2015/09/22 のログ
ダナエ > 「おお!」
液体が形を変えていくのを、顔を近づけて興味深げに見守る。
てっきり小さいゴーレムが出来上がるかと思いきや。
それは蜘蛛。
「おお?」
思わずぴたりと動きを止める。
すると、蜘蛛はトトの手を伝って鎧へと──
「おおおおおお!!」
逃げようと下がる、が既に蜘蛛は鎧の上を這い回る。

──ダナエの心に64のダメージ!
──ダナエはすっころんだ!

派手に転び、蜘蛛は地面へ落ちただろうか。
ゆっくりゆっくり体勢を整え、おじいちゃんのように起き上がる。
「トト!!やりすぎだ!!」
怒りながらガントレットを脱ぎ捨てて、
少女の頬をむにーと引っ張ろうとする。

安心しかけるが、最後の一言は聞き流せない。
「そうか、怪我があると血が………………」
どうなるか想像する。恐ろしい。
見た目と裏腹に戦闘能力は高いんじゃないかこの子、
という眼差し。

トト > 「お、おおぉおΣ   うにゃΣ  ご、ごめんごめん、僕、ダナエがそんなにびっくりするなんておもわな… 。」
むにーされる、蜘蛛はそんな事知らんとばかりに、振り落とされるとかさかさと茂みのほうに這っていった

「ん、ダナエが思った通りの感じで、あってるとおもうよー
僕は基本的に人間を守る側の立場だし、人に使うことはないだろうけど、多分。」
むにー、とされてほっぺた伸ばしたままこくこく頷く、ダナエの手に帰ってくる感触も、人間のものと遜色ない

ダナエ > 少しの間むにむにして怒りを晴らす。

「ゴーレムがゴーレムを造れるということは、
 トトはゴーレムの中でも、相当高次のゴーレムなのだな」
しげしげと、目の前の中性的な少女(と認識)を見る。

手を離す。頬は人と同じように柔らかかった。
トトの造り主はトトに、高い人間性を与えたようだ。
「トトは、何から人を守るために造られたのだろう」
質問と言うよりは、独り言のように言う。

トト > 「あの子がゴーレムなのかは正直僕にもよくわからないけど、まぁ… 少なくとも【生物】ではないかな。」
手を外されて、ほっぺたを自分でむにむにマッサージのように触れつつ

「何から…  か、何だろうね、この世界のゴーレムって、僕とは大分違うから、案外僕はゴーレムじゃないのかなぁ、って
最近思ったりする事もあるんだよね… まぁ、それも思い出せたら、かな?」
こてん、と首をかしげつつ、口元に指を当てて考える仕草をしてみたり

「人を守る… というのも何となく、って感じだしね、でも、何か思い出したら、その時はダナエにも教えるね?」

ダナエ > 「そうだった、トトは『暫定』ゴーレムだったな。
 だが人が造った何かである以上、目的があるはずだ。
 ……ああ、何か分かったら私にも教えてくれ」
むにむにしたお詫びに、頬を撫でようと手を伸ばす。

ふと公園の時計が目に入る。
「おお、もうこんな時間か。
 私はそろそろ帰らなくては……トトはどうする?」

トト > 「ん、じゃあ僕も帰ることにするよ… というか、普通におうちはあるんだね?」
ほっぺたを撫でられる、特に抵抗はせず、目を細めて少し心地よさげに

「今度は秘密基地作りのお手伝い、だね?楽しみにさせてもらうよ… あ、携帯とかもってる?」
アドレス交換とか、しておけると便利なんだけど、と呟いて

ダナエ > 「失敬な、家くらいあるぞ!
 トトだってあるだろう?」
一時期家がなくて公園に寝泊まりしたこともあるとは
言わないプライド。

少女の頬はすべすべで心地よい。満足。
「……んむ。ケイタイはない。何かあれば手紙で頼む。
 住所は、」
と住所を告げる。
ついでに隣に住む大家さんの電話番号も告げる。


「天窓にな、積もった雪を楽に避けるアイデアなんだが……」
などと。
秘密基地ならぬ小屋の話を振ったりしながら帰って行く。

トト > 「あはは、おっけー、じゃあ手紙だね?めもめも… っと、ふむふむ、出来るだけ依頼者の意見は参考にしないとね、だったら…。」
とか、ダナエと道が別れるところまで、和気藹々と建設談義をしながらかえっていきましたとさ

