2016/08/19 のログ
ご案内:「常世公園」に永江 涼香さんが現れました。
■永江 涼香 > 「んー!」
夜遅く、公園のベンチにどかっと座って大きな伸び。
その主目的は夜の散歩である。……が、涼香にとっては、その夜の散歩すら一つの大冒険であった。
「こーんな時間に出歩くって、悪いことしてる気になるわよねー」
日輪の加護も薄いしー、と足をぶらぶら。
涼香は実家が厳格であったため、夜に出歩くことなどほとんどなかったのだ。
一人、という意味で言えば実家では皆無。なので、ちょっと出歩くだけでも大冒険なのである。
■永江 涼香 > 「うふふ、これもやってみたかったのよねー!」
言いつつ、立ち上がって向かった先は、自動販売機。
夜に、公園で、一人で、自動販売機で何か買って飲む。
なんと冒涜的で、心躍る行為であろうか。とっても悪いことをしている気分になる。
……涼香にとっては。
「ど、れ、に、し、よ、う、か、なー!」
ニッコリ笑顔でどれにしようか迷う涼香。
本当に楽しそうである。
ご案内:「常世公園」に羽切 東華さんが現れました。
■永江 涼香 > 「んーとー……じゃあ、これっ!」
満面の笑みで選んだのは、メジャーな炭酸飲料。
これくらいの年頃ならまあ1回は飲んだことあるよね、人によっては毎日飲んでるよねっていうアレである。
それを選んだ理由は……
「炭酸飲料!不健康間違いなしよ、うふふふふ!」
不健康な飲み物(偏見)だから、悪いことしてる気になるから。
世間知らずにもほどがあるが、そういう育ちなのである。
ご案内:「常世公園」にデーダインさんが現れました。
■羽切 東華 > さて、携帯電話を買ったり、新居を探したりバイトを探したり、白猫さんをモフったり。
そんな事をしてから一度男子寮に帰宅し、寝付けないのでそのまま夜の散歩に。
そういえば、初めて訪れたのはこの公園だった。そんな訳で、フラリと常世公園へとやって来た。
ついでに、喉が渇いたので何か飲み物でも買いたい気分だ。
「…と、あれ?先客さんかな」
自販機の前に人影が見えたので、財布を取り出して小銭を確認しながら呟く。
一度竹刀袋を背負い直しつつも、取りあえずそのまま自販機と少女へと近づいていくか。
■永江 涼香 > 「うっふっふ、飲むわよぉー……!」
どっきどっき緊張しながらプルタブに手をかける……ところで、ちらっと近くから来た人影を見る。
「(……誰だろ?)」
こんな時間に、夜の公園にいるなんて!悪い子である可能性が高い!
護身用の宝剣はベンチに置いたまま。しかもインザ竹刀袋。そっちをちろっと見つつ東華に意識を向ける。
■デーダイン > 「満悦の―――様だな!」
夜の闇に色彩的に紛れ込んだ、マントと仮面の黒ずくめの不審者。
夜である。夜であれば尚更その不審者レベルは加速する。
その正体は…学園で教師をしているデーダイン、その人である。
いつから見ていたのだろうか、自動販売機の辺のベンチから立ってて、
何か、如何にも悪!みたいな声にシンパシーを感じ、思わず更に横から、
いつもと変わらぬ暑っ苦しい声を、今まさに炭酸飲料を飲まんとする少女に掛けた。
「じゃあ私も飲み物でも―――ああ、おっと。割り込んではいかんな。」
もう一人、やってくる少年、彼もまた、夜中に適当な飲み物でも買うんだろうか。
一見すれば剣術の訓練でもしてそうだった。
とりあえず邪魔になりそうなのでベンチに再びマントを下ろして大人しく順を待つ。
悪を名乗ってもこういうところはちゃんとルールを守るのだ。
■永江 涼香 > 「あ、えっと、こんばんは」
丁寧に、少しおどおどと対応されれば一気に毒気を抜かれて、そそくさと自販機の前から離れる。
ついでにそのまま自分の竹刀袋のあるベンチまで移動……すると。
なんか、派手な人が、派手な登場をしてきた。
「……どちらさま?」
しゃーなしでベンチの竹刀袋を取って首をかしげる。
まあ、ご満悦だったのは完全に事実ではあるのだが。ついでにこの巫女、手すさびでしゃかしゃかと炭酸飲料を振っている。
■羽切 東華 > (あ、何かめっちゃ見られてる気がする。というか見られてる!)
ヒシヒシと先客である少女から視線を感じる。
自販機の灯りと、田舎者ぱわぁな夜目の利く感じでハッキリ見える。
しかも、こちら竹刀袋を背負っているし、前髪の一部だけ白いので勘違いもされそうだ。
「…えーと、こんばん…わ?」
あ、疑問系になってしまった。取りあえず笑みで軽く会釈しつつ、そそくさ自販機で飲み物を買おう…と、したら。
「おおおぉぉぉ!?」
いきなりの第三者の登場に驚いた!何だこの如何にも不審者という姿は!?
マント、仮面、黒ずくめ…凄い!これがザ・不審者というヤツか!都会すげぇ!!
と、何か現実逃避し掛けたが気を取り直す。
あ、何か律儀に待ってくれてるので先に失礼してペットボトルのお茶を購入。ガコン。
「えーと、どうぞ?」
と、仮面の不審者?さんに自販機の前を譲りつつ、一歩下がろう。
■デーダイン > 「…知らんのかッ!…二人して知らんのかッ!」
自販機から飲料を得る前に、自分の知名度の低さを嘆き、憤る不審者。
仮面をつけているので表情は勿論、顔すら見える事はないが、その声から感情を読み取るのは容易い事だろう。
「…あ、そのまえに。
挨拶は大事だな。私もこんばんは。」
便乗する形でヘコヘコと挨拶を。
「じゃあ失礼してー、と。私はブラックコーヒーにするか。苦いけどガマンガマン…。」
ベンチから立ち上がれば、自販機の前へ。
意地でも素肌を見せたくないのか、白くてごっつい手袋嵌めたまま内ポケットから財布を取り出す。
「少女よッ!質問に答えようッ!私はデーダイン!学園で魔術の教師をしている者だ。
ダイン様、若しくはダイン先生と呼ぶが良い。少年ッ!貴様も覚えておくが良いぞッ!!」
ガコン。
呆気にとられる二人の方を向き、自販機に背を向ける。
やたらと大袈裟な仕草を交えての自己紹介。
背中向けながら器用に商品のボタンを押して―――。
「…で、貴様らは生徒かね?夏休みだとはいえ、もう夜は遅いぞ、気を付けたまえ。
不審者などに襲われてはならんからな!」
ふわぁっと、不審者の魔力で操られたブラックコーヒーの缶が独りでに動き出せば、
その手に収まった。
そこには既に約一名不審者が居るようだが。
■永江 涼香 > 「知らないわよこの変質者っ!!!」
直球でツッコむ涼香。流石にこれは変質者にしか見えなかった。
……が、教師と言われれば、取り敢えず素直に返事はする。
「あ、えっと、先生、アンタ、が?」
不信感バリバリだが。こんな怪しい先生って存在するのだろうか。
「(ね、ねえ貴方。あんな先生、この学校にいるの……?)」
ひそひそ、と竹刀袋を抱きしめつつ、同じく竹刀袋を持つ東華に小声で問いかける。
■羽切 東華 > 「えーと、知らなくてすいません。俺、転入生でまだ常世島に来て1週間くらいなので…」
済まなそうに苦笑いで謝る。しかも、夏期休暇期間だから授業も何も無い。
つまり、教師陣と顔を合わせる機会がかなり少ないタイミングで来てしまったのだ。
「…え?いや、今さっき言った通り、俺1週間前に来たばかりだし。
学園の教師と会った事殆ど無いから何とも言えないよ…」
と、こちらも竹刀袋を年の為に担ぎ直しつつ、ヒソヒソ声で近くにいた少女に返す。
「え、とダイン先生?失礼を承知でぶっちゃけますと、先生(の格好)が間違いなく一番不審者かと」
軽くハイ!と右手を挙げて意見を述べてみたい。多分隣の少女も同意見だと思う。
ご案内:「常世公園」に影打 鈍さんが現れました。
■影打 鈍 > まーた汝はナンパしとるのか。
人外に限らんのだな。
見境無しか。
――おい気を付けろ女子よ。
そいつ無害な顔してスケベだぞ。
(ひそひそとナイショ話をしている主と少女、その後ろに何時の間にやら現れたやや巨乳妖刀娘。
呆れた様な表情で呆れた様な声を主に掛けつつ、少女の方にはそんなろくでもない情報を流す。)
――で、この不審者は斬っていいのか。
教師とか言ってたが、どう見ても不審者だから斬っていいよなよし斬ろう。
(その後わざわざ二人の間を通りつつ、教師と名乗る不審者の前に躍り出る。
言葉はアレだが、本気で斬るつもりはない。
今のところは。)
■デーダイン > 「…貴様ら二人して私を変質者だの不審者だの。不名誉なッ!
