2015/08/14 のログ
ご案内:「商店街」に道鉄さんが現れました。
道鉄 > 商店街の古本屋……
肘から先。手がないので読めないが、タイトルを見ながらくぁぁっとあくび

「えーっと、教科書。教科書」

明日からは学校だ。履修も済ませた。
高校課程を終えるのにもう十二分だが
学生生活、最後の半年だ。

「――無価値で、無駄な罅もそれまた美しくってか」

げははっと笑いながら、教科を頭のなかで思い浮かべながらぶらぶら

ご案内:「商店街」に否支中 活路さんが現れました。
道鉄 >  
食事は今日はなし
依頼もない。誰かを殺すのは今日は残念ながら、当分無しになりそう――?

……じっと見つめる人影……
殺気は感じない。ってことは、恨みつらみでもない。

殺気を当てられることは、そう多くはない。
なにせ、人殺しだ。殺し屋という武器故に、恨まれても
ただ、貫くだけだし食べるだけだから問題もない
顔を隠してやってるわけでもない。
本来なら隠すべきなのだろうが――……

それでは食べる口実も、機会も減る。

ということは――、依頼か?

ない話じゃない。さて――

まぁ、声をかけてこないならそれはそれでいい。

否支中 活路 > 商店街の古本屋。そう通路の広いものではない。

「すまんけど、姉ちゃん。そっちの奥の本やけ、ど――――」

それで横合いからかかった声が、途中で切れた。
当然だ。塞ぐ人影に声をかけても、とってくれと続けるには相手にそのためのものがない。
包帯の奥で淡く緑に輝く眼がやや気まずそうに細くなった。

「あー……いや」

制服の(今の時期にもかかわらず)長袖に包まれた腕がやや所在なさ気に空中を揺れる。

道鉄 >  
不審者にあった。
包帯ぐるぐる。なんか怪しい。
でも気遣われている――

「げは、げははははあはああああああ!!!!」

大爆笑。書店の中。人も少なくない。
何事かと店長はびっくりだ。
だが、関係ない――

「姉ちゃんじゃねええ! ナンパか、男ナンパして、てか顔! よっぽどソッチのほうが心配だっての!」

なにが面白いのか笑いながら。

「いいよいいよ、げはは。おーい店員さーん。あの本とってー。そうそう」

そして店員が本を取れば、店員さんが差し出して。

「ほい、これでいかがですかー、色男」

否支中 活路 > 突然大爆笑されて気まずそうだった瞳が困惑、あるいは呆れに変わる。
心当たりはまぁ顔の有り様だが、それほどのものか?と外れた考えを浮かべながら

「すまんな、よう見てへんかったんや。
 ……や、ナンパするんやったらちゃんと相手ぐらい見とるやろうよ……男?」

相手が笑い続けている以上は腕に関してはそれ以上触れず、
道鉄の言葉に疑問符を浮かべるも、まあ、いいかと。

「どーいたしましてや」

受け取った本は古めかしい装丁で、
その場でばらっと開いて目を落とす。

道鉄 >  
へぇっと、嗤う。
面白い男だなぁと思う。普通なら怒るか
なんかするだろう。なにせ初対面で笑われたのだから。
こいつも少し”ズレ”てるな。自分よりは、ずっと、ましだろうけど。

「んだよー。こう雰囲気でビビっときてばーんって感じもあるだろうが
 一目惚れ的な? げはは、ろまんちっくな場所でもねーけど」

けたけた笑いつつ、そっと下から覗き込むように。

「で、なんの本読んでんの?」

否支中 活路 > なんやこいつ。
爆笑していたと思ったら急にやんで。
向こうの本が気になって相手もよく見ずにとってくれと言った自分が悪いといえば悪いと思っているので、口には出ない。
出ない、が、上げた視線がやや距離のあるものになる。

「……びびっときてバーンってなんやねん。
 ジブン、よーわからん事言いよるな……
 これは、アレや。“ゲーティア”ってやつやな……」

17世紀イタリアの魔術書『レメゲトン』あるいは『ソロモンの小さな鍵』の第一書の名を挙げる。

「別に希少本を探しとるわけやないけどな……もっと最近出た注釈付きのやつが欲しいんやけど」

言いながら本を閉じた。
最近、と言って探しているのは21世紀初頭に出た、その筋では有名な英語版だった。
世界に魔術が溢れた時、ある魔術師が手引として出版したもの――

