2016/07/25 のログ
ご案内:「常世公園」に水月エニィさんが現れました。
水月エニィ >  
 夕暮れ時一歩手前の公園。
 左腕に袋いっぱいの駄菓子とジュースを引っ提げた少女が上機嫌にベンチへと向かい、腰を掛けた。

「ついつい買い込みすぎちゃったけれど……
 ……まぁ、偶には良いでしょう。ええ。」

 がさがさと物音を立てつつ駄菓子を取り出す。
 黒蜜風味のきなこ飴だ。贅沢に3個まとめて頬張った。
 

水月エニィ >  
 甘さの絡んだきなこの風味と噛んでも良い柔らかさは素朴ながらも十二分に食べごたえがある。
 暫く咀嚼して、原型がなくなった辺りで残滓を呑み込む。

「んく、次は――」

 きな粉飴を一度仕舞い、寒天か何かのゼリーのようなものを取り出す。
 パッケージには謎の生物が描かれている。スライムを模したナタデココ味のゼリーもどきだ。

 容器を圧迫して押し出し、一口で全部頬張る。
 

水月エニィ > 「……ふぅ。」

 次は何を食べようか。
このような贅沢や人並みの幸せには縁がなかったとずっと思っていたものの、
 気付けば人並みのものを享受している。相変わらず勝てないし、それはやっぱり厭ではあるが――

「んー、次は何にしましょうか。これかしら?」

 枝豆餅。駄菓子と言うより和菓子だが、実際高めの駄菓子と比べれば劣らぬほどに安い。
 
 口の中に頬張る。
 淡泊ながらも洗練された塩気と甘味。
 趣向の変わった甘いものに舌鼓を撃ちつつ、ぺろりと平らげた。

(……柴木クンにもおすすめしてみようかしら?)
 
 

水月エニィ >  ともあれ食べ終えればベンチを立つ。
 ゴミはゴミ箱、残りはそのまま荷物として持っておく。

「さて、これからどうしましょうか。
 夏季休暇って何すればいいか分からないわよ……」
 

水月エニィ >  
 退屈そうにスマートフォンを開く。退屈しのぎの情報でもないかと弄り始めた。
 心の何処かではこれでいいのかと警鐘を鳴らす意識こそあるものの、
 それはただの逸りだと言い聞かせて、紛らわすものを流す。
 
 ぽちぽちと指で叩いて電子の海を泳ぐ。
 この世でありながら現実ではない仮想世界。俯瞰する事の出来てしまう電脳世界。
 そんな喩えが脳裏に浮かんだ。
 

水月エニィ >  
「……。」

 スマートフォンを閉じて息を吐く。
 この場で立ち尽くしていても仕方がない。
 ……他にすることもない、何もしていないことに焦燥感を覚えた。 
 

ご案内:「常世公園」に谷蜂 檻葉さんが現れました。
ご案内:「常世公園」に一樺 千夏さんが現れました。
一樺 千夏 > 「あっついわー」

煙とともに愚痴を吐き出して、デカイ人影が歩く。
日も落ちそうなのがまだ幸い。
ちなみに、左手には複数の財布を持っている。
戦利品のようだ。

「懐も少し潤ったし……何か食べようかしら」

一樺 千夏 > まぁ、何はともあれ水分だろう。
普通の市販のものが売っている、怪しくない自動販売機に硬貨を入れようと……。

「あ、あらららら?」

何度やっても返ってくる選ばれし100円硬貨。
それを取り出そうとして、うっかり落として転がる転がる……。

そちらに気をとられて、口の開いたままの財布からも小銭がダバー!!

ご案内:「常世公園」から谷蜂 檻葉さんが去りました。
水月エニィ >  ゆっくりと踵を返し、歩みを進める。
 小銭が転がる頃には、惜しい事に既にその場を去っていた。
 そのようなこともあるのだろう―
 

ご案内:「常世公園」から水月エニィさんが去りました。
ご案内:「常世公園」に谷蜂 檻葉さんが現れました。
谷蜂 檻葉 > エニィに入れ替わるようにして、特徴的な髪色の少女が公園に足を踏み入れる。
小奇麗に制服を着込んだ夕日と同じ色に反射する長髪をサラサラと風に揺らし、ぐぅっと一伸び。

