブルきて食べよーよ』
『奢ってーせんせー』
凛霞はそんな状況をくすくす微笑ましげに見ていた
■レイヴン >
――――――――おう。
(弱みを握られた――と勝手に解釈している――とあっては無下に扱うことも出来ない。
言われるがままに席を移動し、空いた椅子に腰を下ろす。
普段の皮肉屋な態度などどこへやら、まるで借りてきた猫もとい鴉である。)
俺が学生の頃からの常連だ。
あぁわかったわかった、奢ってやるから騒がしくするんじゃねぇよ。
(しかしそこは教師。
きゃいきゃいと騒がしい女子高生に囲まれればすぐに普段の調子を取り戻す。)
――何笑ってんだ。
(取り戻せてなかった。
笑ってこちらを見ている彼女へ、ばつの悪そうな、不機嫌そうな顔を向ける。)
■伊都波 凛霞 >
「あ、ごめんなさい。
数学の鬼!みたいな先生も、女の子達に囲まれると形無しなんだなって」
不機嫌そうな顔を向けられれば一応の謝罪
謝罪になっているかどうかは置いといて
そのうち女学生グループの注文したケーキも到着して、それぞれが舌鼓を打ちはじめる
『昔からの常連?』
『先生甘いもの好きなんだねー』
『意外ー』
言いたい放題言われたい放題である
こうして一部の女学生からの評価は爆アガりしたであろう放課後の一幕
一方凛霞はケーキを口に運びつつも、ふと…
「あ、先生スーツのそこちょっとほつれてますよ」
丁度席は隣だったのもあって、袖口のちょっとしたほつれに気づく
小さなものだったが、そっと手を伸ばして糸屑へと触れる
パリッ───
意図せず発動したサイコメトリー
脳裏に一瞬浮かんだ映像は……鬼?との対峙
「……?」
一瞬不思議そうな表情を浮かべるも、すぐに元通り
糸屑をとって、ほら、と微笑んで見せる
■レイヴン >
……。
(言い返したいことは山ほどあるが、束になった女性ほど手ごわい相手はいない。
経験上ここで何か言い返してもろくなことにならないことは嫌と言うほど知っているので、黙ってやり過ごしつつケーキを一口。
うまい。)
ん、あぁ……?
(何か違和感。
とは言え情報が少ないため、その違和感の正体までは届かない。
彼女が自身の記憶を読み取ったとは知らず。)
――あぁ、そういやお前と妹、風紀入ったんだってな。
(そんな話をどこかで聞いた。)
■伊都波 凛霞 >
───フラッシュバックにも似た、一瞬の映像
この先生には、普段生徒に見せていない姿があるのかもしれない…
この島で生まれ育って、あらゆる怪異は見てきたけれど、あんな姿の鬼はいなかった
………気がする
「えっ?あ、はい。
一応学業のほうが目標単位数に届いたので…」
スウィーツタイムが始まってしまえばあとは口々に歓談が始まる
そんな中で先生から向けられた言葉にはそう答えて…
「ちょっと最近、物騒ですし。
少しでも学園の生徒が危険に遭うようなことを減らせたらいいなって」
■レイヴン >
?
