2015/09/16 のログ
ご案内:「カフェテラス「橘」」に四十万 静歌さんが現れました。
四十万 静歌 > 「ふぁ……」

思わず眠気が欠伸がでる。
別に寝不足じゃないけど、
よく眠くなる。

――いったい何が原因なんだろう。

なんて、益体もない事を考えながら、
水晶玉をキュッキュッと丁寧に磨く。

大切な商売道具、大切に手入れしないといけない。

そんな事部屋でやれとか思われるが、

美味しいミルクティーと、
美味しいケーキ。

うん、ここが最高だと思う。

四十万 静歌 > 「――」

はっ!と思わず意識が飛んでいたように顔を上げる。

水晶玉を丁寧にしまいながら、
時間をみると一時間以上が飛んでいる。

思わずあちゃぁと顔を押さえ天を見上げた。

四十万 静歌 > 「疲れてるのかなぁ……」

なんて思わず口に出して、
苦笑しながらぬるくなった紅茶を飲む。

うん。ぬるい。

ご案内:「カフェテラス「橘」」に流布堂 乱子さんが現れました。
流布堂 乱子 > 「……この席、お借りしてもよろしいですか」
いつからそこに来ていたのか。
手にクリアファイルを抱えて、
無表情な少女が、片手を静歌の対面のイスに掛けている。

四十万 静歌 > 「あ、はい。どうぞどうぞ。」

といって、思わず苦笑して、

「すみません、思わずぼんやりしてしまって――
 大分待たせてしまったのではありませんか?」

なんて首を傾げるだろう。

流布堂 乱子 > ふるふると首を振り、
「いえ。それほど待っては居ません」

椅子を引いてから、その手で静歌の後方を指差すと
「……船を漕いでいる間は後ろの席に座っていましたから。
そろそろよろしいかな、と思ってお声をお掛けした次第です」
とすん、と着席した。

机の上にぞんざいにクリアファイルが置かれ、
続けて前掛けの後ろからペンが四本ほど取り出されてその横に添えられた。

……それから、一息ついて。
静歌の顔と、その手元の水晶球を見た。
「まずは退院おめでとうございます。
御挨拶が大変遅くなってしまい申し訳ありませんでした」
頭がテーブルに触れそうな程度に下げられた。

「それで、その。そちらの水晶球は護身用品か何かでしょうか…?」
水晶の攻撃属性には投撃が含まれる。そのような主張をしながら、上げた頭を今度は傾げた。

四十万 静歌 > 「はわっ!」

かぁぁぁと耳まで真っ赤になりながらもじもじしつつ、

「そ、それはそれはお恥ずかしい所を、
 ううう、もっと早くに声かけてくださいよ。」

なんて思わず耳を押さえて俯くけど、
駄目駄目と首をふって、ちゃんと顔をみて、

「い、いえっ!
 その、お気づかすありがとうございまふっ!」

退院おめでとうございますの言葉に勢い込んで、
かみながら、頭上げてくださいとジェスチャーしつつ、
水晶玉について尋ねれば――

「えっと、その、これはですね。
 仕事道具なんです。」

とあはは、と照れくさそうに答えた。

流布堂 乱子 > 「睡眠は取るべき時が有る物ですから。
とはいえ居眠りでは疲れはあまり取れませんけれど――」
ほんの少しだけ、口角を上げていた。
「ご健康そうで何より、と。
そんな風に、眺めていると随分と心安らぐ寝顔でしたので。」
少しだけ声音も跳ねている。

「結局のところは何も出来なかった癖に、
おめおめと顔を出せるのかと考えていましたけれど。
その悩みさえ吹っ切れる位の寝顔でしたとも。ありがとうございました」
ちらりと牙の幻さえ見えそうな、この少女にしては大きめの笑み。


「……仕事道具、ですか。」
じいっと水晶を見つめる。
焦げ茶の瞳が水晶の中から見つめ返していて、
その顔が、今度はちょっとだけ冷や汗をかいていた。
「……それは、また。そういうことでしたら失礼致しました。
最近は調査不足でして、就労祝いを持って来るのを忘れてしまいました。すみません。
本当に最近は調査できていないだけで、見落としていたわけではないんです」
突然の自分の得意分野への入場に驚きを隠せないといった様子で。
今度は此方がワタワタとしながら。
「この度は常世島荒事屋業界への加入おめでとうございます、
水晶球を武器にする同業者は見たことがありませんし、
かなりインパクトがあるので静歌さんならすぐに依頼がひっきりなしに来ると思います」
とりあえずは言祝いだ。

