2016/09/05 のログ
ご案内:「常世公園」に水月エニィ?さんが現れました。
水月エニィ? >  
 昼下がりの公園。
 黒い髪を降ろした少女がベンチで丸まり猫の様に緩んだ顔で眠っている。
 ……水月エニィそのものであるのだが、どうにも普段と異なる様相を見せている。
 
 言い換えれば、ものすごくだらしのない顔と姿勢で眠っている。
 むにゃむにゃ。言葉にならない寝言が漏れている。 
 

ご案内:「常世公園」に東雲七生さんが現れました。
東雲七生 > 「ふぅー、暑い暑い。」

9月になって新学期になっても日中の熱気は然程衰えそうになく、
赤髪の少年は手で顔を仰ぎながら休憩の為に公園を訪れた。
自販機でスポーツドリンクを買って、ベンチでのんびりしようか、等と考えながら歩いていくと。

「あれ、……生きてる……よな、アレ。」

ベンチに先客が居り、その姿は知ってる後輩とよく似ていた。
おそるおそる近づいて、おーい、などと小さく声を掛けてみる。

水月エニィ? > 「んぁ……」
 
 声が掛かれば、緩慢に伸びをしながら身体を起こす。
 欠伸を漏らしながら視線を合わせる。きょとん、と 目の前んp見据えて……

「あ、東雲くんじゃない。やっほ」

 普段の水月エニィからすれば疑わしさを覚えるような軽く無邪気な口調で声を返す。
 仕草や表情にも張りつめたものがなく、明らかに妙なテンション。
 緩んだ無邪気さは幼さを呼び、恵まれた身体とのギャップは強い。

 

東雲七生 > 「やっほー……って、んん?」

軽い調子に釣られて返事をしつつ。
こいつってこんな奴だったっけ、と首を傾げる。
何度か会って話をした時と、
今日、今この時と、彼女に何か変化があっただろうか、とじーっと後輩の姿を見つめて。

「……髪下ろしたのか?
 あー、そろそろ夏も終わるしイメチェンって奴?」

異性の変化に目敏いなんてスキルは持ち合わせていない七生だった。
隣良い?なんてスポドリのペットボトルでベンチを示しつつ、へにゃり、と笑みを浮かべる。

水月エニィ? >  
「……んー」

 ぢと、っと見つめて。
 肯定めいた頷きを返す。

「そんなところ だめ?」
 
 小首を傾げて問う。
 思う所があるのか ないのか。 
 

東雲七生 > 「いや、いいんじゃねえの?
 あ、でもまだ昼間は暑いだろ?結っといた方が暑くなくて良いぜ?」

髪紐使う?と上着のポケットから髪結紐を取り出す。
ちょっと面倒だけど暑いよりはマシだよな、なんて肩先まで伸ばし紐で括った赤い襟足を揺らしながら笑った。


「それで、どーよ。
 少しは学校の方も慣れた?」

了承を得られれば、ベンチの少女の隣に腰を落ち着かせる。
前回会った時は海の家でのアルバイト中だったから、気兼ねなくのんびり話が出来るのはだいぶ久し振りな気がしていた。

水月エニィ? >  
「んー……」

 やや不服そうではあるものの髪留めを受け取り、
 髪結紐一つで普段の纏め方を簡素にしたような形にまとめ上げる。

 学校の話を問われれば――

「わたしはなれていたけど いまは学校のお話しをする気分じゃないわ
 授業で何かあった訳じゃないけれど。」

 そっぽを向き、不機嫌さを露わにした。
 とは言え、今の所隣に座っても拒絶する素振りはない。
  

東雲七生 > 「あ、どーせなら縛る数増やしてみたりするか?」

ツインテールとか似合うんじゃないか、とか笑顔で提案しつつ。
まだ紐あったっけかな、とポケットを探る。

「そっか、んじゃ止めるか。
 ……夏休みは何してたんだ?ラジオ体操とか、した?」

俺はしたけど、と軽く小首を傾げながら訊ねる。
学校のこと以外で話題に出来るような事となるとガクッとレパートリーが減るのである。
趣味らしい趣味を特に持たない所為で。

水月エニィ? > 「……。 やってくれる?」
 
 皺を寄せて考え込む仕草。険しい表情はまともな水月エニィとしては良く見るものだ。
 ともあれ、答えるまでに少しの間が有った。

「えーと、あれとか、それとか、これとか。」

 思案する。
 過去の事がまともに紐づいていない、あるいは紐づかせていないように、曖昧な語が返る。
 鈍ければ気付かない可能性は多少あれど、おかしいものは伺える。
 
 