ご案内:「常世公園」からトトさんが去りました。
ご案内:「常世公園」からダナエさんが去りました。
ご案内:「常世公園」に『ウィザード』さんが現れました。
『ウィザード』 > 『ハンター』と『プリースト』がやられた今、残る英霊は五人。
その内、『モンク』はバーサーク状態であり、もはや意思疎通できる状態ではない。
七英霊の戦力も、だんだん削がれてきているという事だ。

夜の公園には静けさがある。
今日も『ウィザード』は、他の英霊のような表立って暴れる事はない。
思えば、昨日しようとした事は、生徒指導の教師や寄月秋輝に邪魔されて実行できなかったのだ。

『ウィザード』は、ベンチに座っている女性に歩み寄り、話かける。
「こんばんは。
 今宵は、星が綺麗だな。
 隣、失礼するぞ」

それから、日常会話で盛り上がっていく。

『ウィザード』 > 会話は進んでいく。
いや、その会話はもはや雑談ではなくなってきている。
だんだん、『ウィザード』は女性を誘惑する方向に進んでいるのだ。

「この学園に不満を持った事はないか?
 自分の異能に劣等感を覚えた事はないか?
 そうだろう……。
 異能で劣るものは、不遇な扱いを受ける事もある事だろう。
 それを覆したいとは思わないか?
 力が欲しくないか?」

『ウィザード』は、女性に近づいていく。
そして、ついに抱き寄せるかのような距離になった。

『ウィザード』 > 『ウィザード』は心の中で、ニヤリと笑う。
今まさに、目の前の女が『ウィザード』に落されようとしているのだ。

「いいだろう。
 私が、貴様を救ってやろう。
 私が、貴様に力を与えてやろう。
 何も心配する事はない。
 貴様は、強化された異能でみなを見返す事ができる。
 思う存分、その力を振るうがいい」

『ウィザード』は、黒い球体を取り出す。
そして、少しずつあやしげに口を歪ませた。
もちろん、抱き寄せるような距離を維持しつつだ。

ご案内:「常世公園」にライガさんが現れました。
ご案内:「常世公園」にレイチェルさんが現れました。
ご案内:「常世公園」に蒼穹さんが現れました。
ライガ > 夏が過ぎ去り、すっかり冷え込んできた公園。
自販機の前に立つ、一人の青年がいた。
お金を入れ、ぽち、と珈琲のボタンを押す。
熱を帯びた缶を、落とさないように手に取り、プシッ、と口を開けると、一口飲んだ。そうして顔を上げると、何やら不審な二人組が見える。

「……口説いてる、ってわけでもなさそうだな、あの雰囲気」

それに、風紀以外の赤い服、青髪の少女の手元から、何か、底知れぬ違和感を覚えた。
今の方向からその手はよく見えないので、ゆっくりと、足音を立てずに近づいてゆく。

『ウィザード』 > 勘の鋭い『ウィザード』は、接近するものに即座に警戒。
すぐに黒い球体をしまった。
「どうやら邪魔なものが混入してきたようだ。
 すまないな、哀れな少女よ。
 話はここで、一旦途切れてしまうようだ。
 だが貴様がもし私を求めるのなら、いつでも歓迎する」
歪んでいた『ウィザード』の口も、いつも通りに戻る。
だが、抱きしめるかのような距離はそのままである。

蒼穹 > (「あ…英霊いる。」

と、暇つぶしに公園に入ってぶらぶらしている途中、取り敢えず抱いた感想はそれだった。
七英霊の書、なるもので読んだのと寸分違わぬ魔女っ子。それが取り出すアヤシイナニカと、
それが抱き寄せるのは女の子。

キマシタワー。

英霊も色んな性癖があるのだろう。正直それはどうでも良いが。
というか関わりたくないのだが。仕事面倒だし。)

…およ、ライガさんじゃん?
こんばんは。

(そっちに目が取られてしまっていたけれど、いざ自動販売機で炭酸飲料でもと思ったら、
最近訓練所で会った長身の男性が。
この間は偶然だったけれど彼の魔拳?に関する知識が事前に合った故に助かった。
気付くかどうかは分からないけれど、後ろから手を振ってみる。

