2015/08/07 のログ
■綾瀬音音 > …………。そうかな
(その、柔らかに笑う声に、此方もちょっとだけ笑う。
そうなのだ。自分にとっては、凄く、酷く、大切な人)
――――まあ、確かに玲刃君がバカなのは認めるけど。
……言わないほうが心配かけないで済むとか、そんな感じなのかな。
何も言わないほうが不安だよって言ったはずなのに。
…………事実、ちょっと放って置かれちゃってるけどね
(聞けば答えてくれた。
だけど訊かないとあまり教えてくれなった彼氏を思い出す。
巻き込みたくないなら、言わないだろうか。
そんなことを考える。
無意識にアイスティに手を伸ばして一口舐めるように飲んでから。
自分の彼氏の悪口を言う、と堂々と宣言した彼を見る。
そして、淀みのない口調で流れてくる、その悪口に目を瞬かせた。
だけど、真剣に聞いている)
や、それはそうだけど………、だけど、私は、掴みたかったんだよ。
伸ばしてくれなくても。
だから、これは多分私の我儘なんだろうけど。
――――――――ぅうう………。
(全部、彼が悪いと、青年は言う。
彼の言うことは多分正しくて、彼の言葉は胸にすとんと落ちてくる。
だけど、やっぱり自分は彼の手を掴んでいたかった。
それが悔しいし、出来なかったのが切なくて悲しいのだ。
唸ることしか出来なかったけれど、多分そんな思いは伝わってしまうに違いない。
これがただの我儘だとしても。
彼の思い通り、唸り声一つ挟むのが精一杯だ)
―――、思慮。
(思い違い。
すれ違い。
お互いをどれほど思い遣っても、それは生まれるのだろうか。
まだ年若い自分には、そこまでわからない。
だけど、愛されていると、思えるのも事実だ。
今だって、それを疑っているわけではない)
……うぅ、それはちょっと難しいかもしれない……。
だけど、うん、そうなのかな。
足りなかったのはそれだけって、思っていいのかな
(思慮、もしくは配慮、とも呼ぶべきもの。
それが彼に足りなくて、もしくは自分にも足りなくて。
こんなことになってしまったと思っても良いのだろうか。
愛情や感情が、自分に足りなかったわけではないと、そう、思っても良いのだろうか。
話している内に先程よりは大分表情に生気が宿る。
簡単に許すな、には難しいと答えてしまったけれど。
――――――――そんなに都合のいい話、信じてもいいのかと。
不安そうに揺れる瞳で問いかける)
■アーヴィング > ああ、そーだよ
(ようやく笑えば、こちらからも笑みを返して)
馬鹿じゃねー男はいねーよ、隠すのが上手い奴は居るけどな
言っても聞かねぇ馬鹿は居るもんだ
てめぇの中の基準を信じて…他の見方があるなんざ
それを見た誰かがどう思うか思いもよらねぇやつもな
お前…甘やかしてんじゃね?
ちゃんと尻…引っぱたいてっか?
(彼女の調子がわずかに戻ってくれば
意地の悪い笑みを浮かべてそんな冗談を挟みこんで)
おう、じゃあ…次、頑張れよ
鳥ってのはな、自由に飛んでるみてぇで雛の時は翼バタつかせるだけでよヘッタクソでよ
みっともなくて笑っちまうぜ?
でもよ…どいつもこいつもそうやって、みっともねー事してから空飛べんだ
いいじゃねーか、我侭
いっぺんさ、みっとも無く泣いてみたらどうよ?
心配したっつって、馬鹿やりすぎだ馬鹿って
馬鹿みてぇに泣きわめいて、ガキみたいに勝手な事言って…
そんだけやって伝わらなかったら…もっと良い男さがしゃいい
器量よしなんだからよ
(ガムシロの存在に気付く事無く、苦いコーヒーをチビチビと舐めるように飲み
カツサンドにかぶりついては子供のように笑って、カラシの風味には一瞬、表情を凍らせて)
昔よ、うちの王様に言われたんだ
言葉ってのは有効期限付きだ
どんなに当たり前の事でも、言わなくても当たり前の事でも、口にしないと風に溶ける雲みてぇに、気が付きゃたよんなくなってる
で、奥方様の肩抱いて、でけぇ体して小声でこしょこしょ言ってよ
見せ付けられる騎士はたまったもんじゃねえや
(と、遠く、窓の向こうを空を見上げてはケタケタと笑って)
ま、「当たり前」っつーのは、そんだけ難しいってこった
だから鬱陶しいくらいに我侭言やいい
自分がどうして欲しいのか、どうされたいのか、言いまくれ
ソイツにゃそれを聞かなきゃならねぇ、責任がある
だいたいよ、お前は迷惑かられてるほうなんだぜ?
