2016/10/10 のログ
■水月エニィ >
「あら、貴方も負け続けてきたの。お互い大変ね。
そうね。人それぞれ。とは言え思う所はあるけれど――今は言わないわ。」
軽く冗句にしてみせる。そう出来るだけの余裕はある。
思う所が無い訳ではない。明言こそしないがエゴが消えたわけではない。
……勝手に右腕がアッパーカットをした、と聞けば。
「そりゃ誰にでもかみつくし、素人の魔術を代行させようと無茶ぶりしたらキレるわよ。
基本、あの手の思念は触るもの皆傷付けるもの。同調したって引っかかれる。
妖怪もどきの源となる思念は色々あるから、貴方のそれが本当にその通りかは分からないけれど。」
異常さは覚えるが半分諦めている。
残る半分は、自分も似た様な事をしている故に納得できるからだろう。
「いいえ、全部処理する気よ。彼。
少なくとも私の前ではそうだったわ。」
去り際の彼を思い出す。
"妖怪もどき"騒動の際に聞いた口ぶりではそうであったと断言する。
「そう。それなら丁度良いかもしれないわね。
私も一緒に学んでみようかしら。初級のは受講したけれど、なんとか単位獲得、って具合だもの。
異能をおろそかにするつもりはないけれど――適正、ねぇ。編入時の検査では分からなかったの?」
■羽切 東華 > 「ああ、うん婆ちゃんに毎度半殺しにされてたからね…」
実際は半殺しでも生温いくらいだったのだが、詳細を語るのは止めておこう。自分でも思い出したくない。
しかし、軽いジョークを言える辺り彼女の精神は以前より安定したか成長しているようだ。
「…ですよねー。うん、まぁコイツに頼るのがそもそも間違いだとは思った。
基本右手に爆弾抱えてるみたいな認識が正しいんだろうし。
…思念かぁ。負の思念には間違いないけど、俺の右手を汚染してるのがどんな感情かまでは分からないな…」
むしろ、なまじ人外殺しの少年を汚染したせいで元の思念から変質してる可能性もある。
そして、相棒だけでなく目の前の友人にすら半分諦められる程に少年の気質は手遅れだった模様。
「……と、なるとやっぱり俺の右手も対象になるんだろうなぁ」
何ともいえない笑顔を浮かべて。彼に悪感情などは一切無いが、少々苛烈な気がしないでもなく。
(とはいえ、こういう思念を残しておくのが危険なのも分かるからなぁ)
直接彼から聞いたであろう彼女の言葉は真実だろう。しかし一人で全部、か。
「……誰にも頼らずに一人で、ってのは俺も覚えがあるからアレだけど」
何か違う気がする、というかそれはそれで決定的に何かがズレている気がした。
とはいえ、あれこれ憶測を重ねても変な先入観に繋がりかねないので一息。
今はそこは置いておこう。思考を切り替えていく。
「あ、じゃあちょくちょく魔術の講義一緒に受けようか。鈍にも受けて貰おうかなぁ」
と、さりげなく相棒も巻き込んでいくスタイル。むしろ相棒だから道連れスタイル。
「いや、魔力が高いってだけ。ただ、俺の異能が鋼刃の生成だから…鉱物、地属性が向いてるのでは?とは言われた気がする」
■水月エニィ > 「分かれば、ねぇ……。
霊媒や読唇でもすれば聞けるのかもしれないけれど、悩ましいわね。」
脚をで地面を蹴りつつぼやく。
手や道はありそうだが、色々とといかんともし難い話だ。
「確かに頼らずというよりは……
……これ以上は陰口ね。やめておきましょう。善い先輩よ。」
首を横に振って切り上げる。
当人の居ないとこで必要以上に言うものではない、と、我に返った。
「そうね。三人で受けましょうか。
一人で受けるよりはやる気も出るでしょう。休みやすくもなるけれど、程ほどにね。
