2016/05/13 のログ
ご案内:「常世公園」に高峰 司さんが現れました。
■高峰 司 > 「あ”あ”あ”あ”あ”~~~~~~…………!!!」
女性が出していいものではない声を漏らしながら、さながら仕事から帰ったばかりのおっさんのようにどかっとベンチに腰掛ける。
実際その顔は疲れ切っており、体力気力を随分と消耗している事が伺えるものだった。
「連絡先を交換したからって……!当然のように何回も……!放課後に人呼び出す奴があるか……!」
疲れ切っている理由はこれである。
伊都波 凛霞。自身の召喚獣となる可能性があるとして目をつけ、一度は断られたものの、今後懐柔出来る可能性ありと見た相手である。
彼女から連絡先の交換を持ち掛けられ、これ幸いと連絡先を交換。これでいつでも契約を受ける用意が整った……のは、いいのだが。
司は見誤っていた。凛霞と言う女性の社交性は、自身の常識で測れる限度をぶっちぎって高かったのだと言うことを。
■高峰 司 > 「アタシを連れ回して飯食ったり遊んだり……!何が楽しいんだかぜんっぜんわかんねぇ……!」
……高峰司は、孤独な人間である。
故あってだが、自ら孤独を選び、他者に心を開かず、利害と契約のみを信じて生きてきた。
それが間違っているとは思わない。寧ろ、それを良しとして生きてきた。
が、その人生は、司から割と大事なものを育む機会を大いに損なわせてきた。
コミュニケーションスキル、である。
そもそも、司には契約以外で他者と会話をする意義が分からない。そんな事をして何になるのか、本当にわからない。
だから、誰かと遊んだことなど一度もなかった。否、自分が遊んだことすらほとんどなかった。
故に、自分が所謂「楽しい人間」ではない自覚はあるし、それを悪いとは一切考えていない。
楽しさなんてものは心の贅肉。そんなモノを追い求めてる暇があれば、自分にとって本当に必要な事をしていればいいのだ。
そんな性格だからこそ……
「なんで……!アイツは……!毎度毎度毎度毎度毎度毎度毎度毎度ヘラッヘラ笑ってやがんだ……!」
明らかに「詰まらない」人間である司と一緒に居て、それで笑っている意味がまるで分からなかった。
ここまで来ると、理解不能を通り越して奇怪だ。奇怪過ぎて混乱すらしてくる。
ご案内:「常世公園」に雪城 括流さんが現れました。
■雪城 括流 > そんな彼女の独り言を聞いているのかいないのか。
ベンチの下からにょろん、と小さなピンク色の蛇が一匹お散歩にでてくる。
ベンチの後ろから前へ。
にょろにょろと彼女から人一人分くらい離れたところを移動して。
その場でじっと…おそらくひなたぼっこをしているようだった。
■高峰 司 > その奇怪さとそれに伴う混乱により、心の奥底から疲れ切って現在に至るのである。
「あ”ー……クソ、なんでこんな目に合ってんだアタシ……」
憔悴した表情で溜息を吐く。
人の弱みに付け込んで契約を持ち掛けた以上、何かしらの反発から応報までは織り込み済み。
それこそ、何かこちらに攻撃行動を取るなら、相応の迎撃をする用意はあるし、そうすればいいだけの話だ。
……厄介なのは、自分を振り回してくる相手から悪意を感じない事。
いや、実は裏に悪意を隠しているのかもしれない……と全力で観察して裏の意図を推しはかろうとして見たが、芳しくなく。
分かったのは、理由は分からないがとにかく自分を連れ回して楽しんでいる、と言うことだけだった。悪意無しに。
……分かった上で得たのは、混乱だけだったのだが。
「あークソ、わっけわかんねぇ!アイツの脳内はどーなってやがんだ!」
ころころと足元に転がって来た空き缶を蹴り飛ばす。
高峰司は、決して無慈悲な人間と言うわけではない。
ただ、無情なのである。情と言うものを信用しない精神性。それが出来上がっているのだ。
故に……「明確な利益に基づく理由」が無い行動を、理解できない。
自分を連れ回しても、自分はルーンを追加で刻んでやるつもりはない。それは契約してからだ。
契約を諦めるつもりもない。こんなにあっさりと諦めていたら、今までやってこれていない。
それを知ってか知らずか、笑顔で絡んでくる相手に、一種の恐怖すら覚え始めていた。
……と、そんなこんなで混乱していたら。
「……あ」
蹴っ飛ばした空き缶の落下地点の近くに、蛇が蠢いていた。
……思ったより上に蹴っ飛ばしてしまったようだ。
■雪城 括流 > かこーん。
司ちゃんの蹴っ飛ばした空き缶がいたいけな蛇にくりーん・ひっと!
