2015/09/02 のログ
蒼穹 > やばいけどやばくなーい。
大きさが全部ってわけじゃないからさ。ホラ、スライムみたいなモンスターが12mあっても怖くないでしょ?
大きさなんて見かけ見かけ。今時戦隊シリーズの敵キャラなら誰だって使えるからさ。

(飛んできた声は、幾分か大きく。ツッコミというものなのだろうが、ボケでも何でもなく、それが事実。)
気が向いたら、転移荒野にでも行ってみなよ、あそこは本当に何でもありだから。
(おかしい。…実際、その通りであろうか。寧ろ、普通なんてない。おかしくて当たり前。)

うん、頭おかしいね。
私もつくづくそう思う。でもさ、私みたいな「普通」じゃない、頭おかしい奴が住むには都だよ。
キミも…どっちかというと、おかしい側だと思うけど、どうかな?

(異形をかたどる、異常な左手を見て、わざとらしく指差しながら、答える。)

…でしょ?
はいはい、やめやめ。私も最近は優しくなったんだ。敵意さえ向けないなら危害は加えないよ。

(ピリッと、何らかの敵意めいた衝動が少女から流れた。気がした。
敵意や殺意には非常に敏感な体質だった。故、少女が己に一抹の敵意を抱き、霧散したことを感じた。
軈て、黒っぽく見えていたその手や、牙が見えようところで少女が攻撃態勢を取ろうとしたのが鮮明に見えた。

―――幼い表情、赤い髪…あれ?

そんな事が頭をよぎったところで、少女からの敵意も失せ果てていたのが分かった。
ゆったりしていた足取りは、幾分か早く。
それから、少女から出ていた異形は、まるで仕舞い込まれるように消えて行った。
何事もなかったかのように座り直している、その少女は…。)

うん、私だけど。…あ、やっぱり。
ヒナじゃん。…え、何、してんの?

(見た顔だった。特徴的な髪色と髪型。粗暴さが引っ込んだ、可愛らしい振る舞い。
そういえば、この間も触手めいたものを出していた。彼女は、そう言う体質か種族なのだろう。
そこは別に聞かなくても良い。のだが、力が強くても幼げな少女、やっぱりこんな時間に何をしているのか。そこが気になる。
座り込んだ彼女の前へと立つ。3歩程の距離を隔てて、同じく、彼女の様子を伺う様に見遣ろう。)

昼奈 > わかんなくもねーけどやっぱりわかんねーよ!?
実際、高さが普通の10倍あったら、重さとか100倍くらいあるだろ。
そんなの、現れた時点で何も出来ねー奴はぽこぽこ死ぬし、建物だって一瞬だろ。

(化け物のような格好を一瞬見せながらも、口にする言葉はどうにもまだ常識を残している。
大きさを脅威と捉え、人的、物質的被害を考え。
ツッコミを入れながらも、相手の言葉にう、っと詰まる。)

前、行った。
サボテンの化け物に襲われたから知ってる。
……………はぁああ……

(思わずため息。ため息をつきながら、唇の端を持ち上げて、ふん、と笑う。)

そーなんだよ。 私が住むにゃ、こうも完璧な場所があるなんて思ってなくてさ。
私が世界で一番端の、底にいると思ってたから、全然違って混乱してるだけ。
ほんっと、ばかじゃねーのこの島。

(ケケケ、っと笑い声をあげながらの言葉だから、悪意が無い事はわかるだろう。
異端がそのまま普通であることは、心地いいとまでは言わないけれども、……気は楽だ。)

………………え、ーっと。
何、って。その。………………
こう、衝動的にさ、何か暴れ……たく、なることが、あって。

(自分の指同士をつんつくと突き合わせながら、少し言いづらそうに言葉を並べる。
そのまま食ってしまう、ということは察しているだろうけど口にはせずに。
怒ってない、……のかな、と、こっそりちらちら視線を向ける。)

