2015/06/17 のログ
■ロウゲート > 「まあわからんだろうな…」
そもそも人間と定義するのもあやふやな生物だ
そんなのが病院という言葉を知らないのは普通だろう
こういったものが町に居るのも、この世界と異世界の協会がおかしくなっているせいなのだろうか
自分も、いつ戻れるのやら、遠い目をした
「なんだ……」
煩わしそうな顔を向ける、何かあるのか?と
生憎食い物なら無い、こちらがほしいぐらいだ
「傷?ああ、こうか……」
怪訝な顔で近くによると、横向きに座ってみせる
脇腹の辺りに割りと新しい傷が出来ていた
まあ悪いようにはされないだろう、と警戒なく腹を見せたのも
それは、人の姿の時はしない、油断というものなのかもしれないが
それでも、この生き物は、なんとなく大丈夫な気がした
■シィレ > 「……ん。ありが、とう」
改めて黒猫の脇腹を見る。確かに、真新しい傷が出来ていた。
…この程度なら、“少しだけ”でも問題ないだろう。
「……。ちょっと、じっと、して、て……ね」
すると、徐に顔を近づけ。
「……ぁ、んむ……れ、ろ」
ゆっくりと、傷口を舐め上げた。
彼女の体液(体内分泌液)は、内傷に対しては持続性の高い、外傷に対しては非常に即効性のある治癒薬となる。
その最もたるものが彼女の表皮を覆う薄い粘液。そしてもう一つが、“唾液”である。
他にもさまざまな体液が有効であるが、体内にて直接分泌される唾液などは特に大きな効果を表す。
「……ん、うごか、ない、で……」
小さな口で、黒猫の脇腹を舐め続ける……。
■ロウゲート > 「なんだ…傷なんて見ても面白いものはないだろう」
ボロのローブを前足で跳ね上げると、傷を見せる
じっとしていろ、と言われても、他人にスキを見せて
落ち着いていられるような生き方をしてきた訳でもなく、何だかぎこちない
だが
何だろう、ふと暖かいものを感じる
何かが傷跡をもぞもぞと這っている、だけど痛みとかは感じない
むしろその逆で…
「……ヒーリングか?真珠のようなものと言い…お前は特別なんだな」
ふと顔だけ動かして見ると、傷に唾液を塗布している姿
不謹慎だがちょっと淫靡さも感じる、それと、くすぐったさも
「あ、ああ……そうか…」
少し落ち着かないが、されるがままにされていた
■シィレ > 「……ん、ちゅ……は、む…ぅ」
しばらく、無心で、ある種奉仕するように傷口を舐める。
「……っぷ、ぁ」
そしてしばらくした後、ゆっくりと口を離すと、傷口はすっかりふさがっていた。
完治……というわけではないが、少なくとも余計な痛みを感じることはない…だろう。
「ん。これ、で……ここ、は、だいじょうぶ」
改めてもう一度黒猫を少し上目遣いになるように見上げる。
「ほか、に……けが、してるところ。な、い?」
■ロウゲート > 「ふむ……」
うーん…
これは…
うん…
熱心にやってくれてるのは良いんだ、感謝するべきだ、
だけど…
すごく落ち着かないのは何故だろう、俺の心が汚れているからだろうか
なんだか凄く背徳的な光景に見える、きっとこの生き物は親切心を働かせて
純粋な思いでやってくれているのだろう、うむ、何か言うのは道義に悖るというものだ
「いや、大丈夫だ…すまないな…」
上目遣いに見る人魚を見下ろすと
人間である時の癖か、前足の肉球で労う様にポンと肩を叩こうとする
「何故こんな事をしてくれる、俺には借りを作っても返せるものは無いが
まあ…とにかく、その力と言い、真珠の涙といい…不用意に人に見せるのは控えるべきだな…」
傷口を見ると、かなり回復しているようだ、完全に塞がるという事は無いが
快癒しており、もう痛みも感じられない
改めて、この生き物はなんなのだろうか、と視線を向けた
まるで悪い人間に利用される為に生まれてきたような体質だ
■シィレ > 「そ、う。それ、はよか……っ」