「へびぇえ!?」
妙な鳴き声が聞こえた気がする。
まあ空き缶程度でどうこうなる括流ではございませんが、
のけぞっておなかをみせて伸びております。きゅう。
■高峰 司 > 「…………」
変な声が聞こえた。
思考がしばしフリーズする。蛇なのになんかヒトっぽい声を発している……事自体は、別に不思議でもなんでもない。
が、問題は、自分が蹴り上げた空き缶がクリーンヒットしてしまったことだ。
どうすべきか。それを数瞬考えて……。
「(……ズラかろ)」
よーせ、と立ち上がる。
面倒な事になる前にバックレる気満々であった。
■雪城 括流 > 少し時間がたてば気が付くのか、
小さな蛇は目をぱちぱちとさせてからその鎌首を起こす。
君が立ち上がろうとするなら逃げるのか、とでもいいたげに涙目で睨みつけてくるだろう。
コメディ的にはでっかいたんこぶがついてそうだ。
先ほどの謎の鳴き声なんて感じさせない、蛇らしいしゃー、なんて音を出していたりした。
■高峰 司 > 「………………………………」
睨み付けられて、威嚇されている。
困った、これではバレる前にバックレるというプランが使えない。と内心頭を抱えつつ、この場で取れる自分に最も損のない挙動を考える。
このまま逃げるのはダメ、後でどうなるか分かったものではない。
となると……
「あー……悪かったよ、悪かった」
諦めて近寄って行く。
取り敢えずこの場でこの話をお終いにしてしまおう、と言う魂胆である。
■雪城 括流 > 近寄ってくると少し頭を引いて警戒した様子を見せる。
人語を解しているようには見えない…といった様子に見えるかもしれない。
まあ、実は独り言を聞いてしまったところ人語を解しているとばれたら気まずいかな、と思っている括流は
そういうただの蛇ですよーな演技をしているだけなのだが。
警戒はしているものの危害は加える気がないのか、小さな蛇がその口を開ける様子は無い。
音を出すのを止め、じっと接近してくる司ちゃんの足元を見ている。
■高峰 司 > 「…………」
さっき聞こえた、人語っぽい間抜けな鳴き声は聞き間違いだったのだろうか。
首を傾げつつ、さてどうしたものかと思案する。
この場で前鬼後鬼やらサラマンダーやらを使って始末してしまうのもいいが、失敗した時、後が面倒くさい可能性もある。
だが、このままバックレるには、さっきの睨みが印象的だ。
人語を解するのか否か……以上に、意思があって、今後報復などを仕掛けてくるのかの方が重要だ。
となれば。
「しゃーねー、か。……アンスール」
溜息を吐きながら、空中にアルファベットの「F」に似た文字を刻み、その名を告げる。
アンスール。北欧の主神であるオーディンを表し、口の象徴となるルーン。コミュニケーションを助けるルーンでもある。
このルーンを上手く使えば……。
『さっきは悪かったよ。悪気があったんじゃねーんだ』
所謂「蛇語」のようなもので語り掛ける事も、可能なのだ。
■雪城 括流 > ルーンの力で意思を伝えれば、警戒する様子を少しだけ解いて
首をかしげるような仕草を見せる。
空中に刻まれたルーンをじっと見つめるその瞳に、
どこか一瞬だけ懐かしいものを見るような視線が含まれていたかもしれない。
『いたかった ひなたぼっこ いっしょに たちさるな』
蛇に発声器官は無く、しゃーなんて音も鱗を擦り合わせているだけに過ぎない。
ただイメージを伝えるというのならば、そんなイメージが直接送り込まれてくるだろう。
■高峰 司 > どうやら通じたようだ。
一安心しつつ、最後の言葉に若干顔をしかめる。
立ち去るな、と言われてしまうと、ここでバックレたら後が怖い。
こっちの手違いで痛い思いをさせたのだから、ここは素直に言うことを聞くのが無難だろう。
『……アタシといても詰まんねーぞ?』
が、せめてもの悪足掻きとしてそんな事を口にする。
これで見逃してくれないかなーとか、そんな事を想いつつ。
……ルーンを見る目については、勘付かない。何故なら、懐かしむという感傷すら、完全にどうでもいいものと切り捨ててしまっているからだ。
■雪城 括流 > 答えに満足したのか、そのまま動かなければ片目で時折相手の様子を伺いながら
ふたたびひなたぼっこをするように地面にだらーんと広がる。
『…?』
詰まんない、という言葉に不思議そうなイメージが返されてくる。
とりあえずそこにいる、と言うことがこの小さな蛇には大事なようだ。
