2015/06/28 のログ
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」にアリエンティアさんが現れました。
アリエンティア > 「……よし」

今日も今日とて、勉強である。
寮では、まだちょっと居心地が悪いから
こうしてはるばる、外までやってきたわけだ。
今日は魔術概論と数学と国語である。
教科書をどんっと積んで、パソコンを開く。
ひくっと、店員さんが頬を動かしたのには気付かなかった

「……えっと……アイスコーヒーを、ミルクとシロップましましで」

慣れたもので、ここでの勉強にはいつもの飲み物になりつつあるものを注文

「……よし、やるぞ」

今日はこのあと訓練施設まで趣き、訓練しているものたちの魔術をこっそり観る予定なので
がんばって課題と、テストへの対策をする必要があった

アリエンティア > 魔術概論のレポートは、パソコンの方がはかどる。
先生に交渉した結果、ドイツ語でもOKとの許可をもらったので
気が楽だ。
実技はダメダメなので、筆記でどうにかしなければならない
そのため気合を入れて書かなければ。

「魔術の基礎、について」

もくもくと書いていく。
魔術の基礎、原理、考察――
ぱたぱたぱたと、慣れた指使いでキーボードを叩く。

「……使えないからこそ、すごく勉強したからこれくらいはっ」

指が踊る。この調子なら一時間足らずで終えられそうだ

アリエンティア > 魔術――
人間の意志を宇宙の事象に適用することによって
何らかの変化を生じさせることを意図して行われる行為である。
が、間違っていけないのは、”魔法”ではないという点だ。
魔法は、神秘の領域。人間には手の届かないもの。
神などの幻想種が操るものであり、人ではホントに限られた部分でしか使うことができない。
魔術で代償を必要とする行為は、魔法においては、ただの”魔力消費”ということだけで実行できるのである。

などなど、アリエンティアが考察する魔術のことを記し続けて1時間
ようやく、レポートが完成した。

「でき、ったぁ……」

12歳で出来ることは全てやった。
もうできない、これ以上は書けない。

「……ぁ……」

頼んだアイスコーヒーがからんと音を立てる。
氷が溶けて、水の上澄みが出来てしまっている

「わわわ!!」

あわててかき混ぜて飲む。薄い……
渋い顔をしながら喉を鳴らしてストローから啜る

アリエンティア > はぁっと一息。
好きな授業だから、つい最初にササッとやってしまったが……
あと残っているのは苦手科目である、数学と国語だ……

「うぅ……気が重い……」

ことりとグラスを置いて、パソコンをシャットダウン。
国語の教科書を取り出して……
開けた瞬間、ぼんっと湯気が飛び出した

「……翻訳、翻訳機……難しすぎる……」

国語にのっているのは、古典……
源氏物語である。読めない

「これ日本語? ホントに? ホントに? ホントに?」

????っと浮かべながらとりあえず読む。
《理解できない―よめない―》

アリエンティア > なんとか頑張ろうとはしてみるが……だめ。
あうと、よめない。知恵熱を起こしそうだ。

ばたりと机の上にダウン。

「だれかぁー……古典、おしえて……」

悲痛な叫び。
足をパタパタしながら。

「どうして、日本語なのにこんななの……?」

呪文の間違いではないのか

アリエンティア > 実は、最後のページの次に現代語訳があったりするのだが
それに気づかないくらいにはパニクっているらしい。

「日本の人って、日本でたくさんの日本語使ってるの?
20種類くらいあるの? スーパー言語マンなの?」

標準語をおぼえるので精一杯だというように
ぐるぐるとした目でぶつぶつと。

日本の人ってすごい、なんて
間違った尊敬をしながら

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」に葛綺照夜さんが現れました。
葛綺照夜 > >アリエンティア
店内に、店員にテーブル席へと案内される。
今日この店にやってきたのはそろそろテストを作ろうと案を練りにきたところだが

(おや)