で、地属性……四元素の話かしら。鉱物は五行だと金か何かとも聞いた気がするけれど……
確かに似た様なものと思えるなら、覚えやすいかもしれないわ。」
「私は四元素の話だと火で、後は霊ね。あとは聖と闇もあるけれど……この辺は変な事になっているとは聞いたわ。
……と、語り込んじゃったかしら。ごめんなさいね。」
■羽切 東華 > 「うーん、止めた方がいい気がする。水月さんに変な影響が出る気がするし。俺の右手と同化して俺の影響を受けてる可能性もあるしね」
汚染、というよりも寄生されてるのに近いかもしれない。自我的なものも残っているようだ。
とはいえ、こちらが余計な事をしなければあまりアクションは取れないようだが。
「あはは、確かにそうかも。うん、それに強い人ってのはやっぱり憧れるしね」
彼女の言う通りだ。別に陰口なぞを叩きたい訳ではないのだから、その話はここまでにしておこう。
「うーん、四元素だと土、風水五行だと金か土になるのかな。
ただ、なるべく異能とは差別化を図りたいから、五行方面だった場合は金よりは土属性かな」
異能と魔術はなるべく別個の特性を持っていた方が矢張り先頭の幅が広がるというもの。
ともあれ、時間が合えば三人で魔術の講義を受ける事になるだろう。
他の友人を誘うのもありかもしれないが、そうなると魔術の勉強会とかした方が効率がいいかもしれない。
「んーと、火と…霊属性?で、あとは光と闇でいいのかな。多重属性持ちなのかも。適性属性が多いとか」
そういう人も少なくはないとは魔術理論の本には書かれていた気がする。
とはいえ、複数の属性持ちでも矢張り一つ得意とする属性はあるようだが。
「あ、いやいや気にしないで。水月さんと久々に話せて良かったし。
とはいえ、そろそろ引き揚げないとなぁ。途中まで一緒に行かない?」
と、誘ってみつつこちらは立ち上がろう。ベンチに立て掛けていた黒刀を左腰に差しながら、本は閉じて持参していたリュックに放り込んでから担ぐ。
■水月エニィ >
「それもそうね。今は大人しくさせておきましょう。」
確かにそれでもリスクは減らない。
素直に頷く。
「ま、火はおまけみたいなものだけれど。
一番強いのは霊に連なる聖だけど、それだけだとなんかヤだもの。」
左のこめかみを掌で抑え、ぷくーと頬を膨らます。
比較的挙げられるものを挙げた所はあるのだろう。
「ややこしい身の上を持つから、少しだけ人より適正が多いのもあるかもしれないわね。
そうね。幅を広げる為にはその辺りが良いかもしれないわ。地属性はちょっとうらやましいわね。
考えるだけで便利そう。」
強固であり確かな実体のあるものだ。
きっとそれは自分にないものだ。その様に思えば、羨ましがる口ぶりを示す。
「そう言ってくれると嬉しいわ。で、そうね。そうしてくれるのも嬉しいわ。
お化けが出る前に帰りましょうか。羽切さん。」
ベンチの背から体を離して服のよれを整える。
帰り支度が終わったと見計らってから一歩踏み出す。
「さ、行きましょ。」
そのまま歩調を併せて歩き、途中までは一緒に帰る事にした。
ご案内:「常世公園」から水月エニィさんが去りました。
■羽切 東華 > 「まぁ、飼い慣らす、っていうのはアレだけどどうせなら上手く制御して行きたいもんだけどね」
制御、とかそういう存在でも無い気がするが、体の一部になってる以上、こちらからの強制力はある程度の効果はあるかもしれない。
とはいえ、それで下手に活性化されても困るのだけれど。
「成る程なぁ。俺は適性は…謎だけど一応、土属性か五行の金になるのかなぁ。
金属系統は異能で代用とか応用は出来ないでもないから、やっぱり地属性かなぁ」
