2016/08/22 のログ
デーダイン > 「……つまりだ、貴様ッッ!!、私は変質者で不審者の先生だと!!そう言いたいということかね!」

ぐぬぬと唸って問い掛けたと思いきや。

「まぁ、その認識で間違いでないことを認めるのはやぶさかではない。
そうだ!私は変質者で不審者の先生だともッッ!!」

ごとん、と半ばヤケクソ気味にミルクティーのコップをテーブルにやさしーく叩き付けて、
自分から認めた。

「ウム。ホレ、今学園も夏休みだろう?
この時期になると、普通の授業の予定が抜けて補講や補修とか、
あと会議とか、私はあんまり仕事がないんだな。たまーに職員室で遊んでたりするが。

黒蜜きなこ!そのソフトクリームかね。
私は黒蜜きなこと聞けば、わらびもちくらいしか思い浮かばんが…
あ、あれをアイスに…ウウム、なんたる珍味ッ!!何色をしているんだろうか…。
やはり黒蜜と言うくらいだから真っ黒か、いや、きなこだから黄色か…?」

食べたことはないらしい。
気になったらしく、一旦パンケーキを食べようと握ったフォークとナイフを下ろして、
メニューを確認。

「……あ、ああ…そもそも…単色では、ないのだな……。」

そもそも思ってたアイスとは違ったみたいだ。
格好だけ咳払いしてメニューを元の位置に。

「ウム。先生はいつだって本気だッ!!」

グッと拳を握りしめて、暑苦しい声で訴えかけた。
デーダインはそうした聖なる力だとか、光の力、英雄や神性めいたものにとても敏感である。
曰く、私は完全無欠の絶対悪故にあらゆる悪に反する力を読み取る事が出来る…とのこと。
仮面しているが故に、表情こそ読めないが、声と仕草はやけに感情豊かだ。

「その反応を見るに…十中八九、聖なるナニカを内在しているには違いないッ!
が、しかし…あまり人に言いたくないのなら、やめておこうか。ウム。」

半分カマかけ、もう半分は確信のデーダイン。
突然やってきた変質者が聖なる力を感じるッ!などと言っても何言ってんだコイツってなるのが大体である。
しかし、水月エニィはそうではなかった。
多分なにか、そう言ったものに絡みがあるのだろうが…隠しているくらいのコトなら、
そうまで気にする事もなかったのだ。

「…さて、藪から棒な話を失礼した、食事を続けようかね。」

再びフォークとナイフを持つデーダイン。

水月エニィ >  
「……ええと……」
 
 半ば自棄気味に思いっきり叩き付ける 
 かと思ったらそっと置いた。やっぱりこの先生凄く慎重派。

「そちらでしたか。
 地下に篭って怪しげな実験をするのに忙しい――とか、そっちですかと。
 ……宜しければ担当と専攻を伺いたいのですが。」

 身なりは社会性に寄せたものではなく、派手さのある外套や黒づくめの装い。
 それもスーツではなくローブに近い類。いわゆるカジュアルやフォーマルとは違った派手な装い。
 魔術か、文学か、劇方面の芸術か。内心で専攻にあたりを付けつつそれとなく伺う。

「色々な素材を使っていますから。
 ……でも、白と黒の印象が強いでしょうか。」

 一通りの雑談が終えた所で、話題が変わる。
 探る様に目の前の教師?であるデーダインを見据える。

「本気、ですか。
 ……一応、名乗りを致しましょう。私は水月エニィ。一年生です。」

 どうにも妄想でもなければ冗句や腹芸の類ではないらしい。
 真正面から肯定された。ともあれ今の内に名乗っておく。

「……話したくないと言う程でもありませんが、
 真面目に答えた上で冗句にされてしまうと 気まずいでしょう?」

 少しずつ口調が崩れて行く。
 隠すつもりこそないが、どのような意図であるかは探っておく。
 かつては兎も角今は、その程度だ。
 
「あ、抹茶ラテをアイスでひとつ。」

 頭と口を回していたら喉が渇いた。
 追加の注文を店員に通す。
 

デーダイン > 「…すまんなッ!しかしここは皆のお店だ。故にコップを割るわけにはいかん。
いや、なんなら割ってみても良いぞ。私の力でぱぱぱっと治せる。覆水盆に返るんだな。ククク…!」

ふーと荒く息を吐く音が鳴った。
コップ片手にやけに黄昏てかっこつけている。

「私をなんだと思っているのかッ!と言いたいが、貴様のイメージで大方間違いではないんだなあ。
そう!怪しげな施設でクックックと笑いながらおやつを摘まみ御本を読む日々を過ごして居るッ!
私は魔術学の教師だ。担当科目は基礎と応用、それから実習。
研究しているのは黒魔術だ。いやむしろ私の存在自体が黒魔術だ。これでいいかな?」