正直こっそり近づこうとしていた彼からすれば邪魔であったろう。)

レイチェル > 人が集まり社会を形成している以上仕方ないことであるが、この常世学園では大なり小なり毎日のように犯罪が起こっている。
今日の分の聴取は、一段落した。とは言え、それで終わりという訳にもいかない。
万引きに、傷害。
2件の聴取を終えて5分の小休憩を取った後は、見回りの為に学園内を歩き回る。
そんなレイチェルは今、見回りの為に常世公園の付近を歩いていた。

「ん、あれは……?」

公園内ベンチに座る赤の魔女帽子に、赤服の女。
どうにも、彼女からただならぬ気配を感じる。
何度も肌で感じてきた魔の気配。
しかも、厄介な方のそれだ。

「さて、放っとく訳にゃいかねーな」
レイチェルは公園内へと足を踏み入れていく。

ライガ > 「やぁ、こんばんは。
逢引中だったかな。
少し、お邪魔するよ」

ふ、と違和感が消える。魔女姿の少女の仕舞うような手つきから、何か持っていたのだろうが、それを確認するすべはない。
心の底で舌打ちをし、その顔は努めて明るく、右手を上げてベンチの二人に挨拶をする。

その後ろから、声をかけるものがあった。
聞き覚えのある声に振り返れば、数日前に訓練施設であった、野次馬の少女であった。

「ん、蒼穹じゃん、こんばんは。
……その『さん』付けはいいよ、学年は一緒だろ?
ともかく、警邏かい?ご苦労様」

挨拶を返しながら公園内を見渡すと、他にも、風紀の知った顔が見える。

(あれ、レイチェルもいるじゃん。
ま、風紀が巡回してるのは珍しくないけど)

『ウィザード』 > 警戒すべきは現状三つ……というところだろうか。
それぞれ、ただならぬ力を持っている事だろう。
それが風紀や公安になると、さらに厄介になる。
この女を落とし、悪意を増幅させるためとは言え、少々時間をかけすぎてしまったわけだ。

だが、この女は既に『ウィザード』が口説いている。
時間をある程度かけた成果は既に出ているというわけだ。
この機会はひとまず諦めるとして、次の機会に、この悪意を極限まで増幅させる『魔導薬』を埋め込めばいい。
何も焦って失敗を招く必要はない。
じっくりと、じっくりと、じわじわといこうではないか。

「ああ。
 逢引き中と分かっていながら、図々しいな。
 今、私達は二人だけの時間を過ごしていたところなのだがな。
 まあいいだろう。
 このベンチは、我々二人のものでもないわけだからな」
『ウィザード』は平然としている。
だが対する、『ウィザード』に口説かれた女は顔を赤らめていた。

「他にもいたか」
ライガが蒼穹を呼ぶので、それに反応する。
『ウィザード』は、赤い魔女帽子を深く被りながら、蒼穹の方に目を移す。

蒼穹 > (向こうの英霊、…ありゃあ間違いない、ウィザードとかいうヤツだろう。最も、もしそれが本通りの英霊だったら、の話だが。
黒くてアヤシイ何かは見間違いだったかの様に消え失せてしまうわけで。)

ん、警邏なんて公園じゃあしないかな。
ただの暇つぶしさ。何分朝から晩までずっと暇だからね。

(尚、そういうわけで腕章もつけていない。当然ながらいつも通り、風紀委員の制服も着ていない。

一悶着ありそうな、そんな予感が過ったが。
…あれはいつかどこぞの荒事屋。公園に入ってきたし、まぁ今日は仕事は無いだろう。
彼女に全部任せて自分は炭酸飲料でも買おうか。自動販売機に向いた。)

ん?あ、こんばんは。
ああ、ごめんね。邪魔しちゃったかな。夜なのにお熱いねー、公園のベンチでくっついちゃってさ。

(ウィザードの視線に答えてニヤリとからかうような笑みをベンチの二人組に向ける。
尚初対面。初対面でありながらこんなに馴れ馴れしいのは彼女が英霊だからではなく、
単にこの破壊神の何処かしらが腐っているからである。