「ジブンこそ……なんか探しとる本あったら、とろか」

道鉄の前の棚に視線を滑らせる。

道鉄 > そぉっと見て、静かに静かに。
なんか小難しそうな本だなと思いながら。
 
「そか? 感覚的人間ってそんなもんじゃん?
 詩的に言えば、運命感じて。この人だ! あぁ、この人こそマイエンジェルっ! って感じ?」

本のタイトルを言われれば、あーっとぽんっと手を打って。
なるほどっと、頷いた。
そして元の通り戻って、本棚に視線を移す。

「……魔術師って感じ? 近代魔術と古代魔術ってまた違うんだっけ? てかなんでまたそんなもん。そういうのって習得か弱点知るためのあれだろ?
 ――もしかして退魔師とか! きゃーこわい……」

ぶるっと、震えたふり。いちいちオーバーリアクション。
閉じた姿を見れば

「おや、違った? んー、オレは教科書探してるだけだかんな。安くて、落書きいっぱいあるやつ……」

なんて――楽しげに呟いて

否支中 活路 > 道鉄が一席ぶつのに、はー、とか、ほー、とか適当に相槌を打つ。
こいつテンション高いな、と思いながら。

「古いちゅうかオーソドックスなやつではあるやろな……まぁ勉強用やな
 いや元々持ってたんやけど、色々あって失くしてもうたから、同じのが欲しいー、て。
 まさか新刊書店には売っとらんしな……ああ、外れやな。
 にしても、教科書か。使い道は同じっちゅうわけや」

ふんふん、と頷くが落書き指定を聞いてまたうろんな眼を向けた。

「教科書系なー、学園地区で直接使い終わりを売りさばいとる奴とかも、最近はおらへんのか?
 そーいうほうがお徳やけどな」

二年前だが、学園にまともに通っていた時の記憶を引き出して。
古本屋の店員に聞こえるように言う話でもない。ややトーンを落とす。

道鉄 >  
同じようにへー、ほーっと返してきた。
相槌を打ちながら

「へー、なくなったんだ。オレの腕みたいに!
 でも取り返してぇのなぁ。新契約か。げはは
 代償たいへんそー……その顔も持ってた時についた傷とか?
 傷は男の勲章だよな~。ま、勝った負けたくらいのあれにしとくことをおすすめするぜ、色男」

げははっと、笑いながら。本棚に背を当てて。

「そーいう知り合いいねーなー。残念ながら。見かけないし
 色男知らない?」

なんて。逆にそのままの口調で。大きさで

否支中 活路 > 「なんや誤解があるようやけど、別に本はただの本やで。
 魔術書言うて、いろいろ手ほどきとか情報がのっとるだけや。別に呪いの一品とちゃうねんから。
 多少は習うたけど、んな本格的な魔術師やないしな」

なんだか話が勝手に広がっていくので慌てて否定する。
とはいえ道鉄の言葉の後半には

「まぁ……そうやな」

とだけ曖昧に返し、誤魔化すように

「この顔がそんな知り合い多そうに見えるか?」

そう笑ってみせる。

道鉄 >  
「なぁんだ……ビックイベントの一幕を垣間見れた! とおもったら……」

つまんないのとでも言うように口を尖らせて。

「でも、あんた。弱そうに見えないよなー、人間?」

なんて付け足しながら。背に広がる本の山を見るために
上を見る。落ちてきたらこえーとか思いつつ。

「なんか、内蔵くれたら売ってやるとか、変な値段で売ってる知り合いとか多そう」

真顔で言った後。妙な間。
そしてまた特徴的な笑い声で大笑いした

否支中 活路 > 「イベントて」

なくした理由がバイクで事故って燃えたからだと伝えると目の前の女はがっかりするのだろうか。
あるいは、それが公安委員と戦闘してバイクが大破したからだと言えばどう変わるか。
思考をもてあそぶ一瞬に、道鉄の言葉が刺さってくる。

「――――そうやで……ま、そうやないやつ、いくらでもおるやろ、ここには」

言って、首を振りながら

「そんな奴おるわけあらへ……んやろ」

言い切る寸前、知り合ったアンドロイド女生徒のボディを金銭でやりとりした事がフラッシュバックした。
いや、あれはノーカウントだ。肉ではない。

「……はははは」

乾いた声であわせる。

道鉄 >  
「……え、もっと快活に突っ込めよ! マジっぽくなるだろ!!」

げははっと、その様子を見てまた大笑い。
実に面白い。すごく面白いやつだ。惚れそうだ。
いや、男色趣味は全くないが。

「そっか。じゃあ強そうな人間だな。仕事で合わねぇことをねがお」

なんて、くつくつ微笑って。

「――え、てかもしかして”売った”ことがあるとか……
 波乱万丈すぎ無い?」

声を潜めて

否支中 活路 > テンションがやたら高い相手を前にすると逆にテンションがさがることがある。
それを実感していた。

「わぁったわぁった。今度な。今度からな。
 ……なんや元気やなぁ」

最後はちらと聞こえた仕事という単語に対して。
踏み込みはしない、が、よくわからないしやたらテンションが高いが面白くはある相手と変なことにならなければいい。
そういうことは、間違いなく思っている。