まぁ、お前がやりてぇことなら、止める理由もねぇけどよ。
(反応が少し鈍い、と言うか。
なにやら一瞬ぼんやりしていたように見えた。
反応からして彼女の異能で何か予想外のものが見えたか聞こえたかしたのだろうと考え。
まさかそれがこの間の鬼との邂逅とまでは繋がらない。)
立派な心掛けは結構だが、お前もその学園の生徒だからな。
無茶はすんなよ。
(それだけ言ってシフォンケーキをもう一口。
うまい。)
――あぁ、後山の方の廃寺にはあんま近付くな。
■伊都波 凛霞 >
「ふふ、現場に出る時はちゃんと気をつけてますよ。
どっちかというと事務仕事のほうが多い感じですけど。
──? …廃寺…ですか?」
一瞬見えたさっきの記憶、あの場所はもしかしなくてもその廃寺…なのだろうか
だとしたら、鬼が住まう、危険な場所なのかもしれない
風紀委員の新顔に近づくなと警告するには、値するだろう
「うーん、そっちに行く予定はあんまりない、ですけど。
今は歓楽街とか、落第街まわりだけで手一杯で」
──そろそろ食事も終わりに近づく頃
グループの一人はそろそろバイトだから先に帰るね、と奢りに悪びれもなく笑顔で店を出ていった
もうひとりも、それに連れ立つようにして
「また明日ねー、…さて、そろそろお開きかな?」
『最近暗くなるの早いしねー、私もそろそろ帰ろ。先生奢ってくれてありがとー』
そしてまた一人、席を立ってゆく
「ふぅ…でもどうして、急にそんなこと言うんです?」
コト、と紅茶のカップを置きながら、二人きりになったテーブルでそう切り出した
■レイヴン >
気を付けるのは当たり前だ。
ま、無理はすんな。
無理そうなら大人頼っとけ。
(シフォンケーキを口に詰め込み、コーヒーで流し込む。
うむ、うまい。)
なら、いい。
いや落第街も良かねーが。
――寄り道すんなよ。
宿題も明日期限だからな。
(去っていく女子生徒たちに教師らしい小言で見送る。
そうして改めてシフォンケーキに向かっていれば、問いかけ。)
山の廃寺に鬼がいる、って噂聞いたことねーか。
ありゃマジだ。
ヤベェヤツがいる。
■伊都波 凛霞 >
「うーん、知らないですけど、噂になってる…なら危ないかも…」
好奇心でそこを訪れる者もいるかもしれない
にしても、鬼とは……
「いっそ風紀で近寄るなーって注意喚起したほうが…?
でもそれだとちゃんとした調査が必要になっちゃうかな…」
悩ましいところだ
怪異相手なら…むしろそのへんの風紀委員より自分のほうが慣れている
「でも鬼なんてどこから来たんでしょう。
青垣山に子供の頃から住んでるけど鬼なんてほとんど見ないし、どこかに住み着くことなんて聞いたことなかったのに。
というか、先生その口ぶりだと鬼と会ってますよね?」
垣間見た記憶、あの映像はきっとその時のものだ、在る種の確信を得たといえる
■レイヴン >
都市伝説の類の一つレベルだがな。
肝試し気分で生徒が怪我すんのは、まずい。
(特にこの島では十分ありうる話だ。
下手な力を持っているだけに、何かあっても大丈夫、と思っているやつが多い。)
近寄るなって言われりゃ近寄りたくなるのが人間ってもんだからな。
とりあえず近寄らなけりゃまぁ問題はなさそうだが……。
(注意喚起して問題がないのなら、とっくに風紀に報告している。
現に自分では何とかできないか、と言うような顔になっている彼女がいるのだ。
言わない方がよかったか、と心の中で舌打ち。)
さぁな。
見ねぇだけで昔からいたのかも知れんし、どっかから移ってきたんかもしれん。
――おう、とんでもねぇバケモンだったわ。
声で肋骨ブチ折られるなんてなぁ久しぶりだった。
■伊都波 凛霞 >
「…特に今は、異能の力で気が大きくなってる生徒も多いですしね」
戦闘に向いた異能の持ち主の中には、
鬼を討伐してやろうなんて考える者もいるんじゃなかろうか
「えぇ……先生こそ無茶しないでくださいよ…。
初手で戦力読み違えたら、下手したら死んじゃいますよ…?」
今度はこちらが呆れ顔である
■レイヴン >
そこに制御薬なんつー訳の分からんモンも流れてきてっからな。
ったく、この島ァ黒い話にゃ事欠かねぇな。
(薬たらゾンビたら鬼たらなんたら。
事件の吃驚箱か。
思わずそう漏らす。)
ハ、誰にモノ言ってやがる。
(口の端を吊り上げる。
自分の実力を過信してはいないが、相手の実力を過小に評価もしない。
自信ではなく油断でもなく。
人の身で化け物たちと渡り合ってきたのは、そこだけは絶対に外さなかったから。
そこを外せばあっさり死ぬことは重々承知だ。)
■伊都波 凛霞 >
「…異能は、力ですから。
力が不必要に集まり続ける場所は、そういう場所になるってことですね」
未来へのモデル都市…
平穏が訪れるのは、まだまだ先なんだろうなぁと思いつつ
「……鬼と単身戦って肋骨やっちゃった先生に、ですけど」
じー
■レイヴン >
力持ってたってガキはガキだ。
分不相応な力持ったガキが何するかなんて、考えんでもわかるだろうに。
(こんな巨大な実験場のような島を作ったヤツはどれだけ底意地が悪いのか、と思う。
そのうち世界征服を目指すような馬鹿が生まれるのではないかと割と本気で危惧していたりもする。)
鬼と単身戦って肋骨やったぐらいで済んだら御の字だろうが。
命の取り合いっつーのは、最終的にブチ殺した方の勝ちなんだよ。
(煙草に火を付け、彼女の方へ煙を吐き出す。
残念ながらこの喫茶店は今どき分煙もされていない。)
■伊都波 凛霞 >
「ま、財団が何を考えてるかなんて、きっとみんな怪訝に思ってることですし」
あんまり考えすぎても仕方ないかな…なんて思う
むしろ、こうやって色々起こることを想定して…?