一瞬、自身に向かって振り下ろされ(るように見え)た腕に怯えるように
身体を震わせるが、それも無用の心配だったことを知り、
少し安心したように強張った身体をほぐす。
「……?」
向けられる怪訝そうな視線。どうして俺にこんなことをするのか、と。
「ん……。“借り”…というの、は。よく、わから、ない……け、れど。
あな、たが。だれ、か……が。けが、してるの、は。ほうって、おけない……の」
軽くふるふる、と首を振り、“それが当たり前だ”とでもいうかのように答えて見せる。
「……で、も。
“あれ”、は。あな、た、が、むりやり、やった、こと……
べつに、みせた、くて。やった、わけじゃ、ない……から」
最後に、少しむっとした表情でそう返す。
■ロウゲート > 15cmの体に肉球を下ろすには少しどこに当てていいか悩んだものだが
やっぱり小さい体だ、どうやって生きているのかもわからないか弱さを感じる
ぽふ、とその肩に手を置いてゆっくりと下ろすと
「そうか……善人だな…
世の中は正直者が馬鹿を見るように出来ている、少し警戒を知った方が良い」
どう説明したものか、わからないが、とにかく、この存在は
とても危ないタイトロープの上で生活しているような危うさを感じる
それも、自分の心が歪んでいるからだろうか、ここまで関わった者が見世物や何かで売りに出されたり
研究にでも引っ張られるのは夢見が悪いものだ
「そうだな、それに対してお前は何も抵抗しなかったな
世の中には、理由の無い悪意が沢山ある、あの時は悪かったな
俺は借りがあれば、必ず返す人間なんだ………
お前、今何か望みはあるのか?」
口をついて出た言葉はそれだ
いずれ、戻った時にでも叶えてやろう、と、そんな事を思いながら
■シィレ > 「……? いつも。まわり、に、は……きを、つけてる」
出来る限り、人には姿を見られないよう、人の多い時間は静かに潜んでいようとはしているはず。
実際に、この公園に往来する人間は山ほどあれど、自分の存在を知るのはほとんどいないはずだ。……多分。
「……のぞみ? わたし、の、のぞみ?」
そういえば、自分の望みとは何だっただろうか。少し首をひねり考えるが、そう大きな望みと言えるものは見当たらなかった。
「……わたし、は。」
「わた、し、は。ここ、で、くらせ、れば、いい。
かぜ、は、あるし。おつき、さま、も……とても、きれい。
“歌”を、うたうのも。きもち、いい、から。
あと、もうすこしだけ、“静か”な、ところだと、いい、けれど……ぁ」
すこしだけ、思いついた顔で。
「あなた、が。いじわる……で、なけれ、ば。もっと、いい、な……」
今度はちょっとだけ笑って、そう答えた
■ロウゲート > 「まあ、仮にの話だ」
そんな事をこの生物に話しても意味がないのだろう
野生に生きるものに野生である事の危険性を話しても
柳に風を吹かせるようなものだ、ただ、ここは現代日本である
まあ、自分にはかかわりの無い事とはいえ…
「ああ、何かあれば、叶えてやろう、塒でも飯でも…まあ金なら、無いが…」
用意させることは出来る、その程度の扱いはされている筈だと思い返す
まだ自分に利用価値があると判断されているのなら…だが。
「そうか……まあ、欲のある生き物には見えないしな
他人に借りたままというのは、落ち着かないが…」
性分の問題だ、このようなか弱い生き物に借りを作るというのは、どうも落ち着かない
彼女にしてみれば当然の話だったのかもしれないが、なんともはや、という所
「そうか……いじわるをする予定は…もう特には無い
これからは普通に接するとしよう、それでいいな?」
釈然としない声色だが、そんな事ぐらいでいいか、と訪ねる
猫は親交の印に毛繕いをしてやる習性があるようだが、それはやはり怒られるだろうな
■シィレ > 「ん。それ、で……いい
ふつう、に、おはなしでき、る……な、ら」
