2015/07/18 のログ
立花 響 > 「そうですねー…
 このまま治せればなんとかなるかなぁ…」
治っても治らなくても特に生活に影響無い気もする。
響が行く場所といえば図書館かカフェテラスとか商店街とか…もしかすれば元から引き篭もりの才能はあったのかもしれない

「そうです?流石に自分で自分の撫で心地とか知らないですからなんとも言えないですけど」
撫でられながらテーブルに顔を乗せた状態、所謂上目遣いにも似た状態で静歌を見ている

「まー誰だって秘密にしてる事ありますよ。
 私だって色々秘密にしてあることありますしねー…それがどんな些細なことでも。うん」
猫を持ち帰った事とか猫を持ち帰った事とか猫を持ち帰った事とか…女子寮仲間としてもこの秘密は言い難い

四十万 静歌 > 「まぁ、外に出なくてもいいといえばいいんですが、
 慣れてしまうと色々大変ですからね。
 お腹回りとか。」

経験はあるらしい。
なでなでなでなで。

「実際さわり心地いいですよ。
 というか、上目遣いにみられると、
 物凄く可愛いんですけど――」

なんていいつつ優しくなでる手に緩急をつけてみたりして、

「お互い様ですね。この際秘密の共有でもしてみますか?
 なんて、ね?」

立花 響 > 「あー……」
お腹まわりと言われればどこか心当たりがあるらしく、思わず同意の声を上げてしまう
歌手時代と比べれば少しお腹まわりがたくましくなってきたような、そんな気がする

「えへへー、ありがとうございますー」
緩い顔でそんなお礼の言葉を言う。
何も考えてない、と言われれば否定出来ないような、そんな緩い顔

「秘密の共有ですかー……
 といっても静歌と釣り合うような秘密あるかなぁ…」
満更でもないらしく、今自分の中にある人に言えない秘密を引き出そうとしている。

四十万 静歌 > 「なんだかんだで体型維持の為に、
 外に出たり運動したりは欠かさないようにしてますね。
 私の場合は、その、甘いものよく食べるのもありますけど。
 もぅ、なんていうか、持ち帰ってしまいたいくらい可愛いですよ?
 今の響。」

なでくりなでくりして抱きしめたい感じもするが、
撫でるので我慢なのである。
そんなに可愛く緩い顔されると、
そんな衝動に襲われる。

「まぁ、
 秘密なんて釣り合う必要なんてないと思いますけどね。
 どんな秘密が知りたいかはあるでしょうけど。
 ちなみに私は相手の事ならなんでもかまわない性質ですけど。」

なんて

立花 響 > 「ウォーキングも大事な運動って事ですねー…
 別に同じ女子寮ですし、持ち帰られても何の問題無いと思いますよ?」
同じ屋根の下で暮らしているのだから一緒に帰るぐらい、ましてや部屋に行くぐらい何の違和感はないはず。はずだ

「うーん…そういう秘密は自然に引き出していこうかなーって感じでどうです?
 お友達なんですし、ね」
別に慌てる必要はないし、これから時間は沢山あるのだからゆっくり、自然に待ってみるのもいいかもしれない。
ただ、静歌の場合だと自爆するだけになるかもしれないが

四十万 静歌 > 「それじゃあ、
 今日は一緒に帰って小さな女子会でもします?」

なんて人差し指を口元にもっていってウィンク。

「私の部屋にはたいした物もありませんけどね。
 本と手品グッズは大量にありますけど。
 お友達として、
 これからどんな秘密をお互い引き出していくのか、
 ちょっとドキドキしませんか?
 響。」

なんて笑って返す。
まぁ、本当に肝心な事以外は基本全部自爆するわけだが。

立花 響 > 「いいですねー。お茶とかお茶菓子買っていって…緩く緩く女子会しましょうか
 ……太りそうですけど」
自分自身に釘を刺すかのようなそんな一言。

「うーん、私の部屋は楽器やら、煮干しやら色々ありますけども…
 多分静歌の部屋の方が面白そうですし、そっちにお邪魔しますよ。」
半ば強引に静歌の部屋でやることを決定する。
こういう時だけは持ち前の行動力を発揮するのだ。完全にダメな方向だが