東雲七生 > 「ん? ああ、髪?
 特に断る理由もないしな、良いぜ?」

こくん、と頷きと共に了承し今さっき本人が結った髪を一度解くように促す。
自分の髪ばかりで人の髪を結った事は無かった、なんて思いながら。

「んー……また危ないとこ行ったりしてたの誤魔化してねえ?
 ……ま、いいか。あんまり周りに心配かけんなよー?
 とはいえ心配する方は勝手に心配してるわけだから、まあ御相子か。」

曖昧な言い方に、話し難いことなのだろうと解釈して。
何か変だとは思いつつ、一方で元から変だった気もして踏み込もうに踏み込めず。
軽く肩を竦めるのみに留めた。

水月エニィ? >  忠言や肩を竦める素振りにはやはり顔を顰めて、そっぽを向く。
 
「……ふんだ。」

 そのまま髪を解いた辺り、促される事を承諾したものもあるのだろう。
 ……忠言を受けて不機嫌そうにするところは相も変わらず。
 様子や態度こそおかしいものの、思考ルーチン自体は変わらないのではないか?
 意識的な距離を離れて眺めてみればその様にも見えなくはない。 

東雲七生 > 「まあ、俺も人のこと言えた義理じゃないけどさ。」

海や川で遊び倒す以外にも転移荒野で巨大昆虫と命懸けで戯れたりもしていたのだから、
あまり他人に「危ない事はするな」なんて言えない。
それでもやっぱり知り合いには危険な目に遭って欲しくは無いと思う。
……知り合いじゃなくても、あんまり悪いニュースは聴きたくない。

「よし、じゃあまとめるぞー。
 えっと、どうやって縛ろうか……膝の上に乗る?」

此方の膝に乗って、背を向けてくれるのが一番やり易いだろうか、と思案する。
こんな事ならもっと自分の髪で色々試せば良かった、なんて呟きつつ、髪紐を手に少女見て。

水月エニィ? >  
「言うはかんたん ね」

 機嫌の悪い彼女の言は普段と変わりのないものだ。
 ともあれ背を向けたまま短く告げる。
 
「遠い?」

 既に背を向けている。
 故に不十分なのか、と言わんばかりの何かだ。
 

東雲七生 > 「ホントにな。」

全く理不尽に出来た物だと思う。
人に言う前にまず自分が為さなきゃならないとは思うものの、
やっぱり誰かの為に、という大義名分が付けば人は簡単に自分を棚に上げるものなのだろう。
そんな事を考えながら髪紐を手持無沙汰に弄っていたが、

「え?だって、誰かに髪結う時って……!」

きょとん、とした顔で何やら口走りかけ、途中で何かを理解したように言葉を切る。
人にやった事は無いのに、どうしてそんな事を知っているのかと言えば、それは勿論人にやって貰った事があるからで。

「い、いや、大丈夫。届く。十分届くっ!」

一人で慌てながらも少女の髪に手を伸ばす。
ほどなくして綺麗に左右対称な位置でツインテールが出来上がるだろう。

水月エニィ? >  
「へんな人」
 
 コロコロと様子を替える彼にはそのように呟き、身を任せる。
 その通りにツインテールが出来上がれば、満足そうにしてみせた。

「ありがと とても上手ね
 ……東雲君もよくツインテールしてるの?」

 振り向いて見つめて尋ねる。 
 慣れた手つきから、その様なものを思い浮かてしまったらしい。
 脳裏で妄想しているような、まじまじと観察する目だ。
 

東雲七生 > お互い様じゃねえかなあ。
そんな事を思いながら髪を結い終えて。
自分でもなかなかの出来に満足げにしていたら、

「いやいや、別に礼を言われるほどじゃ──
 ……え?俺? してないよ、俺がツインテールにしたって多分似合わないしさ!」

どうやら単純に手先が器用なだけらしい。
少女の視線から気恥ずかしそうに眼を逸らすと、脇に置いておいたスポドリを手に取って飲み始める。

水月エニィ? >  
「コロンブスはあるかもしれないわ?」
 
 気恥ずかしそうな東雲をぢっとみつめ、小首を傾げればツインテールが揺れる。
 無邪気にからかうような調子と言えば調子だ。
 
 ……特に何をする訳でもなく、スポドリを飲む彼を見ている。
 

東雲七生 > 「ないない!」

気管に入って咽たのか、軽く咳き込みながら否定する。
ツインテール男子なんて流石に異世界の文化が表立ってる異邦人街でもそうそう見掛けない。
スカートみたいな装束はたまに見るけど。

「そんな事より、何でこんなとこで寝てたんだ?」

暑くなかった?と先程までの状況に至る経緯を尋ねる。

水月エニィ? >  強く否定すれば口を尖らせるものの追わず。
 妄想済みの彼を見直す様に首を振る。
 
「気持ちよかったから?」
 
 寝ていた経緯を訊かれれば即答、断言。
 したいからした。出来た。本当にそれだけなのだろう。