こくん、と頷き肯定と了承の意を示す。
そして何かを察知したのかしていないのか、
ぴょん、と黒猫の下から離れると、そのまま池に戻った。
「でも……けが、は、きをつけて、ね……?」
■ロウゲート > 「そうだな……お話…お前の趣向に合うような
面白いお話など、俺には持ち合わせがあるかは疑わしいが……」
「ロウゲートだ、名前…まあ好きに呼ぶと良い
お前にはあるのか?」
池に戻っていく亜人を見届けると
自分もヒョイと腰を上げる
だいぶ調子が良い、人魚の体液の効果だろうか
「ああ…気をつけないといけないのはお互い様だろう
野生というのは辛いものだな」
フ、と猫の乏しい表情筋を動かして笑ったような顔になる
■シィレ > 「“ロウゲート”。ろう、げー、と……。うん、おぼえ、た」
耳のヒレをぴこぴこと動かしながら反復する。どうやら、何か考え事などをしているときは動くらしい。
「わた、し? ……“シィレ”。わたし、の。なま、え……」
そう答えると、ひとつ無防備に欠伸をする。危機感があるのかないのかよくわからない……。
「ん。それじゃあ、また、ね。“ろうげー、と”?」
そう言うと、とぷん、と池の中へ潜っていった……。
ご案内:「常世公園」からシィレさんが去りました。
■ロウゲート > 「シィレ、か、立派な名前があるじゃないか」
お前、とか、そんなぞんざいな呼び名では
15cmの半人半漁をどう頭の中で認識していいのかわからない
名前を知るというのは、重要な儀式だ
お互いに名前を名乗る、相手の発音は、少し名乗りにくそうだったが
まあ、小さな知り合いが出来た、という事なのだろう
ではな、と一度振り返ってから、自分もどこかへと駆け出して言った
ご案内:「常世公園」からロウゲートさんが去りました。
ご案内:「常世公園」に井戸木さいこさんが現れました。
■井戸木さいこ > 小さく欠伸をしながら公園を歩く。
朝の空気はほんのりとひんやりしていて、
歩いているだけでも涼しい風が肌を撫でてくれて心地が好い。
「♪」
ご案内:「常世公園」に岡部 吹雪さんが現れました。
■井戸木さいこ > 路肩の自販機でジュースを買う。
それを暫くの間ゆっくり楽しんで、飲み終われば捨てる。
視界をやれば、見知った先生の姿が一つ。
「うふふ、おはよう。岡部先生。
昨日の中華屋さん、どうだった?」
■岡部 吹雪 > ガンメタルカラーのバイクが目の前で止まる。
身振り手振りで挨拶をしているようだが、ライダースーツにヘルメットの完全防備では、誰だかよく判別も付かない。
本人も暫くして漸くそこに気付いたようで、フルフェイスのヘルメットを脱ぎ眺めの髪を振り乱す。
「やー、おはよ!」
「旨かったよ、実際。エビチリが良かった。」
「あとは豚耳ともやしの炒め物とかな。ビールとまた合うんだよコレが!」
「いい店紹介してもらったわホント。」
思い返すだけでも痺れる一夜の一幕。
ビールののど越しを思うと、このまま出社するのが億劫である。
「しっかし、朝っつーのは気持ちいいもんだ。」
「これが来月にもなればクソあっちーんだろうなあ。
■井戸木さいこ > 何となくあののカラーとバイクは彼だろうか。
何度か出勤を見た記憶があり、そう察したのだろう。
「うふふ。それは良かったかも、。豚の耳は中々食べれないよねぇ……
私は飲めないけど、確かに辛い味付けだから、お酒とよく合うのかも。」
30通に分けてメールが来なくて良かった、と一安心しつつ。
「そうだね。わたしはまだ大丈夫だけど、
ライダースーツとなるとちょっと暑そうかも。うふふ、もうちょっと薄着にしてみようかなぁ?」
■岡部 吹雪 > 「通気性とかマジねーからな。」
「薄手のYシャツとかだと、コケた時悲惨そーだよね。」
「セルフでもみじおろしだぜ? 衝撃映像24時って感じ。」