蒼穹 > …んー、なんていうか、物理で考えちゃダメだね。
確かに、大きさで負けてりゃ潰されるだろうけどさ、もう魔法も異能も入り乱れる世の中みたいだし。
恐竜だって余裕で一撃必殺出来るのさ。ビルも簡単に分断できるしね。

(フィーリングには個人差があります。とテロップを付けておく。
ただ、ロクでもない世界で、本当に何でもありなのである。
目の前の異形を体に潜める少女が、「少女」として認識されるくらいには。…少なくとも、己は少女と思っている。)

サボテンダーってやつかな。
あそこは本当、何でも居るからさ、もっと面白いもん見えるんじゃないかな。
バカでかい蛙、恐竜、雪に魔王様。ま、出てくる物は何でもありみたいだよ。

(溜息ついたり、笑ったり。表情豊かで、やっぱり彼女は普通の少女に思える。
思わず溜息ついてるその肩をぽむぽむしたくなるくらいには。)

あっはは、でしょでしょ。地獄の一丁目ってやつかな。…違うか。
あれ、世界で一番端の…ねー。バカだね。まぁ、もっとバカなのは常世財団だろうけど。
何が楽しくて宇宙人の寄せ集めの箱庭作ってんだか。

(何となく、過去を匂わせる言葉が聞こえたがさておく。
同じく笑って見せながら、程々に同調して。)

ん?
…ああ、ね。

(次いで重たそうな、そんな雰囲気に包まれれば、同じく重たかったろう口を開いた。
戦闘狂の様な、戦意の片鱗も幽かに感じ取れたけれど、どちらかといえば、暴れたかったのか。)

ま、分かるさ。私も似たようなもんだし。
ただ、暴れる場所は選んだ方が良いかな。ここは公共の場所だから、捕まるのもいやでしょ?
ってなわけで、ヒナはさっき抑えてたんでしょ?暴力衝動みたいなの。
ん、よく我慢できました!今日はそのまま抑えてなさい。

(暴れたい、そんな気持ちは分からないでもない。
言いづらそうにしているけれど、気にする事もないし、暴れたければ暴れればいい。
ただ、暴れてそれが自分の方に帰って来ては良くないだろうし。
ともあれ、少女と言う幼さを残した精神でありながら、よく抑えられたものだと感心。
それがどれほど強い衝動かは分からないけれど、落ち込んでしまったようだし、
気にしてもない。そんなわけで、なし崩し的に頭を撫でようとする。
零距離まで近寄って襲われても大丈夫とタカをくくっているのか。
もう襲っては来ないだろうと確信しているのか。
或いは、別に深い考えなどないのか、兎角、客観的に見れば、眼前の彼女に凄く無防備を晒しても居る訳だが。)

昼奈 > ………私が自分のことで悩んでるのがバカらしく思えてくるわ。この島にいるとさ。
しょーじき、自信なくなるよ、ここにいると。

(少女扱いされるのは、………特に、己の本来の姿を見た後で少女扱いされるのは、初めての経験。
だから、きっと気分が悪くならないんだろうと思う。
怯えず、警戒せず、特別扱いせず。
そのまんまの扱いもまた心地良い。)

………マジかよ。 正直、ちょっと興味出た。
カエルに食べられたら骨の一つは拾ってよ。

ほんっと、バカみたい。
私はバカだと思ってたけど、その上をいく世界があるとは思わなかったわ。
世界は広いっていうけどさぁ、この世界が予想外過ぎるんだって。
まあ、おかげでこうして普通に暮らせるんだけどさ。

(笑って見せてくれる。
その評定に肩の力が抜けて、へへへ、と笑う。
本当に警戒も何もしていないんだろう姿が見えれば、こちらも安心をする。)

………その、お腹空いて、くるんだ。
いや、別に生きてる相手食べないとダメってわけじゃないんだけど。

(そんな感じで、軽く自分のことに触れた上で。
……こくん、と素直に頷く。
捕まるのが嫌だとかより、まあ、目の前の相手に勝てないことが何となく分かっているから。
それに。)

