2015/06/24 のログ
■ルフス・ドラコ > 打撃を終えて、コォと音を立てて息を吸うと、
千切れ飛ぶ呪いがついでに吸い込まれて、体内に循環した。
呻きが、憎しみが、悪意が悲しみが無念が悲痛が呪いが呪呪呪呪呪呪呪呪
深く、息を吐く。
踵を基点にしてザデルハイメスに向き直った。
「……こんにちは。良いお日柄ですね。」
せっかくの不意打ちの機会だったかな、と思いながらひらひらと手を振ると、手と肩についていたガードレールの破片を振り落とした。
離れた位置にいる黒衣の少女も視界に入れることで、気遣いは欠かしていない。
呻いている生徒たちのことは、少しだけ視界の外に。
「おそらくですが、今日を限りに消滅するにはいい日ではないかと」
■シルヴェネ > 呻いている生徒を見て…
楽にしてやろうかと思っている…。
「ふふ♪」
着火する場所を生徒に向けるように
指をさして…火葬でもしてやろうと。
私なりの慈悲をくれてやろうと思った。
あの少女は私の事を視界に入れた気がするが…
2人はおそらく上司…もといザデルハイメスに集中しなければいけないはずだ。
男が私の事を気付いているかは分からない。
■ライガ・遠来・ゴルバドコール > 穴の中では、圧砕からかろうじてのがれたライガが、上を見上げて思案顔でいた。
両手を穴の側面にかざし、まじないを唱える。
「ち、あれは厄介だな。
地上で戦うには少し分が悪いか。とはいえ、こっちも出せる手は限られているからなあ」
とりあえず、ここから脱出しよう。両腕に魔力を込めれば、体を回転させて螺旋を描きながら地上に飛び出す。
「魔拳、……【逆尖柱】!
そのまま行ってみるか」
うなりをあげた風を纏いながら、あっという間に商店街の上空20mほどに到達する。
姿勢を安定させて空中で停止し、魔剣を携えた少女のほうへ向きなおる。
「よーう、さっきからやたら魔剣の気配がすると思ってたら、何やってんだい?」
■ザデルハイメス > 「ハ、ハ、ハ、呪文ごと殴り潰したようですね?
そういうことも出来るわけですか、ほおーう……おやこれはご丁寧にどうも」
ルフスに挨拶されれば、鎧姿が軽い会釈を返した。
「消滅とは穏やかではありま、せ、ん、が」
言葉の途中でライガが飛び上がってくる。
そちらを見上げながら、再び詠唱。
「黄泉を刻みつけ//oaaaaMinyysyqqqQuuuueeem//震える欠片を」
鎧の表面の文様が、更に真っ赤に輝いた。
文様を眼にしたものに、視覚から脳へと到達する呪い。
まともに見れば泥酔状態のように意識を混濁させられるだろう。
■シルヴェネ > ライガに声をかけられて…
「あら?」
少女は上を向く。
「何って…火葬ですよ?
でも人間がやるのとは違いじわりじわりと絶望を与えたのちに
楽になるのですよ?」
少女の口からは…いや仮面しているから口の動きは分からないが…
彼女なりに楽にさせてあげようと思っているのだろう。
とても悪質だが…。
声をかけられて一旦ストップしたようだ。
「でも私に気をかけて大丈夫?」
そして別の方法を考えた。
剣で指を1本ずつ落そうと。
■ライガ・遠来・ゴルバドコール > (まーた呪詛かよ。ホント状態異常好きだな、この騎士は)
そちらはルフスに任せることにしよう。
「そういうのってな、普通はきっちり死んだ後にやるもんだろ?」
足場を炸裂させて、そのパワーでさらに飛び上がった。
振り上げた足の一寸先に、先ほどの障壁よりもずっと小さな魔法陣が現れる。それを踏み込み、空中で進行方向と勢いを変える。ランダムに速度と方向を変えながら、両手を組むと前方に掲げる。
「ってなわけで、ちょーっと邪魔させてもらうぜ。
“北天に在りし鋼の王よ、我に力を与えたまへ”……魔拳術奥義《真・山塊掌》ォっ!!」
シルヴェネに向けて、巨大な岩の塊を生成し、投げ落とす。
それが当たろうが当たるまいが。その衝撃と粉塵に紛れて、忽然と姿を消す。
ご案内:「商店街」からライガ・遠来・ゴルバドコールさんが去りました。
■シルヴェネ > 「あら?」
粉塵によってちょっとくらんだようだ…。
そして粉塵があければ…
「いっちゃったかぁ…」
みおくったのかは分からないが、それ以上深追いはしない。
「さて…どうしようかなぁ…?」
流石に2vs1じゃちょっと悪い気もするが…
見学にでも徹する?それとも手伝う?