どこがどう不審者だと言うのだッ!!わ、私は寝る時も風呂に入る時も授業の時も、
そして夜半に可愛い女の子探しに行く時も全てこの格好だッ!」
ばさあ、風がないのに赤いマントがびゅおお、と靡く。
「そうだ!私は先生だ。デーダイン、その名前は有名ッ!至極有名ッ!!」
手袋の親指がデーダインの仮面を示す。
「どうすれば良いのだ…私が先生と信じてもらうには…。
そうだ!これを見ろッ!!刮目せよッ!!!出でよッ!我が教師たる証よッッ!
無礼な生徒共を撃ち滅ぼせッ!」
やけに派手な指パッチンの音。因みに手袋をしているのに、である。
そこから黒い煙が出現すれば…なんと、その中から教員証のコピーが現れた。
御丁寧に、教員証ですら仮面付きの赤マントの姿だった。
不審者って言われてもそりゃ仕方ない。
■永江 涼香 > 「えっ……あ、貴方スケベなの!?」
びっくぅ!と反応して距離を取る涼香。涼香は性的にかなりうぶなのである。
が……それと同時、まじめな顔になって新たに表れた巨乳娘を見る。
胸が大きいから……ではない。
涼香は日輪の加護を得た天性の巫女。妖気には敏感である。
「そういうアンタは……物の怪かしら」
あんまり得意じゃないけど、いざとなったら……と竹刀袋の紐をほどく。中に収められたるは、日輪の宝剣。太陽神を奉る聖剣。
まだ、抜かないが。
「……聞いたことないわ。後、夜半に女の子探しに行く時点で怪しいわアンタ」
デーダインには完全にジト目。そりゃそうだと思う。
教員証を見てもなお……。
「……ぎぞーってやつ?」
偽造を疑う涼香。信用値が低すぎた。
■羽切 東華 > 「凄い!?何か無駄に徹底してるというか、教師がそれでいいんですか!?
と、いうか風呂とかナンパする時もそんな服装なんですか!?」
そして、夜風もないのに靡くマント。変な所で凄いなこの人!
あと、デーダイン…という彼の名前であるが、当然ながら今宵初めて聞いた。
だが、どうやら本人によれば有名らしい。これが名物教師というヤツなのだろうか?
…と、彼が何やら異能?魔術?を使って出現させたのは…教員免許証!?
「…すげぇ!教員免許の写真も仮面と赤マントだ!!」
ここまで徹底してると、むしろ逆に感心するレベルだと少年は素直に思った。
「あと、スケベじゃないよいきなり何を言ってんだ鈍!あ、俺1年の羽切東華といいます。」
と、いきなり現れた妖刀娘に即座にツッコミ入れながら、少女とダイン先生に会釈で自己紹介。
「あ。ごめんその娘さん、俺が契約してる妖刀の化身。悪い娘じゃないんで、俺に免じて見逃して欲しいかな、と」
と、苦笑いで少女に頭を下げる。神聖な気配をバリバリ少女、とその竹刀袋から感じる。
アレはマズい。人外殺しの自分とはある意味で対極的だ。
■デーダイン > 「フーッハッハッハッハ!斬れるものなら斬ってみろッ!
たかが小娘風情に斬られたところで、私は完全無欠の絶対悪!
貴様らに悪の心がある限り、私は何度でも舞い戻ろうッ!」
それにしても夜中に近所迷惑な高笑いである。
なんか凄いややこしいことになってきたけどばっちこい!
デーダインの声は相変わらず暑苦しくて煩わしい。
「少年よッ!」
唐突に羽切東華に手袋をぽむんと置いて。語りかける。
「男であれば、スケベであることは当然だッ!恥ずかしがることはないッ!
ここだけの話ッ!!先生も―――可愛い女の子が、大好きだッ!
そうでなければ―――ホモッッッ!!!ありえん!ありえんぞッ!」
デーダイン先生の不審者レベルが5上がった。
気がしたが、元からカンストしてたので上がらなかった様だ。
「アンタとは失敬な!ならば貴様、何をすれば教師と信じるのだ!?
偽造だと?!ならばこれはくれてやる!疚しい事など、ないッ!」
ふわぁっと、これまたデーダインの魔力によって浮き上がった、
教員証のコピーが永江涼香の手のひらへ押し付けるみたいに飛んでいった。
「じゃかましいわ!羽切東華、そうか。ならば羽切東華ッッ!!おぼえておけ、
この学校ではな、如何に信じがたい事があっても。
「そういうこともあるさ」と受け流すメンタリティーが必要だッ!
私など可愛い物だッ!顔すらない種族!存在すらない種族!何でもアリだッ!
…分かったかね?」
ガッツポーズしながら。より暑苦しく訴えかける。
「あと、風呂に入る時もこの格好だと言ったな。
アレはウソだ。」
■影打 鈍 > こいつほんっとむっつりでな。
私はこの主にこんな色々と持て余す身体に変えられてしまってな。
そのくせ明日は違う女子と二人っきりで会う約束をしているのだよ。
気を抜くと唇の一つや二つあっさりと奪われるぞ。
(有ること無いこと好き放題に言う。
ぺらぺらぺらぺら次から次へと出てくる言葉は嘘ではない。
ただ言い方をちょっとだけ変えているというだけだ。)
はん、そこな女子にじいと見られて鼻の下を伸ばしていたくせに。
スケベー。
エロあるじー。
(そして自分の主にこの言い草である。
腕を組んで若干つまらなさそうに顔を背けた。)
どうでも良いが夜中に大声でホモとか言う教師ってどうなんだろうな。
ご案内:「常世公園」に滝川 浩一さんが現れました。
■永江 涼香 > 「あ、えっと、そうね。私は涼香、永江涼香よ」
そういえば挨拶をしていなかった、と少し恥じながら自己紹介。
とは言え名前だけだが。
「お、男は皆狼ってホントだったのね……怖い、怖いわ……!」
デーダインの不審者レベル上昇(カンスト済み)ワードと、鈍のセリフにより東華とデーダインへの警戒心を倍増させる涼香。
巫女として純潔を守る事を教え込まれた涼香にとって、男子の性欲とはそれだけで恐ろしいものなのである。
「い、いやそんなの貰ってもどうしようも……いやこれどうすればいいのよ!」
教員証のコピーを受け取ってしまい、ぶんぶんと手を振りながらデーダインに文句を言う。だがそこで投げ捨てないあたりは育ちがいいのだろうか。
「妖刀の化身、ねー……太陽の巫女たる私とは真逆って言っていいのかしら」
これも太陽の宝剣だしねー、と自分の竹刀袋をチラり。
その中からは、溢れんばかりのホーリーオーラが漏れ出ている。
■羽切 東華 > 何だろう、一部事実だけど脚色されている上に、疚しい事は特にないのに誇張されてる!!
あと、何処まで俺スケベなんだよ!?そんなホイホイとキスなんてしないわ!!
「鈍、ちょっと後で反省会な…(お前後で覚えてろよ)」
ジト目で妖刀娘を眺めつつ。と、いうか事態が更にややこしくなってないかこれ。
そして、何かダイン先生の肩ポムされた。そして力説された。
「え?あ、えーと、ハイ?(いや、ちょっとなんで俺がスケベ確定されてんですかねぇ!?)」
不審者レベルより、妖刀娘のせいで少年の評価が悪化の一途を辿りそうな気がした。
この島に来てから初めて泣きそうな気分になった。そりゃ年頃だから興味はあるけど!
そこまでスケベじゃないんだ!!と、力説しても誰も聞いてくれなそうだ…。
「ああ、もう涼香さん?が完全に案の定誤解してるし…!!」
頭を抱えた。ダイン先生からは何か、メンタリティを諭された。
と、いうか風呂はウソかよ!!と、ツッコミを入れたい。凄く入れたい。
「太陽の宝剣……あ、何か婆ちゃんから聞いた事がある気が。
と、なると涼香さんの持ってる剣、かなりの神性が…」
竹刀袋の中にある2本の片割れ、人外殺しの刀がカタカタ揺れる。あ、やっぱ凄い剣だあのオーラ。
■デーダイン > 「うっさいわ。揉むぞコルァッ!」
影打鈍へと投げる暴言。
「プレゼントフォーユー…だ。永江涼香ッ!よろしいか。貴様は無礼にも私を、そしてあろうことか偽造すら疑った。
本来であればこの様な無礼、許すわけにはいかんッ!しかし…だ、或いは私が不審者と疑われるのも無理はないと、
それを認めるのはやぶさかではない。私は暗黒の化身ッ!寛容なのだ。」
フフン、とやけに得意気な笑い声。
「しかしッ!!!」
仰け反って、ゲッツ!―――ではなく永江涼香を指差す不審者。
「二度とその様な過ちを起こさんように呪いとしてそれを持って置くが良い。
先生は黒魔術教師をしている。…一度装備したら二度と外せないアイテムを作る事は、容易いゾォ?」
にったりとした声である。
「ハイ?ではないハイッ!!だ。やり直せッ!」
体育教師みたいな命令。
「…えっ、ちょまてよ。太陽とか神性とか暗黒神の私には微妙に怖いワード聞こえたんだけど何なん。」
暑苦しい声が若干震え声になった。
これでもデーダイン先生は暗黒の化身なのだ。そういうのあったらそりゃ怖い。
■滝川 浩一 > 「…やばいな。気持ちいい。」
風呂上りなのか、髪が若干濡れつつも夜風に吹かれ涼しさを感じる。
夏とは言え夜になると多少気温は下がる。それに熱湯から出たら生暖かい風も涼しく感じるというのは当然の事だろう。
少し喉が渇いた。いつもの公園へ行って魔物に勝負を挑もう。そう考えながら公園の入り口に立つと
「……えっ」
公園内の様子を見た。中にいたのはいつぞやの妖刀、伊達眼鏡の男、長髪の女性…それと、何?