あいつが悪い、帰ったら怒ってやる…それくらいでどうこう言うやつぁいやしねぇよ
それによ……今、テメェが悪いかも…なんて考えるのはフェアじゃねえよ
だってそうだろ?オトネがこんな苦しんでるのはそいつはしらねぇわけだ
だったら相手は自分が悪いかも…なんて考えつくのは難しいや
俺はお前を巻き込みたくなかったんだ…とか言われてみろよ
そんな気持ちじゃ「ああ、自分が我侭だった…」なんて思っちまうぞ?
ま、それにだ…俺はオトネの味方であって、顔もしらねー男の味方する気ねーしよ
いいじゃねえか、甘えとけよ
笑っとけよ
良い方向にも、悪い方向にも、どっちに考えるにしても根拠たりてねーんだ
だったら、気が重いほう見てたら、損だぜ?
(な?と笑い飛ばして、皿の上のカツサンドを片付けていく)
■綾瀬音音 > うぅ……
(何となく誂われた気になってしまって、軽く頬を染めて)
隠すのも上手じゃないんだけどね。
本当はね、いつもバカって言ってるんだ。
…………だけどほら、今までの環境の違いとか色々あるから。
………………ぅ。甘やかしてる、のかなぁ……。
(言われてみれば。
自分は彼を肯定してばかりで。
否定することなんて殆どなかったように思う。
―――ああ、それが、きっとそもそもいけなかったのだ)
じゃあ、じゃあ、さ。
頑張ったら親鳥みたいにちゃんとできるかな。
いや、ちゃんとじゃなくてもいいんだ、少しだけ、少しだけでいいんだ。
少しだけでいいから――
(ちゃんと、離さないで、いられる、かな?)
(我儘でいいと、泣いてみろと、青年は言う。
それに大きく目を見開いて、本当にそんなことが許されていいのかと言うように、目を瞬かせた。
だけど、きっと、それでいいのだろうと、思わせる何かかが彼の口調にはあった。
コーヒーは酷く苦そうに飲んでいるし、カツサンドに驚いたようにしているし、それでも、彼の口調は確かで、力強いものだ)
う、うん……。
我儘で泣くのとか、凄く苦手なんだよ。
…………だけど、うん。
その位、しても、いいのかなぁ
(彼の言葉に同調しつつあるのが、自分でも解る。
泣くのは好きじゃない。
困らせたり、もしくは眉を顰められるのが怖いからだ。
だけど、その位は、甘えても良いのだろうか。
結局はそうなのだ、自分ばっかりで、自分だって、きっと彼のことを見ていてあげられなかった)
……言葉は有効期限付き……
(オウム返しにつぶやいて。
そうなら、きっと、いつも、沢山言わないといけないのだ。
愛してるとか、一緒にいたいとか、無茶ばっかりするなバカとか。
そんな当たり前のことを沢山。
そのために一緒にいたはずなのに、それ程長い時間を過ごしていたわけでもないのに、見失っていたのだろう。
彼の視線の向こうに視線を向けて。
きっと彼のいた世界は、国は、豊かだったに違いない。
少なくとも、人の心は)
―――――――うん。
そうだね。
我儘言って、泣き喚いて、ボコボコに叩いて。
もうね、見捨てられちゃうんじゃないかってくらい、今回は言ってもいいのかもしれないね。
迷惑とは思ってないけど……ん、そうかもしれない。
怒って、怒って、怒って、バカ―って、ご近所迷惑になるくらい喚いて。
相手の気持ち、ちょっとくらい無視して、一方的に捲し立てるくらいでいいのかもしれない。
あっちにはあっちの都合もあったんだろうけれど、それは取り敢えず“今”は“私には関係ない”んだしね。
巻き込みたくなかったのはね、解ってるんだ。私そういうのには向いてないしね。
だけど、そうだね、それも、きっと“関係ない”んだ。
(彼を想って、、事実なんでもしてあげたいくらいには思っていたのだけれど、その分、きっと自分のそう言う“我儘な感情”を無視していたのだろう。
馬鹿みたいに泣き喚いたり。
我儘言って困らせたり。
もう知らないって拗ねてみたり。
そういうことをもっと素直にしても良かったのだろう。
今まで気付かなかった。
そんなことをしてもいいだなんて、知ることすら無かった)
…………あはははは、まあ、アーヴィングさんは私の友達で玲刃君の友達じゃないしね。
うん、そうするよ。
――――ええと、その。
ありがとうございます。
ちゃんと、前見て立ってるよ。
(そう言って、本日初めて朗らかに笑うと、背筋を一度確り伸ばしてから頭を下げた。
彼の言葉は、酷く重くて、優しくて――大切なモノだ)
元気が出たから、そろそろ行くよ。
多分家も色々押収されてるだろうし、片付けないとだからね
(そう言って、笑顔で立ち上がる。
言葉の通り前を――確り青年を見て笑っている。
ついでとばかりに自分の伝票と彼の伝票を手にとって)
■アーヴィング > おう、甘やかしてる甘やかしてる、甘すぎて糖蜜できそうなくれーだ
相手の都合考えてやるのは結構だけどよ、それでテメェの都合殺してたら世話ねーだろ
いいか?誰だって…テメェの人生が一番大変なんだよ
相手からしたら大した事ねーかもとか考えんじゃねーぞ?