ちょうど、離れたところから古典、という単語と死にかけのような声が聞こえてくる。
その女子生徒の様子に小さく笑い、店員の案内を断って女子生徒のとこへいく。

「こんにちは、少し相席してもいいかな?」

と、声をかける。

アリエンティア > 「はふぁい!? どちらさまでひょか!???」

声をかけられてガバァ!!
思いっきり立ち上がりながら、起立する。
声をかけられることを予想しておらず。
変な挙動になってしまった

葛綺照夜 > 突然叫ぶ彼女に驚きの顔をする。
まさかそこまで驚かれるとは思わず

「教師の葛綺照夜です。
主に古典とか、神道神学を担当してます。
あなたは、うちの生徒さんですよね?」

名乗り、今度は女子生徒の名を尋ねる。

アリエンティア > 「……ぁ? ぇ、古典? 古典の先生!!」

救いが現れた、ぱあああっと徐々に笑顔になり
今にも飛び跳ねそうになった瞬間……

――自分の状況に気づいた。

大声出した、注目の的。ハズカシイ……

「ハイ。コウコウイチネンデス。アイセキデシタラドウゾ」

うつむきなから、すとんっと席に腰を下ろし
小声でそう言った

葛綺照夜 > いくら自分が注目の的ではないからとはいえ、その話し相手になっているためにいくらか注目をうける。
小声でも、照夜の耳には聞こえたらしく席に座らせてもらう。

「えっと、注文はお茶とアイスで。
――さて、と。
なんだか困ってたみたいだけど……その前にお名前だけきいてもいいかな」

アリエンティア > 「アリエンティア・ルン・エーデルハルト、です」

まだ恥ずかしさは残っているのか、うつむきながら、ちらちらそちらの方を伺いつつ。
足は地面に届かないからぷらぷらだ、落ち着かない。

「その、国語のテスト勉強というかなんというかで
古典で、日本語があれそれで……」

一応事情を説明しようとしているが
いろいろ重なって、ただでさえ日本語不自由なのに
もっと不自由になってしまっていた

葛綺照夜 > 「アリエンティアさんか。
名前からするとやっぱり海外生まれの海外育ちなのかな?
古典の勉強は難しいでしょう。
日本人でさえも逃げたり寝てたりしてる人が沢山いますからね。
アリエンティアさんは、それなのに勉強しようとしてて偉いですね」

ちらちらとこちらを見てくる生徒に笑いかけつつ、そんな風に褒める。
脳裏にうかぶのは生徒達の顔。
主にボイコットしたり、寝ていたりする連中の顔が、うかぶ。

アリエンティア > 「ドイツ生まれのドイツ育ちです……ついこの間編入してきたばっかりで
勉強しないとテスト間に合わないですし……」

穏やかな口調に釣られてだんだん落ち着きを取り戻してきたのか
すぅはぁっと息を吐いて、残り少しのアイスコーヒーを口に運ぶ

「日本の人はみんな喋れるんじゃないんですか?
こう、日本語なのに日本語じゃない感じしますけど」

古典の意味を知らないのか。そんな感想を口にしつつ

葛綺照夜 > 「そんな事ないですよ。
古典に出てくる日本語は凄く古い言葉なんです。
現代の言葉とは使い方が多少違っていますから、現代で喋れる人なんてそれを専門に勉強している人ぐらいですよ」