フードにマントに仮面のハイテンションの…男?を見て困惑する。
それよりなにより、この公園は夜のたまり場として有名なのか?
混乱が収まらず、その場で頭を抱える。
■影打 鈍 > ソウジャヨー。
オトコ ミンナ オオカミ。
ヨウトウ ウソ ツカナイ。
(無表情になってなぜかカタコトで喋る。
口もパカパカとどこか人形のように開いているので、妙にはっきり喋るカタコトの外人さんみたいな感じになってる。)
――とまぁ冗談はこのぐらいにして。
黒刀・影打、銘は鈍だ。
近いうちに一年になる予定の妖刀だよ。
よろしく頼む。
(ぺこり、と頭を下げる。
どこか泣きそうになっている我が主を慰めるように頭を撫でながら、)
しょげるな我が主。
帰ったら好きに使っていいぞ?
押し倒したり、揉みしだいたり。
(そして胸を持ち上げる。
すっかり痴女キャラになってしまった。)
揉んで良いのは主だけだァ!
だが尻なら許す!!
(そして変態教師には意味の分からない切れ方をして。)
――これ以上騒ぐとあやつに通報されるぞ?
(そして通り掛かった少年を巻き込まんと指差す。
彼が誰かは気配でわかる。
つまり確信犯だ。)
■永江 涼香 > 「マジもマジな神性よ。お父様が言ってたのだけれど、この刀身からしてまず現代に残っていない特殊な金属らしいし。大昔の祭礼で使われていたものなんだって。そっちの持ってるのも、なんか凄そうだけど。そんなオーラ初めてよ?」
竹刀袋を軽く掲げながら言う。あまり妖怪の類に触れてきたわけではないが、それでも東華の持つ刀の気配は強大なものに感じる。
そのまま鈍へと向き直って……。
「鈍、ってのも、こういうと難だけど変わった銘よね。
……んー、この剣の銘も明かすべきかしら」
そして、周囲に大ダメージを受けそうな人が複数いるにも関わらず、すらりと刀身を抜き放つ。
形は古代の直剣、祭礼具らしく鍔などは豪奢な金色である。
抜き放てば、抑えられているながらも熱量と陽光を放ち、そこに『太陽』を感じることが出来るかもしれない。
「この剣の銘は『神咒神威 天照坐皇大御神 霊結禊祓剣(かじりかむい あまてらしますすめおおみかみ たまむすびみそぎはらえのつるぎ)』。普段は『天照』って呼んでるけどね。大雑把に言うと『天照大神の御名と御力で以て、あらゆる魂を繋ぎ、禊払う宝剣』ってところね」
受け売りだけど、と言いながら説明する。
世界中あらゆる国で盛んにおこなわれた太陽信仰、その内の一つ。
太陽という究極の神性の一を封じ込めた、本物の聖剣である。
「の、呪いの装備って何よ!外しなさいってば、この剣ぶっぱなすわよ!?」
震え声のデーダインにはこちらも怯えつつその宝剣『天照』をチラつかせて牽制。強気な涼香だが、流石に変質者(失礼)相手は不慣れだった。
が、寧ろマズいのはその後。
鈍の言葉を聞いて、顔を真っ赤にする。
「お、おしたおしたり、もみしだいたり……お、おしりなら、ゆるす……?」
おめめぐるぐる。
完全に落ち着きを失っている。
この巫女、しつこいようだが性的には全くの初心、保健体育レベルのことすら知らない無菌培養育ちである。
「お、男って本当にけだものだわーー!!!」
焦りつつきょろきょろして……浩一が、目に入ってしまう。
「おとこー!またおとこー!ふけつーーー!!!!!」
理性がどっか行ってしまった。わたわたしてその場で立ち尽くしてしまっている。
■羽切 東華 > (おい、この妖刀さん性格変わりすぎなんですけど…)
と、先程から暗黒神ダイン先生と並び場を引っ掻き回している妖刀娘にゲンナリ。
そして、ちょっと泣きたい気分の時に頭を撫でられたかと思えばそのセリフである。
何、この娘さんマジで痴女属性になっちゃったの!?
「え!?あ、…ハイッ!!(リテイク要求された!?)」
と、何かダイン先生にもダメ押しされたので勢いよく返事をしておく。
ダメだ、この二人がはっちゃけすぎてて、田舎者の俺には難易度が高い…!
「…あ、うん。俺の一族は《大変容》前から、ずっと人外と関わってきた一族で。
元々普通の刀だったんだけど、人外を妖怪や魔物、神さま問わず斬り捨てて来たら、刀がアレな事に…」
と、いうかちょっと魔って天照!?しかも抜いたらマズくないかな!?
特にダイン先生とかダイン先生とかダイン先生とか!!
反射的に竹刀袋から人外殺しの刀…《禍津切(まがつぎり)》を鞘ごと引っ張り出して。
刀身を半分だけ抜き出して、《太陽》の威光を多少なりとも抑えておきたい。
何でここで抜く羽目になるんだチクショウ!あと、新たに現れた人物にも慌てて会釈を。
「こ、こんばんわ!今ちょっとこの場所カオスなんで気をつけた方がいいですよ!!」
と、滝川少年に警告しておきたい。
■デーダイン > 「んえ※!@■G8※Y▼っっ?!も、揉んでいいの尻ッッ!??!?!?!
揉ませて。今すぐ揉ませて。…あ、羽切東華ッ!!揉んで良いって。ウィヒヒっ。
スケベマンめっ。うらやまけしからんぞこのっ、このっ!」
デーダインは驚愕した。
それはあまりの驚愕で、こんな夜中でもクッキリと黒だと分かる程の黒魔術の片鱗が、
「?」と「!」の形を作って空へ浮かび上がるくらいデーダインの頭から生まれ、飛んでいった。
何処まで本気なのか、そうはいいながら別に向かっていく気配もなさそうだ。
ついでに羽切東華を不審者が滅茶苦茶茶化した。
「オウフッ?!オギャーーーーッッッ?!?!?!」
間抜けな声を漏らす不審者。
光輝く刀身をが闇に晒されれば、デーダインは驚いたみたいだ。
瞬時に真っ黒なオーラがデーダインから噴き出してバリアを作る。
「うん、なるほど。永江涼香。―――そいつは危険だなッ!私はな、
異世界より舞い降りた暗黒の化身―――即ち、暗黒神ッ!
その剣はいかん!
つまるところ、そいつは…そうだ!「光」ッ!忌ま忌ましき、忌々しき、
それも、この世界の光にある光だ!光の力を感じるぞォっ!
ああ、危ない危ない。防御術式があと0.23秒遅れていたら右側半分がごっそり無くなっていたぞッッッ!!
まあこの右半身くらい大した問題ではないがな。」
相変わらず真っ黒なオーラを展開したまま、二歩程引き下がった。
よく見れば、デーダインの赤マントが蒸発したように煙を上げている。
「それをこっちむけんなアホ!!貧乳!!先生を殺す気か!この暗黒神殺し!!尻揉ませろ!
いかんいかん。全く。恐ろしい娘だ……。ああ、そうだ。
ならこうしよう。セクハラ行為をさせてくれたら呪いを解く、というのはどうかね。
うぇひひひひひ。」
名案とばかりに、防御術式を強めながら再び永江涼香へとにじり寄る暗黒変態デーダイン。
まるで地面に足が付いていないかのような―――実際地面に足はついてない―――、
変態的な歩き方で、だ。
■滝川 浩一 > 「えっ、俺?」
入り口にて茫然とその光景を見ていると唐突に妖刀の少女に指を差され、困惑しつつも右手の人差し指で自分を指さす。
いや、通報以前にこの状況がわからない。
何が正常で何が異常かもわからない中、長髪の少女が引き抜いた直剣の煌めきを直視してしまう。
「うおっ、眩し!」
手で『天照』の陽光が目に来ないように光を遮ると伊達眼鏡の少年の助けにより手で遮らなくても光が見えるようになる。
その直後、直剣を抜いた長髪の少女に不潔と罵られる。
「ふ、不潔!?いやいや、しっかりお風呂入りましたよ!?」
困惑しつつそう反論する。
彼女が言ってるのはそういう意味ではないが、一応脇の匂いを確認しようとしたところに伊達眼鏡の少年の警告が入り
「いやいや!?それは入った瞬間解るんですけど、どう気を付ければ!?」
少年の言葉にまたも困惑するも自分に出来ることを何とか探し、右足を踏み込むと公園全体に粒子のような青い光が無数に出現する。
青い光はふよふよとその場を彷徨い、暗くなった公園では周囲をぼんやりと照らし幻想的な雰囲気を作り出すだろう。
(…で、何あれ?)