ん……♪ …わ、かった。

(頭を撫でられて、目を細め。
それに、こんな普通に扱ってくれる相手をたかが衝動で失うのは、勿体無い、わけで。
お腹は空くけど、その掌に頭を少し下げて、撫でやすくなるように。)

蒼穹 > だよねー!世界は広い。その世界が色々あって、それをこの小さな島に詰め込んだんだから、地図で見るより凄く広いね。
悩みなんて吹っ飛んじゃう、そんなところかい?
あっはは、そう?自信って何のさ。強さのかい?…馬鹿みたいに強さ持ってたら、それこそ恐れられるさ。
ま、美少女だそうだし、可愛さには自信あるだろうけど。勉強に自信がないなら私が教えて進ぜよう。

(自身の経験談とかも交えながら、よく言えばフレンドリーに、悪く言えば馴れ馴れしく言葉を掛ける。
彼女には、初めての体験なのかもしれないけれど、やっぱりそれは露とも知らない。
尚、勉強に関してだが己はかなりサボっているため宛にはならない事を後付。)

あー…蛙は気持ち悪いからなー…。
はいはい、じゃあ今度私と一緒に転移荒野にピクニックに行こうね。

ん、そういう事さ。世界は広い。
そんな世界があっちこっち疎らに広がってる。あほらしいけど、そういうもんさ。
良いおもちゃ箱になるんじゃないかな。
普通…か、楽しそうだね。

(彼女は、異形であるけれど、精神は「人間」の女の子みたいで。
ともすれば、鈍くて言葉が拙い己も彼女がそろそろどういった経緯を辿ったのかも見えてくる。
「普通」と、そう口にした少女の笑みが、とても楽しそうに見えて。
「普通じゃなかったんだろうな。」と、今更すぎる考察。)

あはは、そっかそっか。
ん、…良かったら、来なよ。美味しいもの食べに行こう?奢ったげるから。
わざわざ、血肉にまみれた血生臭い食事するなんて、美味しくないでしょ?
キミは、普通の女の子なんだから、さ。

(彼女が、暴力衝動を働いたその後の惨状をどう見て、どう処理するかは分からない。
けれど、彼女の精神が幼い少女のそれであるなら、自分がしでかしたその光景を見て、少なくとも気分は良くならないだろう。
くい、と座った彼女のTシャツの袖を引っ張り上げれば、学生街の中の…商店街の方でも指をさすのだろう。)

素直でなおよし、かな。良い子良い子。
ま、こんな暗い中うろついちゃう時点で悪い子かもしれないけど、私も悪い子だしさ。

(己のそんな悪い子な行いにも無反省に悪戯に笑って。空いた方の手では、半腰の姿勢でまだ撫で続けることだろうか。
この間は、元気よく、ちょっぴり意地っ張りだったけれど、根っこの部分は素直みたいで。)

昼奈 > 井の中っつーけど、この島の中なら結構大海に近くなるんじゃねーの?
ま、ちっちゃい悩みなんて持ってたら、それこそカエルに食われるかんね。
強さもそーだし………。

(言いかけたところで、相手からの言葉を聞けば、んふふ、っと楽しげに笑う。頭を撫でられながら、ぱち、っとウィンクを見せて。)

ま、当然可愛さは自信ありありだけどさー? ほら、美少女だし?
勉強できなくても、可愛さだけでいきていけるかなーって思ってたんだけど、まあ、ガッコ行くとなると最低限はできなきゃーねー。
教えてくれんなら、それは教えてもらった方がいーかもしれない………。

(視線を逸らす。脳の回転は悪くないのだけれど、知識の集積が未だ足りぬ。知らないことが多すぎて大量の情報を詰め込んでいる最中だ。)

べっつに。 クソみたいな毎日だけどさ。
でもまあ、そういうところに自分の力で彩りを加えるのが美少女ってやつの使命なんだよね。

(ぺろ、っと舌を出しながら、とても楽しそうに笑う。
普通の生活なんて送れるわけがないと思っていたのだから、そりゃあ、まあ。)