だから安心してください、といいつつ。
外国人だろうが日本人だろうが、そんなに難易度は変わらない。

アリエンティア > 「……へぇ……古代文字とかそんな感じ、なのかな?」

魔術において、文字も複数存在する。
多分古代に残る文字とかそういうものなのだろうかと思いつつ。

「……じゃあ今では使われない日本語、なんですね。なんで勉強するんだろ?」

首をかしげながら

葛綺照夜 > 「あー……、そうですね。
その認識でいいとおもいますよ」

なんとなく曖昧な返事をしてしまう。
というのも、照夜はそのあたりの知識に乏しく。
だが、おおむね間違っていないだろうとは判断する。

「そうですね……なんで学ぶかというと、昔のことを知るため、でしょうか。
理由は様々だと思いますが、私はそう思います。

普通に暮らしていればこんな古語なんて使うことは皆無でしょう。
正直覚える必要は全くありません。
でも、もしこれを読めるようになると、昔の人がどういう暮らしをしていたかとか、どういう考えをしていたかなどが分かるんです。
あなたよりも、もっともっと昔の人が、今と違ってどんな風に暮らしていたか。
ちょっとだけ、気になりませんか?」

なんていいつつ、源氏物語の本を叩いてみる。

アリエンティア > 「……なるほど。この国は歴史を重んじると聞きます」

まだ12歳である自分ではあるが、自分より前の文化は確かに気になるし
価値観を識るということは、視野の拡大にも繋がる。

「積み上げてきた土台を知るってことなんですね……
そのための知識が必要で、その前準備って感じ」

納得したように何度も頷いて。

「気になります、けど……ちょっと、難しくて……」

葛綺照夜 > 「そうですね、正直に言えば私でも難しいって思うところは多々ありますし、きっとアリエンティアさんはもっと難しいと思うでしょう。
ですので、とりあえずは――」

素直な少女に好感を覚えつつ、もその様子に笑い。
本をめくって、最後のページ、さらにその先を見せる。

「一緒に現代語訳からみていきましょうか。
分からないものを延々とみているより、まずは誰かが訳したものを見て、どういう物語かを知りましょう。
細かいところをみていくのはその先でいいとおもいますよ」

現代語訳をされたところをつつく。
これならば彼女も、ある程度は理解できるだろうか。

アリエンティア > 「現代語訳……――?」

指摘されてそのページを見ると、確かに
読める言葉で書いてある!

「わわ。すごっ、こんなページがあったんですねっ」

ほんとだ! というように教科書を手に取り
持ち上げてみる。

「へぇ……専門の先生にも難しいんですね……」

ちょっと行儀は悪いが読みながら言葉を返して。

「これ、どんなお話なんです?」

読みながらも先が気になるようで。
ついそう質問して

葛綺照夜 > 「私はまだまだ勉強してる身だからね。
もっと年配の先生ならきっと簡単なことなのかもしれないけど」

厳密に言えば、古典は自分の専門領域ではないのだが、受け持っている以上はある程度の知識はある。
が、やはりここには昔から生きている存在や自分より知識のある人間は多々いる。
そんなのと比べると、月とすっぽんだ。
そんなすっぽんが、少女に質問されて

「ん……あー……」

困ったように、明後日を向く。
まさかマザコンを拗らせ、女を漁った男の話ともいうわけにいかず。
どう説明しようかと考えて

「と、とある男の恋物語……かな」

とだけ説明しておく。
それ以上は、本人が読んで理解してもらうしかない。

アリエンティア > 「こ、恋物語!?」

びっくりした。すごく。
高校ではそんな話を勉強するのか。
しかも、そんな昔の恋物語を。
おとぎ話のようなものなのだろうか

「へー……どんな恋をしてたんですかね?
先生は、このお話のどのあたりが好きとかありますか?」

ふんふんっと言いながらもくもくと読んでる。

葛綺照夜 > 「んー、そうだね……」

悩む。
正直に言えば若紫が出てくるところから先が好きだったりするが。
ただ、目の前にいる少女の存在に、それを言うのは憚られる。
別にそういう気があるとかではなく。

「そう、だね。
桐壺……一番最初のところの話なんかは読みやすいし、私も(二番目ぐらいには)好きだし、いいんじゃないかな?
アリエンティアさんも、そこのあたりは読みやすいと思いますよ」

