2015/06/19 のログ
ご案内:「カフェテラス「橘」」にルフス・ドラコさんが現れました。
■ルフス・ドラコ > 「…………。」
てくてく、と擬態語を当てるような。
歩くというよりは足を動かして空間座標を更新するだけの作業を経て、
掃除用具の置いてあるテラス席に少女は腰掛けた。店内から持ってきたトレーには、ホットのアプリコットティー。
「……」
こくこく、と喉を鳴らして半分ほど淹れたてのアプリコットティーを飲み、カップを置いた。
熱には強い。ただ、夜風の寒さには弱い方である。
それでもテラス席に着いたのは、使っていないとはいえ掃除用具を店内に持ち込むのも憚られたためだ。
■ルフス・ドラコ > 「いえまぁ……その…」
いつもの平坦な表情も少しまゆが下がりがちである。
「夜の公園に恐れをなして、掃除もせずに逃亡……となりますよね」
客観的に見るならそういう話になる。
もっと大きな視点で見れば、教師になるなどと言って意気込んできた割に、ここ何日も学園に行っても居ないし、学生寮で誰かと会った記憶もない。
学費を稼ぐ…と。自分をごまかしては何かに向かって頑張っているふりをしているだけだ。
■ルフス・ドラコ > 手の中で握ったアプリコットティーは、半分の体積となってからは簡単に冷え込んで、温まる役にも立たない。
ほんのちょっと前までなら、こんなふうに冷えることもなかった。
体に龍の息吹が有った。冷めた紅茶を継ぎ足してくれる友人も居た。
腰のあたりに手をやると、ポケットからスマホを取り出した。
■ルフス・ドラコ > こちらの世界に帰ってきた日、持っていた学生鞄の中に有ったものだ。
回線はおそらくとっくに切れていて、中のデータは外部のウィルスに怯えることもなく安全に保たれている。
「確か…あの頃は、スマートフォンに観戦するウィルスは二、三種類しかなかったんでしたっけ」
そんな話をすると、あの頃の学友は笑いながら変わったものを使っていると言ってくれたもので。
受信履歴の中には、その頃の思い出が未だに残っている。
初めて常世学園に来るのが夜になったのも、朝からずっと読み返していたからだ。
■ルフス・ドラコ > 「……そういえば、スタバに行こうって約束どうしたんでしょうね」
半分のアプリコットティーを飲み干すと、次の飲み物を注文しに行く。
スマートフォンはまたポケットに仕舞った。
さて。次のバイト先を探さなければならない。
■ルフス・ドラコ > エスプレッソルンゴを持って、席に戻る。
注文の時に、普通のコーヒーを頼んでもいいんじゃなかろうかと思うことが無きにしもあらず。
コーヒーショップでは舐められたら終わりなのだと学友は言っていたっけ。
「さて…美味しい話には気をつけろ、と言われたばかりでしたけども」
美味しくない話ならそこら中に転がっている。
学生証を取られ、代わりに借金を抱えさせられて自分まで冷たい路上に転がるのはあいにく遠慮しておきたい。
■ルフス・ドラコ > 「……ゴミ掃除とか、割と得意な方かなと思ってましたが」
そもそも、自分の火なら燃えないごみが殆ど無い。
孤島でこれほどの人数をまかなっている以上、異能や魔術を用いたごみ処理は行われているものだと思うし、
学校である以上、生徒の卒業があるのだからインフラ関係に活用できる異能は引く手あまたなのではないか、と安易に考えていたのだが。
「安易でしたね」
我ながら本当に。
■ルフス・ドラコ > いい加減に自分の異能を売りにして職を求めたところ、それでもなお普通に面接で落ちたという事実に未だに膝が震える少女である。
■ルフス・ドラコ > その異能なら、落第街の清掃の方が向いているかもしれない、
とのことでこうして清掃見習いを初めているのだが。
「真火には勝てませんからね…ブレスだと息継ぎが入りますし…」
あれと比べれば多分確かに自分のほうが移動しながらの清掃には向いているだろう。
と言うか相手は無生物なのだが。
■ルフス・ドラコ > 思考というには明瞭さに欠けるし目的がない。
エスプレッソをすすると、もう少しマシな方向に考えを向けようとした。
そういえば。
あとは昔とった杵柄というか、戦うことで何とか儲ける手段はないのだろうか…!?