仮面マントの男を見るが…なんというか怖い。
あれ深夜の住宅街で暗闇から出て来たらちびる奴だ。そう認識する。
■影打 鈍 > (久しぶりに担い手が見付かって色々とはしゃいでいるんだ。
前の担い手のアレとかコレとかがちょっと残っている可能性もある。
真相は鞘の中。)
ほう。
これはなかなか。
(しかしそこは曲がりなりにも妖刀である。
涼香嬢の聖剣を目にすれば真面目な顔になった。
自我のある刀故に、刀剣の善し悪しは見ればわかる。
聖剣らしい曇りのない刃だ。)
あー、落ち着け女子よ。
とりあえずそれは鞘へ納めろ。
危ないでな。
(言って彼女に近付き、手首をそっと掴んで聖剣を鞘に納めさせようとする。
男性が声を掛けたり触ったりするよりはまだなんとかなる、はずだ。)
そんで汝は曲がりなりにも教師なら生徒にセクハラすんでない。
ついでに私にも触れんな。
こやつにもだ。
触ったら斬るぞ。
(じりじりと近寄ってくる煩悩全開変態教師へと拳を叩き下ろす。
あまり力は入れていないが本体が近くにあるので強度抜群の拳だ。
当たれば結構痛い。
避けられようが喰らおうが、その後には変態教師を遠ざけようとしっしっと犬でも追い払うように手を振っておいて。)
いや来るんかい。
汝結構無鉄砲だな。
(普通このカオスを見れば逃げていきそうなものだが、滝川少年はむしろ踏み込んできた。
なかなかやる男なのか、もしくは好奇心の塊なのか。
なんかの異能まで使おうとしてるし。
思わずツッコミを入れる。)
■永江 涼香 > 「ふ、ふん!光の聖剣こそ、世にあるべき宝物でしょう!?」
デーダインに文句を言いつつ、おろおろ。
が、その後のデーダインの言葉に、禁句が混じっていた。
「ひ、ひ、貧乳……!ひ、人が本気で気にしてることをぉ~~~~~!!!!!」
この永江涼香、貧乳である。
神に選ばれし天性の肉体を有していながら……まな板なのだ。本当に、すとーんとした、板。平地。
そして、女性としてそれをコンプレックスに思っている涼香にとって、その手の言葉は禁句である。
「と、と、虎の尾を踏んだわね……!そうよ、これは道に従いて、君に従わずが如し。誰が駄目って言おうともこのセクハラ暗黒神を調伏するのは大道に従う善よ……!」
かんっぜんにブチ切れて天照を解放しようとする。
神代の宝剣、日輪の神剣を。
「高天原に 神留坐す 神漏岐神漏美の 命以ちて……!」
が。
解放のための祝詞を唱えようとしたところで、鈍の手がそっと触れて、涼香をたしなめる。
そこで、流石に理性が戻ったのか……。
「あ、えっと、うーん……そうね。流石にちょっとまずい、わよね。ごめんなさい」
素直に鈍に謝って剣を収める。神聖な気も鞘に収まればずいぶんと小さくなる。
「あ、えっと、その……貴方たちも、ごめん。そっちには、抑えるために刀まで抜かせちゃったみたいだし」
恥ずかし気に、浩一と東華にも詫びる。
流石に落ち着けば、陽光を抑え込むために刀を抜いたのは想像がついたのだろう。
だが、一方で。
「……アンタはいつかぼっこぼこにしてやる……!」
デーダインには思いっきり殺意のこもった目線を向ける。
禁句を思いっきり口にされた上で、しかもセクハラまでされたのだ。さすがに、おこる。
■羽切 東華 > 「ダイン先生、アンタ本当に教師ですか!?(あと、そこの妖刀娘も煽るんじゃない!!)」
と、突っ込みしてみるが、この先生に言っても多分無駄だろうなぁ、とこの短時間で悟ってきた。
あと、何か黒いモノがダイン先生の頭から生まれて宙を飛んでいった。
と、いうかダイン先生はこっちを茶化している場合ではないと思うんだけども。
「と、いうか…今、この場って風紀委員の人とかに見つかったら全員アウトな気が(先生含めて)」
天照が輝くわ、先生がド変態暗黒パワー発揮してるわ、鈍は妖刀だし、こちらは人外殺し。
おまけに…
「何だ、この青い光?あの人がやってるのか?」
と、滝川少年へと改めて視線を向けてみる。そして、青い光が。幻想的になってきたな…。
正直、今まさに太陽の巫女と暗黒神のよく分からん対決が始まりそうだが。
「鈍、もっと早く止めて欲しかったんだけども…」
と、言いつつ禍津切を鞘に収めて竹刀袋へ戻しつつ。
何となく青い光の一つに触れてみる…ビキリッ!!
「いっ…!?(異能が反応した!?)」
蒼光に触れた右手から無数の金属の刃が生えている。
勿論、これ自身はこの少年の異能だが、青い光があの少年の力の何かだとすると。
「異能の共鳴か反発ってヤツかな…」
取りあえず、右手が凄い事になったが、悪い感じではない。
感覚的にだが…若干自分と彼は異能の質が似ているのかもしれない。
「と、取りあえず涼香さんが落ち着いたようで何よりかな…」
右手を元に戻そうとブンブン振りつつ。異能の完全な操作が出来ないので地味に苦労してた。
「と、いうかこの場で二人が激突したら色々とヤバかったかも。あ、うん気にしないで涼香さん。
ただ、天照が本物なのは理解したし、ソレはそうそう簡単に抜いちゃいけないモノだと思うしね」
苦笑いを浮かべつつも気にするな、と首を横に振る。
アレが力を発揮したら、正直…鈍と禍津切の2本でも抑え切れるか分からない。
それこそ、風紀委員とか色々出動する事態になってた可能性もゼロではあるまい。
■デーダイン > 「フーッハッハッハッハ!!!
効かぬ!効かぬわ!私を倒したければッ!賢者の石かセフィロトの樹でも持ってくるが良いッ!!
あとそこの剣でも倒せそうだな!蘇るがッ!
生徒へのセクハラは―――教 師 の 特 権 ッ !
貴様如き妖異は黙って揉まれて居るが良いッ!」
びゅおん。変態、そらをとぶ!重力法則を無視して拳と影打鈍を迂回するのだ。
キレのあるブレーキとアクセルッ!
まるでライフル弾の様なジャイロ回転ッ!
巻き起こる竜巻旋風ッ!!
これら全てをセクハラに捧ぐ―――ッ!
「―――ヌァッ―――?!まずい!あれは―――!!」
放たれかける神気。
あんなもの直撃したらこの身はタダではすまない!
「―――?あ、収めてくれた。良かったッ。」
「あ、これはあれか。
ドサクサに紛れてひんぬー断崖絶壁にパイタッチでもしてやろうと思ったけど…
雰囲気的にもうこれダメみたいですね。」
ドスンッ!
落下する暗黒神は、永江涼香の目の前でブーツを下ろした。
「わたしにも!あやまれよッ!
ふざけるなちきしょうッッッ!!!!」
ぐわぁっと食って掛かるデーダイン。
ブラックコーヒーの缶を宙へと魔術で浮遊させておけば、
勢いよく踏み込めば永江涼香の両肩に掴みかかろうと迫る白くてごつい二つの手袋。
「なんで一番ひどい目に遭わされてしかもぼっこぼこになんだよッ!
なんでセクハラ暗黒神とか貶されて、殺されかけたんだぞ!
コルルァ!永江涼香ァッ!!」
ここまで一切息継ぎなし。
「ぼっこぼこだと?!ハンッ!こっちのセリフだ断崖絶壁ッッ!!
不審者呼ばわりした事!偽証を疑ったこと!セクハラ暗黒神って言ったこと!殺しかけたこと!