「ドキドキ楽しみですね。
 ふいに引き出された秘密が意外なものだった、という時が一番良いでしょうし」
秘密というものはその人にとって意外な一面を垣間見えるものだから響にとって静歌の意外な一面を見てみたくはあるのだ

四十万 静歌 > 「あ、大丈夫ですよ。
 私印のダイエットのコツ教えますから。
 少なくとも甘味に関しての消費は問題ないはずです。」

ほっておけばシロップを原液で飲む女である。

「まぁ、いつかは響の部屋にもお邪魔しますけどね。」

なんていいつつも承諾する。
特に断る理由は 無い。

「そうですね。意外な一面とかこう、
 ドキドキしますよね。
 黒マント一枚脱ぐだけで私の場合印象変わりますし。」

わざと黒マントに引き付けている為本体が目立たなくなる仕様ともいう。

立花 響 > 「おおぅ、静歌ですね、私より1年多く生きているだけはあります」
そこまで言うならば信用しても大丈夫そうという意味を込めてグッと右手でサムズアップを送る
響は放っておけばパンケーキを毎日食べる女でもある

「その時までにはー…まぁ、綺麗にしておきます。出来るだけ」
今は乱雑に積まれている楽器類をどうにか整理しよう、今度静歌が来る時までは
それはきっと来る前日になって急いで整理するパターンでもある訳だが、響はそんなことを気付く訳はない

「黒マントがない手品師さんは…胡散臭さが消えるみたいな…?」
ふと、頭のなかで黒マントを外した静歌を想像する。
ただそれは胡散臭い静歌だが、黒マントを外すといつもの目の前にいる静歌になる。

四十万 静歌 > 「まぁ、運動量結構ありますけどね。
 というより最低限の運動して体力つけないとですよ。
 綺麗にしてくれるなんてそのときを楽しみにしてますね。」

なんて言質をとって笑って――

「――まぁ、見たほうが速い、でしょうか。」

そういってするりと黒マントを外し――

四十万 静歌 > ――するり、と脱いだ途端に、
特徴の無い整った顔立ち、
均整の取れた体付きがはっきりとわかるようになるだろうか。

立花 響 > 「うぐっ」
運動量あると聞くと少し抵抗が生まれるが、屋内で運動する分ならまだ大丈夫か、と判断する
既にこういう思考が駄目なのだが

「ぜ、善処します」
気が向いた時に部屋を掃除しよう。そうしよう
やっぱり明日にしよう

「なんというか…普通の女の子って感じですね?」
パッと思い浮かべた感想がこれである。あまりコメンテーターには向いていないかもしれない

「でも、マントの下が普通の人間の方でちょっと安心しました。」

四十万 静歌 > 「まぁ、普通ですよ。」

極普通に整った顔立ちで、
極普通に均整が取れていて――
――恐ろしいまでに整いすぎているだけである。

「ただ、
 マントつけてる時のほうが普通っていわれるんですよね。不思議と。
 さすがにマントを脱ぐと変身するとかは難しいですね。」

なんて笑って――

「とりあえず、運動の方は……
 手は抜いたら駄目ですよ?」

と釘を刺した。

立花 響 > 「フツー、というか…うーん、静歌らしい?って言った方がそれっぽいかもしれませんね」
あくまでこの顔は静歌の顔とでも言いたそうにしている。
別に誰かとの顔がそっくりという訳ではないから間違える事もないだろう

「その普通は、なんというか静歌の普通って感じじゃないです?
 もしかしたら黒マントが似合ってるって意味なのかもしれませんけども」
私は黒マントつけてる静歌はかっこいいかも、と付け加えて微笑む。