四十万 静歌 > 「ううう、まぁ、それほど疲れてないと思いますから、
 それはいいんですけど、
 ええって、そんなにしっかり寝顔みられてたんですか!」

あわわわわ、ともう真っ赤っ赤の一杯一杯である。

「本当につまらないものをーーー!」

と頭を下げて、深呼吸。
よし。私は大丈夫!
と心を落ち着け――

「ううう、いえ、その、
 色々してくれたんじゃないですか?」

詳しい事は分かりませんけどと、
一つ顎に指をあてて頷いて

「――何も出来なかったなんてことはないと思いますよ。」

と微笑むだろう。
そして、就労祝いなどといわれると、

「いえいえ、とんでもない、
 大した事をするわけではないですし、
 バイト感覚というか――」

と照れくさそうに頬をかいたけれど、
何か致命的な勘違いをされているのに気づいて――

「って、荒事業界ってなんですか、
 荒事なんて一切出来ませんよ……!
 この水晶玉は武器じゃありませんから!
 ち、違いますからね!?」

と完全にぱにっくになってお目目ぐるぐる状態である。

流布堂 乱子 > 慌てる自分よりもなおのこと慌てる相手を見れば、
やっぱりどう有っても愉快な気持ちになってしまって。
喉の奥からくつくつと笑い声が漏れた。
「今度寝てらっしゃるところをお見かけしましたら、
他の方に見えないように陣取ってから鑑賞いたしますね。」
譲歩した、とでも言うように。そう言ってからももう少しだけ笑っていた。

「ああ、いえ。それは全くもってそんなことはないと思います。
これは病室でお会いした時に御存知だと思いましたけれども。」
少しだけ微笑みを残したまま、それでもはっきりと乱子は断言した。
「あの時の私に、あなたのために何かするような余裕は一つもありませんよ。」

「花火大会の開催のため、なんて。自分の動機を偽るだけでも精一杯でしたし」
「どうあっても殺さなければならない相手を追っていたわけですし」
「結果として、あの龍を排除できれば少しは恩を売れるかとも思っていましたけれども、
それも適わなかったわけですから」
目を閉じて、思い起こすように赤龍は語る。
「寝顔でも見ていなかったら、我が身の恥ずかしさからか、
それとも獲物を横取りされた恨みからか。
ついつい手にかけていたかもしれませんね」
開いた眼差しの奥には紅い灯。


「さてはて、大したものはお送り出来ませんけれど……
落第街でも上物の依頼人ですとか、うっかり現場を見られた時の潜伏先ですとか
そういうことでしたらこの場でもお教えすることが出来るのですけれど……」
ペンをくるくると回しながら考えて、クリアファイルから取り出したレジュメに書きつけようとしたところで

「……え?違うんですか?
でも、だって、それって仕事道具で……武器じゃ、無い?
投げたりとかぶつけたりとか、むしろ相手を水晶球へ向けて叩きつけたりとかしない…?」
パタリと落ちるペン。書き残されなかった情報。