もう忘れてやらんッ!!暗黒神の怒りの力を思い知らせてくれるわッッ!!!!!」
鼻息荒いが鼻息は漏れていない。
「羽切東華よ。……私の授業では、よくある事だ。
そして、先ほども言っただろう。私など可愛い物だ、と。
生徒も教師も、それ以外も、何でもありなのだよ常世学園はッ!フーッハッハッハッハ!!!」
風にはためく赤マント。大きく響く高笑い。
それでいてもっともらしい言い訳。
「後何気に羽切東華よ。私が死なないように何か光の力を相殺してくれてたようだな。
消しゴム忘れたときにエンピツの後ろについてるアレを貸してくれた時くらいに助かったぞ。」
意味不明の比喩をジェスチャーしながら述べて。
「風紀委員なぁ…。因みに私は通報されても大丈夫だぞ!なんてったって……まぁ、いうまい。」
思わせぶりな一言に、気取って斜め向く仮面。
「そうそう、貴様らに一応宣伝だ。私はさっきも言ったが魔術の教師をしている。
夏季休暇が終われば後期が始まる。生徒は随時募集している。誰でも歓迎だが可愛い女の子が良いな。
聞きたい事があれば何時でも訪ねて良いんだぞ。ウム。」
ちゃっかり自分の授業の宣伝。抜け目ない。
■滝川 浩一 > 「いや、まぁまぁ…俺も目的ありますし、ね?」
無鉄砲と妖刀の少女に言われれば苦笑いしながら若干濁しつつそう答える。
目的と言っても風呂で火照った身体を冷やすのと『魔物』と一戦交える程度の些細な物だが。
そして長髪の少女が剣を収めれば、なんとなく感じていた『神聖な気』なる物が小さくなるのを感じる。
(うーん…反省しているようだし、これ以上俺が口出すまでも無いな。初対面で不潔扱いされたのは割とへこんだけど)
長髪の少女に苦笑いで返せば、突如長髪の少女が仮面マントの先生に向かって殺気を放ってる光景を見て引き始める。
女って怖い。
しかしながらこれ以上この場で剣を抜くことはないだろう、それに安心しつつもビキリッという聞きなれない音が聞こえそちらを見る。
「……手が」
伊達眼鏡の少年の右手に異変が生じているのを見ると、咄嗟に口からそう零れる。
しかし、少年が右手について深刻にとらえているかと言われるとそうでもなくて若干安心する。
ここで彼の手の心配をするのは野暮か。ふぅ…っと深呼吸をする。
と安心したもつかの間、仮面マントの男が断崖絶壁と長髪の少女を煽る物でまた先ほどのバチバチ緊張状態が来ると思い身構える。
そして仮面マントの男の話をすべて聞くと
「貴方、教師なんですね…いや、貶している訳じゃありませんよ。ただ、少し…あの、はい。」
そのようにフォローのような何かを飛ばせば、無理やり話を終わらせる。
というか通報とかされたらこういう事態を風紀委員が処理するのか。なんか急激に風紀委員やりたくなくなってきたぞ…
少し落ち着き、一同を見て頭を整理する。
(伊達眼鏡の少年が…羽切 東華くん。長髪の聖剣持ちが永江 涼香さん。あの仮面マントがダイン先生。そして、妖刀の影打 鈍さん…か。)
指を四本数えるように折りたたむと最後の小指を「それと俺」と呟いたあと折りたたみ拳を作る。
そのようにして名前を覚える。…あの仮面マントの人、本当に先生なんや…
■影打 鈍 > 主も言ってるが、聖剣はそう軽々しく抜くもんではない。
人を傷付けることになりかねんし、それが原因で自らが損をすることもあるからな。
それに、まぁ、なんだ。
人の価値は、そこの大きさで決まるものでは、うん。
な?
(涼香嬢にはどうやら切れやすいところがあるらしい。
彼女のしたことは気にしていないが、と言うか当然の怒りだと思う。
しかしそれはそれ、しっかりたしなめるべきはたしなめておく。
ついで彼女の気にしているらしい事を励ますのだが、いかんせん彼女とサイズが違う。
どうにも説得力ないのではと思いつつも、何も言わないことも出来ず。
曖昧に誤魔化す。)
阿呆。
得体の知れんもんにホイホイ触るんでない。
全く、好奇心が強いのは良いが、もう少し後先を考えてだな――
(青い光に触れて右手がトゲトゲした主に罵声を浴びせた。
目を吊り上げ口を四角にし、主の軽率な行動にぷんすこ。
なにやら長いお説教が始まる雰囲気だったのだが、)
――ええと。
とりあえず揉むなら私のを揉んどけ。
人間の生徒に手を出すのは教師としていかんと思うぞ。
(怪しげな教師の見事なキレっぷりに中断された。
そして彼と涼香嬢の間に割って入って正論を告げるが、刀の胸を揉んで喜ぶのも人としてどうなのだろう。)
ところでそこの無害そうなスケベ男子が私の主だ。
ほら、前話した煩悩に塗れた。
(そうして後からやってきた滝川少年へ自身の主を紹介する。
いささか酷い紹介だが、きっと主からツッコミが入るだろう。
むしろツッコミ待ちである。)
■永江 涼香 > 「うー……気を付けるわよ。なんだかんだ言って本物の宝剣、軽々に抜いたのはまずかったのはわかるし」
むすーっとしつつ、東華と鈍に諭されれば素直に頷く。
自分の宝剣がどれほどのものか、というのは理解しているようだ。
その後の励ましには、くっ、と目をそらして……
「あ、あるやつには、ないやつの悲しみなんて、わからないのよ……!」
と、悔しがるのではあるが。
「で、えっとー……貴方も悪かったわね。この青いの、貴方の能力?」
浩一には素直にそんなことを聞く。不潔扱いしてしまったことは、勢いで忘れてしまったようだ。
そして、デーダインには当然のごとくキレ返す。
「セクハラしようとした自称暗黒神だからセクハラ暗黒神で何が問題なのよ!
そもそも、ま、また人のことを断崖絶壁ってぇ……!変態の上にデリカシーもないとかさいってい!
誰がアンタに謝るもんですか、寧ろこのセクハラ発言をアンタが謝るのが筋ってものじゃないの!?」
取り付く島もない。
最も気にしていることを連続で貶された以上、もはや引くこともできず、しかし天照を抜くわけにもいかず。
きぃー!と怒り狂うしかできない涼香であった。
■羽切 東華 > 「と、取りあえず一段落したみたいで何よりかな…(あ、駄目だダイン先生という爆弾が)」
困ったように笑いつつ。流石にそろそろ眠気が来ているので切り上げたいのだが。
とはいえ、この場を迂闊に離れたらフとした拍子に太陽の巫女vs暗黒神の第二ラウンドが…!!
「いや、誰がスケベ男子だよ!年相応に興味があるのは否定しないけど。
あ、初めまして。俺、1年の羽切東華といいます。そこの鈍の主というか使い手です」
と、妖刀娘を軽く示しながら、滝川少年に会釈と共に自己紹介を。
右手の異能の活性?共鳴?は、何時の間にか元に戻っていた。
好奇心旺盛なのを妖刀娘に指摘され、そこだけは反論できないので唸りつつ。
「魔術の教師ですか。俺は魔力はあるみたいなんですけど、魔術が素人だから興味はありますね」
と、ダイン先生の言葉に頷いて。あと、何だかんだ人の言動や行動を逐一見ている先生だと思った。
が!どうも涼香さんとは喧嘩友達というか、売り言葉に買い言葉の仲な気がしてきた。
「と、すいません皆さん。俺、そろそろ眠気がヤバいんで先にお暇します」
涼香さん、ダイン先生、そして滝川君へと知り合った順番に頭を下げて。
「鈍、俺は先に戻ってるよ。一緒に帰るのもいいけど、もし可能ならあの二人のイザコザ回避宜しく」
と、妖刀さんに丸投げしておくスタイル。
もっと皆と話などもしていたかったが、限界は限界だ。
最後に、もう一度律儀に会釈してその場を後にするだろう。
■デーダイン > 「―――ここには無礼な奴しか居らんのかッッ!
暗黒神殺断崖絶壁!毒舌妖異娘!!スケベマン!!!
この中で唯一の良心がスケベマンの羽切東華とはどういう事だ!先生悲しいぞッ!!
そしていきなり来てなんだ貴様はッ!私が教師だと信じられないなら、
そこの絶壁と同じく装備したら二度と外せない呪いアイテムをくれてやる!
受け取れッッ!拒否権などないッ!」
ぶわぁ、と暗黒より生み出された教員証のコピーが空中に浮かび、滝川浩一に付きまとった。
「何が悲しくてお前…妖異の胸揉まねばならんのだ。
うっさい、ひっこんでいッ!」
やたらクネっとした動きで避けつつ。
再びにじり寄る不審者。
「HAHAHA!落ち付きたまえ。何だか貴様を貧乳と罵るのが面白くなってきた。しかし待ちたまえ、
事実を言っても構わない―――その理屈で言えば私が貴様に貧乳と言う事も、
全くちっとも殆ど全然一切合切問題ナッシンッ!になるわけだが、構わんのだな?」
やけに韻を踏んだタップダンスを見せながら手袋が指差す。
「それと、永江涼香よ…覚えておきたまえ―――『おっぱいに貴賤なし』だ。」
『』内の言葉が、まるでヤマビコの様に幾多にエコーして響く。
デーダインの手袋の親指がグッと立つ。
「褒め言葉なのだよ!稀少価値だ!誇っても良いんだぞ。だから私は謝らんッ!アキラメロン!」
ブチギレが一転、陽気な馬鹿笑いへと変貌する。
「ほう…ウム。私の授業を受けるなら歓迎しようッ!盛大にな。魔力の素養があるなら話は早いしな。
それじゃあ、御疲れ様だ。帰り道は不審者に気を付けたまえよ、羽切東華。」
ぱっと手袋をぶんぶん振れば、言葉だけなら教師らしく、彼の背中を見送るだろう。
ご案内:「常世公園」から羽切 東華さんが去りました。
■滝川 浩一 > 「あぁ…なるほど。では胸部がばいんばいんなのもこの方のおかげなんですね」
影打さんに便乗してとりあえず自分もボケてみる。
ちょっと気になっていた妖刀の主。先ほどの聖剣の光からダイン先生を守ったところを見れば、中々に正義感がある男性だと認識する。
それにばいんばいんの妖刀を従えてるし、あれが主人公か…。と少しうらやましそうな視線を向ける。
「えっ?あぁ、はい。一応俺の異能ですよ。触れても飲み込んでも"大概の場合は"無害なので安心してください」
羨望の眼差しで羽切くんを見ていると聖剣使いの永江さんに声を掛けられ、少しビビりつつもそう返答する。
さっきの殺気や聖剣を抜いた時の印象が強かったのか、あまり当たり障りのないようにそう返す。
それに、青い光に触れて羽切くんのようにいきなり体から鉄が発生しないとも限らないので保険を敷いておく。
その後、デーダイン先生へとキレる永江さんを見て、こちらに飛び火しなくてよかったと密かに安心する。
「あぁ、自分は滝川 浩一。2年です。いや、右手はすいません」
その後、羽切くんに自己紹介をして右手の件について謝罪する。
いや、本人はあまり気にしてないようだが…
そうこうしているうちに呪いのアイテムをデーダイン先生よりプレゼントされる。
「こ、これは…暗黒より生れし、漆黒名刺《ブラックカード》…!教員証…!真に失礼を、デーダイン卿」
その教員証を手に取ると、そのようにデーダイン先生のテンションに便乗して自分もボケをかます。
しかし、突っ込みを入れるであろう羽切くんが眠気に襲われ、その場を去ると聞くとそちらの方を振り向く。
「おぉ、ではではまたの機会に…」
彼が見えなくなるまでその手を振り見送る。
■影打 鈍 > いやぁ、まぁ、私もちょっと前までは似たような感じで、うん。
そう言うのが好きって男もいると言うし?