地面に干渉する、という点では使う魔術によっては攻撃も防御も行ける気がする。
ただ、属性的に空を飛んでいる相手等には矢張り効果が限りなく薄くなりそうだが。
(けど、水月さんも言ってる様に応用性そのものは高そうだからなぁ)
取りあえず、地属性から勉強していくのがいいかもしれない。大まかな方向性は決めておこう。
「了解、じゃあ怖い妖怪もどきとかが出る前に帰りますか」
この辺りには居ないようだが。ともあれ、そのまま雑談でも交わしながら途中までは一緒に帰るのだろう。
ご案内:「常世公園」から羽切 東華さんが去りました。
ご案内:「常世公園」にルベールさんが現れました。
■ルベール > 「ッシャオラァッ!!」
威勢のいい声が響き渡る。女らしさのかけらもない声。
ぐわしっ、と白球を叩き潰すかのように金属バットを振るえば、ぎゅるぎゅるととても良いスピンのかかった白球ががしゃんっ、とネットに突き刺さる。
「ちぇ、ファールか………」
舌打ちをしながらバッターボックスに戻る。
ぶんぶんとバットを振り回せば、両手でぎゅっと握りしめ、構える。
この女、身体能力が高いだけではなく、スポーツならばルールを覚えるのもそこそこ早い。
身体を動かすことにかけては才能があるのは間違いのない事実だろう。
バイト先のおじさん達の草野球に誘われてやってきたのだけれど、
当然のように開始10分でエースで4番になっていた。
■ルベール > そこそこ名の通ったチームだったらしく、
対戦相手もなかなかの相手。 勝負は歯応えがあるものだった。
通算成績で負けている相手とやるが故に、黄色い声援の一つでも欲しい、と呼ばれた彼女。
4打数2安打1本塁打の大活躍。
最初の2打席は三振。しかし、
「掴んだ。」
彼女はその打席の直後にそう言い切った。
ご案内:「常世公園」に暁 名無さんが現れました。
■ルベール > 守備は自分のところに球が飛んでこない限り棒立ちというなかなかの無知っぷりを披露をしてメンバーを困惑させたのだが。
最終的に彼女はリリーフとしてマウンドの上に立っていた。
キャッチャーの構えたところにボールを投げることはなかなかに上手かったし、何よりその球がミットに納まる音が鉛玉のように重かったからだ。
ずしん、と重みが来る直球に相手チームの打棒はことごとく差し込まれ、ゴロを量産。
セカンドのバイトリーダー、ショートの店長の軽快なゴロ裁きが唸る。
ファーストに入ったレジ打ちのおばちゃんが見事な開脚キャッチを決め、サードの経理のお姉さんが相手のスライディングを潰す。
■暁 名無 > 「おー、やってんなあ。」
長閑な秋の昼下がり。
休日だってのに朝から部屋に篭って資料作りをしていた事に飽きた俺は、気分転換も兼ねて公園に散歩に来ていた。
公園に着く前からなにやら威勢のいい歓声やら、バットがボールを弾く時の小気味よい音が聞こえてくると思いきや。
案の定、草野球が行われていた。
「ま、食欲の秋もありゃ運動の秋もあらぁな……と。」
見れば見知った顔がマウンドに立っている。
へえ、あいつ野球なんて出来たのか、と感心しつつ俺は観客席に落ち着いた。
野球なんて遥か昔にちょっとやってからというもの、随分とご無沙汰である。
■ルベール > そのバットでホームランを放てば、次はマウンドである。
バッターの下りは一端横に置き、マウンドの彼女はとりあえず剛腕である。
「………サインちょっとよく見えない。
何? 真ん中でいーの?」
声に出してサイン確認。
相手がカッとなることも見越しての発言なのか、それとも単に頭が悪いのか。
「………んじゃまあ、これでスリーアウトと行きます、かっ!!」
ばすんっ!
ばすんっ!