少女はそう思考する。
■ルフス・ドラコ > 「聞こえませんでしたか」
損得勘定を放り出したのは数分前、目の前に賞金も出ないこの世の災厄が現出していると知った時からである。
「消滅するにはいい日ですね、と挨拶したんですよ」
<吠えろ火葬場の門><焦がせ緑野の風>
龍声で自分の肉体とは別に詠唱を行う。
詠唱に慣れているわけではないが、声帯から2つの声を出すことは龍でなくても鍛錬していればできる事である。
「弔詞には足りないのではないですか、その呪文では」
<閉ざせ北天への道>
<<上天を目指せ燎原の火>>
呪文の完成とともに、
ザデルハイメスの周囲を大きく囲むように、倒れる生徒から隔離するように、ルフスの背後に至るまで炎の壁が立ち並ぶ。
…ライガが飛び上がってくれたから、こちらも遠慮なしに出来るということが有る。
ルフスはもう一度大きく息を吸った。先ほどの呼吸でブレス袋はすでに稼動状態であり、吐き出すのに遠慮はいらない。
(ちょうど吐きたい気分ではありました)
嘯くのもそろそろ限界だ。事前に選んだ呪文が状況に合致していたことを感謝するばかり。
真火に匹敵すると詠われる赤龍の火炎が、炎の檻の中に満たされる。
先ほど吸い込んだ呪詛が焼き尽くされたのも、この炎。
そして鎧から発される呪いをも焼き滅ぼさんと、ライガの空けた穴をならしてガラス状にしながら炎が荒れ狂った。
■ザデルハイメス > 視線で追ったライガが粉塵にまみれて離脱するのを見て、そのままシルヴェネを視認する。
「……はて?
見た記憶があったような気がしますが」
ライガが攻撃した理由に見当がないため、軽く首を傾げた。
彼が向かっていた剣持つ少女を見て記憶を引き出そうとするが
「まあ……いえ、聞こえていますよ」
そう言って上げた顔を戻した。
見れば詠唱は完成し、精神汚染の呪紋は炎の壁に遮られている。
頷き、ルフスへと完全に正面を向けた。
文様が何度も明滅し、全身がぼやけるように瘴気を発するが、それを覆い尽くすように火炎が吹き荒れる。
炎とともに前面には魔法陣が出現し、切り裂くように炎を阻む。
とはいえ、現在となっては本体使用時ですらマッハ5の電磁加速弾体に押し切られたシールドだ。
竜のブレスを受けて白熱した魔法陣が、解けるように消えていく。
「ハ、ハハハ。火葬はこちらですね」
シルヴェネのセリフを聞いてはいたのか、炎の中から笑い声がする。
■シルヴェネ > 「私ですか?シルヴェネですよ。
《邪葬曲(ノクターン)》と言えば分りますか?」
見た記憶をあったようなと尋ねられて、そう答える。
「まぁ、それでくたばる貴方じゃないですよね。」
けらけらと笑う。まぁ大丈夫だろうと思っているようだ。
彼女自身は2vs1は彼女的に駄目なのか、とりあえず見ているようだ。
もちろん私に少女の攻撃が加えられたら当然攻撃するつもりだが。
ここは見ていよう。
■ルフス・ドラコ > 地面に横たわった、まったくもって無様な姿ではあったが、ブレスはなんとか吐き切っていた。
(……燃やせた、はずです)
つい先日からふるうことが出来るようになった力だったが、
受ける側としてならいくらでもこの炎を見てきた。
千年の間落ちなかった堅城も、世界最高の魔術の使い手だった義理の姉も、はじめから存在しなかったかのように燃やし尽くしたのが、この炎だった。
回転する地面に嫌気が差しながらも立ち上がり、ごぼり、と体内を傷つけていった呪詛ごと血を吐き捨てると、
炎の消えた路面…路面だったもの、シュウシュウと未だ人間には危険過ぎる高熱を放つ大地に当たって即座に蒸発した。
だが、鎧の幻惑は根深く、まだ確りと立つには少し時間が要るようだった。
次に燃やす相手は無論黒衣の少女だが、まだ話をしているようで、息を整える余裕ができた。
……話を、している?