と、一番をごまかしておく。
そもそも一番とは指定されていないから大丈夫だろう。

アリエンティア > 「ふへぇ……そうなんですねぇ……」

読んでいるうちに、だんだん集中してきたのか言葉が少なくなってきて。

「……わぁ、この男の人いっぱいの女の人と交流ある……
イケメンなのかな……でもそうだよね。この時期寿命が
今みたいにあったわけじゃないんだから、子孫を残そうと
必死だったのかなぁ……あ、でもやっぱそうだよね
女としては複雑だよね……」

とか感想をブツブツ言ってる

葛綺照夜 > 「……あー、アリエンティアさん」

だんだん口数が少なくなってきた彼女に、先に一言だけ言っておこうと思い声をかける。

「読み耽るのはとてもいいことですけど、テストまであと少しですしテスト範囲だけを読んだほうがいいとおもいますよ?
源氏物語はかなり長いですし……」

気になって読んでくれるのはとてもいいことだ。
が、今はそれどころではないような気がする。
テストは、もうすぐだろう。

アリエンティア > 「……あ……」

言われて気づく。確かにそうだ。
その通りだった。つい面白くて読みふけってしまった。

「あははは、そうですね。そうします」

家に帰ったら読もうなんて思いつつ

「……にしても、よく刺されなかったですね? この男の人」

さらっと感想を漏らしつつ。

「古典って、どういうところを押さえておけばいいんでしょう?」

葛綺照夜 > 「一応高貴な身分でしたし、イケメンでしたからね。
そんな人を刺せば、いろいろと大変ですよ」

身分+イケメン=最強という図式だ。
誰も勝てないぞ。

「古典は……そうですね。
基本は出題範囲の現代語訳を丸暗記したり、活用の仕方を覚えたりしておけば赤点は避けられると思います。
あとはテストをつくる先生の傾向がありますからなんともいえませんが……。
ノートを見てやったところを見るぐらいですか……」

アリエンティア > 「女の敵って感じだ……日本すごい……」

こんなどろどろなお話を
高校で勉強するのか……
12歳の自分が言うのもなんだけど
悪影響とかないのかな……?

「……この男の人の理想の女性って誰だったんでしょうね?」

結局そこだけよくわからなかった。
なんとなくしか読んでないからだけど。

「ノート、ノートか。現代語訳と活用の仕方……」

勉強する要点を、しっかりメモして。
うん、これなら戦えそうだと頷いた

葛綺照夜 > 「ええ、私もこれは女の敵だと思います。
でもこの本、作者は女性なんですよ?」

一応、そこだけは言っておこう。
現在の有力な説は、この本の作者は女性なのだ。
女性が女の敵の話をかいているのだ。
これが当時の理想の男だったのかどうかはわからないが。

「男の理想の女性は……ちゃんと読むとわかるかもしれませんね。
私からのネタ晴らしはやめておきましょう」

少女をからかうようにいいつつ。

「さて、では私はそろそろ戻りますね。
何か他に質問があれば職員室か職員寮にきていただければお話しますので」

そっと五千円ほど置いて、立ち上がる。
彼女がまだいるかどうかは分からないが、五千円もおいておけばとりあえずはここの代金は払えるだろうと思って置いておく。

アリエンティア > 「……ふぇ……そうなんだ……罪な男を好きになっちゃったのかな?」

でもなんだかすごいなと思った。
なんとなく、想像力がたくましい女性なんだなぁって。
もしかしたら、こういうのに誑かされることを望んだのかな
とかいろいろ考えつつ。

「……は~い、しっかり読んでおきます」

ぶすぅっと頬を膨らませて。

「ありがとうございました!」

すたっと立ち上がり、ペコリとお辞儀をして。
その姿を見送った。
こういうとき、指摘せず受け取っておくのが
れでぃというものだと教わったから。
多過ぎる分は今度返しに行こうと思いつつ

葛綺照夜 > 「はい、頑張ってくださいねアリエンティアさん」

此方も軽く頭を下げ、その場を去る。


(そういえば、源氏物語を担当してる先生はだれだろうか)
そんなことを思いつつ、さっていった。

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」から葛綺照夜さんが去りました。
アリエンティア > 「……よし、行けそう」

