2016/05/08 のログ
ご案内:「常世公園」に留以さんが現れました。
留以 > 「はぁっ……、はぁっ……」
がらがらとキャリーケースを転がす音と息切れの声。
公園に、巫女装束に身を包んだ女性が息を切らして立ち往生していた。

留以 > 一旦木陰のベンチへ近づき、ゆっくりと座り込む。
息を切らしながらキャリーケースのチャックを開け、地図を取り出す。

(今、どこかしら……)

地図とにらめっこしながら、むむむ、と唸る。
土地勘がないせいか、それともタダの方向音痴か。
目的の場所までたどり着けずに居た。

留以 > (ええと……。
ここは……公園、よね。
だから、きっとここ。
南下していけばいいのだろうけれど……南はどっちかしら)

きょろきょろと周りを見渡し、空をみて。
太陽は出ているけれど、今何時か分からず、方角を知る術がない。
もしかしたらこの公園のどこかに時計はあるかもしれないけれど、今目の前にはなかった。

(ううっ、おなか空いたわ……。
朝ごはん抜いてくるんじゃなかった……。
数時間程度でつくと思ってたから、わざわざ朝ごはんを抜いてきたのに)

るるー、と心の中で涙を流す。

ご案内:「常世公園」に頸城 陸さんが現れました。
留以 > 本当なら、朝ごはんはこの島のどこかで食べる予定だった。
電車に乗って、女子寮の近くで降り、荷物を部屋に入れたら学生街のほうへいって朝ごはん。

そんな予定だったのに。

(刀をもったままそういうお店に入っていいのかもわからないし、そもそも荷物が邪魔だし。
うう……、せめて誰かに道を聞かないと……)

このままおなかが減り続けて駄肉が落ちるのはいいが、辛いものは辛いのだ。

頸城 陸 > ふらり、ふらりと、公園を歩く。
今日はそれなりにいい天気だから、と散歩にでも出てみたのだ。

「……ん、あれ」
歩を進める己の目の前に、人影。
なんとなく、困っている風に見えた。
……気になったので、近づいてみる。

留以 > ぐきゅう、とおなかが鳴る午前11時50分ごろ。
とりあえず、一度人通りのある場所に出て人に尋ねてみよう。
そう考えたとき、目の前に人がやってきた。

「あ、あの、すみません」

刀とキャリーバッグをベンチに置いたまま、男性の元へいき

「すみません。あの、学生用の女子寮というのはどこにあるのでしょう……?
道に迷ってしまって、いまここが公園だというのは分かるのですが……」

男性に地図を見せながら、道を尋ねようとする。

頸城 陸 > 「……あ、えー、と……大丈夫、ですけど」
かかって来た女性の声。小さく頷いて、言葉を返す。
どうやら、道に迷っているようだ。新しくこの島に来た人、なのだろうか、等と考える。

「あー……女子寮、ですか?」
女性の持つ地図を覗き込み、ある一点を指差す。
「……えっと、この辺り、ですね」
続けて、その指を別の箇所へと動かし、
「……で、ここが、今いる……常世公園……ですね」
そう、言葉を出した。

「……ここに来たばかり、とかなんですか?」
なんとなく気になって、小さく首を傾げて尋ねてみる。

留以 > 男性の指が指し示す諸資料の場所、そして現在地。
助かった、と思ったのか、ぱっと顔が明るくなる。
ありがとうございます、とお礼を言おうとしたときに男性からの質問。

「はい、先ほどこちらについたばかりなんです。
本当は女子寮近くの駅で降りる予定だったのですが、朝早くからこっちにきたので電車で寝てしまって。
起きたら学園地区だったので慌てて降りたのですけど、それから先道が分からなくて……」

はぁ、とため息をついて頬に手を当てる。

頸城 陸 > 「……あー……なるほど」
女性の言葉に、納得した、とでも言いたげに数度頷く。
逆周りの電車に乗ればよかったのでは、と言いかけて、やめる。
恐らくコレは、失言の類なんだ。
だから、そっと心の中に押しとどめておく。