一体、誰と?
■シルヴェネ > 「おや?」
ルフスの方を見やり…。
「私に何か用ですかね?
サデルハイメス様の次は私を燃やすおつもりで?」
仮面の下は笑っていた。声はからからと。
まるで、楽しみにしていたように。
■ザデルハイメス > 実際のところ腐った肉の焼けるような臭いがしていた。
回避する素振りさえ見せなかったのだ。直撃している。
呪法ベルフェクトルにより断ち切られ、瘴気によって減殺された炎は、存在を丸ごとなかったことにまではしていなかったが。
炎が収まった中には、六割近く体躯が削り取られ、元より黒かった表面が焼け焦げて炭のようになった塊が残っている。
それはもはや人間の形はしていなかったが、空洞ごしのような声を発した。
「ク、ハ、ハ……私がカツて戦った者に、竜の涙と呼バレた男がいましタガ……彼なドトハ比べ物にならナイホど強力な炎ですね。
なるほドコれがドラゴンブレスというモノデすか……」
声が続く間にも、ぼろぼろと炭化した塊が崩れていく。
ただひたすら腐肉の焼けた臭いだけが飛び散り、金属の焼ける臭いだけは、していなかったが。
■シルヴェネ > 「あらあらあらあらあら…」
この焼け焦げて炭のようになった塊を見て
「どうやら…この少女…
かなりやるようですねぇ。」
そしてルフスの方を見て言い始める…。
もしサデルハイメス様がやられるようならば、次は私がやらねばならないだろう…。
あのようなブレスを食らって生きていられる自信があるのか…。
だが、2度目もできるのだろうか。そう考える。
■ルフス・ドラコ > 「さっき、火葬がどうとか言っていたでしょう。」
そう、火葬だ。それでは、困る。
「この私の前で、火葬官の役目を盗み取ろうなんて、そんな大悪事が見逃せるわけ無いでしょう」
ようやく足に確りとした感触が返ってくる。
辺りは炎獄そのもの、電灯が溶け消え、道路は蒸散。止めてあった自動車が奇跡的にタイヤを四分の一だけ残していてあとは消滅している。
ああ、これが私の戦場だ。
「愚かにも官職を詐称したものはその偽りの装束ごと焼いて捨てることになっていますが、辞世の句は準備出来ましたか?」
おそらく、願わくば。こちらの世界ではそれほど龍と交戦したことのあるものはいないだろう。
ブレスを吐くには延焼を防ぐための事前準備がいくらでもいるし、炎が十全に貯まるまでは吐くことも叶わない。
そのことは事実として理解できていても、この炎を見て、この炎獄に踏み込むには狂気か経験が要る。そのどちらもが足りていないことを祈らざるを得なかった。
■ザデルハイメス > 「ああ、ところで」
名前は思い出せませんが、とシルヴェネに前置きして声が続いた。
「そろそろ委員会が来るでしょうから、君も離脱したほうがいいのではないですかね?