お前が、大変なら、お前の人生にとっておおごとなんだよ
(一言一言区切って、指を振り節を付けてしっかりと言い含め)
俺がわかっかよそんなもん
でもよ、いいだろ失敗したってよ
次があるんだ、最後じゃねえ
そうやってやろうって気持ちがありゃ…動けるならお前は選ぶ権利を得る
言ったろ?翼は風にぶつかって初めて飛べんだよ
やりてぇ事見つけたなら…あとはそこに向かうだけだ
不恰好で倒れそうなら隣の奴によっかかれ
チョロいもん
―Take it easy―だろ?
(な?と、大丈夫だ、頑張れ、と言葉にはせず
笑みと握った拳で伝え…)
当ったり前だろ、黙ってりゃ待っててくれる都合の良い女って思われたらたまったもんじゃねーだろ?
そのくらい、しても良いに決まってる
(ニッと唇を吊り上げ、親指を立てる
オトネはきっと自分の中で何かを見つけた
どこへ行きたいのか見つけた
針路を定めた翼はあとは飛ぶだけ…きっと、下を向く事無く行ける事だろうと)
おう、喧嘩して泣かされたら俺に言え
飯奢るかそいつ殴りに行くか決めさせてやっからよ
いいか?相手の都合押し付けられそうになったら「知った事か」それで良いんだよ
知って欲しけりゃ言えばいい、伝えりゃいい
よっしゃ、良い顔してきたぜ、オトネ
(風は湿っぽいよりもからっと暖かい方が良い
女もその辺は一緒だ
馬鹿みたいに笑って、つまんねー事で膨れて、それくらいでちょうど良い)
おう、ダチだかんな
でもそいつぁいただけねーな
そこでかっこつけんのは男のやる事だろ?
見せ場取るのは恩を仇で返してるぜ?オトネ
(と、先にレジに行くと店員に先に金を渡す先制攻撃
伝票後からくっからヨロシク、と伝え)
■綾瀬音音 > わ、そこまで甘やかしてないよー、多分。
……うん。そうだね。私にも私の都合があるしね。
―――――――。
そんなこと、考えたこともかなった。
自分の人生が、一番大変……。
確かに、そうだね。
今、凄く、大変……というか、辛い、かも
(やっぱり、彼がこう言う状況に置かれているのは辛いし、それに対して自分が何も出来ないのも辛い。
だけど、それは自分だけの辛さなのだ。
誰のものでもなく、自分の、自分しか感じられないものだ。
わかちあうことは出来るかもしれないけれど、感じているのはあくまで自分。
辛いことだけじゃなくて、嬉しい事も)
うん。
終わらなかったら、最後じゃないよね。
選べるんなら、最高にハッピーなの、選びたいしね。
まあ、うん、今回は結構な向かい風だけど、乾杯! って気持ちで頑張るよ。
あはははは、隣が今不在だけどね、まあ、隣がちゃんと戻ってくるまで頑張る
―――うん
(そして、力強い言葉に頷いて、笑って、その拳に自分の拳を軽くぶつけて)
それは言えるなぁ、恋人であって、都合のいい女になりたいわけじゃないからね。
パートナーでいたいなら、そういうことは、ちゃんと言わないとダメなんだね。
もー、すごーく困らせるつもりで行くよー
(うん、と何度目にかるか頷いて。
自分の口から語ったように、目指すは最高にハッピーな生活だ。
ちょっと難しいかもしれないけれど、それはそれだ。
大丈夫、きっと会ったら我儘も言えるし、馬鹿みたいに喚き散らすことだって出来る)
その時は頼りにしてるよ。
どちらがいいかはその時の気分次第で。
――そうだね、自分もちゃんと言って、あっちにもちゃんと言ってもらわないとね。
それでダメなら、きっとそれだけなんだ。
(だけど、それはきっと相手にも言えることだ。
知ること、伝えること。それはちゃんとお互いにしないといけないことだ。
自分が精一杯我儘言ったら、今度はちゃんと聞いてみないといけない。
それを受け入れるかどうかはまた別の物だ。
出来ればいいと思う、切にそう願う)
えー、元気貰った分なのに……。
って、さり気なく私の分まで払ってるし!!