――いいことあるさ。
(言えば言うだけ彼女が惨めになるような気もする。
色々悩んだ挙句、フォローは諦めた。
頑張れと言う気持ちだけ言葉に込めておく。)
気にするな主よ。
私はそんなスケベ男子な主が気に入っているんだ。
むしろスケベ男子であることに胸を張れ。
(こちらにもよくわからない返事をしている。
涼香嬢には気を使っているし、変態とは言えど教師のデーダイン氏には変態といえど一応遠慮している。
滝川少年とは普通に話しているのだが、明らかに主に対してだけ妙に辛辣である。
一応信頼の証ではあるのだが、果たして通じているかどうか。)
さっきは揉ませろ言ったくせに。
まぁ、引っ込めと言うなら引っ込むが。
(よくわからない教師である。
一つだけわかるのは変態教師だという事だけだ。
しかも魔術の腕だけ見れば結構凄腕のような。)
そうそう、主の煩悩と妄想力の賜物だ。
あの夜の主と言ったら……。
(そのボケに更に乗る。
自分の身体を抱いてくねくねと動く。)
あー、汝が帰るなら私も帰るよ。
正直巻き込まれたく無いしな。
そう言うわけで皆の衆、さらば。
(そう言って彼に付いてカランコロンと歩いていこうか。
途中彼にくっつこうとしたり逃げられたりしながら。)
ご案内:「常世公園」から影打 鈍さんが去りました。
■永江 涼香 > 「そのフォローが余計腹立つのよー!!」
むきー。貧乳に対し、巨乳が言えることはない……悲しい現実である。
「ふーん……綺麗ね。こういう異能もあるんだ」
浩一には、率直な感想を。
この幻想的な風景は、生まれて初めて見る美だった。素直に感動したし、それを素直に伝える。
「ぐ、う……あ、あれ、い、いや、顧みて他を言うのはやめなさいよ!」
デーダインに図星を突かれ、言葉に詰まりながらもなんとか言葉を返す。
それ自体がそもそも『顧みて他を言う』ことに他ならないのだが、慌てていてそこには気づかない。
教養はあるがまだまだ心が幼いのが涼香である。
「だーかーらー!そんな事いわれても私が気にするんだってば!!」
貧乳はステータスだ、希少価値だ……そんなことを言われてあっさり納得できるほど、涼香の嘆きは浅くなかった。ざんねん。
「あ、う、うん、二人ともおやすみ……」
ぜはー、ぜはーと勝手に疲れながら、二人を見送る太陽の巫女。
なんだかもう、へとへとである。
■デーダイン > 「なんだ、分かってる奴もいるじゃないかッッ!!滝川浩一ッ!
授業ならポイントでもプレゼントしてやるところであったな。フハハハ、よいよい。
苦しうない、おもてをあげい。」
時代劇の悪の将軍様の様な言葉遣い。デーダインはお調子者だ。
そう、この様にボケにボケをかまされると更にボケてとまらない。
因みに、暗黒から生まれただけで、特に黒いわけではなかった。映ってる人物は黒づくめだが。
「滝川浩一よッ!私を知っているかどうかは知らんが、私のことはダイン様、及びダイン先生と呼ぶが良い。」
そこはちょっとこだわりがあるようだ。
「そうだそうだ!スケベであることは悪い事ではない。」
影打鈍に、相変わらずの便乗。
「私は今、そこの断崖絶壁を得物にしているのである。
よって、貴様のぷるーんぷるんな脂肪は今は不要ッ!不要なのだ!
でも…後で揉ませ――――ああ、そんな、いけずなッ!」
気紛れだ、と言う事だろうか。
揉みたいけど…揉みたいけどッ!
そんな事を思い悩むうちに、去っていく影打鈍。
デーダインは少し悲しくなった。もめる時に揉んでおくべきだ、と。そういう教訓なのだ。
あの時あんなこといわなきゃ、おっぱい揉めてたのかなぁ…と。
「や、やめなさいって言われてもなぁ…。先生こまっちゃーう。
もうちょっとほら、頑張ろうぜ、反論。」
さっきの影打鈍を彷彿させる身のくねり方。でもちょっとキモいのは御愛嬌。
「はいはい、落ち着きなさい永江涼香。貴様そもそも、炭酸飲料を満悦してたんだろう?
んなもん飲んだら余計胸が萎むかもしれんが…ま、お疲れ気味な身体に炭水化物、流し込んだらどうだね。
私もブラックコーヒー飲むので…。」
ベンチに座る不審者。
プルタブを引いて、仮面の空いてる穴に缶を宛がえば、
何不自由なくゴックゴクと飲み干す。
「…苦。」
■滝川 浩一 > 「何…!?もうそんなところまで…」
自身の体を抱いてくねくねと動く影打さんを見て驚く。
流石主人公…。決めるところはバシッと決めるなんて、抜かりないな。
これで一年なんて、あと2年で何人の女性を落とすかわかったもんじゃない。そのように割とマジで信じている様子で。
と、彼女も羽切くんと共に家へ戻ると知れば同様に手を振る。
「…いえ、俺の異能は……」
永江さんの言葉に反応し、それを否定しようかと考える。
正直言って、自身の異能は他人が思うほど綺麗でも美しくもない。
時に、人殺しの道具を生み出す過程で綺麗に見えているだけだ。しかし、それを伝えるのも野暮ったいだろう。
敢えて口に出さずに言葉を飲み込むと。
「えぇ、よく言われますよ」
笑顔で永江さんにそう返す。
「っ…御意、ダイン先生!」
そしてデーダイン先生より直々に敬称の訂正が入れば、忍者のように膝を付きそのように返す。
だんだんボケでテンションが上がってきたのかノリノリである。ただ問題が一つ。
このボケを止める突っ込み役が現状永江さんだけということだ。
しかも永江さんも永江さんで断崖絶壁ネタで責められ息を切らしているところだ。
そうこうしているうちにジュースの話へと移り変わるとこちらも当初の目的を思い出す。
そうだ。俺は魔物と戦いに来たのだ…と
■永江 涼香 > 「よ、夜のお外は怖いところってのは、ほんとだったんだわ……」
ぜひゅー、ぜひゅー。力尽きかけている涼香。
もう目の前のノリにもついていけない……否、ついて行ってはいけない気がする。
「何がこまっちゃーう、よ……あ、そうだ忘れてた」
そういえば炭酸飲料呑もうとしてたんだった。
何が胸が萎むだ!萎むほどないわ!と内心キレつつ、
「ん……綺麗なものは好きよー。綺麗なのはいいことよね」
浩一に言葉を返しながら、カシュっとプルタブを開ける。
……さんざん振ってしまった、炭酸飲料を。
「わ、っぷぷ!?なにこれぇ!?」
思いっきり噴き出す炭酸飲料、顔面で受け止める涼香。
一瞬で、顔中炭酸飲料で濡れ濡れになってしまった。
■デーダイン > 「……結構だッ!それでいいッ!…で、滝川浩一よ、それに永江涼香もだが。
既に日も沈もうとしているのだが、一体こんな公園で何をしようと言うのかね?」
既に日没もしているし。辺りはもう真っ暗。街灯がなきゃ暗黒そのものである。
よもや二人の目的を知っているわけでもないが、これでも教師。
夏休みと言えど、こんな夜更けに歩く生徒に何も言わん程腐ったヤツではない。
外見はあれだが。
「…ッハハハハハッ!…面白いヤツだな。」
コーヒー缶片手に大爆笑のデーダイン。
「今のリアクション、中々良かったぞ!