…………ぇ、……ぁ、……………。
いや、奢ってもらうのは、流石に悪いしさ。
ちゃんと自分の分、出すけど。

(普通の女の子なんて言われて。軽薄にぺらぺらとしゃべっていた言葉が急に途切れて、顔が赤くなる。
その扱いだけで照れてしまうのはなんとも、こう、むずむずする感覚。
指差される先を見ると、………こ、くんこくん、っと二回頷く。
遠慮はしても、拒否はしたくない。)

………べ、べっつに、良い子なわけじゃないじゃん、お互いさ。
知ってるよ、ソラ、フーキイーンっていう奴なんでしょう?
私とか、褒めちゃってもいいの?

(イントネーションが微妙に違う、とてもスーパーロボット的な響きの役職が出てくる。覚えたて。
ただ、くすくすと笑いながら………頭を優しく撫でられる感覚に、身体から力を抜いている様子。)

蒼穹 > そうだね。…大海っていうか世海《セカイ》でしょ、もうここ。
いやぁ、蛙…私が見たのは大人しそうだったけど、あれも立派な怪異だろうしね。
はいはい、美少女美少女。とってもかわいいねー。でも、可愛さだけで生きていける程世の中甘くないよ。
可愛いだけなら蛙みたいな顔の男に食われるから、さ。
ん、学生だよね、ヒナも。私で頼りになるかは分かんないけど、良かったら教えたげるよ。
あー…ええと。連絡先、…メアド交換しとく?

(かわいいかわいいと言いながらまたなでなでしつつ。
それから、その手を止めれば、いつの間にか最新型っぽい端末を片手に。)

あらら。くそみたいな、ね。
…美少女は主人公じゃなくてヒロインじゃないかな?んで、キミの意中の人はだーれ?

(半分茶化す様な、おどけた口調てつんつん、と頬を突っつきながらニヤけ顔で問ってみたり。)

…?あはは、可愛いね。…ま、照れる事はないさ、私が乙女で通用する世の中だから、キミは十分普通の女の子だよ。
ああ…それとも、"美少女"の方が良いのかなっ?
それにしても、お金持ってるの?
ま、ヒナが払うんならそれに越したことはないんだけど。
御腹空いたのに食べないって、そういう事じゃないのかなーって。

(こういう時は畳みかける。赤みを帯びたその顔は、きっと照れているのだろうか。
恥ずかしさと言うものが露呈していると、何となく、意地悪しちゃいたくなって。)

んじゃ、御互い悪い子だ。私こう見えても極悪非道のゴミクズだからさ。
あっはは、良いよいいよ。どうせ風紀委員活動なんて真面目にやってないから。
可愛い子は褒める!そういう事。

(力強く頷く。あの時と発音が変わっていない事には微笑まし気。
またサボリや悪い子であることを悪びれずさらっといってのけるのが何とも己の邪悪さを現しているのかもしれない。
さておき、こうして年上(?)に任せて、穏やかに笑いながら撫でられているあたり、やっぱり根底は女の子なのだろうと思う。)

さーて、じゃあ行こうか。ヒナは何食べたい?

(撫でる為に、半腰にしていた姿勢から直立して。先程指差した商店街へと一瞥すれば、彼女を見遣る。
深夜帯だけれど、意外と何処のお店もやっているもので。
もしダメだったらコンビニスイーツを食べこぼすのも乙なもの。
夜が明けるのは、未だもう少し先の事だろうか―――?)

昼奈 > ちょっともうちょっと可愛いって声に心を込めてよ!?
……知ってる知ってる。可愛いだけだったらとうの昔に死んでるって。まさか、いきなり襲われるとか思ってなかったしなー。

(荒れた街での出来事を思い返して、小さくつぶやきながらも、そっと携帯を取り出す。なんだかんだで、ちゃんと揃えてはいる。)

うん、……交換しとく。
ちょ、っと待ってね。私、まだ操作が、いまいち………。

(しばらくの後、「ひな」という名前とそれ以外何にも入っていないプロフィールが届く。あと番号くらい。)

……ん、んぅー!? いやほら、美少女は………まだまだ成長途中だし?