バスケットボールよろしく、ヘルメットを指先でくるくると回す。
「俺らみたいな野郎はいいけど、女性陣だと薄着にするにも色々気を使いそうだよね。」
「女耐性のない男子諸君なんてイチコロよ?」
ご案内:「常世公園」に井戸木さいこさんが現れました。
■井戸木さいこ > 「うわぁ、それはちょっと見たくないねえ……」
ううん、と、一つ唸る。想像しただけでも痛々しい。
「うふふ、あんまり大胆過ぎても気を引かせちゃうからねえ。
暑さ対策、どうしようかなあ?」
■岡部 吹雪 > 「肩が出るような露出度高いやつを中にしてさ」
「うっする透ける程度に薄手のブラウスを上にして、下品さを抑えるってのが今年流行りそうって雑誌で見たな。」
「着こなしのバリエーション難しそう。」
自販機に小銭を入れ、さてどうしようかなと思案中。
朝から爽快にコークをキメるか、スタイリッシュにブラックコーヒーを流し込むか。
「……このおしるこコーラとかいうのだけはナイな。」
本当になんなのこれ。
■井戸木さいこ > 「なるほど……うふふ、岡部先生ってその辺りにも詳しいんだね。
私はあんまり詳しくないから、参考になったかも。」
目を細めて微笑んでみせる。
今度の参考にしてみよう。
「おしるこコーラは……うん、イメージするだけで爆弾って感じかも」
■岡部 吹雪 > 「マジで詳しいワケじゃねーけどな。」
「ほんとに雑誌に書いてあった程度だから、ホント。」
へへへと笑いながら、まあこれでいいかとコーラを選択。
ゴトリと落ちてきたのは、何故か隣のレモンスカッシュだった。
「いやいや。いやいやいやいやいやいや!」
「勝手にこういうサプライズされると困るんだけど。」
「……まー、おしるこコーラでなかっただけマシかあ。」
文句を言いつつもプルタブを捻る。
炭酸が吹き上がる小気味良い音と、柑橘系の香りがふわりと漂った。
のどを流せば当然うまい。伊達に人類史においてロングセラーではないぞと、力強い安定感だ。
「あ゛あ゛ー……このまま帰りてえ。」
「帰りてえが仕方ねえなあ……お仕事だもんな。」
一息に飲み干した空き缶は、緩やかな軌道でゴミ箱へ吸い込まれた。
超高校級の豪腕……とまではいかないが、投球フォームは妙にいい。
「ついでだし、後ろ乗ってく?」
■井戸木さいこ > 「そっか、雑誌かあ……
昔は公園に落ちてる雑誌をよく読んでいたけど、
先生になってからは忙しくてあまり読まなくなっちゃったかも。」
言葉と共に過去を懐かしんでいたら、
ごとりと出てくるレモンスカッシュ。
「うふふ。じゃ、運賃がわりに私がコーラを買っちゃうから、
交換で残りのそれもらっちゃってもいいかなあ。うふふ。」
小銭をいれてボタンを押す。レモンスカッシュが出てきました。
「……」
しかもすでに飲み干してるぞ
■岡部 吹雪 > 「落ちてる雑誌っつーのもなかなかこう……エロ本買えねえ男子学生みたいな。」
流石に岡部本人が経験あるわけじゃないが、ネタ話には古来より付き物であった。
「まー……なんつーか。」
「平和? な感じよね。ハハ。」
場の空気を茶化して濁す。
■井戸木さいこ > 「うふふ、売れるのもあるからね。」
………微妙な空気は、言い換えれば平和な空気。
そう思うと楽しい感じがして、思わず笑い声がこぼれる。
「あははっ、何だか楽しいかも」
「じゃ、えっと……乗っていってもいいかなあ?」
■岡部 吹雪 > 「ええ、勿論。僭越ながら私めが運転を勤めさせていただきます。」
「ささお嬢様、此方に。」
大仰にお辞儀をし、愛車の前まで手を引いた。
渡されるスペアのヘルメットは、井戸木には少々大きいかもしれない。
「朝から役得だな?」
バイザーを下げてエンジンを吹かす。
まどろむ竜が目覚めたような、強烈な鼓動がシート越しに伝わることだろう。
アクセルを一息。冗談のような加速力で、一手で車道まで躍り出た!