そうだ、私の魔法でもう一度映像にして再生してみようかね。
…まぁ、なんだ。ドンマイ…だ。
―――ぷはぁ!ごちそうさまだ。」
飲み干したコーヒー缶は投げられると、綺麗に弧を描いて、暗闇の中のクズカゴへホールインワンした。
きっと魔法のアシストもしていたんだろう。
■滝川 浩一 > 「っ、おいおい、大丈夫かよ?」
顔面に勢いよく炭酸飲料が噴射された永江さんを見て、そのように心配しつつ近寄る。
近寄りながら、自身の右手に青い光が集まっていく。青い光がある物体の形を作ると一瞬の閃光の後、彼の右手にはタオルが握られていた。
そのタオルを以て、濡れ濡れの彼女から水気を拭き取ろうとする。
「御免、少し失礼します」
新品同様のふかふかのタオルで可能な限り少女に直接触れないように水気を拭き取っていく。
案外、不潔と言われているのを気にしているのか、体は出来る限り退いている。
「そ、それはご勘弁を。楽しい瞬間というのは一回きりだから楽しいのですよ」
苦笑いして、デーダイン先生の方を見てそう切り返す。
実際、思い返してみると自分でも恥ずかしい行為だった為、それを何度も再生されると困る。
■永江 涼香 > 「うー……ごめんなさい」
浩一に拭かれれば、それは素直に受ける。
そもそも、不潔というのは『男性は総じてエロ』という変な刷り込みによるものであって、個人にどういう感情があるわけではない。
保健体育レベルのことも知らない涼香がおかしいのである。
「何って、夜にお散歩しようと思っただけよ……」
拭かれていると流石に起こることもできず、むすーっとした様子でデーダインに応える。
結局のところ、それだけ。ちょっとした夜の冒険、レベルのお話だったのである。もともとは。
■デーダイン > 「その様に極真剣に止めろって言われると逆にやりたくなるんだが!……まぁいい。
やったところでもう面白そうな反応は得られそうにないので、やめておこう。」
するなと言われればしたくなる。これ即ち悪の基本。
誰のせいだか対象は疲弊してるのでからかっても…と言う事らしい。
「まったく、滝川浩一も役得だな!
こういうのも青春と言うものかね…うらやまけしからぁん…。
フンッ…!楽しい瞬間…な。さぞ楽しかったろうなッ!!」
相変わらずの茶化しっぷりも健在。
別にお互いそういう気はないのだろうけども。
「こんな夜中に散歩か。ま、学生街だし問題はないか。寝れなかったのかね。」
■滝川 浩一 > 「ははは…いえいえ、異能に少し恵まれているだけですよ」
少女の水気を大方拭き取るとふかふかのタオルを少女に渡してデーダイン先生の方を振り返る。
確かに、このように濡れ濡れの女生徒をふきふき出来るのは割とうれしい気もするが、あまりそのような態度を表に出すと
また少女が怖い。そのため、自身の異能が優れていた、ということで話のカタをつける。
「それはプレゼントです。炭酸飲料は振ると噴出するので気を付けてくださいね」
笑顔で永江さんにタオルを渡すと、気を取り直して自販機の方を見る。
そして、一歩。一歩と自販機に近づき、ポケットから500円硬貨を取り出す。
「……」
少年の顔は、先ほどの明るい顔とは一変して真剣な顔へと移り変わる。
そして500円硬貨を投入するとスイッチを押す。
辺りが静寂に包まれる。500という表示は自販機から消え、ボタンの明かりもまた消え去る。
されど目的のジュースは出ない。
「は、敗北…」
膝を付き、その場にうなだれる。そう食われたのだ。
■永江 涼香 > 「……夜に出歩く、ってのをやってみたかっただけよ」
むすー。
夜のお出かけという冒険に出てみたかった。
突き詰めれば、永江涼香の動機などそれだけである。本当に、それだけ。
「うー……ありがと。炭酸飲料って振ったら飛び出るのね……」
タオルは素直に受け取り、拗ねた様子で空き缶をそのままゴミ箱に捨てる。
そして、真面目な顔で500円を投ずる浩一に首をかしげる。
「……なにそれ、何も出てきてないけど?」
まさか、自動販売機にはこういうハズレもあるのだろうか、とクエスチョンマーク。
■デーダイン > 「エッ……うっそだろお前?!敗北ってなんだよッ!滝川浩一ッ!ってか自販機ッ!!
ど、どうなってるんだ…?!これはまさか…自販機の叛逆ッ?!」
何が何やらさっぱりだが、デーダインは一部始終を目撃していた。
一体、自販機に何が…?!
「ああ…そお…。見かけによらず。ハコイリムスメなんだな、貴様。」
一言余計だが、何となくそういう家柄なんだろうなって察したらしい。
■滝川 浩一 > 「こやつは魔物です。…人の銭、というか俺の銭を食らうマニーイーターです。ダイン先生」
項垂れながらダイン先生へと説明をする。魔物、そう滝川が自販機に付けた名前である。
立ち上がり、服の汚れを払うと今日のところは敗北を認め自販機から引き下がる。
「所謂食われたという奴ですね。ご安心を永江さん。神の御加護があるあなたなら起こりえない事象ですよ」
クエスチョンマークを浮かべる少女にそのように説明する。
その声色と表情は落ち着いていて、どことなく楽しそうだ。
そうこうしている内に時間が過ぎてしまい、眠気が襲ってくる。
火照った体も落ち着いたようでそろそろ寮へ帰ろうとする。
「申し訳ございません。此度の目標を達成したためここで帰宅させていただきます。
永江さん、ダイン先生。また機会があればよろしくお願いいたします」
お辞儀をし、公園から出ようと歩き出す。
時折振り向いては二人に小さく手を振るのであった。
ご案内:「常世公園」から滝川 浩一さんが去りました。
■永江 涼香 > 「んー……私の加護って、日中の方が強いのよねー……」
正確には、夜に弱まる。日輪の加護は、日輪が照らす間にこそ一番の力を発揮するのだから。
「ん、それじゃーね。次は勝てるといいわねー」
それ以上深くは考えず、浩一を見送る。
さて……残されたのは二人である。
「……悪かったわね。そーよ、これでも箱入りなのよ、私」
むすー。
あまり箱入りという事は誇らしいことではないようで、拗ねたように返事をする。
■デーダイン > 「………ワケがわからないよ。滝川浩一…っ。」
こんな自販機あるのかよ。ってかマニーイーターってなんだよ。
だがここは常世島、何でもアリである。そう、不審者が教師をして島をほっつき歩くくらいには。
ならば、きっと、この自販機だって…あり得ることなんだろう。
お金を食われたと言うのに、どうしてそんなに楽しそうなのか…今一つ、それが理解できないが。
「……う、うむ。気をつけて帰るが良い。もう遅いのでな。」
なんて言葉をかければいいのか分からないが、
その背へと向けて仮面が頷き、手袋が手を振った。
「ふぅむ…曰く、お嬢様って事か。見てくれはお嬢様に見えるとも思うがね。
全く、なんだなんだ、随分と機嫌が悪そうじゃあないか。」
立ち上がって腕組みする不審者。勿論地肌は一切晒さない。
誰のせいかというのは抜きにしても…そういえば会ってから不機嫌である事が多い様な。
■永江 涼香 > 「ふん、私は天性の巫女よ。生まれつき天照大御神と親和性の高い肉体を持って生まれ、神剣『天照』を扱うこともできた。
……だから、家からロクに出してもらえなかったのよ。永江の至宝、汚すこと能わずってね。
だから箱入りで、それが嫌で飛び出してきたのよ。不機嫌にもなるってものよ」
もっと言えば、彼女の胸が成長するのも絶望的である。
なぜなら、彼女の体は天照大御神と親和性が高い……つまり、その親和性を保ったまま成長するのだ。
なら……体が、大きく変化しない確率は非常に高い。ゆえに貧乳……定められた平地を嘆いているのである。
■デーダイン > 「なら貴様は大事に育てられてきたって事だろうが。文字通り、貴様の家の宝として。
……それをまぁ、貴様は箱入りから飛び出して来たと?フム…道理で喧嘩っ早い性格をしているわけだな。
お嬢様にはお嬢様なりの苦悩って言うのがあるのかね…私には良く分からんがなッ!
しおらしくうるわしいお嬢様というのは幻想であったのか!……清楚ではあるようだが。」
夜の公園の路地を左右に行ったり来たり。
思いついたように継ぎ目継ぎ目に仮面がそっちを向いて言葉を出し、それの繰り返し。
「ま、なるほど。貴様の性格と振る舞いを見れば、確かにお嬢様、なんてものはガラではなさそうだな。
大方ご両親に心配かけたまま、ほっぽってるってとこだろう?
それにしては、恥ずかし気もなく天性の巫女、だの…え、えぇー。なんだ、あまてらす…と親和性が高い、なんて語っている様だが。」
■永江 涼香 > 「なっ……親には連絡はしてるわよ、ここにいるってことも伝えてる!
確かに、学校に通うことはまだはっきりと許してもらってないけど……それでも!
私は天性の巫女、それは揺るぎ無い真実。それと同時に、私は一人の女の子なの!悪い!?」
痛いところと、誇りに思っているところ。
そこを突かれ、怒り半分でぶちまける。
そう、はっきり言ってしまえば我儘娘の放蕩だ。
だが、それをわかっていても、両親の愛もわかっていても、それでもあの神社に閉じこもったままの一生だなんて、我慢できなかったのだ。
■デーダイン > 「フハハハハッ!狼狽えとる狼狽えとる。では親からはことあるごとに戻って来いって言われてる…んじゃないかな?