(頬を突かれながら、更に可愛いなんて上に載せられると、なんだか照れる。自分で言いまくって、何言ってんだ、と言われるのがよくあるパターンだっただけに。
畳み掛けられて、あぅあぅと口篭っていくのがわかる。くそう、化け物か。)

………暴れたいのと、食べたいのが合わさって大変なことになる感じ。
お店いって暴れたら、それこそ大変じゃん?

(ちょっと困った顔で呟きながらも、…………相手が自分を極悪非道と言い切ったことには、笑ってしまった。)

そ、っだなー。………実は、あんまり行ったことないんだよね、お店。
あと、肉しか食べてないから、それ以外?

(隣について、ぺたぺたと歩き始める。それがとても自然にできることが嬉しくて。
喉も乾いているし、お腹も減っているけれど。
いろんなことを考えている間は、気にならない。
へへへー、っと笑いながら隣を歩く間は、きっと普通の女の子。)

ご案内:「常世公園」から蒼穹さんが去りました。
ご案内:「常世公園」から昼奈さんが去りました。
ご案内:「常世公園」に『エフェネリカ』さんが現れました。
『エフェネリカ』 > 夜。
夜の公園はとても静かで、人気も無い。
そこに一人の女性の姿が一つ。
暗い夜の公園を一人で気ままに自由に歩いている。
付き添いの人物はどうやら居ない様子で、最近物騒な事件があったにも関わらず一人なのは不用心だろうか。

彼女は一般的な女性としは身長も普通で、着ている服が服なので分かりやすいが、胸なども普通のサイズだ。
顔は美人の部類に入るだろうか、凛々しさを見せて。
細く綺麗な腕に、傷一つない真っ白な手。細長い指はワンピースの裾を掴んでいる。

薄く笑いを浮かべながら、ただ歩み。
目的がないように見える。

『エフェネリカ』 > 静寂に包まれた場所を一人占めかのように。
我が物顔で歩く女性。時折にスキップを、時折にくるりと回転して。
楽しそうに公園内を歩いている。
その姿は、まるで無邪気な子供。

「ふふっ。」

笑みと同時に声が出された。
笑い声なので判断はしにくいが、低くもなく、高くもなく。
どっちにも付かずの中性的な声。

ハイヒールだというのに軽やかに動き、靭やかな動きで転ぶ素振りは一切と見せない。

『エフェネリカ』 > 街灯に照らされながら歩む足は止まらずに。
誰か待つ訳でもない。ただただ一人で公園内を彷徨う女性。
継続して小さな笑みを浮かびながら、端から見れば薄気味悪さも感じる。

だが彼女はそんなことを気にしてもおらず、気にしてたらそもそも表情として浮かばない。
純白のお気に入りのワンピースを、誰も居ない公園で見せ付けるように歩む。

「……ふぅ。」

疲れたのか一息を付いて、歩みを止めた。
しかし、アレだけ動き回ったのに関わらず、汗をかいた様子はないようだ。

『エフェネリカ』 > 一休みと数分休めばまた動き出して。
優雅に踊るように、今度は舞台の上で女優が踊るかのような。
華麗な舞踏を、夜の公園という賑の一つ見せない静かな場所で行い。

笑顔を浮かばせて、目を優しく微笑ませて、孤独な彼女の一人舞台。
誰が振り付けたとか、決まってた内容ではない。
完全に彼女独自で、綺麗に映るようにと、どんな風に踊ればいいかと。
踊りを繰り広げながら、思考を巡らせて一人で踊る。