図書館での業務を交代して、街にまで戻って少しばかり体を動かしに散歩としてやってきたのだが―――

「……って、いきなりトラブルか。 おーい、大丈夫ー?」

景気のいい音を立てて自販機の前で立ち往生する偉丈夫―――偉丈夫? 
に、声をかけながらゆっくりと近づいていく。

一樺 千夏 > 「大丈夫ってか、拾うのが大変だわー」

苦笑しながらとりあえず落ちた硬貨を拾う。
檻葉の足元の方にも転がっていったかもしれない。

ああ、もう といいながら拾っていく。
慣れてはいるが面倒くさいのだ。

谷蜂 檻葉 > 「確かにまぁ、大変そうねコレ……。――――――。うん、まぁ、ええ、手伝うわ。」

まだ距離があるというのにカラコロと音を立てて車輪のごとく足元まで飛んできた硬貨を拾い上げる。

周囲にはピカピカのコインの他に……何やら白い…『骨のように白いけれど骨ではないカルシウム系のいわゆる歯のようなもの』が混じっているように見えるが、おそらく、気のせいだろう。多分小石だ。きっと。

そのまま、ひょいひょいと拾っていたがやがて彼女もまた面倒そうに眉根を潜め、銀貨を指で弾き、何かを小声でつぶやく。


―――やがて、硬貨に脚が生えたかのようにぞろぞろと群れをなして千夏に向かって突撃してくるではないか!

一樺 千夏 > 骨のように白い(略 は気にしない。
きっと自業自得なのだから。命があっただけ感謝して欲しい。
今頃は生きてるありがたみを感じているのではないだろうか。
ブッダよ!!

「わぉ♪ なにそれ魔法?」

突撃してくる硬貨を見て口笛を鳴らす。
煙草を咥えてるのに器用なものである。

さて、突撃はいいがどうやって回収したものか と少し思案して。
財布の口を開けたまま、地面に置く事にした。

谷蜂 檻葉 > 駆ける硬貨、というのは人によっては眼の色を輝かすような光景だが
色のくすみのせいでどうにも虫やら何やらを想起させるどこか不気味な行列。

しかし、ある意味冷静に財布を地面においてキーパーのように構える千夏の行動は非常に正しかった。

”ジャックポット”のようにジャラジャラと零れ落ちた時と同じかそれ以上に景気のいい音を立てながら千夏の財布に次々と硬貨が突撃していく。 それは互いに押し合っても未だに奥へ奥へとつめ込まれていき―――


―――やがて、比喩なしに「パンパン」になった財布が地面に転がった。

「ん、ちょっとショートカットをね。 ……っていうか何でそんなに財布分けてるのよ……。」

中身を失って萎んだ財布と、地面に落ちたはちきれそうな財布の対比に首をひねる。
そも、小銭で持つよりもお札にしていたほうが楽だろうに。

一樺 千夏 > 「アタシはそーゆーの使えないから、便利そうねぇ。
 そっち方面も手ぇだしてみようかしら」

景気のよい音に非常に満足気な様子。
よし 今夜はカジノ行こう。

「あー……戦r……じゃない。
 用心の為に分けてたらちょっと嵩んじゃってねー?」

このズシリとした感触を楽しみたいが、ぐっと堪えて硬貨を少し取り出す。
今度は落とさないように慎重に。

「手伝ってくれたお礼にジュース奢っちゃう。
 面白いものも見れたしねー」

そして立ち上がる。
デカイ。

谷蜂 檻葉 > (適性検査、受けてないのかしら。というか、学生? ……ま、あまり触れないほうが良さそうね。)

軽い、応答。
しかし明らかに彼女の異様さは見た目だけでなくアリアリと見え透いた。

―――というか、この見た目で『学園で見覚えがない』というのが、そも怪しさの発端ではあるが。

「それはどうも……別に見世物でもないんだけど、どうしても”そういう感想”ばっかりね……」

昨日もそうだったが、多くの生徒のソレに比べて『無駄』が多いのだ。
皆はそれを「派手」とか「可愛らしい」と言ってはくれるが。

さて、いつからそう言われるようになったかは―――どうにも記憶の闇に消えている。


「あ、ジュースならそこの『天国汁』にしてくれる? その、一番上の左から二番目。」

一樺 千夏 > 「……美味しいの、これ?」

眉を顰めるが、リクエストなのでボタンをぽちっと。
なんかもう少しネーミングなんとかならなかったのだろうか。
そして自分の分は、よくあるスポーツドリンク。

「具現術の類というよりは、召喚の派生のが近いかしらねぇー?
 プログラムどおりっていうよりは、頼んでやってもらってるような気もするけど。
 半自立だったら、必要なマナは呼び出す分くらいかしら」