「…………………。」
エスプレッソを残りの九割ほど流しこむ。
カップの底にはクレッセント。言うまでもなく狂気じみた発想だろう。
■ルフス・ドラコ > 無駄使いする余裕も有るわけではない。カップを店に返して、そろそろ帰ろうと革袋を背負った。
寮へ帰る道すがら。不意に思い立つと、左手を中空で動かす。
スマホとは逆のポケットの中の端末がショートカットに反応して起動し、左手の先にウィンドウを投影する。
以前聞いた単語をこねくりまわして検索にかけてみたところ、それはたしかに引っかかった。
ハンティング。
部活、委員会、アソシエーション、会合、連盟、血盟、クラン…ギルド。
「というか」
「…実在する人間のほうが狂っているというか」
ハントマンズギルド。
<学生同士の相互扶助を目的とし、異能・魔術を用いて金銭報酬を伴う依頼を達成するための組織。>
……言い換えれば、金ずくでただの学生に物を奪わせ、人をさらわせる、そういった依頼の仲介組織。
「…………うまい話には――」
目の前には学生寮。
今晩もまた、ただ眠るためだけに未だ学生として自覚のない身を横たえる場所。
彼女は掃除用具を放り出すと、踵を返す。
だんだんと足を早め、学生のための街を走り抜けると、
高く高く飛ぶために踏み切って闇に身を溶かした。
ご案内:「カフェテラス「橘」」からルフス・ドラコさんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に桐竹 琴乃さんが現れました。
■桐竹 琴乃 > バイト中である。
忙しいタイミングは過ぎ、彼女を含め、他のスタッフの動きも何処か緩慢だ。
とはいえ、アイドルタイムにやる事は多い。
椅子の整理、終わった後のテーブルの片づけ。
すっかり筋肉痛も無くなったのでさっさか片付ける。
片付けをさっさと済ませた分、適当にボーっと出来る時間が増えると言う全くもって短絡的な考えからだ。
■桐竹 琴乃 > ついでに言えばもうすぐアガリだ。
緩慢な動きになるのも仕方ないと言う所である。
「そうそう、仕方ない」
など一人頷きながら、テーブルを拭く。
とりあえず終わればここでご飯を済ませよう。
などと考えていると。
「え?ああ。……はーい」
若干めんどくさい、そんなニュアンスが含まれつつ、その頼みに応じる。
彼女の異能のせいでよく頼まれる仕事がある。
二階などの外、高い所の清掃である。
水拭きモップを片手に上を見上げる。
■桐竹 琴乃 > (っても疲れはするんだけど)
彼女の異能はその場に留まるには常にステップを踏んでいなければならない。
飛んでいる訳でもないのでその場に留まる、と言うのは非常に面倒なのだ。
でっぱりなどがあればそこに乗るだけなのだが。
「ま、やりますけどー」
これもご飯の為。
トントン、と地面を蹴り、オンへと切り替え―――。
特に緊急時でもないのでゆっくり高度を上げる様に走り、掃除する場所へ近づく。
「よっと……」
適当なでっぱりに腰掛け、バランスなどを一応再度確認し、モップを掛ける。
■桐竹 琴乃 > 面倒くさいという顔は変わらず、モップを掛けつつ適当にそこから見える景色をだらりと見ている。
他の生徒はゆっくりと道をあるいているやら他の生徒とじゃれあってるやら。
実に楽しそうである。
■桐竹 琴乃 > 「え。あ、スイマセン」
しばらく眺めている内、自然手は止まっており。
それを咎められ、慌てて手を動かす。
何か所か周り終わり、地上へ戻る。
「こんなモンで」
終わった事を報告し、モップを片付ける。
何か所かステップ滞空しなければならないので流石に疲れる。
足がつるかと思った。
■桐竹 琴乃 > 「じゃお疲れ様でしたー」
残務を終わらせ、エプロンを脱ぎ、片付ける。
さっきまで職場であったが今度は客である。
相変わらずトーストとジュースしか頼まないが。
何せ余裕などは余りない。
安くあげれるのなら安く上げるまでである。
注文した後に適当なテーブルに腰掛けた。
■桐竹 琴乃 > 注文したトーストがテーブルに置かれ、適当に咀嚼を始める。
とても静かだ。
特に何をするわけでもないので片手で携帯を弄り色々と眺める。
ゲームはしない。
というか止めた。
課金という制度は泥沼のようなもので、貧乏学生がハマれば大よそだれもが思いつく、予想通りの事態になりうるからである。
基本無料。
恐ろしい言葉である。
一度ドはまりし、月の食費も危なかったのだ。
経験談であった。
■桐竹 琴乃 > 「あの頃は私も若かった」
騙されては行けない。
基本無料。
遊ぶのが無料なだけであり、快適なゲームライフは送れないという事を。
同じくハマっていた友人などにその事実を毎回伝えてみるが。
全員須らくわかっている。
その上で進んでいくのだ。
泥沼と呼ばずしてなんと呼ぼうか。
ちら、と液晶に映るアイコン。
止めた、正解である。
アンインストールしたか?と問われれば、それはNoであった。
あんだけ課金したし消すのは勿体ない。
というこれまたよくある事である。