やがて独り舞台は終えて、歩み求めれば。
ワンピースの裾を掴んで深く礼。

舞台の終わりを告げる挨拶。

顔を上げれば満足した表情を浮かべている。

『エフェネリカ』 > 「――観客はおらず、そんな孤独な劇場は幕を閉じた。」

孤独な舞台ほど意味が無いものはない。
夜の公園という舞台を選んだのだから自業自得ではあるが。

「――本当に見て欲しい人にほど、劇は見られない。悲しいね。」

彼女、いや彼は呟く。
女性という姿に代わり、夜の落第街から抜けだしてわざわざ来たのだ。
誰にも会えないというのは"寂しい"
見て欲しいから、見られて欲しいから。

ご案内:「常世公園」に鏑木 ヤエさんが現れました。
鏑木 ヤエ > (ぱちぱちぱち、と乾いた拍手の音が静寂を守っていた公園の空気を引き裂いた。
 孤独な舞台、そんな舞台の主演女優に対しての少しばかりの賛辞を。
 濁ったクリーム色の下から覗く紫水晶が爛々と女性の姿を、舞台を捉えていた)

「やあやあ、中々いい舞台でしたよ」

(響くのはやや低いソプラノ。
 甘ったるい声とそれに相まった甘い服装。
 図々しくも馴れ馴れしい、そんな声が飛び込んだ)

『エフェネリカ』 > 拍手の音が聴こえる。
舞台を見てた証明ともなる拍手。
見られているのに気付けなかった、つい独りでに孤独と言ってしまった事に反省。
くるりと拍手の方向に向き直り、小さな礼をまた一つ。

「ありがとうございます、お客様から賛辞を頂けて光栄です。ふふっ。」

笑顔のままに礼儀正しく送られる礼は、まるで舞台女優。
馴れ馴れしいのと図々しさ、特に気にすることもなく。
正しくも賛辞を受け入れた。

鏑木 ヤエ > (その悠々たる所作。
 舞台じみた、何かを演じていたのかと伺わせる言葉。
 またひとつ、口を開いた)

「お捻り投げられるくらいやえのお財布が中々いい感じだったら投げたんですけどね。
 生憎明日の飯もねーような状況ですんで拍手だけで失礼しますよ、女優さま。
 
 果たして一体、アンタはここで何を演じていたんです?
 オキャクサマってことは何かしらしてたんでしょう、やえは興味深々です」

(ずい、と身を乗り出した。
 生まれてしまった好奇心と知識欲に勝てず、無遠慮な問いかけをひとつ。
 どかん、と近場にあった手頃なベンチに腰を下ろした)

『エフェネリカ』 > 「いいえ、お捻りなど求めておりません。
私が此処で演じていたのは唯一つの目的です。」

真紅の瞳がじろりとヤエを見据える。
ベンチに腰を下ろしたお客様に対して、礼儀を忘れずに。
軽い礼を続けながら彼女にして彼は語った。

「私は"見て欲しかった"それだけでございます。
見て欲しいなら昼間などに動けば良いのですが、ふふっ。
お生憎で、私は表立って活動ができない部類の者です。

私は夜の住人、偏に闇の住人。
だからこそ静かな場所でしか動けない。不自由な身でございます。」

瞳が告げる、嘘ではない。
中性的な声で淡々と説明を行って、ふふっとまた一つ笑う。

鏑木 ヤエ > 「なるほど」

(ぽつりと宵闇に言葉が転がり落ちる。
 納得。彼女/彼については何も知らなければそれを窺い知ることも出来ない。
 故に落ちた言葉は、)

「見てほしかった、っつーと承認欲求ってヤツですかね。
 闇の住人がこんなとこに出てきてってソートー寂しかった訳ですか。
 ウンウン、わかりますよ。

 見てくれだけだとアンタがどうして闇の住人なのかなんて知ったことじゃないですけど。
 タイテーそういう表立って活動ができない部類の者ってのはジゴージトクだったりしますからね。
 ───不自由、ですか」

(一拍)

「フジユウって何なんですかね、お嬢さん」

(表情は仮面を張り付けたようにぴくりとも動かない。
 されどその声には少しばかりの期待と、明確なまでに興味心が織り込まれていた)