「つまり……水晶で相手を占ってからの、呪殺ですか……?」
しかし再び握られるペン。

四十万 静歌 > 「ムムム……
 もう、見せませんもん……」

なんて、ちょっとハムスターのようにぷくっと膨れて、
ちょっと涙目になりながら、
上目遣いに目を覗き込もうとしつつ、

「私の為に何かするつもりはなくてもですよ?」

そこでじっと首をかしげながら、ゆっくりと言葉をつむいでゆく。

「結果的に私の為になることだとか、
 結果的に私にとって有利になることではあったと思いますよ。
 それに――」

ゆっくりと柔らかく微笑んで――

「獲物の横取りなんてとてもとても。
 備えこそしていましたけれど、
 私は一回も――
 手は出していませんよ?」

といって、ウィンクするだろう。

「後、何か勘違いされてるようですけどね?」

と首を横に傾けて、
ちょっと驚いた顔で――

「私には異能も魔術もありませんし、
 かといって、相手と戦うに必要なスキルも、
 身体能力もありませんからね?
 ――ただ、ちょっとだけ的はいていましたけど。」

そこまでいって深呼吸して、

「辻占い師を始めたんですよ。」

と姿勢を真っ直ぐ正し、人さし指をくちもとに当ててウィンクしながら微笑んで言うだろう。

「占ってみますか?
 所詮100円、それ以上の価値があれば気持ち次第の、
 当てにもならない子供騙しですけど」

なんていいつつ

流布堂 乱子 > 「そうは言っても体は正直なようでしたから」
乱子は心の中でつぶやいた。
上目遣いの静歌の瞳に映る、自分の瞳に朱が滲んでいる。
何度かその疑いを晴らそうと目を凝らし、瞳を近づけるたびに確信する。
心の何処かで警鐘が鳴る。おそらく今何か、碌でもないことをしている、と。
「また、どこかで見ることになると思いますよ。
睡眠という欲求にきっと抗えなくなるでしょうからね……!」

ことん、といつの間にか立ち上がっていた腰を再びイスに下ろして。
テーブルの端まで、元居た場所へと体を戻した。
「そうですか。恩が売れていたなら、何よりです。
"市民の平和を守るのが風紀委員の役目"ですから」
最近聞いた後輩の言葉を引用しながら、
「それにしたって、手を出してくれていたほうが、あの炎も黒いままでしたでしょうに。
……おかげで、死ぬほど殺したい相手を討ち滅ぼす機会を失いました」
その柔らかい微笑みへと牙を剥くような笑みで返した。

その獰猛な笑いの後。
乱子はほんの少しだけ固まって。
「……つじうらない?」
ぽかんとした。
「それこそ、むしろ異能や魔術が必要な……ような気もしましたけど、確かに技術といえば技術です、ね」
ふむ。今度はテーブルに手を着いて、姿勢を正した静歌の方へ、乱子が身を乗り出した。

「100円とはお手頃ですね。それでしたら、一度お願いしてみるのもいいかと思います。」
口調こそ落ち着いているものの。胸の下に腕を置いて、水晶球を興味深けに覗く焦げ茶色の瞳。

四十万 静歌 > 「ぐ、ぐぬぬ……
 それでは――
 私の寝顔を見ちゃうんですか?
 写メとかにとったら嫌ですよ……?」

なんて、しおらしく両手を祈るような形に組み、
上目遣いのまま何かを懇願するように、
じっと見るだろう。

そして、

「まぁ、兎にも角にも、
 “私は護られた、ならば、風紀委員ならば大勝利だと思います”」

とクスリと笑い、

「どうでしょうね?
 手を出した所で私に攻撃能力はありませんから、
 即死させる手段でもないかぎり、
 どうにもなりませんよ?」

お手上げです、なんて両手を広げる。
獰猛な笑みには苦笑でさらりと受け流すだろう。

「まぁ、私に出来るのは技術の必要な事だけですからね。
 手品や占い、
 本格的にやるならば確かに異能や魔術があったほうが正確ですから、
 ――最初からお安くなっております。」

いつでもきてくださいね!とぐっと拳を握ってアピールしながら

「……近くで見てみます?」

なんていって水晶玉をそっと差し出すだろう。

「壊したりしたら弁償してもらいますけど、
 ただの水晶玉ですよ。」

しかも、安物である。

流布堂 乱子 > ついさっき、鼻がぶつかる寸前まで近づいて見ていた瞳が、
またしても上目遣いに此方をみつめていて。
「随分譲歩してくださるんですね、それでしたら…構いませんよ。」
「ちゃんと誰にも見られないところで、記録にも残せないような形で拝見しますね」
懇願されたとおりのことを返したはずだった。
大丈夫。もう目は紅くない。そのはずだ。ちゃんと自制できている。

ペンを手慰みに回しながら。
それはそのとおりなんですけれどね、と。
言い逃れする余地もなく風紀委員である乱子はそう返す他に無く。
……それでも、それ以外の全ての敗北を込めて問いかけた。
「一応、一つだけ聞いておいてもいいですか。」
病室を訪ねてからずっと。あるいは病院前で闘いながらずっと疑問に思っていたこと。
……どこか、とても無駄なことをしていたようでさえあって。
「貴女は、傷つくんですか?」


手を伸ばせば、水晶に触れる。
確かに魔術とかそのあたりのこととは何となく縁のなさそうな佇まい。
「確か、手品師と伺っていましたから。本職を見る前に此方を見せていただくのもどうかな、と思うのですけれど……」
たし!たし!と掌の柔らかいところで軽く水晶を小突いている。