(まさに早業、無駄のない先制攻撃。
もー、と膨れて見せてから、もう一度確りと頭を下げて。
「またね」
と着た時とは大違いな笑みで手を振って去っていくだろう)
ご案内:「商店街」から綾瀬音音さんが去りました。
■アーヴィング > おう、だからそれは、隠すな
そいつをどうやって伝えるかはオトネの自由だ
けど…ちゃんと伝えねーと、わかんねーから
頑張れよ、オトネ
でも、辛かったら頑張らなくて良いからな
そんときゃ…誰かに頼れ、俺でも、誰でもいい
(な?と拳を打ち付け合って)
あったりめーだろ?
ダチと駄弁っただけで奢られてたまるかってんだ
(ふふん、と釣りの札を指で挟んでヒラヒラとしながらしてやったり顔で笑い…
店員さんが飴玉好きなの持ってけと言われると、え?マジで?と吟味して……)
じゃーな、オトネ
(と、その背を見送って…)
さてと、煽って焚き付けただけっつーのは、かっこわりーよな
(自分なりに、少しきな臭い場所でもうろついてみるか…と
貰った飴玉を口の中に放り込み
上体をゆらゆらと揺らしながら歩き去っていった)
ご案内:「商店街」からアーヴィングさんが去りました。
ご案内:「商店街」に深雪さんが現れました。
■深雪 > 少女は街を歩いていた・・・何かを探しながら。
普段なら人混みを嫌い、決して近寄らないような場所だ。
確かな目的が無い限り、こんな場所に訪れることは無いだろう。
つまり、今日は確かな目的があるという事。
「・・・水着って、これは違うわよね。」
指定制服を扱う店の店先には、所謂スクール水着が並んでいる。
水着は水着だが、何か違う。海で見た水着とは何かが、絶対的に違う。
■深雪 > これはさすがに、試着するまでもない。
試着して自撮り画像を残したら、何だか色んな意味で危ないことになってしまう。
誰かが背中を押せばやったかもしれないが、さすがにここには背中を押す変人も居なかった。
「・・・・・・ああいう水着って、どういうお店に売ってるのかしら。」
この島にはショッピングモールも無い。
ご案内:「商店街」に相模原孝也さんが現れました。
■相模原孝也 > 「っあー……終わった終わった。」
んーっ、と大きく伸びをしながら、山岳部御用達のキャンプ用品店を出てくる少年。
山登りの際に借りたテントを返して、きれいさっぱり夏の山登りは終わった気分。
どこかコンビニでアイスでも買って食べるかなーと考えながら、商店街の人のごった返す通りを歩いて行く。
「本土にないアイスばっかだし、今日はなにをためそっか……ん?」
アイスに思考を向けながら歩いている中、ふっと目を引いたものがあった。見覚えのある銀のかがやき。
「っとと、すいません。ちょっとすいません…。」
その銀色の持ち主に気づけば、周りの人にそう言いながら、人の合間をすり抜けて近づいていき、
「深雪さん、こんにちわー。 買い物ですか?」
後ろからだと失礼だし、横に回りこんでからそう声をかけつつ、深雪さんの見ていたあたりを見る……すくみず?
■深雪 > 「もう少し先にお店あったかしら・・・・・・あら?」
少し悩んでいれば、人混みから声が聞こえる。
そちらを見ればすぐに、その声の主が見知った相手だと気付いた。
「えぇ、水着を買おうと思ったのよ・・・でもこれは、違うわね。」
小さく肩をすくめる少女と、その前にあるすくみず。
長身の深雪が着た場合、なんかこう、色々不思議な感じになってしまいそうでさえある。
■相模原孝也 > 「深雪さんが……水着…!」
驚愕した。まさしくそれは、驚愕であった。
真夏の砂浜で、制服姿であった深雪さんが、水着…!一体何故…!?