「うげっ」
正に腹部に釘を差されたかのようなそんな声を出してしまう

四十万 静歌 > 「でしょうかね。
 まぁ、ただ――」

よいしょと黒マントを付け直して

四十万 静歌 > 「これだけで人は存外私を見失うものですよ。」

と人さし指を口元にあてて笑う。

「存外分からないというか――
 黒マントを目印にしてるからかもしれませんね。」

まあ、黒マントに意識を集中させて、
自分の顔にめだった特徴が無いのを利用し、
記憶させないのだからさもありなん。

「さぼったり明日からで伸ばそうとしてましたね?」

とうげっという声に首を傾げてとうだろう。

立花 響 > 「なるほど…」
確かにコンサート中に1人だけ、静歌を見つけ出せなんて言われたら難しいかもしれない。

「でも、大丈夫ですよ。
 私は今、じっくりと黒マントの下の静歌の顔を見ましたから、なんて」
ふふ、と笑みを浮かべて身体を起こしてゆっくりと肩を回したりと身体を解している。
これから運動だと言われると、多少なりとも身体を慣らしておいて損はないだろうし

「うぐぐっ
 し、静歌、なんで分かるんですか…?」
顔に書いてあったのだろうか、と思いつつ自分の顔をぺたぺたと触っている

四十万 静歌 > 「響が分かってくれるというのは嬉しいことですね。」

なんて少し頬を染めて微笑む。
まぁ、なんていうか、
じっくり見ましたなんていわれると、照れるのである。
仕方なし。
身体をほぐす様子を微笑んでみながら、

「こうなんていうか手を抜いたら駄目っていうと、
 うげって帰ってきたら、そりゃあ……」

名探偵でなくても推理できますよ?
とでもいいたげにウィンク。

「それじゃ、
 そろそろ――、一緒に帰りますか?」

と微笑むだろう。

立花 響 > 「友達の事分かってあげないのは、友達じゃありませんからね?」
理解あってこその友人。なんとなく良い詩が作れそうな気がする

「うぐぐ…これじゃ女子寮であった時のお返しみたいですね…」
あの時女子寮で会った時の事を思い出してそういえばそんな事をやった気がする、と思いながらも今となってはやや恥ずかしい

「ん、帰りましょうか。
 静歌の部屋に」
つられるように微笑んで席を立ち上がる

四十万 静歌 > 「――ありがとうございます。」

万感の意をこめてそういって微笑む。
そこまでいってもらえるとは光栄にもほどがあったから。
そして、支払いを済ませて共に、カフェテラスを出るだろう。

――手を繋いで帰ろうとでもいうように手を差し出して。

手をとってもいいし、
とらなくてもいいし、
気づかなかった事にしても良い

立花 響 > 「どういたしまして」

ありがとうございますと言われればどういたしまして、という
それは友達が困っていれば相談に乗るのという当然の事である。

そっと差し出された手をちらりと見れば、そっと手を重ねてから力強く手放さないように掴み取って、その足は一路女子寮へ帰っていくのであった

四十万 静歌 > ――手を取り合って帰る静歌の顔は、
嬉しそうに綻んでいた――

ご案内:「カフェテラス「橘」」から四十万 静歌さんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」から立花 響さんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」にウィリーさんが現れました。
ウィリー > 「む……」
机に突っ伏していたところを店員に起こされて、瞼をこすりながらあたりを見回す。
顔に手をやればおしぼりの跡がついていて、ガッツリ寝ていたのがよくわかった。

「アイスティーが随分と薄く……」溶けた氷で薄まった茶だが、クチをしめすには十分だった。
立て続けに様々な――試験とか、事件とか――そんなものに
関わり合いになってきたせいか不意の拍子に居眠りしてしまうくせがついてしまったらしい。

ため息をついてから、お冷を頼んだ。

ウィリー > 腕時計を見て逆算すると、この店に入ってから10分もしないうちに寝てしまっていたことになる。
そして、2時間半ほどそのままにされていたというわけだ。
道理で背中がじっとりと汗ばんでいる。

「さすがにお冷だけじゃ悪いか……ああ、すみません」
メニューを広げて、涼しげな料理を探す。
タイミングよくお冷と、気を使って新しいお絞りを持ってきた店員に注文をした。

「ワッフルの抹茶・バニラアイス添え。大納言大盛。
 それにパストラミサンドとアイスコーヒー」
寝起きだが、ガッツリ行こう。これで多少は目も覚めよう。
学生の割に金を落とす客と認識されている彼の注文を受けて、
店員はキッチンへともどって行った。