推察しながら、出てきた飲料をはいどーぞ、と投げる。
取りやすいように山なりに。

自分の分は左手でキャップを捻って浴びるように飲みはじめる。

谷蜂 檻葉 > 「それが美味しいのよ。
 騙されたと思って飲んでみたら騙された気がしたけど、後味が美味しいの。」

ゆっくりと山なりに飛んできた缶をキャッチ……は出来ないので、胸元で受けるようにしてセーブ。
そのまま、ガショガショと乱暴に振って、カシュンとフタを開ける。

から、中身を少し排水口に落としてから飲みだした。
ちなみに、よく見ていればなんか落ちた。スライムみたいなのがボダボダと。


「40……60点? まぁ、合ってなくもない、ぐらいね。」

ンクンクと飲みながら推察に点数を投げる。

「魔術が使えると色々と楽でいいわよー、いつでも便利道具を持ち歩いてるみたいで。
 かといって誰にでも適性はあるし、『獣道で手折る樹の枝が生涯の武器』ってことね。」

一樺 千夏 > 「……それ、飲んだら天国行きとかそういうジョークじゃないわよね?
 ってかなんかスライムっぽいのが入ってんの!?」

本当に飲料? と疑問符しか浮かんでいない。

「理屈考えるのは、ちょっと苦手だわ。
 精霊術ならちょっとは使えるけど。
 アタシが得意なのは―――」

飲み終わったペットボトルを空に放り投げる。
落ちてくるソレめがけて、足が綺麗にあがった上段の回し蹴り。
蹴飛ばされたそれは、一直線にゴミ箱へ。

「こっちだしね」

谷蜂 檻葉 > 「いや、ただの食感用のゼリーらしいんだけどコレが一番不味いのよね。
 中途半端にとろけてるし、賞味期限遠くてもなんか苦味を感じるし。何でかしら……。」

作成元に問い合わせても電話繋がらないし……。
そう呟いて首をひねる檻葉。やはりこの女何か騙されているのではないだろうか。


「ナイッシュー。 ―――それは私には死ぬまでできなそうね。」

そう言って、缶を地面に置く。  少しの間を置いて、まるで早送りのように、けれどジワジワと。地面と接する端から”腐食して”、ゆっくりと時間をかけて地面に吸い込まれていった。


「さて、ごちそうさま。 私は此処に来たのも大した用事でもないし、寮に戻るけど。貴女は?」

一樺 千夏 > 「……うん、騙されてるんじゃないかしら」

そんな気配しかしてこない。
というか、もう作ってる会社が倒産してる可能性が高そうだ。

「体に基本を反復で叩き込むだけよ?
 運動してる学生さんと似たようなもん。
 魔術だって同じ事延々と繰り返してたら使いやすくなるでしょ?」

回数制限があるタイプの魔術師は除外する。
腐食していく缶を見れば笑顔だけど目がわりと真面目である。

「歓楽街に繰り出そうかなーなんて考えてるけれど。
 面白いって言ったけど前言撤回するわ。アタシはその魔法『怖い』」

谷蜂 檻葉 > 「あら、そこは怖がらないで上げてほしいかも。

 ―――だって、”この子達”はもう貴女のこと、気に入ってるわよ?」



瞬間、千夏を中心にした半径数メートルが『ガボンッ』と音を立てて中心点に向けて”滑落”する。
まるで縮尺のおかしい蟻地獄の巣穴に落とされたかのようにザリザリと音を立てて脚が地面に吸い込まれ―――

1,2cm窪んだだけで、止まる。



「……なんてね。 『子供』にビビッてちゃ世話ないわ、歓楽街はおよしになったらァ?」

クスクスと、わざとらしい笑みを浮かべてから普段通りの真面目そうなほほ笑みで
「じゃあね」と軽く手を振って、ふわりと浮かび上がる。

その背には妖精を思わせる三対六つの「翅」がはためき、やがてそう遅くなく空の点になって消えた。

ご案内:「常世公園」から谷蜂 檻葉さんが去りました。
一樺 千夏 > 「……『餓鬼』だから、加減しらなくて怖いのよ。
 そのくせその子供は『なんでもできる』んだから」

すぅ はぁ と 呼吸を整えて。

「悪戯すんのは結構だけど、喧嘩売る相手を間違えると火傷じゃすまないわよ?」

いなくなった少女に向かってそう呟いて。
魔力と気がない交ぜになったそれを、臍の下に込め。
右足だけを引き抜いて、大きく上げたそれで思いっきり踏み抜いた。

ドガン と 大きな音が周囲に響く。
衝撃で蟻地獄の砂が舞う。
丹田にある気を魔力と共に、解き放つ。

一樺 千夏 > すり鉢状に凹んだ地面に、深く抉るような靴後が一つ そこに残されていた。
ご案内:「常世公園」から一樺 千夏さんが去りました。