■高峰 司 > 『……いや、いい』
溜息を吐いて、またベンチに腰掛ける。
この学園は大体こうなのだろうか。合理的な意味を持たない感傷を基準に、何かの行動を起こすとは。
嫌がらせと言うわけでもなく、単純にそこにいろと言っているだけなのは察せられる。故に、余計訳が分からない。
そこにいる事で、この蛇に何の利益があるのだろうか。
実は、近くにいるだけで何かしらの呪詛などを振りまけるタイプなのだろうか。そうでもなければ、わざわざ自分に痛い思いをさせた相手を、日向ぼっこすると言って近くに置く理由が見当たらない。
だとしたら、一応警戒した方がいいか?と判断して、ハガルのルーンストーンに魔力を込める。
ハガルは「雹」を象徴する、魔除けのルーン。アクシデントなどから術者を守る効力がある。
これがあれば、多少の呪いなどならレジスト出来るだろう。
「(最近、こんなのばっかりだな……)」
自分には理解できない価値観に翻弄される。
最近はそんな事が続いている……ここの住民が、本当に分からない。
■雪城 括流 > 再び空き缶が飛んでこないか、ちらちらと時折意識を向けてくるのが感じられる。
ただそれを除けばただそこで日向ぼっこしているだけのようだ。
魔力をこめた時に一度だけ、両目を向けてくる。
この小さな蛇は魔力を感じられるのだろうか。だが猫などは鋭いというし、ただの勘なのかもしれない。
ご案内:「常世公園」に寄月 秋輝さんが現れました。
■寄月 秋輝 >
平和を享受しようとしにきた矢先にこの地獄絵図である。
魔力を二か所感知して、入り口近くで立ち止まった。
片や少女が、どうも小型の防御フィールドを。
片やまさかの蛇が、よくわからないが魔力を。
なんとなく、ここはやばいと思ってしまった。
ここに平和はないと、自分の勘が告げていた。
入り口から一歩入った程度のところで状況を伺っている。
■高峰 司 > 「(……勘付いてんのか?)」
ハガルのルーンストーンに魔力を込めた時、こっちを見られて、少し訝る。
動物などは魔力に敏感な事が多いが、さっきから微妙に挙動不審な蛇を見るに、色々と疑わしく思えてしまう。
……と、少し離れたところから、風に吹かれて先程の空き缶が蛇の方に転がって行っているのが見えた。
よし、と、自分の手の甲に今度は平仮名の「く」のようなルーンを刻み、その空き缶に人差し指を向けて狙いを定める。
司が使おうとしているのは、北欧の魔術「ガンド」である。
幽体離脱による飛翔の方ではなく、指差した相手の体調を崩す軽度の呪い。所謂「ガンド撃ち」と呼ばれるものだ。
魔力量に優れた魔術師ならば、「フィンの一撃」と呼ばれる物理的威力を持つガンドを放てるが、別に司はそこまで魔力量に優れてない。
よって。
「……ケン」
手の甲に刻んだ炎のルーン「ケン」をガンド撃ちに乗せる。
敢えて長めに魔力を溜め、空き缶に向けて、指で鉄砲を撃つ真似をするように魔力を放つ。
ケンのルーンの力を宿したガンドは、空き缶に着弾し……空き缶を、燃え上がらせた。
ガンドにルーンを乗せる事で、ルーンの効果を直接対象に打ち込む特殊なガンド撃ち。
魔力の精密操作を得手とする司の、得意とする魔術の一つである。
……ついでに、この魔力の動きにどう反応を見せるのか。それを確認するため、視線は蛇に向けている。
故に、新たに公園に入ってきた影には気付いていない……そっちに意識が行っていないのである。
■雪城 括流 > 蛇は司ちゃんの人差し指にだけ一度視線を向けると、
燃えた空き缶ではなく公園の入り口のほうに頭を向ける。
そして振り返って空き缶に気付いたのか、
のそのそと少し近づいていく。暖かいからね。
どこかでカラスがかー、と鳴いた。
そちらに視線を向ければそのカラスは小さな蛇を狙っているが、
人間…司ちゃんがそこにいて近づいてこずにちょっと離れた場所から様子を伺っているようだった。
蛇はそれに気付くといまいましげにベンチの足あたりまで戻っていった。
■寄月 秋輝 >
……なんだこれ。
思わず口に出そうになるのをなんとか我慢した。
少女が蛇を威嚇してる。魔術まで使って。
いやまぁ、桃色の鱗をした蛇を警戒する気持ちはわかるのだが。
「……んん?」
こっちは思わず声が漏れた。
何か確信した様子でその蛇の方に近寄っていく。
ちらちらと少女を見つめて、撃たれないよな?などと警戒しつつ。
「……雪城先生ですか?」
小声で尋ねた。
学校で噂を聞いたことがあったかもしれない。