「コホン。
まあ、一応ソレも水着ですけど、学校での授業向けのやつですし。」
一度咳払いしてから、言葉を紡ぎつつ考える。
深雪さんが何故水着を買うことになったのかはとても気になる、気になるが、顔に出してはいけないけど顔に出ているが、ソレは置いておこう。
問題はおおよそ制服で過ごしてるんじゃないか?と会うたびに思う深雪さんが、こんなとこで水着を見ている、という現実だ。
「んー…。水着探すなら、この時期ならスポーツショップか、本土のアンテナショップ、もしくは島のブランド系のショップで探すのがいいんじゃないですかね。」
ピッと右手の人差し指を立てながら、思いつく限りの水着を売ってそうなあたりを口に出してみた。
多分、だが。ねこ喫茶を知らない深雪さんだし、知ってるお店がないのかもしれない…。…外れてたら殴られるくらいですめばいいなあ。
■相模原孝也 > そんなことを考えている少年からは、わずかに何かしらの神性による祝福の残り香がするかもしれない。
そういったものを、感知できるなら、だが。
■深雪 > 「あら、おかしいかしら・・・?」
貴方の表情や声色からその驚愕を感じ取ったのだろうか。
少女はくすくすと笑いながら、目を細めて貴方を見た。
「やっぱりそうよね・・・海でコレを着てるひと、居なかったものね。」
納得とばかり頷きながらも・・・視線は貴方の表情を見る。
その表情からは考えていることがすぐに読み取れた・・・気になるのだろうか。
知った上で、少女は優しく微笑むだけだった。
「本土まで行くのは面倒ね・・・この近くで丁度言いお店、無いかしら?」
基本的にはとっても面倒くさがりな部分を持っている少女である。
いくつも列挙してもらったのに、この丸投げっぷり。
けれどそこで、少女は何かに気付いたようだった・・・・・・
「あら・・・・・・?」
・・・・・・貴方から感じられる“匂い”が、以前と違う。僅かだが、違和感がある。
その正体を見極めようと、一歩近付いて、貴方をじっと見つめてみる。
■相模原孝也 > 「や、おかしくはないです。ないですけど、深雪さんの今までの制服の着こなしっぷりからは意外だったので。」
ええ、ちょっと意外だっただけですよ?そう言い募れども、こちらを見やる深雪さんの視線と、浮かんだ微笑に、見ぬかれている気がしないでもない。
困ったようにまゆを寄せた後、気にしてないんですよ!とばかりについっと横を向いた。
「ん…。少し待ってください。このへんだと…。」
でも、丸投げされればついつい応えちゃう従順な孝也少年。深雪さんにはどうにも、逆らえないのだ。
ポケットから取り出したスマホを、ポチポチと操作してGPS機能で周辺店舗のタグをチェック。いくつかの候補を見定めてから、
「ん。ここから徒歩で10分くらいのトコに、本土からコッチに展開してるアンテナショップが有ったんで、そこにしましょう。
島のブランドだと、当たり外れが大きいですから………え、なにかありました?」
もう少し近くには、島のブランドショップも有ったのだけど、正直島のセンスはこう…異邦人向けだったり、露出が過度の多かったり少なかったり、フリルだらけだったりと多種多様すぎる。
とりあえず安牌の本土からのアンテナショップを提案したのだが……提案しながらスマホから顔を上げたところで、近づいてた深雪さんの顔に、少しのけぞりながら、黄金色の瞳を見つめ返す。
…距離を詰めれば、神性の残り香が、水と大蛇のものだとわかるだろう。ただし、ソレだけで祝福を与えた神性が誰かと見抜けるほどのものではない。
■深雪 > 「ふふふ、そうね・・・私もそう思うわ。
水着なんて、一生着ることなんか無いと思ってたもの。」
貴方の表情や仕草が可愛らしくて、くすくすと楽しげに笑った。
その理由がより一層気になるような発言なのは、気のせいではないかもしれない。
「あら・・・ありがと、調べてもらっちゃったわね。」
黄金色の瞳は至近距離で、従順に従ってくれる貴方を愛おしげに見つめている。
そして、その瞳と鼻は、貴方の違和感の根源を探った。獲物を見つめるかのように、目を細めて・・・
・・・それから、その正体を大まかに掴めば、意地悪に微笑んだ。
「・・・貴方、守られてるのね。
最近、何かとってもいいことがあったんじゃなくて?」
■相模原孝也 > 「ああ、そうなんですか。そこまでとは思ってませんでしたよ……。
………とっ、」
何か言おうとして、噛んだ。 うぐぐ。 数秒口を閉じた後、もう一度開いて、
「ところでっ。なんでまた水着を? 友達と遊びに行く約束でもしたんでしょうか。」
それとも、例の変態とやらかヤツのせいか。話に聞いただけで顔を見たこともないが、ちょっと……いらってきたのが何故か、ヨクワカラナイ。