快速球で見事に2ストライク。
まっすぐしか投げていないようだが、なかなかの伸びだ。
■暁 名無 > 「活躍目覚ましいな。
向こうにも野球みたいなスポーツでもあったのかね。」
それともこちらで覚えたのだろうか。
だとしたら相当なセンスの塊だとは思うが、まあ、元より運動神経は良い方だからおかしくは無いだろう。
打って投げての大立ち回りに思わず口笛も零れる。
「しかしまあ、相手も可哀想だよなあ……」
タバコに火を着けてふかしながら、俺は両チームのメンバーを確認した。
見るからに商店街の草野球、ってメンツで若干の不公平すら感じない事もない。
まあ、案外相手チームにも思わぬ伏兵が居たりしそうなものだけどな。
■ルベール > 「そいやっ!」
びゅ、っと投げた球は相当な球速があるだろうが。
ガキンッ、と金属バットで打ち返すおじさん。
おじさん連中、なかなかに良いガタイをしているのだ。
「………ふん、だばっ!!」
ばっちぃん、っとまっすぐ飛んでくる打球をグラブを叩きつけるようにして取る女。
やることなすこと豪快な女は、どや顔でチームメンバーにアピール。
手がじんじんするのだけれど、それは秘密だ。
勝負そのものは4-3で勝っている。
■暁 名無 > 「ひゅーぅ、魅せるねえ。」
人目が有ろうと無かろうと、豪快な気性は知ってはいたが。
あくまでそれは戦場での事だろうと考えていたのを改めざるを得なかった。
きっと目立ちたがりなのだろう。良くも悪くも。
「だったら声援の一つでも掛けてやりてえところだが……」
生憎と草野球、両チームのチーム名なんて分からない。
たぶん酒屋さんチームとか、八百屋さんチームとかそういうレベルなのだろうとは思うんだが、
流石に良い歳こいて酒屋さんチームがんばれー、とも言えず。
大人しく試合を見守るくらいしか俺に出来る事は無かった。
■ルベール > 3アウトを取ったのか、ぞろぞろとメンバーが帰ってくる。
ハイタッチをしながら観客に発見すれば、どや顔でグラブを振って、バットに持ち変える。
「……さぁて、さて。
ここらで試合を決める一発でも打って終わりにしますかね!」
悪役の笑みである。
おらこいや! とバットを3本持ってぶんぶんと素振りをして、ネクストバッターズサークルで控えている。
ごう、っと風の音すら聞こえそうな素振りだ。
■暁 名無 > おっと、こちらに気付いた様子のルベールへとひらりと手を振って応じる。
最後までしっかりと見届けさせて貰おうと改めて座り直せば、やっぱりこういう場には鳴り物が欲しくなってしまって。
近くに転がっていたペットボトルを二つ拾って叩き合せたら、良い感じに鳴り物っぽくなった。
「しっかし……まあ、悪そうな顔してんなあ。」
あの笑い方はどうにかならんもんかね。地はイイ女なのに、挙動がいちいち残念だ。
まあ、それでも様になるのは流石と言うべきか……。
凄まじい勢いで素振りをする姿を見ながら、俺は煙を吐き出した。
■ルベール > 先頭バッターの店長がツーベースヒットの無死2塁。
ここで草野球ではありえない暴挙が起こる。
「………あん?」
キャッチャーが立ち上がり、ぱすん、と山なりのボールが遠くに納まる。
いわゆる敬遠である。
「ほぉう。………ほうほう、なるほど、この私と勝負することが危険と判断したと。
……なぁるほどね。」
ぐ、っと構えたまま、ぽすん、ともう一度ボールがキャッチャーミットに収まる。
流石にそこまでブーイングは飛ばないが、顔を伏せて地面を踏み固める仕草を見せ。
■暁 名無 > 「ははっ、草野球で敬遠たあ……
まあ無理もねえかな。ああもバカスカ打たれてたらなあ。」
幾ら素人野球とはいえ、致し方ないのかもしれない。
まあ見てる方としては退屈なわけだが、こればかりは禁止されてるわけでもないのでどうしようもない。
野次を飛ばすのも大人げない。
「まっ、ルベールの奴は後で慰めてやるか。」
流石に多少なりとショックを受けている様に見える。
けれどまあ、これがスポーツの世界だ。あいつもいい勉強になったろう。
■ルベール > 3球目がぱすん、と収まって。諦めたように首を横に振って。
4球目がふんわりと投じられたところで、唇が歪む。
待っていた。
3球目じゃあだめだ。 ドラマティックな要素が足りない。
こういうのは最後にひっくり返すから、面白いもんだ。
「……だ、っりゃぁっ!!」
バッターボックスギリギリにまで踏み込んで、右手一本で顔程の高さを振りぬけば、白球はぐぅんと加速して、外野の深くの茂みにばす、っと突き刺さり。
拳を持ち上げながらダイヤモンドを回る金髪。
おっしゃー、とチーム全員大騒ぎである。
試合は結局、5-3での勝利となった。
■暁 名無 > 「……って、おいおい。
ははっ、マジか。やりやがったなオイ!」
敬遠を打つなんざ、しかもそれをホームランまで持って行くなんざそうそうあるもんじゃない。
そういう規格外の手に、俺は素直に驚きつつもどこかでルベールらしさを感じていた。
まあ、あいつならこういう事くらいするよな、的な。
「やれやれ、ホント退屈とは無縁な星に生きてんな。」
ぽかぽかぽこぽこ、ペットボトルを鳴らしながらチームメイトに囲まれるルベールを眺める。
だいぶ街の方にも馴染んだ様で、他人事ながら少しだけ安心した。
■ルベール > 「で、どっから見てたのさ。」
試合後のローラー掃除も一人で引いてしまえば、ブルドーザーのような彼女の活躍は終了。
ふぃー、と汗を拭きながら帰り支度をしつつ、相手に尋ねる。
途中で見ていたのは気が付いているが、試合中は……というより、スポーツをやっている間は夢中になるからあまり気が付かない。
改めて考えると手が赤いのだけれど、だからどうした、と気にする素振りも無いまま、バットを軽く振って。
■暁 名無 > 「んー?大体7回のあたりか?