さておき、改めて自動販売機に。…コーラは売り切れの様だ。)

レイチェル > 「やれやれ、嫌な気配感じ取ったもんで、ちょいと寄り道してみたら
 知り合いが二人も揃ってるとは、こいつはやっぱりそういうことかよ?」
近づいて見れば、ライガと蒼穹が既に公園内に居たようだ。
やはり勘は間違っていなかったかもしれない、と一人小さく頷けば、
蒼穹とライガ、二人の側に近寄って、自らの腰に手をやった。

「悪ぃな、オレも邪魔させて貰うぜ」
そうして、一言だけ赤服の女に告げた。

『ウィザード』 > 「そうだ。
 本音を言えば、二人の時間を邪魔されて機嫌が悪くなりそうなところだ。
 だが、それも仕方があるまい。
 公共の場でくっついていた、私が悪いのだからな」
こんなにも拗ねった言い方をするのは、『ウィザード』の上手い演技だ。
イチャイチャしていたところを邪魔されれば、機嫌が悪くなる人も多いだろう。
だが実際は、『ウィザード』にとっては妨害が入るなど想定していた事の一つであり、今がだめなら後に回せばいいだけの事なのである。

「なんだ、まだ私達二人の空間を邪魔する者がいるか」
レイチェルを見やって、溜息をつきながらそう言った。

『ウィザード』は、女から離れる。
人がいるのに、いつまでもくっついているわけにはいかない。
「この場にいては気まずかろう。
 貴様は、先に帰ってくれてもいい。
 また、後でな」
『ウィザード』は優しく、女性にそう告げる。
今となっては邪魔である女を追い払おうとしているのだ。
女は、そのままこの場を後にする。

ライガ > 近づいてきたレイチェルにも、右手を振って挨拶をかわす。

「なるほど、お熱いことで。
いや、僕は気にしないさ。……純粋な好意で持って保たれた関係ならば、ね」

黄金色の眼を細めるように、意味ありげに、微笑する。
正直、先ほどの逢瀬は、術的気配が感じられないでもない。
魔術師がひとを口説くならば、単なる恋愛沙汰以外に、別の場合もあるのだ。
ただ、魔女風の少女から発せられる、警戒されているような、そんな視線。
それには首をかしげ、考えを巡らせる。

(おかしいな、僕はちょっとガタイがそこそこ良さげで、そんな脅威には見られないはずだぜ。
そこのレイチェルよりかは戦闘力低いだろうし)

それよりも、巷で噂になっている七英霊。気になって何度か書物を手にしたことはある。
ふむ、と独り言ちる。
目の前の少女がその1人、いや1体?であるとするならば、
このまま放置しておくのはまずいだろう。

(魔術師、か。術式探知、一応しておこうかな?)

何気なく左手で頭を掻き……死角になり、髪に隠れた指先で、印を結ぶ。

「ヒマって……いや……仕事しようぜ」

真面目じゃない奴もいるんだな、組織といっても人間だし、あり得る話だけど。
半ばあきれたように、ため息をついた。なお、実は人間じゃないことは知らない。

蒼穹 > やっほー久しぶりレーチェルちゃん。
知らないよ。私はただ暇潰しに来てただけだし。

(ひらひらと適当に手を振る。今日は缶入りファンタグレープで妥協しよう。
投入口にお金を3枚。120円という価格。紫色の缶を握る。
プルタブを引いて一口。)

ああ…そう。悪い悪い…んふっ。

(噴出しかけた。ウィザードの上手い演技は本当にソレであるように見えてしまったわけで。
こいつまじでそういう性癖だったのかと一連の流れが自然でついついおかしくなった。
笑ってはいけない。笑っては。世界には色んな人が居るのだから。)

嫌な気配…嫌な気配ねぇ…。

(だからといって何をするわけでもない。自動販売機のすぐそこ、
割と近場にクズカゴがある4人掛けはあろうかと言うベンチを堂々と占拠する。
女が去ったが、事の顛末はどうなることやら。思わぬところで野次馬のチャンス?)

