2016/09/23 のログ
影打 鈍 >  
――怪我をしないようにするっつー選択は無いんか。

(彼のめんどくさそうな顔にめんどくさそうな顔をする。
 その顔は「アホなのかなこいつ」と書かれていた。)

必要ないモンを何で持ち歩いてるんだ。
まぁ助かったから良いんだが。

(彼の思考がわからない。
 必要ないなら持ち歩く必要はないし、こうやって困っているものに出くわす時の為だけに荷物を増やすなんて意味がわからない。)

処女じゃねーつってんだろにダァホ。
――まぁ、おかげさんでな。
一応礼は言っとく。

(ジト目でツッコミ。
 その目を閉じてため息を一つ入れ、感謝の言葉。
 言葉はどうあれ、彼に背中を押してもらえたのは事実だ。)

寄月 秋輝 >  
「怪我をしないのが最善ですけれどね。
 怪我をしてでも、僕がやらなきゃいけないシーンはありそうなので」

先日の学校の件もそうだ。
周囲に任せた結果、数名のけが人が出たそうだ。
ある程度の能力がある以上、行使する必要がある。

「今しがた必要になったじゃないですか。
 今日は鈍さんを助けられたんだから、持ってきた意味がありましたよ」

自分はそれでいいと思っている。
必要になったのなら価値があることになるし、不必要のまま終わったのならそれでもいい。
持っていて損にはならないのだ。

少なくとも秋輝にとっては。

「……よかったですね」

感謝の言葉には、微笑んでそう返した。
短い一言だが、これが本心なのだ。

影打 鈍 >  
――はぁ。
どいつもこいつも、自分の身体に無頓着なやつらばかりだ。

(自身の主の右手の事と言い、どうしてここの男どもは自分から厄介毎を呼び込むような真似をしたがるのか。
 やってられないと言った様にため息を吐いて愚痴をこぼす。)

残念だったな。
しばらく待って雨が止まなんだら東華を呼ぼうと思っとったところだ。
邪魔をしおってからに。

(ケッと不満そうな表情を作って悪態を吐く。
 もちろん本心ではなく、それぐらいラブラブだと言いたいだけだ。)

ま、丸く収まって大団円っちゅう訳ではないがな。
東華も大概にぶちんだからな、むしろ大変なのはここからだよ。

(まだお友達からはじめましょうのレベルだ。
 やることやってんのに何をのんきな事をと思うが、それが彼なのだから仕方ない。
 そう言う男を好きになった自身が悪いのだ。)

寄月 秋輝 >  
「僕はしっかり気にしていますよ。
 でも僕が手を抜いたり、動かなかった瞬間に被害が広がったりすることのないようにしたいだけです」

それもまた、最近気付かされたことだ。
自分の求める平和は、自分で紡ぐ必要があるのだと。

「本当にそう思っていたら、彼はもうここに居ると思いますけれどね」

くすっと笑いながら答えた。
悪態もまるで届いていない、どころか見透かしている。

「……多分それ、彼が鈍い以前だと思うのですが……
 いや、まぁ……僕が言っても詮無い事ですね」

どれだけアプローチをかけようと、相手の鈍さには勝てないものだ。
その感覚も一応理解している。
何にせよ、彼女の今後を祈るしかない。

影打 鈍 >  
出来ればその被害に自分自身も入れておいて欲しいものだがな。

(その心構えは立派だと思うが、往々にそういう連中はその意識が欠けているように思う。
 目の前の彼と言うよりは、ここにいない少年へ向けたような言葉。)

そんな事で東華の手を煩わせられんよ。
ただでさえ変な呪いを受け取ると言うに。

(そもそも彼は多分バイトだ。
 彼を呼んでも来るまでしばらく時間がかかるだろう。)

全くやってられんよ。
こないだも料理で胃袋掴もうとしたら、逆にこっちが掴まれかねん事実がわかったし。
あーあ、もっと手軽な男を好きになっとれば良かった。

(座ったまま上体をぐでんと前に倒し、ぼやく。
 とは言うが、好きになってしまったものは仕方が無い。)