うんっとうなづいて、ぱぱぱーっと古典の勉強を進める。
要点とやり方と意味が分かれば、ノートだけはバッチリだ。
しっかり戦える……

「よしっOK。時間は!?」

時計を見る。まだ夕方、訓練施設へは十分に間に合う。

「誰か人、いるといいけど……」

そんなことを考えながら、もらったお金でお代を払って。
その場を後にしたのだった。

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」からアリエンティアさんが去りました。
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」に『車掌』さんが現れました。
『車掌』 > オフの日のヴァージニアはいつもだるそうにしている。
列車に乗っていないと活力が沸かないのだ。
その日も晩飯を作るのが面倒なので、ファミレスで済ませようとしていた。

「チーズハンバーグのセット、パンで」

ふぅ、とソファーに身を沈める。
こんなオフの日でも鉄道委員の制服と帽子を着用するのは忘れない。
というか、これ以外の服をほとんど持っていない。

『車掌』 > 持ってきた雑誌を広げる。
鉄道の雑誌――ではなく、兵器の雑誌だ。
武装列車に新たな重火器を載せれないか検討中なのだ。
予算の都合で却下されるのは目に見えているが、何も言わないよりかは良いだろう。

「精霊銀を使った特殊砲……いいな、これ……」

なお、その砲は一門で予算の三分の二を喰う。

『車掌』 > とはいえ、武装列車が出動する事態など早々無い。
かのロストサインの残党も、鉄道には手を出してこないだろう。

なにせ、奴らの対鉄道作戦を主導していた"時刻剽"オーランド・ウィルマース。あの忌むべき裏切り者は、鉄道委員会・公安委員会の共同作戦で完膚なきまでに殺しきった。
以後、ロストサインに対鉄道作戦を主導できる人間は居ないはずだ。

「――あの時は楽しかったなぁ」

落第街にあったロストサインのアジトに、零零零式の列車砲をぶち込んだ時のやつらの顔は見ものだった。
公安にすげー怒られたけど。

『車掌』 > そもそも鉄道委員会が過剰な武力を持っているとの意見すらある中。
武装列車のこれ以上の増強は見込めないだろう。
――分かっていない。

「武装列車や列車砲は、ロマンだろ!」

ハンバーグを食べながら呟く。
まったく、子供の頃は誰だって一度、電車の運転手に憧れるものだろう。
それも、武装列車! これ以上のものがあるか!

ちなみに彼女はそれが男の子の思考だという事が分かっていない。

『車掌』 > ハンバーグとパンをあっさり片付ける。
定刻通りという言葉をもっとも尊ぶ鉄道委員にとって、早飯とどこでも寝る技能は必須に近い。

この日もあっさりと食事を済ませた彼女は、自分の寝床へと戻っていった。

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」から『車掌』さんが去りました。
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」に烏丸 九郎さんが現れました。
烏丸 九郎 > (少年はふらふらとした様子で入店してきた。
その顔色、足取りはまさに幽鬼のごとしであり
店員を少なからずぎょっとさせる。
何名様ですかとも、おたばこを吸われますかとも、聞かれぬまま
直で席へと案内される。)

ドリンクバー。

(少年は短くそう告げると、そのままテーブルに突っ伏した。)

烏丸 九郎 > (涼子と一緒にいた時はまだ自分を保っていられたが
一人になるとこれである。
少年は自分が恋に落ちていることも知らないままに
恋に敗れそして、失意の底にいる。
一度理解してしまえばそれは、ただ後悔しかなくて。
少年は2・3時間程度で心を落ち着かせれるほど大人でも無機質な存在でもなかった。)