……何だか賑やかな気配がするから来てみりゃ、見覚えのある奴が活躍してるからよ。」
お疲れさん、と俺は前以て買っておいたスポドリを差し出す。
久々に敬遠打ちなんて面白い物を見れたお礼半分、単純な労い半分だ。
ついにで自分用に買った缶コーヒーを開けつつ、
「しかし野球の助っ人まで頼まれるたぁな。
あっちの世界でも似たような競技はあったのか?」
あっちの世界、とはもちろんルベールの出身世界の話で。
昔ほどじゃないが異世界への興味もそこそこある俺としては気になる事でもあった。
■ルベール > さんきゅー、と受け取って一息に飲めば、またバットをぶん、っと振る。
こんなもんかな? っていうふわっとしたフォームだけれど、ナチュラルパワーが圧倒的だった。
「いんや、無い。
飛んでくる矢を打ち落としたことならあるからさ。
その要領、じゃないけど………
自分の身体を思い通りに動かせればなんとかなるものよ。」
乱暴なことを言う。
つまるところ、神経を鋭く尖らせ、動体視力を鍛え、思い通りに身体を動かす。この3点においては鍛えられていると言えるのだろう。
■暁 名無 > 「前も思ったけど、大したパワーだよな。
どこにそんなエネルギー蓄えてんだ?胸?」
バットが起こした風が俺の髪を撫でる。
流石に俺が振ったところで同じ様にはいかないだろう。ていうか腰が逝く。
「へえ、無いのか。
てことはルールやらなんやらは真っ新であそこまで動けたってのかよ。
いや、理屈抜きでも体が動けば何とかなる、っていうのは俺も経験があるんだが……
他人がやってんのを見ると、改めてめちゃくちゃだな……。」
呆れて言葉が出て来ない。
自分の身体が自分の意思を過不足無く迅速に伝えてこそ出来る芸当だ。
あとは躊躇いを生まない即決力。なるほど、戦士としての蓄積が役立ったという訳なのだろう。
■ルベール > 「…ほう、ボールになりたいってことでいいの?」
瞳に赤い光が宿り、ぶぉんっ、と素振りで小さな竜巻が巻き起こる。
凶器をもった彼女は、からかわれてもからかい返す。
頬は少し赤いけど、羞恥のせいだろう。
「んや、ちょっと教えてもらったけどさ。
なんつーか、スポーツのルールはすぐに覚えられるんだよね。
何より、実際に動きながら聞いた方が早いし。
っても、細かいのは無理だけどね。 なんか連携とか取るんだろうけど、基本なんもしてなかったし。
まあ、天才って奴よ。」
どや顔を久々に決める。
2日に1回くらいは決めてるけど。
■暁 名無 > 「なはは、照れなくても良いじゃねえか。」
俺は笑いながら瞬時に散歩程後ずさる。
あんなもので殴られたら意識が飛ぶどころか命が飛んでしまう。
腰が駄目になるとかそういうレベルじゃないし、チンピラの喧嘩でもそんな事態は起こらない。
「そうだな、認めたかないがある種の天才なんだろうな。
やっぱり出会ってすぐお前をスカウトした俺の目に狂いは無かったわけだ。
……こうなると俺も中々、先見の明というか人を見る目があるな……?」
ふふふん、どや顔にはどや顔をぶつけるんだよ、と言わんばかりに俺も笑みを浮かべる。
しかしまあ、実際のところルベールという女は実動で真価を発揮するタイプなのだろう。
戦争中だったというこいつの故郷でもどんなだったのか容易に想像がつく。
■ルベール > 「だーれが照れるってのさ。」