ただ、どうにも落ち着かなさ気な様子を隠せずにいるのは、自覚できていた。
「ん…まあ、その、調べるだけならすぐですし、良いんですけど…。いいこと、ですか?」
はて、と首をかしげる。いいこと、いいこと……。
「そう言えば、この間山に登ってから、なんかすごく疲れづらいんですよね。おかげで帰りがすごく楽でした。
行きはすっごい疲れたんですけど、山であった子に助けられてから、ずーっと体が楽なかんじで。
……あ、山で星の写真取ってきたんですけど、見ます?」
それくらいですかね?と首をかしげる。最近のイベント事となると、それくらいしか思い浮かばなかったのだ。
ただ、意地悪な笑みにおろおろとしてから、ちょっと話題を帰るつもりで、写真を見るかな?と提案してみるけれど……深雪さんの意地悪な笑みからは、もう少し何かが来る気がしていた。ごくり…。
■深雪 > 「・・・そんなに心配しなくたって大丈夫、別に変なことに使うわけじゃないわ。
そうね・・・友達に誘われたから、っていうのが一番近いと思うわ。」
例の変態のことはきっと、この少女はもう殆ど忘れている。
相手の落ち着かなさ、若干の不機嫌にも、きっと気付いているのだろう。
「・・・あら、やきもち?」
ニヤニヤと意地悪な笑みが全開である。
「あら、良い事があったんじゃなく、貴方が良いことをしたのね。
女神様に見初められて、加護でももらったんじゃないかと思ったけれど・・・残念ね。
・・・・・・もう私の膝枕は必要ないと思ったのに。」
くすくすと笑いながらも、貴方へと近付く。
きっと写真には興味があるのだろう。
■相模原孝也 > 「みみみみずぎをへんなことにっ?!」
顔が真っ赤になった。 ……青少年である。
「あ、はい。友達にですね、友達にですか、ならよかったです、はい。
………………わるいですか。」
友達、と言われれば露骨に安堵する。……心中を言い当てられれば、ぷいっとそっぽを向くくらいには、自覚しているのだ。それがドコまで強い思いかはさっぱりわからないが。
「女神て。 イノシシ殴り倒した少年でしたよ? ああでも、良い子でしたし……あーっと。えーと、その。」
うぐぐ。 深雪さんの笑う声で、からかわれているのだとはわかるけど、わかっちゃうけど、微妙に悔しいようなそれとも何か違うような、ふしぎな気分。
ポチポチとスマホをいじって、山の上で撮影した写真……。石造りであろう古びた塔と一緒に見上げた夜空、都市部では見えないほどに無数の星が瞬くその光景を写した数枚の写真データを、画面に表示させながら、
「……膝枕は、してほしいです。」
ぽそっとつぶやくのは、いつもどおりに素直だった。
■深雪 > 「ふふふ、何慌ててるの・・・落ち着きなさい?」
素直な反応は少女を楽しませたようで、そう告げる少女は楽しげに笑っていた。
素直と言うよりも露骨と言った方が正しいような気もするが。
「悪いわけじゃないわ・・・ホント、可愛いのね、貴方。」
そっぽを向いてしまった貴方、そんな隙を与えれば、勿論少女の腕は伸ばされる。
貴方の頬を優しく撫でて、指先は貴方の髪にふわりと触れた。
猪を殴り倒した少年・・・それだけを聞けばだいぶ吹っ飛んでいる。
けれど、少女はそれに驚くこともしなかった・・・何故なら、きっと、自分でもできるから、だろう。
それよりも興味は、写真の方にある。
「星が綺麗ね・・・見上げたら、この画面よりもっと綺麗でしょう?」
写真を見た少女は、小さくそうとだけ呟いた。
それから、続けられた貴方の素直な言葉に、くすくす、と笑って、
「・・・今すぐでも良いのよ?」
こんな街中でとか羞恥プレイにも程がある。
■相模原孝也 > 「ぬぐぐ。
……どうせカワイイが限度ですよ。」
呼吸はすぐに落ち着いたけど、顔の赤みはすぐには引かない。
むぅ、とまゆを寄せながら、かわいい、に不満気な顔は……頬を撫でる感触と、髪に触れる指先に、すぐにゆるんでしまうのだが。
「ん……地面に寝っ転がって見ながら撮影したけど、綺麗でしたよ。
こう、星がぱーっと広がってる感じで。手を伸ばしたら届きそうなんですよ。」
すごいですよ、とコブシを握って力説する。その目も、きらきら輝きかねない興奮ぶり。
が、唐突な提案ブッコミに、コブシを握っていた腕ごと動きが止まる。
「……その、ふたりきりのとき、と、約束、したので。ここではその…。
み、みずぎっ。水着買いに来たんですよね、そっちいかないとっ?!」
この場でとかはありえないが、今の精神状態でふたりきりで膝枕おねがいしますー、なんて自分からは提案できない。ソレはソレで嬉しいけど!