「……この辺り、結構わかりづらいですよね。僕も来た当初は色々迷ったりとか、してました」
そう言って、苦笑する。
「……すごしてるうちに、慣れましたけど」

留以 > 男性が言いかけた言葉には気付かず、わかりづらい、という部分に共感する。

「やっぱり、最初は分かりづらいですよね。
私が田舎モノだからかと思ったのですけれど、やっぱり皆迷うものなんですねぇ」

よかったぁ、といいながら柔らかい笑みを浮かべる。

「あなたは、もうここにきて長いんですか?」

頸城 陸 > 「そ、それなり、かなー……」
ポリポリと、頬を掻きながら応える。
……確か、来て半年ほど、だったような気がする。
うろ覚え、だけれど。

「……やっぱり、住んで慣れるしか無いと思うんですよね。……何事も、繰り返して覚えるのが一番だ、みたいな」
言い終えて、小さく笑う。
反復練習こそが一番大事なことなのだ、と自分に教えてくれたのは誰だったか。記憶の糸を辿る。
少し考えて、思い出す。確か父親だった筈だ。
とは言え、今は関係のない事だ。
小さく頭を振って、思考を切り替える。

留以 > 男性の言葉に、小さく笑う。
それはバカにしたような笑いではなく、やはり共感の笑み。

「そうですね。
繰り返し。反復。
初めて行なうことなら失敗は当たり前ですから。
次を気をつけること。そして、今回の失敗を覚えておくこと」

稽古をするとき、初めて行なう技はどうしても失敗することが多い。
そんなときは、いつも思う言葉。
失敗を覚え、次を気をつけ、反復。

「とはいえ、これだけ広いと次も迷ってしまいそうですけれど……」

なんて、苦笑する。

頸城 陸 > 「……それならそれで、迷わなくなるまで、頑張ればいいんだと……思います」
苦笑する女性に対して、真面目な声色で言う。

「……まぁ、道案内アプリとか使うのも手だとは、思いますけど」
ポケットから携帯端末を取り出して、言う。
あんな事を言っておいてなんだが、折角便利な物があるのだから、使うべきだとも思う。
文明の利器万歳。どうしようも無いときは頼っていこう。

留以 > 「…………」

ぽむ、と手を叩く。
もう、それは名案だとはいわんばかりに。

「……あら。
そう。そうよね。
携帯機器を使えばいいのよね。
もうっ、なんでそんなこと気付かないのかしら」

恥ずかしそうに。
本当に恥ずかしそうにしながらキャリーケースを探り、携帯端末を取り出す。
その場でぺたぺたと端末を弄りながら地図のアプリケーションを使おうと……。

「……?
あら、えーと……」

首をかしげ、唸っていた。

頸城 陸 > 「……あ、あはは」
恥ずかしそうにする女性の姿を見て、思わず苦笑してしまう。

……色々抜けてる人なんだなぁ。
等と、その様を見ながら思ってしまう。

「……あ、どうか、しました?」
不都合があったのだろうか。首を傾げて、困っている様子。
何があったのかと、尋ねてみる。

留以 > 「……えーと、ちがうの。
普段からこういうの、使い慣れてるのよ?
メールとか、インターネットとか、電話とかするのよ?
ただちょっと、地図とか、そういうアプリケーションとかはつかったことなくて……」

言い訳をしながら、端末の画面をぺたぺたとさわっている。
つまり、使い方が分からず四苦八苦しているらしい。

頸城 陸 > どうやら、扱いに困っているだけ、だったようだ。
小さくため息を吐く。

「……連絡くらいにしか、使わない人タイプの人なんですね」
冷静に考えてみれば、巫女服。……確かに、機械とは縁遠そうなイメージではある。

「取り敢えず、行きたい場所を入力して、ルートを検索すれば大丈夫だと、思うんですけど……」
軽く、使い方を説明してみる。
他人に何かを説明するのはあまり得意では無い。上手く、伝わっていれば良いのだけれど……