ウィリー > 「……暇だな」
今このときもそうだし、件の事件が終わってからもそうだ。
前と比べて余暇利用がすごく下手になった気がする。

ご案内:「カフェテラス「橘」」に園刃 華霧さんが現れました。
園刃 華霧 > 店に入っていきなり寝落ちした男が面白すぎて、思わずいつ起きるかと観察し続けてしまった。
もう二時間半にもなるのか……結構寝てたな、あのニーサン。
無論、その間なにも注文しないなんて野暮はしない。
彼女の目の前には空になった皿がいくつも並ぶ。
そして、この店名物の超巨大パフェが新たに鎮座されたところだった。

「よー、ニーサン。お寝覚めみたいだネー。」

けたけたけた、と笑いながら声をかけてみた。

ウィリー > 『お待たせいたしました、ワッフルミックスアイス添えの大納言大盛とパストラミサンド、アイスコーヒーでございます』
手早く目の前に置かれた料理と、マニュアルどおりのごゆっくりどうぞに目をしぱたかさせる。
…これ以上ごゆっくりさせて、回転率は大丈夫なのか?

そんな風に思いながらおてふきで手を拭っていると、女の声がこちらに向けられていた。
その声の主がどうとか、そういうことの前に空き皿の量が尋常ではないことのほうが気になったが……。

「ああ……いや、おはよう?」頭がまだ寝ているのか、胡乱な返事しか出てこなかった。

園刃 華霧 > 「やー、ドーモおはよーさン。よく寝てたネー、ニーサン。
 寝落ちしてラーメンスープに顔突っ込んダ人の話を聞いたコトあるけド、ニーサンは注文後じゃなくてよかったネ。
 そのワッフルに顔突っ込んだらちょっとしたコントだったとこサ」

どうやら相手はまだ目がさめてないらしい。
それならば、と好き放題いう。相手は見知らぬ人間?
そんなことどうだっていい。からかうチャンスだ。

「よっぽど忙しいのかネ? 其の割にゃ、暇って呟いてたヨーだけド」

ウィリー > 「…疲れが残っててな」首をゴキリと鳴らして、そこから全身を軽くほぐす。どこか折れていそうなほどにバキバキと音がする。

「せっかくのラーメンが顔出汁で台無しになったのか。
 ワッフルで同じことをしたら……笑うな。コントじゃあすまんだろ」
楽しげに茶化してくる見ず知らずの相手だが、怒るような理由もない。
大人しく会話に乗って、乗りつつコーヒーを口にする。

「元々忙しくて、つい最近まで輪をかけてせわしないことに首を突っ込んでた。
 まあ、試験とかもあったしな。あんたもそうだろう?」

園刃 華霧 > 「おー、大分いい音するナ。こってるなんてモンじゃないんじゃないかネ。
 オキャクサーン、マッサージいるー?」

元々一部妙なイントネーションをしているが、それを更に胡散臭い外人風になまらせて変なことを言い出す。

「んー……とりあえず、アイスで顔が大変なことになるだローから、それでチョー笑う。
 まあ台無しになったワッフルさんは勿論、スタッフが美味しくいただくトコまでやってもらわないトだよネ。」

食に拘りがあるのか、山のようなパフェをひょいひょい食べつつそんなことをいう。

「アー……なんか顔みたこと、あるよーナ、ないよーナ……何、ニーサン荒事屋かネ?
 まあ面構えがそんな感じだケド。ごっついよネー。
 ……って、うン?アタシ?ああ、まあそれなりにハ?」

ウィリー > 「ん……ッと。まともなマッサージなら欲しいところだな、揉み返しのないやつがいい」
妙な口調が尚更奇妙にかわって、いよいよからかわれてるようだ。

「残念だったな、笑い種にはならない。ワッフルもアイスも
 きちんとスタッフじゃない俺の腹に納まる」
呆れた表情を向けた相手は、もりもりととんでもないパフェを口に運んでいる。

「量はともかく美味そうに物を食う女は好みだな」パストラミサンドをしがみながら、そんな事をいう。
「荒事屋か、そうだな。そんなところだ、自分から騒ぎを起こすことはないが……
 ……それなりにやっててなんとかなるのか、羨ましいことだ」

