2015/08/17 のログ
ご案内:「商店街」に四十万 静歌さんが現れました。
四十万 静歌 > ――ゆっくりと歩きながら、
店を覗き込んでは次の店へを繰り返している。

なんというか、
安くてマジックの種になりそうなものを探しているわけだが……

「そう簡単に見つかりませんよね……」

なんて、トホホな現状が今ここにあった。
うん。
寧ろ衝動買いしてないだけ褒められてもいいんじゃないかな。
そんな事すら思う。

四十万 静歌 > 「――」

お財布をみる。

ああ、侘しい。

まぁ、うん、なんていうか、
色々あの事件で失ったものを買いなおす費用で、
ほぼ、飛ぶ。

いや、うん。親からちゃんとお金はもらったんだけどね。
でも、足りないものは――
足りない、足りないのだ……

ご案内:「商店街」にリビドーさんが現れました。
リビドー > 「ふむ。」

 侘しそうな静歌を見付ければ、後ろから歩み寄る。
 片手に外資系ホテル"リッツヒルト"のホテルスイーツの入った箱を提げつつ、声を掛けただろうか。

「浮かない顔をしているね」

四十万 静歌 > 「ひゃ!」

後ろから声をかけられて、思わずびくんと、
跳ねるように距離をとって振り向く。

「り、リビドー先生……?
 あ、こ、こんばんは。
 いえ、その……」

何か恥ずかしい所を見られた気がして、
しどろもどろになりながら、

「そ、そんなに浮かない顔してましたかね?」

そんな事ないですよと、
ばればれの誤魔化しをぶちかました。

リビドー > 「ああ、こんばんわ。
 ……ふむ、そうだな。雑草でも食いかねない位には浮かない顔をしていたよ。」

 一つ溜息を付きつつ、箱を手渡す。
 ホテル産のスイーツだ。

「そんなキミには此れをくれてやるよ。まあ、元々キミに寄越す為に探していたんだけどさ。
 ボクとしても、退院祝いの一つでもくれてやらないのは気が引けるからな。」

四十万 静歌 > 「うう。」

何か見透かされたような気がして。

「ハイ、お金がないって思ってました。」

素直に白状して、近づくだろう。

「えっと……いいんですか?」

そして、首を傾げてじっと見つめながら、
迷ったように手を伸ばす。

「お祝いしていただくのは嬉しいですけど」

申し訳ないけど、ちょっといいのかななんて想いますね。
なんて笑いかけるだろう。

リビドー >  
「……そうかい。難儀なものだね。」

 短く言葉を切る。
 それ以上、一旦付け足す事は無く。

「……ああ、構わんよ。キミに寄越すつもりだったと言っただろうに。
 で、今は暇かい。少し話をしておこうと、或いは聞いておこうと思ってね。
 何、ちょっとした補遺みたいなものだ。」