私はこの体の使い道もだいたいわかりましたので、終わりにしますが」
体がまともならば、あるいはルフスに向き直ったのかもしれないが、塊はほとんど動かぬまま
「いい煉獄でした。
すさまじい火力ですね。
あまり被害者は得られませんでしたが、この有り様もまた恐怖の呼び水にはなるでしょう。
ありがとうございました」
言って、お辞儀のように塊が前のめりになった。
いや、腰を折ったわけではない。ただ、崩れ落ちただけだ。
途端に一つの塊となっていたそれがバラバラに解け、ごろんごろんと焼け付いた肉と骨になって転がった。
魔力でコントロールされた肉の寄せ集め。
本来のザデルハイメスは黄金の螺旋剣を持ち、高速で移動する。
見知った相手でも自分に見えるなら十分だと、満足したのかもしれない。
素材になった三つ分の体の身元は、もはや燃え尽きてわかりはしないだろう。
ご案内:「商店街」からザデルハイメスさんが去りました。
■シルヴェネ > 「あは…♪」
辺りは炎獄…。普通ならこんなところ。
耐えられないだろうが…少女は…
その炎獄を楽しそうに歩いていた…。
少女は狂気にみちていたのかも…。
サデルハイネスに言われて…
「ああ、確かに委員会も来ますし、離脱した方がいいですねぇ。
そして今度は私の名前をしっかり覚えてくださいよ?」
明るい調子でそう返す。
螺旋剣を持ち、高速で移動する姿を見送って…。
■シルヴェネ > 「さて…」
ルフスの方を見やり…
「今からしてもかまいませんが…
あの御方が言うとおり、委員会が来ますしねぇ。
私もこの辺でお暇させていただきましょうかねぇ?」
からからと言う。
「楽しい炎獄でやるのもいいですが、委員会の横やりに
邪魔はされたくないですしねぇ。」
そう言って少女は黒霧となって消えていく…。
まるで愉しい炎獄を惜しむかの如く…。
ご案内:「商店街」からシルヴェネさんが去りました。
■ルフス・ドラコ > ザデルハイメスの声に少し眉根を上げて、視線を戻した。
……腐臭にも、それが焼ける最悪の匂いにも、かつては慣れていたが今では体が違う。反射的に涙がにじむ。
「体の、使い道…?」
ハッとする。呪術使いとしての印象に気を取られすぎていた。
確認してあったはずだ、死霊使いでもある、と。
ボロリと崩れた体を見遣ると、相手の言っていた「火葬」の意味が理解できた。
「……この人達も、きちんと弔えるかもしれませんね。」
呪いから、死後の苦しみから引き剥がすことが出来た。それだけでも、少しは意味があっただろう。
「……ザデルハイメスと、シルヴェネ……」
委員会が来る、というのは自明の理だ。そしてそれまでの時間を稼ぐだけでも良かったはずだ。
先に戦っていた拳士も相当な力量だったはず、不可能な話ではない。
■ルフス・ドラコ > この道路はそう簡単には直るまい。
負傷者を収容するにも不便極まりないはずだ。
ならば何故、あの時ブレスを吐いたのだろう。
自分の拳も使えたはず。決して射程外ではなかった。
「いえ、まさか、そんなことは…」
屠龍術は龍と化す術。ともに学び、力を得た友人たちが泣きながら言っていた言葉を思い出す。
『段々こらえられなくなるんだ』『…シバはブレスを吐けないもんな』
『何もかも燃やせるってことを証明したくなるんだよ』
■ルフス・ドラコ > 道路にうめき声が響く。
遠くから委員会の声が近づく。
どちらにも近寄れず、翼を広げるとただ空に向かって炎獄を離れた。
ご案内:「商店街」からルフス・ドラコさんが去りました。
ご案内:「商店街」に久喜棗さんが現れました。
■久喜棗 > ここは商店街にある自家焙煎珈琲豆専門店『三枝珈琲店』
棚の上には口いっぱいまで袋詰めにされた珈琲豆が所狭しと陳列されており
また飾り立てるように多様なコーヒーメーカーも傍に置かれている
珈琲豆特有の香りが漂うその店は木製を基調としてコーディネートされており前時代の雰囲気を保っている
カウンターには16,7といった程度だろう銀縁眼鏡をかけた少年が紺のエプロンを前にかけ立っている
また、店内には木製のテーブルと椅子も配置されておりその場で珈琲を楽しむことも出来るようになっていた
■久喜棗 > カランカラーン
棗が木製のドアを開け中へと入るとドアに付いている鈴の音が響く
カウンターの銀縁眼鏡の少年がいらっしゃいませ、どうぞと案内し、棗もそれに促されカウンターテーブルに座る
『本日は店内でお飲みでしょうか、それとも珈琲豆をお買い求めでしょうか』
銀縁眼鏡の少年が尋ね、棗は答える
「うむ、今日はな、豆が欲しくてきたのだ」
『どのような豆になりますでしょうか…お飲み方の方は?』
「そうじゃな、他人に贈るものでな。彼はブラックしか飲まぬと言っておったよ
何かブラックに適した豆などはあらぬかな?」
『なるほど…少しお待ちくださいね』
そう言って銀縁眼鏡の少年はカウンターから出て、ある袋の前で珈琲豆用のスコップを取り出す
手に持った小分け用の袋へ豆を取り分け、零れないようしっかりと口を締める
ご案内:「商店街」に鈴成静佳さんが現れました。
■鈴成静佳 > (カランカラーン、と戸を開けて店内に入ってくる静佳。入るなり、鼻をひくひくとさせて店内に満ちる豆の焙煎香にうっとりとする)
……んー、いい匂い!