「それで、あんた名前は?」頭がようやく醒めてきた。とりあえず、目の前の女の名を問える程度には。

園刃 華霧 > 「適当ならタダ、真っ当なヤツならお代でもいただくかネ。
 こう見えて、それなりにヤるもんサ」

本当に出来るのかは疑わしいが、しゃあしゃあと言い放った。

「クッ、そこは迷惑料とかいいながらアタシにおごる流れじゃないのかネ!」

そんな流れは全くなかった。
なかったが、臆面もなくそんなことを言い放つ。
風紀の目立つ赤い服を着ているのが嘘のようである。

「食にハ感謝しなキャだからネ。コレがあるから、アタシは生きていけるンだし。
 なにヨリ旨いものハ旨ク食べるのガ礼儀だロ。……あー。
 不味いモノは……まあ、笑ってネタにすればいいサ。」

一瞬だけ真顔になった。

「おお、それは重畳。自分から騒ぎを起こすほーだったラ、アタシが仕事しないとだからとても困ル。
 まあ、仕事とかハアタシ以外に有能な面々がたくさん居るしネー?
 試験?ソコはホラ、まあ色々と……ネ」

「ン……アタシ?アタシは、園刃華霧。しがない一委員サ」

ウィリー > 「じゃあ頼むか」実際にできなかったら踏み倒す。
仮に相手が赤服で、風紀を律する立場の人間だとしても、
詐欺師まがいならこちらの道理が通ろう。

「あんたにおごったら」指差す。大量の皿は片付けられる前に積まれていたようだったし、
パフェに到っては現在進行中で口に運ばれているのだ。
「破産しかねないからな。サービスでお茶一杯くらいだ」

「案外まともな事を言うもんだな。全くその通り」
表情の変化を問うこともなく、コーヒーで口をしめした。
初対面で掘り下げすぎて、不発弾を掘り起こす気はない。

「その点で言えば俺もあんたに楽をさせてる方に入るだろうな。
 他の有能な連中、そうでない連中、そいつらが面倒を見切れないところを『俺たち』が面倒をみる」
どうにも試験のことについてはスルーしたいらしいので、
とりあえず流して。

「俺はウィリー。ウィリー・トムスン。そんで『俺たち』は、自警団だ」

園刃 華霧 > 「ゲッ、マジで頼むとか物好きだナ。ソコは冗談と流すトコじゃないのカ。しゃーないネ……」

やれやれ、と肩をすくめる。
口にした以上は一応やるつもりらしい。
席を立って近くまで来る。

「……先に見せたのガ失敗か……」

そういえば、前に奢らせた誰かは涙目になっていた記憶があったな。
うん。でもおごるって言ったのは向こうだしアタシ悪くないよね?

「アタシはいつだってまともなコトばっかり言ってるサ。
 変なのはコノ島の方だヨ、きっとネ。
 毒されると己を見失うのサー」

なんだかそれっぽいことを言っているが、どこまで本気なのか分からない。

「あーあーアーあー、自警団の連中カ! なるほどネ。
 いヤー、確かにお世話になってるナ。忙しいってのモ、そっちカ?
 昨今、バタバタしてたしナー。んで、そっちの景気はどうヨ」

なるほど、と得心した様子だった。

ウィリー > 「生憎と、冗談の類を真に受けるタチでね」同じように肩をすくめて笑う。どこまでが本気か定かではないが。

「まあただとは言わない、礼はまた別の時にさせてくれ。あとで連絡先を交換しよう」
しれっと次のデートの約束を取り付けようとするあたり、抜け目のない男だった。

「……ふん、この島がおかしいと。なるほどそうかもな」
含みのある口調。華霧の言葉の奥に何があるかはともかくとして、
彼自身も島の外の人間であったから、そういう認識を持ってはいた。

「歓楽街、落第街、もちろん上の連中が真面目にやってはいるんだろうがな。
 島は広い上に異能はそこかしこに飛び交ってるわけだ。
 誰かが手を貸さないといずれおっつかっつよ」