レイチェル > 「ああ、久しぶりだな。っていうかそのマイペースっぷり、変わらねーなほんと」
はぁ、と息を一つついて、蒼穹の方を見やる。
会うのは実に久しぶりである。

「いやぁ、悪ぃ悪ぃ」
赤服の女から離れていく女性を見送った後、
再びベンチの方へと目をやり、そんなことを口にしながらも
警戒は怠らないままに、それとなくクロークの内に手を滑らせておく。
そうしてレイチェルは、ライガの言葉に対する彼女の反応を待つ。

『ウィザード』 > 「純粋な好意に決まっているだろう。
 それ以外に何があるというのだ?」
ライガに平然と嘘をつく。
もちろん、あの女に微塵の好意も抱いていない。

そんな時、ライガから違和感を覚える。
それに、頭を掻く仕草が怪しいとも解釈できる。
『ウィザード』は、鋭い視線でその姿を目にした。
いくつか可能性は考えられる。
例えば、なんらかを探知しているとか、なにかしら術式を発動しようとしているとか。
頭を後ろにしている仕草からは、例えば術式を発動させるための印を隠しているとも考えられる。
魔術師たる『ウィザード』は、どう敵に気付かれずに術式を発動するか、その知識も豊富なのだ。
あくまで違和感で、そこから『ウィザード』の知識と勘より推測できる事。
もしかすれば、警戒のしすぎかもしれない。
だが今は、特別な術式を発動している事もないので、探知されたところで怪しいものはない。
つまり、『ウィザード』は何もしない。

現状、そういう性癖と思ってもらった方が都合が良い。
これでまた、別の女を口説いても違和感がないわけだ。

「それにしても、このベンチは人が集まりやすくなっているのか?
 何らかのあまい臭いでも漂わせているのだな。
 いや、あまい臭いを漂わせてしまったのは、私か」

蒼穹 > 仕事なんて景気の悪い事言うんじゃないさ。
幽霊風紀委員は仕事しないから幽霊風紀委員なんだって。
それに、…今日もまぁ、仕事する必要はないみたいだしね。

(非常に不真面目な言葉をライガへと。何やら確かに不穏な影があったように見えたけれど、
そんな事気にしないし、事が起きても対処してくれよう。主にそっちの荒事屋が。)

人間そうそう変わんないっての。破壊神なら尚更だね。
そういうキミは変わったみたいだけど。んでなに。元気してた?

(ゆったりウィザードとは別のベンチに腰を置きながら、葡萄の甘い匂いを漂わせるわけだが。)

…人気者は大変だねぇ。
次はそこの勇ましいパツキンの人でも口説くのかい?

(向こうのベンチに座ったウィザードに冗談を投げながら、休息の一時。
周りはいやな予感とか、念のためとか言っている中、何も考えぬ、悠長そのものだった。)

ライガ > 髪を整えるのに、そう時間はかからない。
何でもないように、ごく自然に左手を下ろす。

「え、マジで?
下心のひとかけらもないのか。すっごいな、尊敬に値するよ」

女性が去っていった方に視線を向け。またもとのように、ベンチに居る魔女風の少女にもどす。
彼女に向けて、両手を広げ、仰々しく驚いて見せる、わざとらしい。
そう言ったオーバーリアクションをしながら、……ライガの大柄な身体の後方。
スラックスの尻ポケットから、小さな虎猫のような姿をした光が漏れ、長い脚に隠れて地面に落ち、融けてゆく。
心の中で電霊使役の呪いを唱え、先ほど去った女性の方向へ行くよう仕向けた。

「え、破壊神?
なんだか物騒な言葉が聞こえた気がしたけど、蒼穹、君って神様だったの?」

びっくりして視線をそちらに向ける。
神と名乗る奴にあったのは2度目だから、痛い子かな、とは微塵も思わないけど。
神なら迂闊に仕事しちゃうとまずいかな、なんて一人納得したような、しないような。
というか、お知り合い?と疑問を投げかけた。

レイチェルの方にも、動きはあるようだ。
自然と、自分も手が腰のポケットに伸びる。

レイチェル > 「オレ、そんな変わったか? まぁいいや。元気は元気だが、仕事が多くてな」
マイペースに呑まれそうになりつつ、神経は尖らせて
目の前の女から注意を逸らさない。