ふん、と鼻息を鳴らしながら、金色の髪を揺らして。
ふう、と一息をつけば、スポーツドリンクをぐい、と飲んで。
「ふん、ふふーん、そういうわけ。 まー天才だから仕方ないけどねー。」
……スカウトは偶然すぎない?」
これ以上ないくらいにどや顔をしながら、ふんふふーん、とくるくると回る。
ツッコミを入れながらも、悪い顔はしない。
「……っても、まあ、試合も終わったしここにいても仕方ないけどさ。
あー、つっかれたぁ……」
んー、っと伸びをして、吐息を一つ。
あー、買い物があったっけ、なんて呟きつつ、バッグを抱えて。
■暁 名無 > 「まあ、そんな怖い顔すんなって。
スカウトは確かに結果論だな、まあでも最初はナンパのつもりだったわけで、
やっぱり俺の目は正しかったって事に……ならねえか。」
くっくっ、と肩を揺らしながら俺は笑う。
何に於いても俺の言は結果の上に成り立ってるわけだから。
しかしそれでも満更じゃ無さそうなルベールの様子を見て、俺は内心自分の慧眼を讃えていた。
「ほぉ、買い物。
なら荷物持ちくらいは付き合ってやろうか。疲れてんだろ?
それに、セールの時間の店もお前よりよーく知ってるぜ。」
ついでに幾つか頼みもあるからな、と少しだけ声のトーンを落とす。
助手として雇う契約をしてから頼みごとをするのは初めてかもしれないと思いつつ。
■ルベール > 「ナンパねぇ……
私のことをナンパなんてするのは、よっぽどの馬鹿か命知らずだったんだけどなぁ。」
んー、と少し昔との違いを悩みながら、ふむ、と首を傾げて。
「……何言ってんのさ。
多少疲れてたって、バットでも20本くらい持てるっての。
ちょっと卵と野菜が足りないから買うだけよ。」
荷物持ちは丁重……ではないけれど、軽く遠慮をして。
「んで、頼みって何よ?」
その場であっさりと聞いてしまおう。
■暁 名無 > 「案外俺もよっぽどの馬鹿で命知らずかも知れねえだろ?
しかしまあそんな器量良しでスタイルも良くてそんな男しか寄ってこなかったってのは解せねえがな。」
俺なら毎日でも口説けるが、としゃあしゃあと言ってのける。
まあ半分は冗談だが半分はマジでもある。むしろ口説かないのは失礼に値しないかとさえ思う。
「そいつぁ大した体力だ。
俺なら明日一日寝込むくらいの動きだったんだけどな。」
どこにそんな体力詰まってんだ胸か、と先の文言をもう一度。
それでもまあ断われれば食い下がる様な事はしない。
「いや、今度ちっとばかり猪狩りに付き合って貰おうと思ってな。
なぁにタダの猪ならお前の手を借りるまでもないんだが、奴さん魔法は大概毛皮で弾いちまうし、
物理攻撃なら分厚い皮膚で防いじまうしで打つ手がねえんだ。」
それで猪には猪を、と……なんでもない。
なるべく余計な噂は立てたくないので、周囲に人が居ないかだけ気にしながら俺は青垣山で遭遇した魔猪の群れについて伝える
■ルベール > 「私は常に前線に立つからねぇ、生半な実力だったら死ぬだけさ。
口説かれてもなぁ、そのうち帰るつもりだしさ。
お世辞を言っても何にも出ませーん。」
んべ、と舌を出しながら相手に笑う。
相手の言葉をまともにとらえていないのか、バットをんしょ、っと抱えなおして。
「……ふぅん。
まあ、そういうことならいいけどさ。私がガチでやるんならいろいろ燃えるけど、大丈夫なの?