けれど元々の深雪さんの目的はそちらだったはず! と、水着購入しに行く方を、と提案するけど、見事に声が裏返っていた。
■深雪 > 「あら・・・どう思われたいのかしら。」
挑発的にそう言いつつ、頬をなぞる指先がすっと、離れていった。
優しく微笑む表情が、おあずけ、とでも言っているような気がする。
力説する姿も、その瞳も、
「周りが真っ暗で、空の星だけが輝いてるんでしょう?
ふふふ・・・貴方の顔を見てると、ほんとに綺麗だったんだって、伝わってくるわ。」
何よりも雄弁に、素晴らしさを伝えてくれた。
それを思うと、悪戯でこんな提案をしてしまったのは失敗だったかも知れない。
「あら残念・・・ここじゃ、誰も居ない場所なんて、どこにも無さそうね。」
なんて言いつつも、貴方の提案にはきちんと頷いて・・・
「急ぎじゃないけれど…せっかく、お店の場所も調べてもらったし。」
そのお店、どこにあるの?なんて言いつつスマホを覗く・・・なお、そうなれば顔が近くなるのは、当たり前である。
■相模原孝也 > 「あ………。」
離れていく指先に、思わず寂しそうになるが、慌てて取り繕うように顔を引き締めて、
「そりゃ、まあ、やっぱりかっこいいと思われたいな、とか。こう……ドキドキされっぱなしだからやりかえしたいなとかはちょっと、思いますけど。」
ほんとは、ちょっとじゃなく思うけど。色々と心の中がバレバレな自分で、かつ深雪さんが相手では、カッコつけてもすぐバレると確信していた。
かっこいい、ができれば別かもしれないが、かっこつけ、はダメなのだ、たぶん。そして、かっこいい がわからない。
「ぅ……はい。すごく、綺麗でしたよ。一人で見てたのが少し、もったいないくらいで。
……まあ、カラオケボックスとかも、遠いから。ふたりきりは無理そうですね。」
そう、無理、今日は無理、だから諦めるのだ。自分にそう言い聞かせていたのに、更に近づく深雪さんの顔。
人形にも見える整った顔立ちはしかし、時には可愛らしく微笑むこともあるのを知っている。
すぅっと吸い寄せられるように顔が近づきかけ……はっとなって、直前で止まった。
「あ、えっと、そこの道を、しばらくまっすぐ行って、すこしみぎ、ですっ。あ、案内しますからっ。」
だいたいこのへんです、とかろうじて指だけを動かして、スマホにGPSマップを表示、現在位置とお店の場所を指で示した。
■深雪 > お店の場所を示されれば、静かにその顔を上げて・・・実際の地形と照らし合わせ・・・納得する。
「あら、思ったより近いわね・・・・・・大丈夫、案内は無くても行けそうよ。」
それは案内を拒絶するというよりは、どこか、相手を試すような言葉と表情だった。
それもこれも、貴方が“やりかえしたい”などと言うからいけないのである。
「・・・あらあら、貴方もちゃんと男の人なのね。」
そう言いつつも、一瞬の寂しげな表情を見逃さないのがこの少女だ。
そうやってもがいている姿を見るのは、とても楽しい事だった。
「・・・・・・で、貴方は何をしてくれるのかしら?」
やりかえしたい、と言った責任はちゃんと取ってもらおう。
とばかり、黄金色の瞳が、じっと貴方を見つめている。
■相模原孝也 > 「う。」
確かに、近い場所を選んだから、場所がわかれば案内なしでもたどり着けるだろう。
だがしかし、ソレをすぐには、そうですか、と言えなかったのは、直前の言動のせいだ。
じゃあ、どうするのか?その答えは簡単である。
「オレが、案内します。
それで、似合う水着を、オレが選んで紹介もします…!」
顔を真っ赤にして、黄金色の瞳を覗き込み、強気に言い切る。がんばる、言い切る!