「自警団自体は大したこともないが、そうだな……
 異能に纏る事件や化け物退治の件数が増えてる。
 大半は俺が手伝いに回る羽目になってるくらいだ」

園刃 華霧 > 「うワー……いい性格してンな。ま、嫌いじゃないけどサー」

こきり、と手を鳴らすと肩に触れる。
ぐいぐいと、軽く親指の指先だけでまんべんなく全体を押していく。
なんだこれ、結構硬いぞ。

「おいおイ、本気でこってるナ……ガチガチだゾ、これ。
 ホントになにやってたンだよ、ニーサン」

うわー、めんどくさー、と本当にめんどくさそうな声を上げてる。
それでも真面目に触診は続けている。

「ま、じゃあ外が健全かって言ったら、ソーでもないけどナー。
 良識なんてヤツは、その場次第で変わるモンさ。」

人間なんてそんなもんだし、正義なんてのもそんなもん、とあっさりと切って捨てた。

「この島もまあ、大分色々居るからナー。前なんて魔王様とヤラに、島の組織がなってない、トカお説教もらったヨ。
 アタシに言われてもナーって気はするけどサ。まあ下っ端ナリに頑張れヨってことなンかもしれんケド、余計なお世話だってノ」

アタシは面倒なことが嫌なんだって、と肩をすくめてみせる。
見えているかは分からないが。

「異能の事件はまあ、そろそろ掃いて捨てるほどある気がするケド……化け物退治……ねえ?
 そんな化け物とか居るモンかネ。こっちはどっちかってート、人間相手が多いからピンとコないんだケド。」

ウィリー > 「そうか? 実は俺もお前のことは嫌いじゃない」
多少冴えてきた頭でさくりと切り替えして笑う。

相応の力加減といったところか。最近ストレッチを怠っていたので、マッサージをするほうは辛かろう。
「無理はしなくていい。それと、左肩と左腕はやるだけ無駄だから放っておいてくれ」

冗談とウィットで結局マッサージをする羽目になった華霧に、
今更ながらに同情してしまった。運が悪かったね、ドンマイというところで。

「島も世界も、まあもっと言えば俺たちの正気も……健全かどうかなんて、誰も担保しちゃくれないしな」
同意する。彼の人生経験は、思考の根本をドライにさせていた。
彼女の場合はどうだか知らないが、そういうニヒリズムめいた志向を持つ人間は少なからずいるのだろう。

「……魔王? おとぎ話に出てくるような魔王か?
 そんなものに説教食らうなんてとんだ笑い種だな」
随分と親切な者がいたものだ。自称魔王にしろ、治安組織を諭す度胸があるのは大したものである。

「ああ……そりゃ異能使える人間がごまんといりゃ犯罪も起きるし、母数が増えれば増えただけそういう手合いも出る」
「それとは別に、いるんだよ。とんでもない連中ってのは」
コーヒーの氷がカランと鳴った。目の前にはほとんど片付いた料理。

「とんでもない連中の話、聞くか?」振り向いて、視線を合わせた。

園刃 華霧 > 「マジで硬いな、クソ。こうなったラ、ちと本気デやってやル!
 ……って、あン? なに、左はぶっ壊したとか義手とか、そういうオチでもあるのかネ?
 まさか、俺の左腕がうずく……とか、そういうのじゃないよナ?」

色々と探ってだいたい心得たのか、やや力を込めてマッサージを始めた……
のだが、ウィリーの発言にズケズケと質問を返した。
そこには遠慮のえの字もなかった。

「ま、ソコんトコはダ。少なくとも、アタシの正気はアンタが証明してくれルらしーシそんな程度でいいんジャないかネ。
 真面目に考えすぎたラ、まータ肩こるゾ?ただでさえ、こンなカチンコチンしてるってのにサ。
 アタシはゴメンだネ。息が詰まってしょうがナイ」

自分で言い始めた話のはずだが、そうやって投げ散らかす。
根本的に真面目に考えるのが嫌いなのだろうか。

「そー、その魔王。ホント、なんでもアリだよなこの島……
 オマエ、どっちかってーと悪の側だろローってヤツに説教されたアタシの気持ちたるヤ……って感ジ。
 アンタも一回、そういう手合に会ってみろヨ……もー笑うしかないゾ?」