「神だろうが妖怪だろうが悪魔だろうが、何が居たっておかしくないだろ、ここは」
蒼穹の発言に対して驚くライガにそんなことを言いつつ、ふっと笑う。


「あまい臭い、ねぇ……言っちゃ悪いが、オレとしてはあんまり好きじゃない
 臭いだぜ」
率直に、感じたままの言葉をそう口にする。
この女を前に、言葉をオブラートに包む必要は無さそうだった。

蒼穹 > あっはは、体が目当てだと思うけどな。
こういう男っぽい口調のやつって何考えてるんだかわからなくておっそろしいよ。
まぁ一番怖いのは敬語口調のヤツだね。世の中でこいつが一番怖い。

(程々に横槍を。もう一名男っぽい口調の女の人が居るけれど気にしない。
会話の途中で誰かが…否、今立っている人物が魔術でも使ったらしい、といっても内容は気にしない。
己にとっては、魔術が発動したのは誰かの声が聞こえたとかそのレベルで感知できるのだが、ここではさておく。
全て言葉を紡ぎきったらまたファンタグレープの缶を傾けた。
それから、缶を置き据えてライガに視線を返しつつ。)

神様じゃなくて"邪"神様。良く間違われるけど私は民衆に惨禍を齎すそっちの方なんだ。
ま、広い意味ではそうだよ。神様は神様でもピンからキリまで…ああ、そっちは良いか。
兎も角、破壊神で間違いないよー。

(心なしか―――というにはあまりに控えめな程に胸を張ってニヤついている。
何となく自信やら慢心が滲んでいるのはその所為やも。)

ま、知り合いっちゃ知り合いかな。
さーね、変わったんじゃない?ちゃん付けしたら何か反発してきそうなものだと思ったけど。
元気なら何より。ハイハイ、いつも御仕事ご苦労さん。

(程々にからかうような食ったような、そんな態度でひらっと手を振りながら、
今日も何か仕事があったら給料だけ掻っ攫って行こうという算段をするのだった。
サボりであることを改める気はない。)

『ウィザード』 > 「本当にな。
 逢引き中に、こうも人気になってしまってはな……。
 芸能人の逢引き現場をマスコミに目撃された瞬間を連想する」
『ウィザード』も多少冗談を言えるようだ。
「ほう……。
 確かに、可愛らしい女だな。
 そこの金髪、この私に口説かれてみるか?」
これもまた、冗談めいた仕草で少し色っぽく言う。

この女が、例の破壊神というわけだ。
『ハンター』を怯えさせた上に、『プリースト』を一度牢獄に入れた。
その後は特に、七英霊を直接邪魔する事はなかった。
幽霊風紀というなら、素直に幽霊風紀でいてもらいたい。
──とは、今はさすがに言えない。

「いや、あの……。
 純粋な好意とはプラトニックとか、そういう事ではないぞ。
 私にも、決して下心がないわけでもない」
わざとらしく驚いている事に、むっとする仕草を見せる。
もちろん、演技だ。
当然のように、あの女に下心も抱いていない。

だが、そのオーバーリアクションは明らかに不自然。
もはや頭を掻くよりあからさますぎる。
ほぼ確実に、何かをしている。
放っておくわけにはいかないだろう。
『ウィザード』はライガが何か発動したか見極めるために術式を発動する。
『ウィザード』の魔術に、詠唱などというものは必要ない。
それが『ウィザード』の恐ろしいところの一つでもある。

小さな虎猫のような姿をした光が地面に落ちたようだ。
それだけなら、まだしばらく泳がせておけばいい。
この虎猫を打ち消す正当な理由が必要だからだ。
自分に向けるわけでもなく、理由もないのに相手の能力を打ち消すのは不条理だ。

だが、それが事、先程の女性に向かったというのなら、光を打ち消すだけの正当な理由になる。
なにせ、さっきまで逢引きしていた女だからだ。守ろうとするのは当然。
『ウィザード』は、霊や光をも凍てつかせる氷の魔術を詠唱もなく唱える。
虎猫のような姿をした光を氷りつかせようとする。
そうして、こうライガにこう言う。
「貴様……どういうつもりだ?
 なぜ、裏で、か弱いあの子を狙った。
 言え!」
『ウィザード』には、女を守る正当な理由があるので、あえて表ざたにした。