寄月 秋輝 >  
「そういうのは大切な人にだけ言っておけばいいと思いますよ」

それを知ってか知らずか、そんな言い方をする。
自分の命の価値は軽いと『知って』いる。

「また厄介なことを……
 いや、どうせ例の学校の件でしょう。
 それも僕が力及ばずだった責任ですから」

申し訳ない、と小さく頭を下げた。
実際のところ秋輝の責任とは言い難いのだが。

「散々ですね。
 では料理以外から攻めていけばいいじゃないですか。
 もうしばらくすれば寒くなりますし、手編みのマフラーでも編んであげれば、
 胃袋より先にハートをつかめるんじゃないでしょうか?」

得手不得手はともかく、料理等はモロに経験期間が絡むものだ。
別のところから進めたほうが楽そうである。

影打 鈍 >  
何を言うか。
汝も私の大切な友人だよ。
ま、東華には及ばんがな。

(さも当然であるかのように言う。
 命を得たからこそ、命の大切さと言うものを実感するようになった。)

汝のせいではないよ。
東華が向こう見ずなのが悪い。

(彼のせいであるわけが無い。
 アレの原因がなんであれ、それに手を出したのは彼だ。
 不用意に手を出した結果呪いを受けたのであって、それは彼の責任である。
 ひらひらと手を振りながら答えて。)

マフラーなぁ。
東華が物で釣れるような奴とは思えんし、そもそも編み物なんぞした事がないぞ。

(それを言ったら食べ物で釣れるとも思えないのだけれど、とにかく編み物の経験は無い。
 まだ寒くなるまで時間はあるとは思うが、それまでに完成するかどうか。)

寄月 秋輝 >  
「……まぁ、今度彼を呼び出しましょう。
 解呪くらいなら、浄化術の応用でなんとかできます」

自分の能力不足を痛感したため、最近は浄化術、巫術の練習も始めたのだ。
練習台……というと言葉が悪いが、それで彼を助けられるならやってみたい。

「だから編み物の本でも読みながら、練習しながら作ればいいんですよ。
 物で釣るのではなくて、料理で勝てないなら別の面で有利を取ればいいということです。
 東華さんの出来ないことを鈍さんが出来れば、夫婦としてバランスがいいでしょう」

それだけのことだ、と軽く言い放つ。
袖の中をごそごそして、中から飴玉を取り出した。
どうぞ、と差し出す。

影打 鈍 >  
頼む。
東華の事だ、ほっとけばいつまでもあのままでいるだろうからな。

(頭を下げて頼んでおく。
 少なくとも今よりひどい事にはなるまい。)

編み物なぁ。
まぁ、考えておくか。
――つーか夫婦じゃないからな。

(夫婦と言われてなんだかこそばゆい顔をして飴玉を貰う。
 包みを解いて口に放り込んだ。
 甘い。)

寄月 秋輝 >  
「その時は引きずってでも連れて来てくださいね。
 ……というか放っておかせないでください。
 今度僕の家に連れて来ても構いませんから」

端末を取り出し、指先と端末を光の糸で繋ぐ。
高速でデータを打ち込み、鈍の端末へと住所のデータを送信した。
秋輝は傷に頓着しないが、傷を放置することはしない。
少なくとも、治癒させなければ次の機会に動けないことを理解している。

その点、羽切東華という青年はやはりズレている。

「そのうち夫婦になるんでしょう。
 まさか彼を愛してやることやっておきながら、
 彼が別の女性と結婚することを良しとするつもりではないでしょうね」

さすがに、みたいな顔で尋ねた。

影打 鈍 >  
当然だ。
ああ言うものは今なんとも無いからと放っておいて良い類のものではない。
――おお、便利だな。

(彼の端末が光で操作されている。
 指で打つより余程早いそれを見て、感心した様な声を出した。
 送られた住所を確認して、彼に約束を取り付けておこう、と心に決めた。)

まだどうなるかわからんよ。
私はともかく東華はまだそんな事を考える歳でもあるまい。
――んなわけあるかい、東華は私のだ。

(ねーよ、と言う顔で答える。)