四十万 静歌 > 「実に難儀です。
 では遠慮なく。」

スイーツを受け取って。

「――私でよければ、いくらでも構いませんよ。」

暇してるにも程がある。

日常なんて――存外そんなものである。

惰性を生きている私なんて特にそうだ。

「それでは、ええと。
 どこか適当な店に入ります?
 それとも、ここで?」

いつでもどこでも大丈夫ですよ、というように、
少し首を傾げて問いかけるだろう。

リビドー > 「……ふむ。」

 視線を静歌に遣る。
 はっきりと何かを見据える視線だ。
 見透かす様なとも取れなくないし、じろじろ見られているとも取れなくない。

「そうかい。ああ良かった。暇をつぶせそうだ。
 ……そうだな、何処かに入るか。希望の店はあるかい。
 高い所を選ばなければ、大半は出すとも。」

四十万 静歌 > 「?どうかされましたか?」

視線には気づけるだろうが、
何故見られてるのかはわらかなくて、
首をかしげながら。

「希望の店なら、
 そこのアイスクリームのお店なんてどうでしょう?」

そういって指差す。

「この夏にはぴったりですし、
 そう高くはないお店ですし、
 丁度いいとおもいますけど。」

なんて微笑みかけるだろう。

リビドー > 「いや、何でも無いよ。
 そうかい。それならば、そうしよう。」

 ふむ、と一つ零せばアイスクリーム屋さんへ。
 夏には丁度好い。一旦着席し、メニューを眺める。

「ふむ。真夏のサンタクロース作戦か。
 二段重ねを三段重ねにサービスしてくれるらしい。これにするかい?」

四十万 静歌 > 「?そうですか、それでは行きましょう。」

なんてアイスクリーム屋へとついていき、
同じくメニューを眺めながら

「そうですね。
 ――折角ですから、三段重ねにしてしまいます。」

もちろん、と目をキラキラと輝かせながらいうだろう。
実は目をつけていた組み合わせがあるんですよね。

と、ぐっと握りこぶしをつくり――

「ダイキュリー、レモン、ストロベリーで、
 信号機です。」

なーんて、と笑う。
なんて。いや、うん。
普通に三つとも好きな味だし。

リビドー > 「青黄赤。成る程、座布団を一枚進呈しよう。」

 当然、何もしない。
 くつくつと笑って、メニューを閉じた。

「ブラッドオレンジ、パインアップル、ソーダ。
 ボクはこの組み合わせにするとしようか。」

 店員を呼んで注文を通す。
 程なくすれば、来るだろうか。

四十万 静歌 > 「ムムム、その組み合わせがありましたか!」

やりますね!
なんて、笑って、
やってきたアイスクリームを受け取って、
いただきますと、ゆったりと一口たべて、
あまーいと顔をほころばせてから、

「それで、補遺……
 というと何を話したいのでしょうか?」

と、じっと上目遣いに目を覗き込もうとしながら、聞くだろう。

リビドー > 「ははっ。弟には内緒だよ。……さて、そうだな。
 大した事ではないのだがね、さて、何処から話したものか。」

 ふむ、と、カップのアイスを置いて一つ唸る。
(補遺、と言った以上は先に此方をはっきりさせておく、あ)

「そうだな。そう云われるなら、先に前提をはっきりさせておくとしよう。
 エルピスをあの様な姿に変貌させたのは―――ボクだぜ。」

 見上げられている視線を見下ろし返し、断言した。
 態とらしい程に、気配を強めつつ。

四十万 静歌 > 内緒にしないといけないほどの事なのかな?
なんて困惑しながら、
前提をはっきりしようという言葉で、
こちらも少し手をとめて、
じっと真剣な眼差しを向け、

「――そうでしたか。
 それで、私はお礼をいわないといけないのでしょうか。
 憤らないといけないのでしょうか?」

と、首を傾げて聞くだろう。
聞いた話は、結果に過ぎない。
ならば、そこには過程が存在する。

判断するならば、其処を聞いてからだろう。

リビドー >  別段、内緒にする程ではない。
 "ちょっとした前置き"、のようなものだ。意味があるかどうかは、別にして。

「お礼を云われるのは苦手でね。取り敢えず、"彼"の事を知っている理由だと思ってくれれば良い。
 ……そうだな。過程を話しても良いが、同じ言葉を返されそうな気がするよ。
 だからまぁ、少し付け加えるとしよう。」

 不遜にも見える様に、笑ってみせて。

「キミから話を聞きたいが為の補遺でしかないが、一応話しておこう。
 ……キミの家、キミには絡んでいないだろうが、本家の方に変な与太話があるだろ。
 その与太話を基に彼は事故に遭ってね。生き延びさせる為に彼はボクらと契約して、ああなった。
 過程だけで言えば、そうなる。ご両親も無理矢理納得済みだ。……まぁ、良い様に弄り回させて貰っているよ。」

四十万 静歌 > ――静かに目を閉じて聞いて――

「そうですか。」

と一つ頷き、目を開いて真っ直ぐリビドーの目をみて言うだろう。

「――ありがとうございます。」

と。

「利害の一致、それであなたに得があるから、
 好き勝手にやっている、といいたいのでしょうけど、
 それでも――
 命を救っていただいた事にはかわりありません。
 だから――
 いくら苦手でも、一言くらいは言わせて下さい。」

なんて、ウィンクをしながら人さし指をたてて笑う。

「――与太話に関しては、
 ご存知の通りですよ、としかいいようがないのですけどね。」

正直な話、そっちについては私よりも、
目の前にいる彼のほうが詳しいのは間違いないだろうから。

リビドー >  
「全く、底抜けに甘ったるい奴らだ。
 させなかったと言え、賽の目が変転して居れば普通の病院に運ばれてだろうに。
 他にも有るが、キミを憤らせる事は今回の目的ではないから黙っておくよ。
 ……言っても無駄な気すらするからな。」