大仰に溜息をついてみせる。
要するに犯罪者に善性を問われたわけである。たまったものではない。

「へー……興味深くハあるネ。
 引くにしても突っ込むにしてモ、知ってるカ知らないカじゃ大分話は違うだローし。よければ聞かせておくレ」

とんでもない連中……そんな荒唐無稽にも聞こえる話に目を輝かせるようにして先を促した。

ウィリー > 「指どころか筋を痛めるぞ、そうしたらマッサージを交代しなけりゃならん」心配半分冗談半分、そういった体でため息をついた。
「虞淵ってのと殴り合いをしたのさ、何ちょっとした諍いだったんだが
 左腕一本ふっ飛ばしてようやく奴のデコにかすり傷一つってとこだ」
虞淵。最高の肉体を与えられた、異能食いの貪欲な男。
恐らくは風紀や公安にも名は知られている危険人物だろう。

「違いない、少なくともこうして会話している間はお互いにお互いの正気を理解してる。
 ……俺も頭が疲れる問答はしたくない、これはここまでだ」

「くくく……いや、なんというか随分レアなエンカウントじゃないか。
 あらゆる経験は試練だ。これからは自分の立場を鑑みて
 都市を守るように頑張るんだな」笑いをこらえながらいう。
悪性・善性はともかくとして、やるべきことをやっていないことを咎められるのは当然である。

「そうだな。例えばこうして会話してる相手は敵にしろ味方にしろ
 『対話の余地』がある存在だ。その余地が0に限りなく近くても、それは可能性があると捉えていい」

「戦争だってそうだ、主義主張がたまたまぶつかるから喧嘩になるが、
それでも調停役――通訳やら第三国やら――があれば、落着する可能性がある」

ところがだ、と頭だけを後ろにもたげて華霧の顔を覗き込む。
「意思疎通も出来ない、こちらを殺すことだけを意思表示とする連中がいる
 この島の転移荒野には、そういう手合いを呼び寄せる門がある」
まず、さわりを説明する。そう難解な話ではない。

園刃 華霧 > 「あー……噂の虞淵サンな。流石のアタシも知ってるケド……やー、ガチでやりあったのカ。そりゃお気の毒だワ。
 うちじゃあ、もう危険物扱いで、寄るな触るナだぞアレ……?
 じゃあナニ? やっぱ義手かなんかなノ、これ」

こんこん、と左手で左腕を叩いてみる。右手はしっかりマッサージを続けている辺り、意外と凝り性なようだ。

「はっハ。並大抵の説教でアタシの自由を奪うコトは出来ないサ。
 まー、そもそも説教されタ中身は、組織自体のダメさ具合だし、アタシ自身がどうこうしてもしょうがないよネー?」

けけけ、と笑ってみせる。
善も悪もなく、ただの怠惰であった。

「ンー……まあ実際問題どーカはともかく、会話が通じるかドーカってことカ。
 なるほどナ。よーする二、動物と人、みたいな感じカ。
 話も通じなきゃ、気持ちも、まアわからん、とそんなノ。
 あー、門の向こう側の連中かヨ……」

ほうほう、なるほど、とマッサージを続けつつ自分なりに情報を整理していく。

ウィリー > 「なんというか、ああいう理屈抜きに強い相手を前にすると、
 どうにも我慢ならないんだ。性分かもな」
性分で死の危険に身をさらし、挙句左腕を吹っ飛ばすのだから、
自警団員というガワを被った危険な男だと思えるかもしれない。

「義手だよ。違法部活を締め上げて作らせた」腕をまくると
青白いが人間のそれらしい肌が見えた。
更に無造作にめくったそれの下には、黒い繊維が筋肉じみた束を成している。

「……その調子だと組織に上奏してドーノコーノなんて面倒は絶対やらなそうだな」
苦笑しながらも、こういう人間もいるのだなと奇妙な親近感を覚えていた。怠惰、それも人のさがの一つだ。

「対話の可能性を全否定しなければ殺される、そういう相手だってことなんだろうな。
 元々俺の管轄外の話だったんだが、何せ門の向こうから勝手に沸いてくる相手だ」

「こちらが脅かされる前にすべきことは、一つ。そんなところさ」