そんな疑心暗鬼すらも生まれてしまうというものだ
「男の人らしいというかなんというか…」
はぁ、と溜息をつく
数学の先生はもうちょっとインテリなのかと思っていたのに
「自分は怪我なんてせず安全なままで対象に一切の反撃を許さず制圧、
が明確かつ完全な勝利ですよ、先生」
言いつつ、掌をゆるっと動かすと、向けられた煙を受け流した
多分、店内の空気の流れだとかそういうのを誘導するようにして……
「あとそういうのはマナー違反です」
■レイヴン >
ま、偉いさんの考えることァわからん。
(踊らされているのかもしれないが、そんなことは別にどうでもいい。
こうして甘いものを食べ、生徒に数学を教え、それなりに楽しく暮らせればそれでいい。)
そらぁ理想はそうだがな。
カスれば体半分持ってかれるようなオオトカゲやら動くだけで衝撃波叩き付けてくるようなコウモリ人間を毎日毎日相手にしてりゃそうも言ってられねぇよ。
(もちろん完封できるのならそれが一番いい。
けれど完封できる相手ばかりとは限らないのだ。)
良い技持ってんじゃねぇか。
才能に溢れる若い連中は良いねぇ。
■伊都波 凛霞 >
「心配しなくても、此処常世じゃそんなのほとんどいませんから」
微笑みながらそう答える
いないとはいわない
「お店の中なんですからやめてくださいよ先生。
甘いもの大好きなんだって噂にしますよ?」
■レイヴン >
鬼は居るぞ。
最近落第街で鋼の龍が暴れてるって話もある。
空飛ぶ巨大サメなんつーB級映画かっつーようなもんもな。
(万国吃驚博覧会か、などと呟いて。)
――お前それは……。
(一応テーブルに灰皿も設置されている禁煙の店ではないのだ。
思わず悔しそうな表情になってしまい、老店主もカラリと笑って負けだな、なんて言ってくるものだから。
眉間の皺を濃くして、火を付けたばかりの煙草を灰皿でもみ消した。)
■伊都波 凛霞 >
「鬼、かぁ……」
ふーん、と考える
今は制御薬のことだけでも結構手いっぱい、だけど…
頭の片隅には留めておこう
廃寺と、鬼
「ふふ、あと生徒の顔めがけて煙吐くとかもダメですからね?」
にっこりと微笑んで、その様子を見ていた
■レイヴン >
行くなよ。
(改めて釘を刺す。
少なくとも、あの鬼が意思疎通出来るようになるまでは。)
――ったく、お前は……クソ。
(昔似たようなことを言われた。
懐かしいような、悲しそうな顔。)
■伊都波 凛霞 >
「…?」
複雑な表情を浮かべる先生
その理由を、推し量ることは今の凛霞にはできなくて
「それじゃ、私もそろそろ行きますね。
もしよかったらまた一緒にケーキ食べましょう」
最後にもう一度にっこりと微笑んで、ちゃっかりと他の女子学生とは違い自分の分の支払いを終えて、店を出ていくのでした
■レイヴン >
なんでもねぇよ。
(顔を右手で覆って隠しながら。
その手を戻すころには、いつものけだるげで眉間に皺を寄せた仏頂面に戻っている。)
おういけいけ。
お前がいると煙草もロクに吸えやしねぇ。
(しっしっと追い払うような手つき。
自分の分を払っていく彼女を見送り、すっかり冷めてしまったコーヒーへ目を落とす。)
――ガキはガキらしく奢られとけっつーんだ、馬鹿野郎。
ご案内:「学生通り」から伊都波 凛霞さんが去りました。
ご案内:「学生通り」からレイヴンさんが去りました。