 舌を打つ。
 目の前の彼女はそう云う少女だ。だからこそシインもかのようなな結末を迎えた訳だ。

「ま、そちらは省こう。
 彼をその様な事情で知っている。竜退治に臨む彼に装備を与えたのもボクだ。
 ――結局、"竜はキミの祈りの前にひれ伏した"が。見事なものだよ。」

 "まるで聖女だ。"そう付け足して、悪童の様に笑ってみせた。

四十万 静歌 > 「――どうでしょうね。
 確かに普通の病院に運ばれていたかもしれませんけど。」

それでは助かった保障もないのでしょう、
と微笑むだろう。

「ええ。まぁ、無事すんでよかったですけど、
 紙一重というか、運がよかっただけですね。
 ぶっちゃけ言正君がいなかったら、
 終わった後、そのまま動けなくなってました。」

お恥ずかしいと頭をかいて、

「でも、私からいわせると……
 竜は己の力をもって、本当の願いを掴み取った、
 が正しい気がしますけどね。」

と微笑む。
聖女のようだとつけたした言葉に、
とんでもない、と首を振るだろう。
偽善者っていうんですよ、とでもいうかのように。

リビドー > 「ボクにはそうは思えないがね。
 リビドーは向ける先が居なければ満たされないからな。」

 首を振れば大げさに肩を竦めて笑う。
 気に掛かる事ではあるが、本題ではあるまい。

「取り敢えず、あの一件の顛末を話してくれないかい。
 それを聞きたくてキミを探した。スイーツは手土産だ。
 ……ああ、キミから見た、で構わないよ。」

四十万 静歌 > 「そうですね。
 そういう意味では――
 いえ、顛末から話した方が早いですね。」

と、ふわりと笑いかけ、
アイスクリームを食べながら、
ゆっくりと、
事の顛末を語るだろう。
たまに身振り手振りを交えながら、
最初から最後まで。
少なくとも自分が見て聞いたものをありのままに。

「――だから、向ける先はきっと――
 私ではなくて、私の向こうにいる人で――
 ――私もいますが、満たすものは、
 向こうにいる人だけでも、
 私だけでもない。
 それを知ったから――
 きっと、もう大丈夫だと思います。」

静かにそうかぶりを振るだろう。

リビドー > 「ふむ。」

 大まかな事の顛末を聞く。
 視線を静かに静歌へ向けながら、確かに聞き届けた。


「そうだな。其処で断れるのがキミらしい。
 ……何か言おうと思ったが、余計な確認はしないでおくよ。」

 聞くべき事は十分に聞いた。
 彼女の視点からの彼は十分に語られた。補足するような事もないだろう。

「特徴の薄い顔、と云うのは、願望を反映させ易い、か。
 ……ある意味、最も美人な顔なのかもしれないな。」

四十万 静歌 > 「そうですか。」

と確認はしないとの言葉に、
少し目を閉じて微笑んで、

「平凡な普通の顔ですよ。」

と、真っ直ぐ目を見て答えるだろう。

「特徴がないという事は目立った長所もないに等しい。
 いうなれば、幻です。
 だからこそ、私はいうでしょうね。」

人さし指を口元にあててクスリと笑う。

「“私を見て”」

リビドー > 「私を見て、か――」

 睨む様に、目を細める。以前にも見せたような、見咎める視線だ。
 そして、射抜く様に見据え、口を開く。
 
「――見て、いいのかい?」

 ……四十万 静歌を、確かに見定める。
 能力を使うなり、顔を逸らすなりすれば、当然、視線は逸れるだろう。

 だからこそ、問い、詰める。

四十万 静歌 > 「見ようと思えば……」

にっこり笑って。

「いつだって見えるはずですよ。」

能力も、逸らしもせずに。
もちろん、直ぐに分かるだろう。
その顔が。

見ようと思えば直ぐに見えるのだ。

隠しているようでかくしていない。

大切なのは彼女を彼女として捉えるか。

そう、それはさながら――
物語の端役の顔を認識できるかの問いに近い。

リビドー > 「それが嘘で無ければ、キミは大分意地悪だぜ。ボクよりも意地悪かもしれない。
 探しものが好きな人程、ハマるかもしれないな。
 ……最近、この前言っていた"欠けているピース"について考えて、少しだけ分かった気がするよ。」

 断言し、そう述べる。
 ……彼女として彼女を捉えるなら、特徴のない顔が真っ先に入る。
 意識的にか無意識的にか、"そう言う風に出来ている。"

 ここ迄追い詰めて、ようやっと、見る事が出来る。
 彼女を一度も端役と思ったことのない自身だからこそ、違和感を拭いきれなかったと言えば、そうなのかもしれない?