(その後、入口付近に並べられたコーヒーセットやカップなどのグッズにしばし眼を引かれるが……)
……おっ、棗ちゃん! どうしたのこんなところで!
(角の生えた童女の姿を見つけると、楽しげに駆け寄る)
■久喜棗 > 『こちらマンデリンという豆でして、インドネシア原産アラビカ種の珈琲豆となっております
ストレートで飲むということでしたので、キリマンジェロコーヒーもストレートに向いている品種なのですが
あちらの場合は酸味が強いのですが後味がスッキリしている味わいでして
マンデリンは逆に苦味とコクが強い品種となっておりますので
ブラックコーヒーを好んでいる方でしたらこちらがおすすめかと思います』
銀縁眼鏡の少年は饒舌に説明し袋を棗へと手渡す
『もしよろしければお客様のほうで一杯ご賞味などされてはいかがでしょうか?
当店では豆の販売だけでなく珈琲もお出ししておりますので』
「ふむ、しかしなぁ…儂は珈琲単体で飲むのが苦手でな
何かサイドメニューなどがあれば別じゃが」
『ドーナッツもありますよ』
「おお、そうか。では一つ頼むとしよう」
次に入店してきた静佳にも銀縁眼鏡の少年は同じようにお辞儀をし、同じ質問をする
『いらっしゃいませ、お客様、本日はどのようなご用件になりますでしょうか』
銀縁眼鏡の少年の言葉に反応し、入り口を振り向いてみる
そこには見知った顔の少女が立っていた
「おお、このようなところで奇遇じゃな静佳よ
儂は知り合いに珈琲豆を贈ってやろうと思って来たんじゃが
ついでに一杯飲んでいくところでな
お主もコーヒーを飲みに来たのか?」
相変わらず元気そうな静佳に思わず顔を綻ばせて答える
■鈴成静佳 > へぇ~、知り合いに珈琲豆をねぇ。(ニヤニヤと笑みを浮かべ、指を顎に当てて思案する様子)誰にだろう、彼氏かな~?
んっと、アタシはねー(ここからは店員さんと棗さんの両方に向けて)珈琲豆とコーヒーセットをひととおり買いに来たの。
しばらく紅茶派だったけど飽きちゃってさ~。アハハ。実家からコーヒーセット持ってくるの忘れちゃった。豆はブラジルサントスを1kgで。
ドリッパーは3穴のやつでー、ポットはできれば6杯分くらい入る大きめのやつでー、あと温度計もかな? 見繕ってくれます?