「折角だから飛ばすぜ! ハッハー!」
重なる二つの影は、あっという間に公園から消えていく。
ご案内:「常世公園」から岡部 吹雪さんが去りました。
■井戸木さいこ > 「うふふ。ちょっと大きい。」
渡されたヘルメットをかぶり、バイクに乗れば岡部にしがみついてた。
井戸木さいこの胸は大きい。ので、その意味でも役得かもしれない。
身体で風を感じながら、岡部と共に公園を去る。
”ヒヒ…”
バイクで走り去るその光景を、ぼろの白衣を着た青年か誰かが、みていたような。
ご案内:「常世公園」から井戸木さいこさんが去りました。
ご案内:「常世公園」にメアさんが現れました。
■メア > ………
(キィ…キィと音を立てるブランコに座る少女が一人。
何もする事が無くボーっと周りの風景を見ている)
■メア > へい、わ……
(今日はカリキュラムもなければ朝から揉め事も何も起こっていない
それが普通、平和で学生的な生活だ。
むしろ今までが揉め事が多すぎただけ、少女はゆったりとした
平和な時間をブランコに座り享受している)
■メア > (ふと周りを見れば、同世代かそれより少し下であろう子供達が
遊んでいる。普通の光景…それを見て視線を落とし。)
…へいわ……
(呟く、自分とあの子達を比べない様に。
比べればその気はなくとも暗い感情が湧いてくる…)
■メア > ………
(考えないようにするほど考えてしまう。
自分と今公園で楽しそうに遊んでいる子供達との違いを…)
だめ……だめ…
(視線を少し上げる。
丁度母親が男の子を迎えに来た…手を繋いで嬉しそうに帰路に
つく男の子…)
っ……
(ブランコから立ち上がり、逃げるように公園の外へ向かう。)
ご案内:「常世公園」からメアさんが去りました。
ご案内:「常世公園」に矛海 遼さんが現れました。
■矛海 遼 > どうにも犬の散歩と言うのは疲れる。
拾って自身が飼った手前、世話をするのは当たり前の事であるが、あまり躾のなっていない犬は精神的にも体力的にも強敵である。
無表情だが、汗を掻いてベンチに座り、リードを引きながらペットボトルの蓋を開け、水で喉を潤す。
■矛海 遼 > 「……………」
無言で空を仰ぐ。周囲にあるのは家に帰ろうとする学生や子供の姿と鴉の鳴き声。
………それと犬の息遣いである。
「平和だな。すこぶる平和だ」
やはり馴染めないのかもしれない。死と火の香りに撒かれた男は。
其れはまるで呪いのように。
■矛海 遼 > 「…………見舞に何かを持って行くのも良いか」
一つ、言葉を溢して空なったペットボトルをゴミ箱に投げ捨てると立ち上がり、リードを引いて犬に移動を促す。
「行くぞ、オメガトムハンクス28号」
壊滅的である。主に犬の名が。
■矛海 遼 > 「……………やはり呼びづらいな。生徒にアンケートを取ったのは失策だったか………?」
顎に片手を当て、リードを引いて考え事をしつつその場を後にする。
ご案内:「常世公園」から矛海 遼さんが去りました。
ご案内:「常世公園」に崎守 鐡さんが現れました。
■崎守 鐡 > 公園の人影もまばらになってきた頃。
徐ろにブランコに座り、座ったからついで、とばかりに揺らす。
…と、言っても年甲斐もなく漕ぐことが目的ではなく、
なんとなく、ベンチでない所に座りたかった、というのが本音だ。
「………ここは、平穏そうだね。」
その瞳は昨日誰かに見せた機械的な眼差しで。
いくらか見える「何も知らない人たち」の光景を見て、
昨日友人が語った所の話に、想いを馳せていたというか。
……むしろ、外と変わらないんだな、と。
思ってしまった。
ただ、異世界人との垣根が「ゆるい」だけで。
ご案内:「常世公園」に三千歳 泪さんが現れました。
■三千歳 泪 > 常世公園には池がある。池があるから水がある。噴水もある。でもその存在を知る人は、実際あまり多くない。
なぜって、ずっと止まってたからだよ。止まっていたから、ないものも同じ。存在したことさえ静かに忘れ去られていく。
微震が走る。遠く地鳴りのような音がする。天変地異の前触れみたいに池の水が干上がっていく。
「………あれ? おっかしいなー。どうしたんだろう。ご機嫌ななめになっちゃったかな」
■崎守 鐡 > 「…………あー、縋る事やめてれば、こんなこと考えずに済んだんだろうかな……」
良く無い事だとは多少自覚してるけど、それでも、
……自分を認めてくれたあの友人に多少嫉妬を向けてしまったのは事実だった気がする。
そうでなければ、ここでは向き合わなかっただろう、
こんな歪んだ悟りのような感情に、辿り着かなかっただろうし。
堕ちてしまえ、こっちに来てしまえ、とは一切思えなかった。
単に、自分と同じ仲間が来ても、それは満足に至る結果になるとは思えなかったし、
なにより、俺の知っていたその友人の「何もなかった頃」を知っていたから。
「………馬鹿みたい」
なんで、こんなこと考えたんだろうね?