手持無沙汰さに思わずまたそのアイコンを押しそうになる指をかろうじて抑える。
これ以上いけない。
■桐竹 琴乃 > 「ふー……」
暇というのは良くない。
トーストを齧り、ジュースを流し込む。
止めたはずのものもやりたくなるからだ。
などと一人葛藤している姿は挙動不審に近い。
同じスタッフから微妙な目で見られているがあえてスルーする。
どちらかと言うと、「まだこっちが働いてるのにいい御身分ですね」というそういった意味の視線が大きいが。
■桐竹 琴乃 > さっさと食べ終わり、一息つく。
とはいえ余り長居してもしょうがない。
席を立つ。
夜また別のバイトであるが、それまでそこそこ暇である。
「部屋戻って寝よ……」
欠伸を一つし、トレイを片付け、その場を後にした。
ご案内:「カフェテラス「橘」」から桐竹 琴乃さんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に聖夜さんが現れました。
■聖夜 > 「…普通ね、極めて普通だわ」
カフェのテラス席、聖夜はストローから口を離すと小さく呟いた
彼女の前に置かれてあるのは深紅の液体の入ったジュースグラス
深紅の液体は細長いグラスの中にまだ十分に残っている
しかし彼女はその液体を一口飲んだだけで落胆した
■聖夜 > 「これがこちら流のジョークなのかしら?」
期間限定のドリンクメニューにその名を見つけた時
聖夜は即座に、それでいて冷静に優雅にそれを注文した
吸血鬼としての喜びを隠しながら
吸血鬼であるならば誰もがそうするであろう、そうしたであろう
『ドラキュラジュース』なんて素敵な名を見たら
■聖夜 > こちらの世界に置いて誰もが知るであろう
吸血鬼の元祖にして真祖『ドラキュラ伯爵』
その名は聖夜もこちらの世界に来て直ぐに知った
だからその名を冠するジュースに大きな期待を持つの当然の事
だがしかし
その正体はドラキュラとは名ばかりのありふれたジュース
ハスカップと言う果実を絞り作られるジュース
血を美味とする彼女の口に合おうはずが無かった
ご案内:「カフェテラス「橘」」にウィリーさんが現れました。
■ウィリー > 決断的にアメリカンクラブサンド、しかもガッツリとしたその場で作った感のあるもの。
そんなものを求めている。ファミレスにはまずないものであって、
恐らくここでしか味わえないもの。
「さっき頼んどいた例の奴を」顔なじみとなった店員に、準備してあったそれを厨房へと取りに行かせて。
視界の隅に不服そうな顔をしている少女が写る。
デートの待ち合わせに男が遅れているとか、そういうパターンだろうか?
ああいかん、目が合うとまずい。
■聖夜 > 「はぁ…注文した以上は最後まで飲まないと
店に対し失礼と言うものよね」
過剰な期待をしたのは聖夜の責任
店側は客に喜んでもらおうと言う気持ちこそあれ
誰かを落胆せる気持ち等無い事は聖夜にも良く分かっている
だから聖夜も店側の気持ちを汲むべく
ストローに口を付けジュースを飲み干そうとするが
「………」
ふと視界の隅に入った長躯の青年が視線を逸らした様に見えた
ジュースへの不満が顔に出ていたろうか?
■ウィリー > 最初に考えた不機嫌の理由とは、なにか違うようだ。
何故かジュースにかかずらっているようだが、店はそんなに口に合わない
物を出してしまったのだろうか?
「ここはカフェのために一肌脱ぎますか」届いた料理を片手に、聖夜の元へ。
「ここは空いてるか? 良ければ相席願いたいんだが」ジュースを飲み干す間を与えず、人のいい笑顔でしれっと割り込んでみる。
■聖夜 > 飲み進めれば飲み進むほどに血への渇望が沸き上がる
『赤=血』の連想は聖夜にとっては本能の様な物
それゆえ余計にジュースへの不満が出てしまう
だがここで残しては店への礼に欠く
なにより聖夜のプライドが許さない
「…え? あ、はい、空いてるわ?」
心の中で戦いを繰り広げていた聖夜に声をかける者があった
先ほど視界の隅にあった長躯の青年だ
ジュースに集中していた聖夜は
思わず間の抜けた返答をしてしまった
■ウィリー > 苦悩と葛藤に心中を乱されているとはいざしらず、聖夜の隣に腰掛けた。
「すまないな。さっきからずっとその飲み物と格闘してるようだから、
少し気になった。妙なモノを出されて困ってるんじゃないかって」
よければどうぞ、と超ガッツリアメリカンクラブサンドを差し出す。
同時に、彼女の手元のジュースを取ろうとするが、取れるだろうか。
■聖夜 > 「格闘?そんな風に見えていたの私?」
聖夜的には冷静と優雅を装っているつもりであったが
青年の言葉から察するに、他者の視点から見れば
苦手な野菜を前にした幼子の様に見えていたのだろう
間違いなくそうだ
その事実に気付けば聖夜の白い頬が朱へと染まっていく
「…うかつすぎる、え?あ、ありがとう?」
さらなる心の葛藤が始まろうとした所で差しだされるクラブサンド
聖夜は再度間の抜けた返答をしながら受け取ってしまう
完全に隙だらけ、ジュースを取るのはたやすいだろう