一緒に買うから安くしてよ、ね、お兄さぁん……!(精一杯の色気を発揮)
……あ、それとカプチーノのトールを1つ。棗ちゃん、一緒に飲もう?(棗さんに一度視線を送ったあと、空いている2人席へ先行しようとする)
■久喜棗 > 「そうそう、夜の屋上でふらついてた時に出会ってな
星のことを詳しく教えて貰った礼にプレゼントでもしてやろうと来たのじゃよ
って何をニヤニヤしておる?別に変な意味の関係ではないのじゃが」
『ああ、お連れ様でしたか。では奥の席へどうぞ』
そう言って銀縁眼鏡の少年は向かい合わせになった二人席へと二人を案内する
静佳の色仕掛けに困ったように笑いながら注文の品を用意する
今どき珍しく電卓を叩きながら計算し、値段を静佳へと見せる
『うーん、そうですね。値引きの方はちょっと…ですが豆の方量をおまけしておきますので、それでどうか』
静佳と店員の戦いを尻目にマンデリンの入った袋を小脇に置き、珈琲が来るのを待つ
銀縁眼鏡の少年は静佳の注文品を揃え終わると一杯分の豆をスコップで掬い、手動の臼式ミルへとそれを投じる
ゴリゴリ、ゴリゴリと豆を磨り潰していく
一回しごとに削れていく豆の音が耳に心地良い
ドリッパーを用意しペーパーフィルターを上に被せる
数分ほど回し続け粉状になった豆をそこへ投じ、お湯をトポトポと注いでいく
最初は小さく螺旋を描くように、お湯の量を見ながら次第に螺旋を大きくしていく
お湯をすべて注ぎ終わるとコーヒーカップにちょうど一杯分の珈琲が抽出された
次に静佳の注文に取り掛かる
エスプレッソメーカーに砕いた珈琲粉を入れ弱火にかけていく
数分後エスプレッソが抽出され、それを温めたミルクへと混ぜる
最後にフォームドミルクを乗せて出来上がり
『どうぞ、マンデリンコーヒーとカプチーノになります
あとこちらドーナッツになりますね』
銀縁眼鏡の少年が珈琲を二人の席へと出す
■鈴成静佳 > ちぇっ、ケチー。まぁいいわ。適当にオマケしておいて!
(電卓の値に頬を膨らますが、素直に応じる。嗜好品のための出費はある程度は仕方がない)
(席に座る。しかし店員少年のコーヒーを淹れる仕草を見て、はっと席を立ち)
……あ、ミルも追加でお願い! 手回しので、少し堅くてもいいから安めのやつで。豆は豆のままでね!
(再び席につく。落ち着いた店内にはそぐわない騒がしさだ)
にひひ……ごめんね、落ち着いて一人で飲もうとしてたんでしょうけど、お騒がせしちゃって。
(申し訳無さそうに歯を見せて棗さんに笑いかける)
……ふぅん、夜の屋上で、星を……ロマンチックだなぁ。絶対なんかあるでしょー?
お姉さんに詳しく教えてよ、ね?
(茶化すような口調。本気で聞き出すつもりはなさそうだ)
しかし、棗ちゃんがコーヒー飲むのって不思議な感じ。
なんというか、緑茶とか抹茶のほうが似合いそうだしさ……。
(コーヒーが届くと、さっそくそれに口をつける。上唇にフォームミルクのヒゲができる)
■久喜棗 > 程よく湯気だったコーヒーカップの取っ手をおそるおそる握りちびりと口に含んでみる
苦い、とても苦い
すぐさまドーナッツをかじり口直しする
口の中に甘みが広がり幸せな気分になる
しばらくして落ち着いた後、再度珈琲に挑戦する
次はある程度口に含み、コクリと飲み下してみる
やはり苦い、だがただ苦いだけではないようだ
舌の上に言い表しづらい、不快ではない何かを感じる
「ふむ…なるほど、これがコクというものか」
やはり自分は少しこの苦味は苦手かもしれない、たっぷりとミルクを投入しカフェオレにしてしまいたくなる
だけれども、たぶん慣れればこれが美味しく感じられるだろうという事は何となく思った
「いやいや、流石に儂もそこまで独り好きではおらんよ
うむ、あの夜は春の大曲線というのが綺麗でなぁ
北斗七星から乙女座のスピカまで綺麗に並んでおったよ
あ、あとはそうじゃな木星の位置も教えてもろうたぞ
眼が良ければ肉眼でも星の傾きがわかるらしいのじゃが…残念ながら儂の目ではわからぬかったのう」
本当に楽しそうにその日の出来事を棗は語る
その言葉に特に他意は無さそうだと感じるだろう
「うむ、そうじゃな儂も普段はコーヒーなどあまり飲まぬのだが
やはり他人に贈る前にどんなものか一度は味わっておくのも必要と思うてな」
■鈴成静佳 > (コーヒーを含んで顔をしかめ、ドーナツを齧って表情をほころばせる棗さん。その表情の変化を楽しげに眺める静佳)
そうかー、普段は飲まないんだね。その雰囲気だと緑茶とかもいけないクチかな?