外見こんな不審者ではあるが、真っ当な教師らしく、言い淀みもなく答える。

「どっちかっていうと、これは茶色と白!って感じがするな。」

程々に雑談を切り上げれば、

「ふむ…水月エニィ、か。覚えようッ!!
私はさっき名乗った通りだな。ダイン先生、ダイン様、とでも呼ぶが良い。

フハハハハッ!…なるほど。どうやら…懸念を抱かせてしまったようだな。
私はこれでも教師だッ!!生徒を気まずくさせるような無粋な事はせんッ!!」

そんな事を言いながら恰好はとっても気まずいが。
ぺこーんと優しく手袋で机を叩いて訴えた。

「何…、言っただろう、神聖なものを感じてちょっと気になったと。それだけだ。
そもそも、私の様なアヤシイヤツに己に内在する物について語ってもいいのかね?
良いのなら、構わんが。」

事前の釘刺しと確認。自分が怪しい奴だと自覚はしている様だ。
ミルクティーのコップを持ち上げると、仮面についてる穴の部分へとミルクティーを流し込んでいく。

水月エニィ > 「やめておきなさい。
 ……こほん。魔術学・黒魔術でしたか。ありがとうございます。」

 思わず素の口調で制してから誤魔化す。
 ともあれ。

「教師に話す事ぐらい吝かでありません。
 蛇を出すのは藪を突いたからですとも。ええ。
 厄介な手合いは調べてからやってくるものでしょう。」

 嫌なものを思いだ、溜息一つ。
 気持ちを切り替える。この際だ。整理がてらに先生に聞いて貰うとしよう。
 
「とは云え、ややこしいだけで大したものではありません。
 負け犬の私が恵まれた聖女のラベルを頂いてしまった、みたいな話ですから。
 内在するのではなくて、それしか残っていないのいでしょう。全く。
 それでも私は負け犬ですが。」

デーダイン > 「つれんなッ!!
マッタク…割れたガラスがぱぁっと元に戻っていく光景は結構綺麗なんだぞ!
特にこうしたミルクティーとか牛乳と紅茶が良い具合に混ざり合っている物がはじけ飛んでいくのはだな…。」

ぶつぶつ何か言ってるがあんまり聞こえないしどうでもいいことだろう。

「……ふむ!言われてみればそれはそうだった。
確かに適当に気になったから~って具合でやってくる様な筈はないッ!
これは一本取られてしまった…。」

うむうむと仮面が上下に頷くと、落ち込んでいた。

「ふむ。あーあー、待てッッ!!よく、分からんッ!
そもそも―――負け犬ってなんだ!…哲学的な意味ではないぞ。
ふぅむ…負け犬で恵まれない貴様に恵まれた聖女様から聖なる力を貰ったと?

…水月エニィッ!!」

水月エニィの語り口調が不貞腐れていると感じるデーダイン。
どう言ったものか分からないので、とりあえずと言う具合にその名を暑苦しく呼びかけた。
負け犬、だなんて二度も断言した上で、結局のところあまりどういうことか理解は及ばない。

水月エニィ > 「ええ、そんな所。それすら腹芸だったらお手上げね。
 露骨なまでに色物の振る舞いだったから、確かに最初は欺く為の色物かと警戒したけれど……」

 整えた口調はすっかり砕けている。
 叫ばれて名指されれば一瞬驚き、気を取り直してから喋り出す。 
 
「負け犬については、ざっくり言えば私の異能よ。
 "負け易くなる異能"。それを持っているの。」

 ”負け犬”で示しているものを簡単に説明をする。
 "負け犬"の異能の根源までは分からないが そのように検査結果が出ている事は知っている。

「授かった……いえ、多分違うわね。
 多分、この世界に聖女様が居ないと困るから押し付けられた みたいな具合よ。
 この世界に居なくなった聖女の穴埋めをやらされるだけよ、多分。

 ……変な話をすると、勝ち馬だった私の尻ぬぐいを負け犬の私がやっているのよ。」

 どうしてこうなったのか。
 それについては自分自身でもおぼろげ且つ他人事のようにしか覚えがない。
 ……だが、勝手に暴れて勝手に消滅した聖女の穴埋めをやらされているのだろうとは理解できる。
 二人分の記憶や証拠を辿ると、だいたいそうなる。
 
「変な話、しちゃったかしら。
 わけのわからない先生に付き合わせてしまったわ。ごめんなさいね。
 ……どう?聖なるものに見える?」
 

デーダイン > 「クックック!それすら腹芸かもしれんぞ。基本的に魔術師ってもんの言う事を信用してはならん。
特に黒魔術師は恐ろしいヤツばかりだ…自分で言うのも何だがな!」

