2015/10/17 のログ
ご案内:「常世公園」にリビドーさんが現れました。
■リビドー > 「暇だ。」
開口一番にそう呟く。
退屈そうに原稿用紙の束を読みふけりながら、ベンチでだらけている。
学園祭への備えは済んでおり、講義の準備に関しても問題はなし。
予定も何もない故に散歩をしていたものの、これまた暇だ。
公園には自身の他に誰もおらず、人間観察すら出来そうにない。
なにか面白いものでもないか、と思いながらベンチで寛いでいる、と言った訳だ。
知己でも居れば良いのだが。
■リビドー > 「……しかし」
夏に比べ人通りが減った気がする。
秋が到来し、冷え込みつつある故だろう。
夏の夜は涼しいが、秋冬の夜は寒い。
「って、所か。暖かいものが欲しくなるね。」
■リビドー > 少し身体が冷えてきた。
折角だ。と、自販機からあたたかいおしるこを購入し、
脇に原稿用紙を置いてゆっくりと呑む。
「……はふ。」
満足そうに暖かい吐息を漏らす。
五臓六腑に、暖かさが染み渡った。
ご案内:「常世公園」に東雲七生さんが現れました。
■東雲七生 > 「あれー……」
今日は授業の予定も学祭の準備の予定もなく。
薄手の長袖ジャケットにスウェットのズボンといったラフな格好で散歩をしていた七生は、公園のベンチに見知った人影を見つけた。
「リビドー先生じゃないっすか。どしたんすか、仕事は?」
まあ特に問題が無いからこの場所に居るのだろうけれど。
それを理解していながらも、何となくそんな声を掛ける。他に適した挨拶も咄嗟に思いつかなかったし。
■リビドー > 「おや、東雲君。こんにちは、かな。
……ああ、丁度講義もなく、すべき事は一通りしてしまってね、退屈していた。」
視線を巡らせ、東雲の姿を認める。
彼の姿と装いを認めた後、退屈そうに声を吐き出した。
「秋になって冷え込んだ上に、生徒も教師も皆、文化祭の準備で忙しそうでね。
この公園も、夏に比べると人通りが減った気がするよ。」
軽く苦笑してみせつつ、ふと思い出した素振りで視線を別の一角に移す。
その先を見れば、秋色に染まった木々が見えるだろうか。
「とは言え秋の公園も中々に悪くない。
人が少ないのが侘びしさを出してこそいるが、ほら、木々も綺麗な秋色に染まっている。」
■東雲七生 > 「こんちゃっす。」
へらり。リビドーの目がこちらを向けば、柔和な笑みを浮かべて軽く会釈。
特に断りも無くベンチの方へと歩み寄って行き、彼の言葉に耳を傾けながら辺りを見回す。
確かに、言われてみれば人通りが減った気もする。
「まあ、そろそろ年末も近いってんで、皆、忙しいんすよきっと。
委員会とか部活とか、バイトとか、色々あるんじゃないっすか?」
自分はどっちも所属してないっすけど、と肩を竦めながら自分とさほど歳離れていない風貌の教師の視線を追う。
葉の色の変わった広葉樹を見れば、ああ、と感嘆の声を上げて、
「そっすね、だいぶ染まってきてるんすよね。
よく時計──じゃなかった、屋上から見下ろしたりしてるんすよ。綺麗っすよね。」
■リビドー > 「ははっ。それもあるだろうな。
何にしても、色々と忙しい時期だ。もうそんな時期だな。」
かんらかんらと軽い調子に笑ってみせつつ、一つ頷く。
少し先を見れば年の瀬だ。
「おや、屋上か。時計塔ならば注意を促さなければならなかった所だ。
ああ、見下ろして見る景色も良いかもしれないな。ふむ、次は屋上から眺めてみるか。」
いい話を聞いた、と言わんばかりに調子を良くして言葉を弾ませる。
屋上から秋を堪能するのも好いものだろう。
「さて、そうだな。鍛錬の方は順調かい。」
なんてことはない。世間話のつもりだ。
特に深い意味も持たせず、何気なく尋ねる事にした。
■東雲七生 > 「学園祭もあるっすからね。
……それに試験も。先生が思ってる以上に割と忙しい時期なんじゃないっすか。」
軽く髪を掻きながら、苦笑いとも取れる笑みを浮かべる。
自分で言っておきながら、なかなか忙しい状況なのだという自覚が今まで無かったのだろう。
「屋上っす。この島を見渡すなら屋上は名所っすからね。
そろそろ青垣山の方も色づいてくるんじゃないっすか、こないだ見た時はまだまだ青かったすけど。」
うーん、と軽く自分の顎に手を添えて軽く虚空を眺めながら言葉を並べる。
思い出す風景は街路樹は色づいていたものの、山の方はまだまだ青さが残っていた。
そんな回想をしていると、不意に鍛錬の程を訊ねられて。
「えっ? あ、ああ。
順調っちゃ順調っすね。まあ、何を以て順調と言えば良いのか分かんないっすけど。」
あはは、と苦笑付きで誤魔化しながら。
最近は腕力トレーニングも始めた事などを報告する。
■リビドー > 「勿論。しかしそれでも暇を作る為の尽力は惜しまないとも。ゆとりは大事だ。
とは言え哲学分野はマイナーな分野でもある。そこを基盤としている以上、他の講師よりは暇になる。」
……暇がない状況は宜しくない。故にそれを作る為の尽力は惜しまないし、
結果的に退屈になろうとも、決してどうせ退屈だからとその尽力を惜しんだりはしない。
「なるほど。あの辺りも見頃か。
学園祭が終わった頃にでも紅葉狩りでもしてみるとするよ。」
きっと、それ位が見頃だろう。
なんて思案が浮かべば、視線を青垣山があるであろう辺りに向けて、笑って見せる。
「ふむ。躓いたりストレスを感じていなければ概ね順調と言って好いのではないかい。
壁に当たったり、悩んだりするのならばそら不調だろう。順調ではないな。」
■東雲七生 > 「まあ、ゆとりが大事っすよね。他の先生も見習ってくれりゃ良いんすけどね。
……てつ、がく。」
哲学、という聞き慣れない言葉にきょとんとしながら復唱する。
基本的に、ナントカ学、とつくものには滅法疎い。それがどういった物なのかさっぱり理解できない、と言った様子が表情にも表れていた。
「ああ、良いっすね紅葉狩り。
でも、あの辺って危なくないんすか?未開拓地区なんすよね。」
今まで一度も未開拓地区の方へは足を運んだ事が無かった。
度々行こうと思った事はあったが何故か足が向かず、今日まできてしまっている。
未だ訪れた事の無い地というのはどうにも不安な部分が大きく占める。
「まあ、躓くも何も元々のスペックがあんまり高くないっすから。
最初っから壁とか悩みだらけっすよ。」