(静佳はドーナツを頼んでないが、お腹が空いたわけでもない。棗さんがドーナツを頬張る姿を見てればお腹が膨れる気分になる)
アタシは昔からコーヒー好きだし、ブラック派。フフッ、大人でしょう。家柄ってやつだけどね。
ちゃんとしたカプチーノなんてお店でしか飲めないから、お店に来た時はカプチーノを頼むけどね。
棗ちゃんにもその内分かると思うよ、コクとか、香りの奥深さとか。豆の種類だけじゃなくて、焙煎具合でも変わったりするからねぇ。
(星に関する語りを、楽しげに頷きながら聞く。用語はさっぱりわかっていないが)
フフッ、天体観測かぁ。久しくやってないなぁ。田舎は夜は暗かったから綺麗に星が見えたけど……。
ココはどちらかというと都会だからねぇ。向こうほど星はよく見えないね。
(田舎の夜空を思い出す。よく、河原に寝転がって夜空を見上げたものだ……誑かした先輩や後輩と一緒に……いややめよう)
アタシもその、天体に詳しい子に会ってみたいなぁ。夜の学校にはまだ行ったことないや。怖くて。
■久喜棗 > 「いや、緑茶は好きじゃぞ、抹茶もな
でもほれ、あれとこれはやはり苦味の種類とかそういったものが違うじゃろう?
儂はどうにもまだこの苦味が慣れぬでなぁ…」
「ほう、お主もブラック好きであったか
いや何儂が贈ろうとしてるそ奴もブラック好きでな
最近の若者はコーヒーはブラックと相場が決まっておるのかのう…
儂はどうもカフェオレばかり飲んでおるものだから
たまにこうやってストレートで行こうとすると飲むのにも一苦労するのじゃよ」
と、チビチビとコーヒーを減らしていいく
ドーナッツの減りに対してコーヒーはあまり進んでおらずこのままではコーヒーだけが残ってしまうだろう
静佳の言葉に、今は太陽が上に登ってはいるが空を見上げ
「そうじゃなぁ、確かに学校の屋上では満天の星空とは行かぬな
山にでも登ればもっとよく星が見えるのかもしれんが…
ん、ああ…確か奴は公安特雑の…狛江蒼狗と言っておったな
普段何処で何をしておるかは知らぬが、学校を探せばどこかにはおるのではないかな」
■鈴成静佳 > ふぅん……?(やや首をかしげ)苦味の種類、アタシには違うようには思えないなぁ……。
まぁ、棗ちゃんの舌にはそう感じられてるんだね。じゃあ、きっとすぐ慣れるよ。うんうん!
(とはいえ、ちっとも減らないブラックコーヒーには苦笑が浮かぶ)
あ、やっぱりコーヒーを送る相手は男の子なんだ。いや~棗ちゃんもなかなか隅に置けないっすねぇ~……。
……うーん、公安かぁ。
(やや語気がすぼまり、笑顔が曇る。マシンガントークも一瞬止まる)
(静佳の印象としては、治安組織は「風紀=善」で「公安=悪」なのだ。もちろん、個々人までその風潮に染まってるとは思えないが、先入観は悪くなる)
なるほどね……フフッ。狛江蒼狗くんかぁ。名前だけは覚えておこうっと。
そういえば、棗ちゃんって抹茶も自分で点てたりするの?
アタシ、旅行に行った時にちょこっと飲んだ程度で、あまり飲む機会なかったから。もしできるなら飲んでみたいな~って。フフッ。