物凄い陽気に笑い声を飛ばしているが、
仮面にマント、全身素肌を見せないその格好はといえば、信用に足るか、
と言われれば多くの人がそうでないと答えるに違いない。

「……不便な異能もあったもんだな。」

負けやすくなるって、なんだそれは。と、更にツッコミたかったが、
今重要ではないのでひとまず受け流すとして。

「ふむ…ふむふむ―――つまるところ紆余曲折はあれど貴様…ッ!聖女と言う事だな!!
ククク、勇者や聖女と言う者は、如何に誇り高きものであれ押し付け合いになるのだな…。

…は?はぁ……。」

デーダインの脳天から飛び出す黒い「?」のマーク。
変な話、と言われて突然言われたことは、何かもう、滅茶苦茶だった。
タイムマシンとかパラレルワールドとかそういうヤツと同類の不可解さである。

「うむ。とにもかくにも、貴様はややこしい来歴を持っていると言う事は理解できた。
謝る事はない。私こそいきなり押し掛けたのだからな。気にする必要はないッ!

……いや、見えるわけではない。ただ、感じるだけだッ!!聖なる力がそこに、ある…と!
確かに、私は貴様から聖なるものを感じる!…しかし、それ以上は分からん。
ククク、…押し付けられた、等と言うからにはとりわけ聖女として何かしようと言うつもりもなければ、
その聖なる力で何かを起こそうと言う訳でもなさそうだな…どうかね?!」

ビシィ!と勢いよく指を突き付ける。
変な話、それを紐解く程にデーダインは水月エニィを知らない。

水月エニィ >  
「そんな事言っていたら誰も信用できないわよ。
 世界が善意で回されているなんて思えないもの。」

 不貞腐れた色を強めて言い切る。
 そのようにして軽く呪いめいた恨み言を吐き出せば、周囲の気温が少し下がった。
 少々宜しくない類の霊を呼び寄せる類のものだ。

「ま、押し付けられただけ覚えておけば間違ってないわ……何かしよう。ねぇ。
 聖女……名前で言い換えれば鏡花ハルナとしては動かないでしょうけど。
 ずっとずっとこう思っている。」

 抹茶ラテを飲み干し、立ち上がる。

「勝ちたい。見返したい。散々振り回してきた奴らにも弱いものを認めさせたい。
 ……ずっとずっと、そう思うわ。」

 熱と呪いを込めて言い放った後、自分の分をの伝票を取る。

 「さて、私はそろそろ行こうかしら。」
 

デーダイン > 「誰も信用できない…か。どの辺までが信用のラインかはなーなーにしておくのが気楽だな。
おっとこれは…黒魔術の適性がありそうだッッ!!…それとも、別のものかな。」

能天気にミルクティーのコップを回しながら。
周囲に浮かんだ悪霊の雰囲気と、それによる冷え込みについて一言。
仮にも聖女のラベルがあるのに悪霊や恨み言だなんて、ミスマッチすぎやしないか。

「………フム?

負け犬、か。…なるほど。
何か貴様に気の利いた一言を言ってやれればよかったが…今の私には思いつかん。すまんな。」

未だに今一ピンと来ないけど。
少なくとも、さっきの言葉は負け犬であるからこその恨み言だったんだろう。
負けやすくなる異能を持ったうえで、諦めないのと負けたことで募った恨み。
そんなものが、ああいう良くない物を呼び寄せたのかもしれない。

「…ウム、夏休みだからとはいえ、あまり遅くまで出歩かんように!お疲れ様。」

聖なる者だっていうのも、そう楽な物じゃないのかもしれない。
そう言って、水月エニィと別れれば、一人席で先程注文していたバナナのパンケーキを頂き始めた。

ご案内:「カフェテラス「橘」」からデーダインさんが去りました。
水月エニィ > 「なーなーにするか、全部信用するか。
 此処で学べるようなものは出来なくは無かったけれど 黒魔術は、どうかしらね。」

 導く為のものが裏目に出ている。
 正しく使えば清いものが、歪んで反転している節すらある。
 いずれにせよ、歪だ。

「構わないわよ。
 貴方の目にどう映るかは分からないから言ってみせただけ。
 一応よ一応。」

 そのまま会計を済ませ、再び振り向く。
 どうにも妙な教師ではあるが、今の所は彼?に厭なものを覚える事は出来なかった。

「……ええ、ダイン先生。おやすみなさい。」
 

ご案内:「カフェテラス「橘」」から水月エニィさんが去りました。