「――さっきまで感じていた特徴のない顔に見える感覚、"異能"だな?」

四十万 静歌 > 「女の子は意地悪な所もあるものですよ。」

なんて笑って、
静かに答えるだろう。

「素顔もまた特徴がないが故にですよ。
 いったじゃないですか。
 ある意味、最も美人な顔なのかもしれないな。
 と。
 それでもなお、答えを求めるなら――」

静かに目を閉じて――

「――私に日常をいただけますか?」

リビドー >  
「全く。昔の知り合いを思い出すよ。
 おっと、昔の女の話はキミを見れなくなってしまうな。」

 笑みを向けられれば、苦笑を返す。
 その上で、態とらしく言ってのけるだろう。

「どうだかな。
 だが、一度彩ってしまえば比べられてしまうものだよ。
 前より、は――と。そして、日常を頂きたい、と来たか。」

 少しの間、考えてみせて。

「答える前に、詳細を聞こう。
 ――それとも、ボクと哲学で遊ぶつもりかな?」

四十万 静歌 > 「遊ぶのは楽しいでしょうけど、
 遊べるだけの知識も知恵もありませんよ。」

なんて笑って――

「ただ、その事を――そう。
 私がしゃべる事を伝えないで欲しいだけですよ。
 異能があるかないか、ではなく。」

静かに目を真っ直ぐ見て

「私は、私の価値を知っているからです。」

リビドー > 「知識や知恵だけで遊ぶものではあるまい。
 ……ふむ、他言する気はあまりないがね。
 口は軽い方だが、恐らくその答えを知りたがる奴はボクに聞かないだろうし、
 ボクもそれを教えた所で楽しくないだろうからな。」

 腕を組み、足を組み、静歌を見据える。

「自分の価値を知っている、か。
 大した価値がないとだけは云わないでおくれよ? ボクまでブタ箱に入る事になる。」

四十万 静歌 > 「いえ、価値があるとは想いますよ。
 一部の人達には。」

――そっと、耳元で告げる。
何の違和感もなく、ただ、ちょっとした内緒話のように。
静かに。リビドーだけに。

「違和感を作り出し、打消し、増幅させる異能と、
 隠蔽系に属する魔術を使える。」

ただ、それだけです。
と、じっと目をみてウィンクして微笑むだろう。

他愛のない、話だ。

「――そうですね。
 日常を送るには不利で、
 手品をするには有利すぎますね。」

と笑うだろう。

リビドー >  
「その一部の人は、キミを見やしまい。」

 ――耳元で告げられた言葉には、特に表情を変える素振りを見せない。
 答えを確認出来れば十分だ、と。

「……まあ、そうだな。そうだろう。
 でも、"それだけ"なら、使わなければ良い話じゃないかな?」

 笑ってみせているであろう静歌に、何気ない風を装って問いかける。
 ――それが途方もなく難しく、また、解決に至らない事を、承知の上で。

四十万 静歌 > 「そうですね。」

静かに笑う。
使わなければ、
それで埋没していればそれで済む。
だが、それでも――それでも、なのだ。

「それでは、
 私の欠けたピースは永遠に埋まる事はないですし、」

それに、と静かに笑って、

「――欠けたピースが埋まらぬままであっても、
 ここで静かに卒業すれば、
 なんとかなると思いますから。」

と笑うだろう。
まぁ、一番は、
ここが楽しそうだったからなんですけどね、といいながら。

「――そして、
 使わなければ誤魔化すのは難しい環境なのもここでしょうね。」

リビドー > 「……ふむ。」

 能力との付き合い方。
 折り合いの付け方。
 それを持ってしまった事で、"普通"からは外れる定めとの付き合い方。

 欠けているのものは分からないが、必要なものはこの辺りだろう。

 一通り言葉を受けた上で、考えこむ素振りを見せる。

「昔話をするか、どうか、悩むな。
 教訓にはなれど、キミの話ではないからな。キミから視線が、外れてしまう。」

 ……考え込んだ素振りを見せた後 ぽつりと零した。

四十万 静歌 > 「是非、聞かせてください。」

と、ふんわり笑うだろう。

「一度私を見てくださったのですから、
 私を見落として――
 見逃す事もまた、ないでしょう。
 私が余計な事でもしなければ。」

それは、一人の人間としての認識をしたに他ならぬが故に。
そうして、静聴の体勢に入る。