そうして、すぐそばにいる深雪さんの、自分の頬に触れていた手をとって、軽く引いて歩き出そうとするのだ。
いつも突然な接触でどぎまぎされていたことへのやり返しである、これはもう、手を強引にとって歩くくらいはやらないといけない。割と勢い重視であるが、振り払われれば常人の力しかない少年の手は容易に振り払えることだろう。
…水着選択まで認めてもらえるかは、勢いだけで言い切ったせいで、断られればおもいっきりへこたれるだろう。有り体にいえば、前のめりな勢いしか ないのだ。
■深雪 > 少年の反応は殆ど予想通り。容易く挑発に乗って来た。
これだから、男の人は扱いやすい・・・単純で、時に愚かで・・・可愛らしい。
「・・・・・・あら。」
軽くその手を引かれれば・・・くすっと笑って、導かれるまま歩き出す。
けれど驚いたのは確かだった、一瞬だけ表情にも表れただろう。
でもそれ以上に、少年が“やりかえす”ために努力する姿が、愛おしい。
「随分と強気ね・・・ふふふ、それじゃ、お願いしようかしら。」
その手を、優しく握り返した。か細く、強く握ったら折れてしまいそうな白い指。
どうやら少女は全てを、貴方に委ねるようだ・・・きっとそれも、貴方を試しているのだろう。
■相模原孝也 > 自分のごつい、そして異能で奇妙に変わった指とは違う、細く柔らかな指を、離れないように包み込むように握りながら、商店街を歩く。
背丈は自分のほうが少し上だし、女の子は歩幅とかも気にすると思うので、今日は合わせるつもりで歩幅は小さめに。
「強気ですよ。ええ。それはもう。
でも、深雪さんの好みを蔑ろにしたいわけではないので…。水着選びで、コレだけはダメ、ってのはありますか?」
強気に、背筋を伸ばして。少しだけ背丈が上なのを活かし?て、深雪さんを見下ろしながら問いかける。弱気になって猫背になれば、また気圧されるばかり……それは良くないのだ。
しかし、やはり人の多い商店街の通り。短い距離でも、人混みの中だ。少しばかり歩きにくかったり、人の圧力が増してきたりもする中。深雪さんが人に押されたりしないように、時々腕を引いて抱くようにかばったりしながら歩いていくこと、10分少々。
「あのお店です。…まだセールやってるかな?」
道を一つ右に曲がって少々の場所にある、本土から出店しているアンテナショップ。夏場向けのトロピカルな飾り付けに変わっているそこへと、手を引いて案内していくのだ。店内に入れば、冷房も聞いているだろう。
■深雪 > 少女は貴方の指が変異していても、一切気にしている様子は無い。
少女の指を包み込めば、少女も同じように、優しく握り返してくるだろう。
強気なのは良い、けれど、
「強気なのも、優しさも合格・・・でも、これだけは駄目・・・って言われても、私、水着着たこと無いのよ?」
上目遣いながらも、すこしだけ意地悪な笑みを含めつつ少女はそうとだけ言った。
そんな小さな反撃をしながらも、貴方にエスコートされる少女は従順そのものだった。
貴方を信じて、貴方に全てを委ねて・・・
・・・・・・なんだかんだと、店までたどり着けば、やっと真夏の暑さから解放される。
「はぁ・・・暑かった。お店の中は涼しいわねぇ。」
胸元のボタンを1つ開ける少女の姿。狙ってやっているのかもしれない。
■相模原孝也 > 「む。 なら、オレのセンスで似合うのを選びます。」
そう言えば、水着に縁がないと思っていた深雪さんだった。
いつもなら少し考えただろうけど、前のめりに強気な今日は、自分主導でと言い切ってしまう。
……選択肢を委ねられたことに、ドキドキするけど、責任も重大だ。歩く間にも、深雪さんが不思議とこちらに委ねるようにいる様子も見せるからこそ、より強く責任を感じるけれど……今日ばかりは、怖気づかずに。
「ですね。結構汗出ちゃいました、しっ。」
日射病の類を心配して、深雪さんの顔を見下ろし……視線が胸元を見てしまったのは、不可抗力だと少年は心の中で主張した。……朧ながら思い出す、膝枕の時の感触に、顔の赤みがました気がする。
「っ、ここなら、試着して試せますし。まずは水着見ながら、試着室の方へ行きましょう。」
だが、ここでひるんではいられまい! 手をつないだまま、涼しい店内を歩き出す。
夏のおかげか、水着のコーナーは広くとられており、華やかでトロピカルな柄のパレオ付きの水着から、シンプルながらもセクシーなビキニなんかも置かれているようだ。
どれがいいかと、横目で水着を眺めてある程度の選定をしながら、試着室の方へと向かっていき……試着室の前までくれば、名残惜しさを見せてはいけない…!と、自分から、そっと手を離した。