鉄火場で見たい相手なんて、いるものじゃない。
今浮かべている相手の壊れた姿もそうだったし、

「……いやっ……
 ちゃうで、あれは、人間ちゃうから……」

と考えていたらかなり表現に問題が出た。

道鉄 >  
「今度っていつだよ。いつやるの!?」

げははっと笑いながら、本土で一昔有名になった振りをしつつ。
静かに――静かに……

「なぁんか、あれだなぁ。変なコト考えてるか?」

なんて、少しテンションが落ち着いた?
いや、こっちが素なのか。

「……え、人間じゃないのに売ったの。ええ、それどゆこと?」

またテレビの真似事をして、ずずいっと整った顔を寄せて
迫ってきた。

否支中 活路 > 「なんでそんな古いギャグしっとんねん!?」

思わず声を上げた。
なんだか無理矢理引き出されたようでやられた感覚がある。
まぁ、不快なわけではなく。

「変なコトて、なんやねん……ナンパも変なコトもせえへんよ」

そう笑ってはぐらかした。
ついでにはぐらかしたかったが、

「えっ、いや、本人も、あれや、ほら、同意の上やったから……」

視線をそらす。

道鉄 >  
「……いや、乗ろうぜここは。いや、そのツッコミもあれだけど
 こう、今のは指立てて、ノリツッコミが好みだったですけど」

じとーっと。どうにもお気に召さなかったようである。
しかし、口端は釣り上がっていて。
ぶふっと吹き出し――

「やっぱ色男じゃないの。えー、へー……同意の上ね……
 ふーん?」

怪しんだ顔、ずずいっと詰め寄られて。

「オプションはどこまでやったんだ? ん?」

否支中 活路 > 「あんなー関西人イコールみんな漫才やるみたいなそういう考えよーあらへんと思うんやわ」

非難するような視線に、やや身を引く。押される。

                  どんどん詰め寄られる。

                                 押される。

「カット。さっきのカットで。
 間違いやから。なんでもあらへんから。
 オプション?オプションは4つまでやろ」

20世紀のSTGの話ではない。

道鉄 >  
「えー、でもー……ノリは大切だと思いますけど―?
 って、やっぱ関西人なのかよ」

くつくつと面白そうに――
壁ドン仕様としたが、おっとしまった
腕がない、かっこつかない
そこにまた笑みが深まる

「いや、古すぎっしょ。そっちこそ、なんで知っとんねん?
 えー、カットしたくなんすけどー……」

なんて、愉しげに、愉しげに

「別のネタ、くれたら考えなくもない」

否支中 活路 > 狭い店内で押されて、本棚に背があたる。

「まぁ出はな。しゃべりでわかるやろ」

腕がないことを忘れたかのような動きには、正直反応に困る。
笑い返すわけにもいかず、言葉を切って。

「……別て、なあ。
 っちゅうか、教科書探しに来たんちゃうんかいジブン。
 すぐっちゅうわけやあらへんけど、明日からどんどん始まっていくんやろ授業」

道鉄 >  
「いやほら、友人のがうつったーとかあんじゃん。その辺は――本人に聞かねーとわかんねぇだろ」

にっと、微笑って。
コレで一つ、また目の前の男の情報を手に入れたわけで。
そっと身体を離した。

「まぁ、そだな―。卒業に必要な単位はだいたいとったから
 流す程度だけどな。ま、あんまいじるのもあれだし今日はこれくらいにしておいてやらぁ」

けたけた。よく笑う。
真面目な顔なんて、めったに見ない。
なんというか、豪快というか――

否支中 活路 > 引っ張られたか、口の端を歪めて笑いに答える。

「ほう、えらいもんや。
 ま、好みの古本が見つかるとええな。
 オレも他んとこ探しにいくわ。
 ……はいはい、ありがとよ」

相手が離れて、ちょうどいいとばかりに。
道鉄と位置を入れ替えて本を戻すと、本棚の間を抜けていく。

「じゃあな、ま、おもろかったわ」

軽く手を挙げた。

道鉄 >  
「――おう、またな。道鉄(タオイェン)……お前は?」

背中にそう言葉を投げながら……
静かに見送り――

……ホント、仕事で合わなきゃいいけどな。不味そうだし

なんて思いつつ。

否支中 活路 > 「ヒシナカや」

その言葉とともに、本の向こうへ消えた。

ご案内:「商店街」から否支中 活路さんが去りました。
ご案内:「商店街」から道鉄さんが去りました。