……まぁ、若いが故、だろうなあ…。どうやって箱入り娘のお嬢様が、こんな何でもアリの孤島へ来ちまったのだか。
うむうむ、何も悪いなんて言ってないぞ!だから不機嫌になる必要はなかろうが。
貴様は確かに天性の巫女で、…あの、光の恐ろしい剣を扱っているじゃあないか。
それに、一人の女の子として私はこう、紳士的にセクハラもしただろう?できなかったが。
だから、それで良いだろう。」
激昂して怒りで暑くなる永江涼香と対象に、
暑苦しさを普段のものから6割くらい削った和やかな声で落ち着かせようと。
それが良い事だとも悪い事だとも、どちらとも判断はつかなかった。
教師としては、咎めるべきだったろうけど。
「…まぁ、なんだ。分かっていても、言いしれない触れられたらいやな事っていうのは誰しもあるだろう。
フン―――まぁ…何だ癪に障ったなら悪かった。それこそ女の子へのデリカシーとやらが欠けていたな。
これくらいにしておくさ。」
やけに高貴な、昔の貴族みたいに手で空を薙げば、仮面がゆっくりと下を向いた。
頭を下げている…つもりらしい。
「どれ、炭酸が噴き出して溢れて零れてあんまり飲めなかったろう…
謝罪代わりに特別に先生が代わりの物でも買ってやろう。…何が良いかね?」
自販機の前へ立つ。
■永江 涼香 > 「…………」
図星だった。
事あるごとに、親には『いい加減帰ってきなさい』と言われている。
そして、口論になるのが常だ。
何より、思ったよりまじめなことを言ってくる相手に、どう返答していいかわからなかった。
「…………いいわよ。こっちだって言いたい放題言っちゃったし。
でも、そうね……お茶だけ、買って」
俯いて、ぽつりと。
真面目な相手には基本的に素直になってしまう。それは、育ちの良さを表していた。
■デーダイン > 「………。」
少々の互いの沈黙。
デーダインの側は、何かしら食って掛かってくると構えていたのだが…。
「む……急に、大人しくなったな?永江涼香。
ああ、先程まで不審者変態全開だった私が、急にマトモな事を言いだしたのに面食らったかね?」
はい了解、と。手袋で指を曲げてジェスチャーをすれば、
よくある烏龍茶のボタンを押す。
やっぱりお金が食われるなんてこともなく。ガコン、とペットボトルが一本。
「―――失礼、これくらいにしておく、といった手前それ以上は言わんべきだな。
真剣な時は真剣に、それ以外は全てふざけるッ!…出来る教師の鉄則だぞ!
ほれッ!!受け取れ!」
自論を偉そうな声で垂れながら、ひょい、とボトルを投げれば、
これまた魔術のアシストで、ふわぁっと、永江涼香の目の前…というか、下の辺りで落ちないように浮かせて。
■永江 涼香 > 「……教師らしいこと、言うんだなって。
ごめんなさい、エセだなんて言って」
面食らったのもあってしおらしく。
普段の生意気さは鳴りを潜め、素直な普通の女の子になっていた。
そのままボトル茶を受け取り、ぺこ、と頭を下げる。
「全力なのね、貴方。如何なる時でも」
ぽつ、とそんな感想を漏らし。
■デーダイン > 「………ぁー…。」
呆気にとられる、って、そんな感じの声が漏れる。
「おいおい…さっきまでの元気はどうしたッ!
全く、さっきは怒ったり不機嫌だったりしたのに……こっちがビックリするぞ。
ここにきてやっと教師だと信じてくれたのは嬉しいがッ!」
唐突な素直な女子生徒そのものの対応に困る風を露見するデーダイン。
さっきまでチクチクしていたのに、こうなったのだからより困惑の度合いは強いようだ。
全部衣服に覆われているのに手袋が黒いフードの頭部を掻く。
いつもの暑苦しい声も、出所を伺いながらなりを潜める。
「…そうか?全力…全力なぁ…。私は少しお調子者なだけさ!
それを言うなら貴様こそ―――ああ、いや…野暮かね。」
電子音、ガコンと缶が落ちる音。
甘いミルクティーを手袋に。
■永江 涼香 > 「むー、何よ。こっちが素直になってるってのに。
一聴せざれば愚知分かれず……ちょっと用法は違うけど、しっかり聞いてみないとほんとのとこはわかんないなって思っただけよ」
むすー。
先ほどのことがあってからか、素直になるのは少し恥ずかしいらしい。
が、貴様こそという言葉には無い胸を張る。
「ええ、そうよ。私は全力で日々を生きるわ。好死は悪活に如かずというけれど、最善は好活に決まってるもの!」
日々を全力で。折角自分の知らない世界がこんなにも広がっているのだ。
全力で堪能しなければ嘘だろう。
そのまま、ぐいーっとお茶を飲む。
「けほっけほっ」
むせた。
■デーダイン > 「うむッ!調子が戻ってきたな。知り合って間もないが、貴様はなんかもうそっちの顔の方がしっくりくるぞッ!
女の子は笑顔が一番とか言うけど、あれは本当なのかね?!
最初の時点でしっかり聞いてくれていれば良かったんだがね………まぁいい。
少々先生だと言われても疑われざるを得ん格好であると認めるのは吝かではないがな。」
ごつい手袋の指先が永江涼香を不機嫌な顔を指差して、フハハと陽気で間の抜けた笑い声。
「…漢文、かね?綺麗に死ぬより惨めに生きる方が良い、だが貴様が言う様に、言うまでもなく、
綺麗に生きる事が一番、だろうな。どうやら………、んん、日々の生活は楽しい様だな。何よりだ。」
それ以上は言わん、といった以上は黙っていたけれど。
家を飛び出して、こんな異界と交わった孤島に一人暮らし。
その前は入り娘で―――考えるだに、全てが全力なんだろう。
言葉を選び気味の声は、仮面の向こうの表情が見えなくとも、
微笑まし気な感情がありありと外に出ている。
「…ゆっくり飲め、茶は逃げんッ!!」
その背中をとんとん手袋が叩く。
■永江 涼香 > 「そんなの、基本誰でも笑顔がいいに決まってるでしょ?」
強気に笑う。
人間笑ってる時が一番輝いているのだ。それだけは、きっと間違いない。
……まあ、そういういいこと言うのなら、その前に本当に服装をどうにかしててほしかった、というのが涼香の本音でもあるが。
「ええ、迷うこともあるし解決してないこともあるけど、それでも私は楽しいわ。
だから精いっぱい、笑顔で生きてやるんだから!」
それは、ここにはいない親への宣誓のようでもあり、自分への宣誓のようでもあり。
ただ、後ろ向きなのではなく、至って前向きに発しているのは伝わるだろう。
「うー……しまんなーい……」
ほほえまし気に背中をとんとん叩かれれば、うげーっという顔をして。
本当にこう、締まらなかった。
■デーダイン > 「笑顔も可愛いなッッ!!
―――とか言えば良いのかね?こういう時は。」
一言、多かった。
けれども、
「…はは、なるほど。笑顔が良いに決まっている、か。」
確かに、それは、妙に生意気で強気ながら、無い胸張って浮かべる笑顔は、
「………。」
その剣が齎す太陽の力の様に、眩しいもの。
光に照らされた暗黒神は、益々暑苦しさが削ぎ取られ。
暫し、声も出せずに硬直していた。が、
「フハハハハッ!ビシっと決められない、そんなところも何か貴様らしくて可愛いと思ったぞ永江涼香ッ!!
頂きまーっす。」
一声からかいでシリアスをふっ飛ばせば、仮面はあっち向いてミルクティーのキャップを回し始めた。
「まあ、何だ…楽しく笑顔で学生が生活できる様にするのも教師の務め。
何かあったら光と闇で相反する者同士とはいえ、何かしら力を貸してやろうッ!と言っておく。
…貴様には不要そうだがな。」
若干斜め向きに戻ってくれば、そう後付して。
■永江 涼香 > 「一言余計よ!」
ビシィ、とツッコミ。
そして、シリアスが吹き飛んだ後。
「んーん。私も生徒だもの、頼ろうかなーって思ったら頼るかもよ?」
にか、と笑う。
弱気ではなく強気。どこまでも強気に、そんなことを口にした。
■デーダイン > 「よく言われるッ!」
反省はしてないみたいだ。
むしろ力強く肯定。
「そうか…生徒とはそういうものだ。貴様の泣きっ面を拝めるかもしれんのは楽しみだな。
もっとも、当面はその憎らしい程に素敵な笑顔でいてくれそうだが。」
答える暑苦しい声の、気分は良さそうだ。
再びボトルの飲み口から仮面の穴へと滝飲みする。
■永江 涼香 > 「ふふ、しばらくは頼らないであげるから!」
どやぁ、と笑ってお茶をゆっくりくぴくぴ。今度はむせない。
「それじゃあ、そろそろ帰るわね。ありがと」
ぺこっと一礼した後、ひらひらと手を振ってその場を去ろうとする。
■デーダイン > 「頼りがないのは良い知らせ、だなッ!その方が良い。
だがあまり抱え込まんように、な。」
頷く仮面。
「そうか、お疲れ様だッ!こちらこそ、な。充実した時間だったよ。
…大分と話したし、夜も明けてきたが、帰りは気をつけてな。」
すっと上がって振られる手袋。去っていく永江涼香を見送って…。
「さて、もう少し―――飲み干すまで、ゆっくりしているかね。」
音もたてず、静かにベンチに腰掛けてはマントを丁寧に広げて流す。
青白い、夜から朝へと変わっていく風景の下で、のんびりと残ったミルクティーを飲み始める。
ご案内:「常世公園」から永江 涼香さんが去りました。
ご案内:「常世公園」からデーダインさんが去りました。