留以 > 「普段、地図がいるような場所までいかないから……」

唸りながらもいわれたとおりに操作をする。
ぺたぺたと画面を弄ること少し。

「えーと、これで大丈夫かしら?」

男性にそっと端末の画面をみせ、確認をしてもらおうとする。
画面は無事に女子寮までの道を案内しているようだ。

頸城 陸 > 「……あー、なるほど」
近場で色々済ませるタイプの人だったか。
確かに、お世話になることは無さそうだ。

女性の端末の画面を確認し、軽く頷く。
問題なく、道は表示されていた。
「あ、大丈夫みたいです。後は、支持に従えば辿り着けると思います」
……取り敢えずは、コレで一安心、だろう。
小さく、安堵の息を吐いた。

「一段落したなら、僕はそろそろ……」
随分話し込んでいたような気がする。
時間も時間。昼食でも食べに行きたい気分だった。

留以 > 「よかった。
ありがとう、お兄さん。
名前だけ聞いても大丈夫かしら?
また今度、御礼をするから」

嬉しそうな顔をして、名前だけたずねる。
この島に住んでいる子なら多分生徒か教師か、だろうと考え名前だけ尋ねようとする。

頸城 陸 > 「あ……大丈夫です。えっと、頸城 陸って言います。一応、一年生、です」
尋ねられたので、名を名乗る。
ついでに、学年も。

留以 > 「頸城 陸くんね。
わたしは阿曇 留以。
きっと学校で会うから、同じ一年生同士、仲良くしてね」

ほわ、と微笑み、同じく名乗る。

頸城 陸 > 「あ、はい。その時はお願いします……」
女性のほほ笑みに、照れくさそうに笑い返して。

「じゃあ、僕はこれで……えーと、失礼します。また、学校であった時は、よろしくお願いします、ね」
言って、歩き去っていく。

ご案内:「常世公園」から頸城 陸さんが去りました。
留以 > 「ええ、今日は本当にありがとうね~」

ぱたぱたと彼に手を振って、お礼の言葉をなげかける。

(さっ、それじゃあ私も寮にいかないと)

ベンチから太刀とキャリーバッグを拾うと、ナビにしたがって歩き出す。
きっと、寮につくのは1時を越えた頃になるだろう。

ご案内:「常世公園」から留以さんが去りました。
ご案内:「常世公園」に寄月 秋輝さんが現れました。
寄月 秋輝 >  
本日も平和を享受する青年が一人。
実戦もなく、何らかの始末に駆り出されることもなく。
一人ベンチに座り、傍らに立てかけた刀を横目に、緑茶を啜る。

「……うん、苦い」

じじくささを炸裂させながら、日の光を浴びている。

ご案内:「常世公園」に伊都波 悠薇さんが現れました。
伊都波 悠薇 > 青垣山から、ランニングするのは日課だ。
今日は、休み。授業はない。
ならばと、朝の9時頃から鍛錬も兼ねてただひたすら、走る。
一定のペース。速度を早くすることも、遅くすることもなく。
ただただひたすら、特別なことはなく延々と。

服装は地味めなジャージ。特に、きかざるひつようもない。
Uターン地点の公園について。走りから歩きに。
ゆっくりゆっくり、蛇口に近づき。髪を指で避ける。
じっとりした髪が少し鬱陶しく感じる。でもまぁ、先日姉に言った通り切る気もないのだが。

ごくごくっと喉を鳴らすさまは、どこか初々しく感じる反面。
妙な妖艶さを感じるしぐさで。

『ぷはーーー、やっぱうんまいねぇ。ぐっどじょぶ』

「運動の後の、水は美味しいよね」

そして首にかけたタオルで汗を拭って。先客が居たことに気づき

「っ!?」

ぱぱっと前髪を整えて、目を隠した

寄月 秋輝 >  
黒い髪の影が通りがかり、それを感じる。
目を向けなくても、光の動きを感知することは出来るのが能力の作用の一つでもある。
長い黒髪か、と少しだけ懐かしい思いに包まれながら、なんとなくそちらを見る。
ちょうど、少女が目元を髪で隠した瞬間。