山一個くらいは燃すよ、私は。」
くっく、と笑う。
悪役の笑みだ。相変わらずの悪役っぷり。
■暁 名無 > 「なるほどな、そりゃよっぽどの命知らずじゃなきゃ務まらねえか。
そういうこったら、じゃあお前が帰る前にその気にさせねえとか。
はー、こいつは骨が折れるねぇ。」
まともに捉えられてないなら好都合、とばかりに俺も言いたい放題言わせて貰う。
こうやって軽口を叩ける相手もそこまで居なかったのだから、これだけで充分有り難いと思ってるんだが。
「その辺のサポートは俺がするが、条件が一つ。
……出来りゃあ殺さず生け捕りだ。
出来るか?難しいかもしれねえなあ。
何せバイトで着たきぐるみ一つも燃やし尽くしちまうわけだからなー。」
参ったなー、と素知らぬ素振で俺はタバコに火を着ける。
チョコレートの甘い匂いが僅かに周囲に漂った。
■ルベール > 「ったく。じょーだんでも毎日言ってたら、がっこでめんどくせーことになるって言ったのそっちでしょー。」
髪の毛をかきながら、やっぱり本気に受け取ることもなく。
肩を竦めてため息一つ。
からかわれ続けている感覚である。
「……無理くさくね?
いやまあバイトで着ぐるみ燃やしたのは事実だけどどーして知ってんのさそれ。
じゃなくて。
攻撃が効かないってなら、全力でやらなきゃ通らないわけだし。
全力でやった結果相手が死んだのは、ちょっと責任とれねーな。
いるんじゃないの? 催眠とかそういうのができる奴さ。」
■暁 名無 > 「学校で言わなきゃ良いんだろ?
大丈夫だそのへんは上手い事やるさ。」
ふうわりと紫煙を吐き出しながら、真意は文字通りに煙に撒く。
まあからかわれてると思われてるのだから、からかっていることにしよう。
それくらいの認識。本気なんて見せる様な男じゃない、ってか。
「そこを何とか。バイト代も弾むから上手い事生け捕り……
いや、その場で落とせるなら最悪屠っても……。
ま、まあ俺の攻撃が通らなかったってだけで、お前ならまたいくらか通じると見込んで頼む。
まだお前くらいしか頼める相手が居ねえんだよ……。」
おう、未来人の交友関係の狭さなめんじゃねーぞ、と言っておこう。
……凄んでいう様な事じゃねえな、虚しい。
■ルベール > 「……ほんとかねぇ。」
うたがいのまなざし。
まあ、次の日には気にしていないのだけれども。
「………んー、じゃあ、まあ、やってみますか。
別にいーけど、マジで危ないから離れてなよ。
殺したらダメなら炎も使わないからさ。」
そんな風に頼まれれば、断ることはしない。
ただ、幾ばくか自信は無さそうだけれど。
「そんじゃま、買い物して帰らなきゃいけないから、まったね。」
手をひらりん、と振って歩き出す女。相変わらずの自由人だ。
■暁 名無 > 「ほんとほんと。」
嘘はつかない。流石にそこまで不誠実には生きられねえ。
ただ本当かどうかを暈かすだけだ。
信じて貰えるまでは、な。
「わーお、サンキュールベール!
さすが俺が見込んだ女だな。愛してるぜハニー。
それじゃあ、詳細は追って連絡するからよ。
俺としてももう少しお前がやり易い様に場は整えるつもりだから。」
せめて辺りを気にしない様にはする、と告げる。
これは契約に基づく話だ、嘘も冗談も一切抜き。
「おう、じゃあな。
ああ、そうだ。どこでどんな目があるか分からねえんだ、十分気を付けろよ。」
携帯着ぐるみ炎上事件も、何だかんだで野次馬伝の情報だしな。
最悪動画まで撮られるから注意しろよと、糠に釘を刺しておくことにする。
ご案内:「常世公園」からルベールさんが去りました。
ご案内:「常世公園」から暁 名無さんが去りました。