寄月 秋輝 >  
「必ず完治させるように」

めんどくさい、と内心キレ気味である。
というのも、自分の力が及ばないせいで被害が拡大していることへの怒りだ。

「考える歳じゃないって……冗談ですよね?」

目をきょろりと向けた。

「彼ももう10代後半でしょう。
 今はまだかもしれませんが、二、三年もすれば結婚も出来る歳のはずです。
 三年、四年になり、卒業し、外の世界に戻る時が来るんですよ。
 言っておきますが、そんな時間なんて流れ星が消えるように早く感じますからね。
 今はまだ、なんて言ってると、後になってから慌てますよ」

至って真面目な顔つきだ。
恋人と過ごす時間は、瞬間そのものは長く感じるが、大きな時間の流れに対しては非常に短く感じる。
それをこの女性はまだ理解していないのだろう。

影打 鈍 >  
わかっておる。

(こちらもやはり半ギレ。
 彼とは違い、そうしないと放置するだろう彼への怒りだ。)

――とは言うがな。
先も言ったが、まだ恋人になったと言うわけではないんだ。
東華が私の事をそう思っているかどうかもわからん。
汝には信じられんかもわからんが、まだそう言う関係だ。
私にも信じられんがな、とにかくまだその段階じゃないんだよ。

(まだお互いを知る段階だ。
 やる事やっておきながら悠長なもんだとは思うが、それが切羽東華と言う男なのだからどうしようもない。
 こちらばかりが焦ったところで、どうしようもない。)

寄月 秋輝 >  
「……略奪されそう……」

ぼそっと呟いた。

「……その段階に持っていくのが課題なんじゃないですか?
 彼があなたをそう想っているかどうかではなくて、鈍という女性を恋人だと認識させるのが問題でしょう?
 彼を手放すつもりがなくて、彼が他の誰かを愛することを認めるつもりが無いなら、
 結婚まで見据えて関係性を築いていかなければいけませんよ、ということです」

互いを知るのはいいが、悠長に構えていてはいけないということなのだが。
何せ人間にとって、20歳までの時間は恐ろしく長く、そして恐ろしく短いのだ。

影打 鈍 >  
おいやめろばか。

(その呟きに思わず突っ込む。)

わかっとるよ。
だから料理をしようと思ったのだし、汝の編み物と言う提案にも頷いたんだ。
気を使ってくれるのは嬉しいが、こちらにもペースと言うものがある。
皆が皆そう言う考えではないんだ。

(彼の言う事もわかる。
 しかしこちらは恋愛初心者だし、相手はドの付く朴念仁である。
 何よりお互い学生なのだ、今はその焦らされても困る。)

寄月 秋輝 >  
「失礼、つい本音が」

不穏である。

「……まぁ、後になってから悔いることのないように……
 というか無用な口出しをしてしまって申し訳ない。
 僕もこんな考え方が生き急いでいると言われるので、ちゃんと直したいんですが」

その自覚はあるらしい。
相手が手をこまねいているようにしか見えない、それ自体に問題がある。
苛立たし気に……それこそ自分に苛立ちながら、頭をがりがりかきむしる。

「……ダメですね、先日の怪我以来どうも気が立ってしまって。
 僕もそろそろ帰ります。
 気を悪くされたら申し訳ありません」

影打 鈍 >  
本当にやめろ。
心臓に悪い。

(割と本気で動揺してしまった。
 胸を抑えて息を吐く。)

それはわかっているよ。
汝が心配してくれていると言うのもな。
礼を言うよ。
安心しろ、ずっとこのままと言う訳ではない。

(ふ、と笑いながら感謝の言葉を。
 それにそう言う事もいつかは考えねばならないのだ。
 今は命があるのだから、そう言う生き方をしていく必要がある。)

あまり根を詰めるなよ。
その内東華を説き伏せて除霊を頼みに行く。
その時は頼む。
ではまたな。

(そう言ってベンチから立ち上がり、傘を広げる。
 彼の二の腕を軽く小突き、その傘で雨を受けながら自宅へと歩いていこう。)

ご案内:「商店街」から影打 鈍さんが去りました。
ご案内:「商店街」から寄月 秋輝さんが去りました。