心臓が跳ねた。

刀を置き去りに、茶を投げ捨て、少女に凄まじい速度で駆け寄る。

「夏樹!」

そう叫んだかどうか、本人にはわからない。
心ここにあらず、何か別の誰かを見ているような様子で、その体を抱きしめにかかる。

伊都波 悠薇 >  
「……はい?」

『PARDON?』

携帯ストラップ同様、変な声を出してしまった。
走ってきた。ひたすら走ってきた。
目で追えないけど、それだけは分かった。
目に写った事象は、異能の学園ではよくあること。
では迫ってきた脅威にはどうするか。
携帯についてるセンサーを外す。結果――

――ジリリりりりりりりリリリ!!!!

警報、周囲に助けを求める。良い子は持ってる防犯グッズ。
出来たのはそれを鳴らすだけで。
抱きしめられてしまった。甘酸っぱい匂いがする。

「…………………………はい?????」

寄月 秋輝 >  
警報が鳴り響き、ズキンと耳に響く。
意識が一瞬で戻ってきて、自分が何をしているかに気付く。

「っあ……!」

弾かれたように体を離す。
あの一瞬だけ抱きしめた感触が、少女の香りが、その残滓が脳裏をよぎる。

「す、すみません……!」

とっさに謝る。
目の前の少女がダブって見え、ひどい頭痛がする。
片手で頭を抑えながら、腰を折って謝罪する。

伊都波 悠薇 > 咄嗟に何も出来なかったのは、凡才故か。
それとも、自分にそんなことされるわけがないという無意識の評価故か。
だが兎にも角にも、何もできず抱きしめられたということは
武術をしている娘としてはある意味屈辱で。
それにプラスして家族以外に抱きしめられたあれそれで顔は真っ赤に染まっていく。

「あ、あ、あ――」

これが、強気な女だったら。
きっと平手打ちの一個や二個、馳走しただろう。
いやだれでもそうするはずだ。
もしくは、慈愛の女神は事情を聞くだろう。

けれど、そんなものは地味、ぼっちな悠薇には持ちあわせていない。
羞恥が振り切った、悠薇がとったのは

『全速後進!! 戦略的、後ろ向きに進め!!!』

全速疾走で、公園から走るという選択肢。
ごめんなさいと言われれば。

「おおおおおおおおおおおおおおそまつさまああまままあああでしたあああああ!!!!」

寄月 秋輝 >  
「あ、待っ……」

逃げ出そうとする相手を止めようとして、響く頭痛、重なる残影。
止めて、話をしたい。
だがその頭痛と、錯乱した自分の行為を振り返った申し訳なさが、その伸びる手を止めた。

「……違う、のか……」

悲し気に目を細め、手をゆっくり下ろす。

かつての恋人に似た少女、それに拒絶された。
当然のことではあるが、少しだけ心に傷がついた。

追わない、追えない。
少女が走り去る姿を見送ることしか出来ない。

伊都波 悠薇 > 走って走って走って。
気づけばどれくらい離れていたことか。
冷静になることは、まだ出来そうにない。

「はっ、はっ、は……」

息を切らして、思い返す。
意識しない、なんてことは出来そうにない。
顔は、ぼんやりとしか覚えてない。
けど――あったら、どうしようなんて思いつつ。

「か、かえろう……」

流石にランニングの続きをする気にもならず。
最初はゆっくり、歩いて。
息が整えば、元通りのスピードで。
ゆっくりゆっくり――

ご案内:「常世公園」から伊都波 悠薇さんが去りました。
ご案内:「常世公園」から寄月 秋輝さんが去りました。