2017/01/13 のログ
ご案内:「常世公園」に尋輪海月さんが現れました。
■尋輪海月 > ――――はぁ。
【――曇天の夜空。季節は冬らしい冬を垣間見せるように、白ずんだ夜色と、氷色の雲ばかりの空を彩る。
見上げた黒い瞳は、そのカラーコンタクトの下の炎のような色をくすんだように暗くして、ただ。】
……
【無為に佇むばかりで、何もしない。
湯気が消えつつ在る甘酒と書かれた缶と、菓子折幾らかが入ってるだけのビニル袋を片手に、穴の空いたドーム型遊具の上に、体育座りで、ぼんやりと夜空を見上げた。
そうして、今夜通算何度目かの溜息と共に、憂鬱に。】
…………何の為に、此処に来たんだろ。
■尋輪海月 > 【――何度かまた、試しては見たけれど、同じ結果を辿る事となった。 燃え盛る炎の輪。炸裂。熱風。
……破片で怪我をした足の傷は、衣服の下で今も疼痛を放つ。
寒さが麻痺させてくれているのが、自分のその、異能に因る傷を考えると、なんだか、皮肉られているようだった。】
…………。
【膝を折りたたみ、かさりと音を立てるビニル袋を膝下に。残りの甘酒を飲み干して、空になった缶をおいて、膝に顔を埋めた。】
……異能、なんて。
【 焼けていった。誰かの所有物。自分の所有物。誰かとの縁も、友達との縁も、炎が焼き払った。
よりにも、よって、自分の。】
……こんな異能、要らない。
ご案内:「常世公園」に三谷 彰さんが現れました。
■三谷 彰 > 日課にしていたランニング兼風紀委員としての見回りの仕事。寒い夜であってもそれは変わることは無く、むしろ寒いからこそ集中して行っていた。
軽く公園内の見回りを終え、すこしだけ休もうかと思ったときふと足を止める。
少し向こうに知り合いの姿を見つけ軽く手を上げ近寄ろうとしたが何処か重い雰囲気を感じ取り軽い挨拶はやめにする。
「……なにかあったのか?」
自分はあまり空気が読める方ではないが。少なくともこれくらいはわかるつもりだ。しかも相手は前に少しとはいえ悩みを聞いた相手だ。その関係なのか否かはわからないが……
どちらにしても知り合いを見つけた上にそれが何かあったような姿を見せていてほっとけるわけも無く軽く息を整えながら近寄る。
■尋輪海月 > 【 こちらに近付いてくる姿に気づいたのは、声を掛けられて、ようやくそちらに顔を向けた時だった。
……ニット帽から覗く前髪の毛先が、黒い色が落ちて、火のような赤い髪色を見せていた。
ゆらりと向けた視線、そうして、相手が見知る相手だとわかると、】
ぁ、あ、あー……えと。
【ぱっ、と、遊具から降りると、空になった缶を拾い上げ、ビニル袋も拾い上げ、そうして居佇まいを直すと、苦笑と共に小さく手を振った。】
……な、なんでもないです、なんでも……ちょっと、異能の制御に失敗して、凹んでるくらいな、そんだけ、それだけなので……。
【……と。朧ながら、一回は多少なりとも口調は素に近いようなそれだったのも、なんだか余所余所しく、そうしながら、若干に距離を置いていて。怯えているようで。】
お、お久しぶりです……え、と、えーっと……三谷……先、輩?
■三谷 彰 > 「それだけ……には見えなかったがな」
相手はそれだけといったがあの凹み様はそれだけと言えないように見えた。といっても前に話したときもかなり辛そうだったこともあり踏み込むというのは少しだけ気が引けてしまう。
「とにかく怯えんな。んななんかしたりしないから……ああ、ひさしぶりだな海月。夏だから……5ヶ月ぶりくらいか? 2回目の挨拶があけましておめでとうになるとはな」
どこか怯えた様子を見せていたので少しだけ安心させる為に軽く微笑む。
そのまま近くのベンチに腰を下ろすとかるく息を吐く。
「さっきまで見回りしててな。すこしだけ休憩だ」
誰かに言わないでくれよ、と軽く笑いながら付け加える。本来であれば見回りが終わってからすぐに帰るのが当然といえば当然だからだろう。といってもこのまま真っ直ぐ戻るわけにもいかずこうして腰を下ろした。
■尋輪海月 > うっ。
【鋭い指摘。というか、図星。けれど、それだけは、あまり人にも言えないこと、といった反応だった。
ベンチに腰を下ろした相手を暫く見つめてから、……歩き出し、そのベンチの反対側の、ほんの端っこに座った。距離をおいて座っているのは、なんだか、警戒心の強まった猫のようだった。といっても、当人の顔は、そういう色は微笑みを見て微かに消えたが……それとは別の理由のようにも。】
あはは……そう言えばそう、でしたね……ええと、あ、あけましておめでとうございます。こ、今年も……宜しくお願いします……?
【疑問形。】
……秘密の寄り道ということならば……って、え、あー……そっかぁ、私風紀委員さんの秘密を……あはは……言ったらこっそり闇討ちとかされて転校扱いとかそういう……
【思考 is Gone. 若干遠い眼になるのもつかの間、はっとしたように、】
……あ、あの。
■三谷 彰 > 見るからに図星といった反応。隠すの下手だなぁと思いながら人の事を言えないことを思い出しその思考を取り消す。結局まだどこか怯えているというか警戒しているというか、そんな感じに感じるが流石に恋人でもない女子相手にもっとこっち来いよ。などといえる性格ではなくそのまま話を進めた。
「ああ、こちらこそってなんで疑問系なんだよ」
おもわず半目でかるくそっちを見てしまう。前からおもっていたが時々この人は変わったところがあるよななどとどうでもいい事をおもってしまう。
その後の発言に関してもそうだ。闇討ちって……
「あんたの中で俺らはどんな組織になってるんだよ……」
もはや半目を越えジト目になりかけている所で相手が何かを言おうとしたため普通に戻す。
「ん、なんだ?」
相手が何かをしようとしているのに何時までもこっちがノリをひっぱっているわけにも行かず軽くそちらを向く程度にとどめる。
正面から見られては話しにくいだろうという気遣いのつもりだ。
■尋輪海月 > っえ、あー……いや、その。
【視線を外し、やや気まずそうに俯いて、……少しの間の沈黙から、ふ、と、息と共に、】
……来年、この学校にいるかどうか、多分、分からない……ですし。
【――と。】
…………異能の出力が、日を跨ぐ毎に、強くなってってるのに……それなのに、全然、制御だけが……出来なくて。
【言葉と共に、だんだんと視線を落とす。両手を膝の上で握り締めながら、眼を細めて。】
このままだと、危険な異能を、制御できないだけの、やつに……なっちゃうかもしれない、ですし。
【――滲んていたのは、自己への、恐怖のようなそれだった。
心なしか、横顔が、陰って、瞳が暗く沈んでいるようにも、見える。
異能を、心の底から疎ましく思う、陰鬱な影と共に、言葉は、響きが低かった。】