『エフェネリカ』 > 「然り、寂しかったのですが、それだけではございません。」

彼女の言葉を肯定して、頷く。
だが言葉はそれだけで終わらずに、続けて呟かれる。

「私がこうして、夜とは言えども表に出てきて目立つ行為をする。
それは見て欲しいだけに留まらずに、見てくれた人を――知りたいから。」

私自身を見てくれた人を知りたいから、と。

「で、私は私の行いによって自らを堕ちた身にした。
お客様の言う通りで、自業自得です。」

哀れでしょう?愚かでしょう?と後に付ける言葉はどこか明るい。
笑みを絶やさずに、女優は言葉を丁重に選んでるのか、少々だんまり。

「あぁ、不自由。確かに私は不自由と言いましたが。
"間違えました"私は自由です、不自由でありながら、自由なのですよ。
好きに語り、好きに踊り、好きに動き、好きに見てもらう。

コレの何処が不自由なのでしょうか。
だから私は修正しましょう。私は自由です。」

鏑木 ヤエ > 「ほほん」

(成程、といった様子で小さく頷いた。
 スカートであることを気にもせずにベンチの上で膝を立てて座る。
 濁ったクリーム色の髪がぼんやりと公園の、若しくは公演のライトに照らされた)

「それならやえとオンナジですね。
 やえも知りたいんですよ、いろんなこと」

(口を挟めば彼女/彼の言葉は続いた。
 それをしかりと耳に聞き入れようとやたらハイテンションで囁く口を噤んだ)

「なるほど、それは困ったことですね。
 ………、されど自業自得を恨んでいる様子でもないようで。
 
 ああ、それだけ好きなことが好きなだけ出来ているならアンタは自由でしょう。
 それならやえはまた疑問が浮かんじゃうんですよ」

(「面倒な奴ですみませんね」、と言葉を継ぐ。
 されど申し訳なさそうにする素振りも頭を下げることもない。
 所謂口先だけの謝罪を華麗にひとつキメて)

「じゃあジユウってなんですかね、女優さん」

『エフェネリカ』 > 視線はヤエの視線に合わせるように、顔を見てるだけで。
特にスカートの内部が晒されようとも、興味が無いのだろう。
知らん顔のままだ。

「なるほど、似た者同士でしょうか。
一点だけでございますが、ふふっ。」

嬉しそうに。
本当に嬉しそうに笑う。
凛々しさを持つ彼女の彼の顔は本当に良く映えるだろう。
街灯がスポットライトのように、女優を照らすかのように。
より良く綺麗にと。

「恨んではおりませんよ。なんせ自分が悪いのですから。
反省をしておりますし、罪を償っている最中でございます。

―――それで、疑問ですか。」

別に構いませんよ、と気にしてないようで。
自由とはなにか。まるで哲学のように。
ふむ、と。頭を考えに捻らせる。
少しずつ少しずつと言葉にして答えを出す為に紡いでいく。

「自由とは。
言葉の意味をそのままに解すのであれば、他者から拘束や支配されることなく。
自己自身の本性に思うがままに従い動くこと。

ですが私はこう考えます。

自由とは、不自由である。
先に言いましたでしょう?不自由であり、自由と。
もし、もしも他者から拘束されて、支配されて好き放題された人が居るとしましょう。
端から見ればなんと不自由で可哀想なのか。
いいえ、違います。
それもまた一つの自由なのです。

支配という行動は、自由を持つ者が行える行為です。
拘束もまた然り。自由を持つ者が自由を持つ者に対して支配する。

考えてみてください。
支配された人物が果たして人と言えますか?自由を持つ権利を所有できますか。
いいえ、それは最早"モノ"です。
モノが自由を持つなど、不自由を宣言することすらも烏滸がましい。

――長くなりましたが自由とはなにか。
自由とはモノではない証。不自由もモノではない証。
自由と不自由は同義。不自由もまた自由なのです。

骨折して歩けないな、不自由でしょう。
ですが他の自由を持っている。
読書が出来たり、食事が出来る自由を。

完全な自由と完全な不自由は決して存在しません。」

それが私の考える自由です。
台本の台詞を紡ぐかのように、言葉は送られた。