■崎守 鐡 > 「………地鳴り?」
機械的な眼差しのまま、地鳴りがしてくる方へ頭を向ける。
「………何か、起きでもするのかな。」
「………温泉が湧くとか」
はぁ、と軽く溜息を吐く。こんな冗談吐いてもちっとも面白く無い。
「……そんな訳、ねーだろ。」
■三千歳 泪 > 馬鹿みたいっていった。私に? 違うよね。たぶん空耳。それより今は、目の前の仕事の方が大事なのだ。
私が手を加えて、何が変わったのか。何が変わらなかったのか。たしかめてみないといけない。
池のそばまで行って覗き込んでみる。カエルくんがびっくり顔でこっちを見ていた。
「ごめんね! ちょっとお騒がせしちゃうかもだけど、すぐ終わらせるからさ。おじゃましまーす」
干上がった池のいきものたちを踏まないように気をつけながら、ぬかるみの中へと踏み込む。
たっぷり水を吸っていた水草たちが私の足をとろうとする。靴の中まで水が浸みてきて、ぐじゅぐじゅと音をたてた。
■崎守 鐡 > なにかぬかるみ地味て干上がっている…池?の方に向かい、
ずぶずぶと水草の中に足を突っ込んでいる学生…?だろうか。
というか、何アレ。巨大な……モンキーレンチ?
武器か何かですかね。
「………なんでか、変な出で立ち…いや、別に此処のことだから普通の奇人変人がウロウロしてても可笑しくは無いのか」
興味をそそられるように、その彼女の方に、向かってみる。
ただ、彼の瞳は機械的なままだった。
■三千歳 泪 > 「あー…あーあーなるほど!! 謎はすべて解けた! そっかーそうきたかー…」
原因発見。栓が締まってました。前に壊れたときに締めてから、ずっとそのままになってたんだね。
半分以上泥に埋もれて、車輪みたいな形をした赤いハンドルのてっぺんだけが見えている。
硬い。ものすごく硬い。錆びてて動かないとか、そういうのじゃないと思うんだけど。
私の力じゃ開けられないかも。
「おーい! そこの君。こっちこっち! 手伝ってくれないかなー!!」
■崎守 鐡 > 「…………はい?……俺?」
自分を指差してme?とばかりに確認を取り、周囲を見回す。
……どう考えても俺のことのようだ。
つかつかと、機械的な瞳のまま、彼女に歩み寄る。
ぬかるみに人間にしては重量感のある足あとを付けて。
「…………手伝いって、何の?」
■三千歳 泪 > 「Yeah! That's right!! I want you for U.S. Army!」
アンクルサムのポーズで応じる。
見かけが外人さん風味なだけでネイティブスピーカーみたいに聞こえるんだから不思議だよね。
「いいねーやる気十分だね! いいかね助手くん。君にはこの栓を開けてもらいたいのだ」
「ここをつかんで時計回りにまわすだけ。それで開くはず。でもすっごく硬いから気をつけて!」
「あと水にぬれたら困るものとかあったら今すぐ避難させること。たとえば機械とかさ!」
「説明は以上だ。質問はないかな。ではとりかかりたまえ!!」
■崎守 鐡 > 「……………」
少し、考える。
……この人、耳のコレ(機械)が見えてないんだろうか。
「………あ、うん。そう」
酷い機械的な瞳から侮蔑地味た視線を送り―
「……あまり、離れないでね」
……直後、予告も無しに一発で回した。
……機械人形の馬力で壊さないか心配だったが、元が硬かったからそこまで甚大にはならないだろう。