烏丸 九郎 > はぁ…

(このため息も何度目か。
息が苦しい、胸が痛い
恋が何たるかも知らないまま、失恋だけを与えるとは
神も残酷なものである。自分の鈍さのせいだとはいえ。
少年は机に突っ伏したまま、ただ溜息を付く機械になり下がりつつあった。)

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」にウィリーさんが現れました。
ウィリー > 「九郎」待ち合わせだと勝手に店員に伝えて、
そのままつかつかとうなだれる烏丸の元へと行く。

「案の定か」大して親しくもない相手に、このような口を聞くのは理由がある。
禍根なく、そして穏やかに。これからの事を運ぶためだ。

「カフェでの話で凡そは読めている
 お前、酒は飲めるか」

烏丸 九郎 > ん?

(顔を上げれば…見慣れた…わけではないが、見たことのある顔だ。
確か、カフェにいた。)

酒?

(飲めないことはない。だが、自分は学生で、未成年で、ここは学園で。
いいのか?それ。と首を傾げたくなったが、一応頷く。)

ウィリー > 「そうか。安酒で二日酔いになる覚悟をしておくんだな」
適当にカルロロッシの赤と白、それにつまみになるものを注文した。
あまり自慢にはならないが、この面で未成年に見られたことはない。
恐らく、店側も問題にはしまい。

「とりあえず、飲め。乾杯をしてから話に入ろう」
自分のグラスに赤を、烏丸のグラスには白を注いで。

「乾杯だ。お前の完膚なき失恋に」
凄まじく、どこまで徹底的に、ひどい乾杯の文句であった。

烏丸 九郎 > (ゆっくりと体を起こし、運ばれてくる品々を眺める。
一体どういうことかは…わからない。)

乾杯。

(反論する気もない。なんでこいつが失恋したとか知ってるのか、追求する気もない。
唯自分はいつの間にか恋をしてて、いつの間にか失恋してた。
それが誰に伝わろうと、今はどうでも良かった。
流れというものに、抵抗する気力もなかった。
少年は、島に来てから初めて飲む酒を、一気にあおる。)

ウィリー > 「ッハ! マズイな」正直な感想を漏らして、それでもにっと笑った。

「……零の友人でもある俺が、カフェでの空気から状況を察するなと言うのは難しい話だ。
 あの時、お前は駆け出していったな? あの場所に、あの二人のやり取りに耐え切れなくなったとみたが」

「立ち入ったことを聞く。……そんなに彼女が好きだったのか?」
酒を煽る勢いを抑えつつ、とにかく聞き手に周る。
彼には恐らく、伝えたかったことが伝えられていないという重みが、
のしかかっているのだから。

烏丸 九郎 > ああ、マジィ…

(これが、失恋の味というやつだろうか。
飲みやすいはずの白ワインですら渋みとエグみを感じる気がする)

……

(ウィリーの質問には答えない。ただ、無言が肯定と受け止められることもあるだろう。
実際そのとおりであるのだから仕方ない。)

……俺は……どう、だったんだろうな。
ただ…あの声を聞いた時から……惚れてたんだと思う。

(聞かれれば、とつとつと語る。
その声に覇気はなく、ただ、事実をつらつらと読み上げるだけの機械のようで。喋り終えると、もういっぱい
カルロロッシの白を手酌でついで一気に飲み干す)

ウィリー > 「ふむ……あの後、お前を追っていった人間も一人いた」
言わずもがな。それが、尚更に負担になったのではないか。
善意は時に、人を苦しめる。今のこの行為もそうかもしれないが、
ウィリーは構わず続ける。

「いいことだ。誰かを好きになる時の理由なんて、些細なものだよ
 それはきっかけに過ぎなかった、そうだろう?」
ゆっくりと、低い声で言葉を引き出させる。
それは悲しみだろうか。それは苦しみだろうか。それとも――

「惹かれていって、惹かれていって、勇気を出して近づいた。
 ――先客がいることにも気づかずに」

烏丸 九郎 > たしかに、涼子さんは来てくれた…けどよ…。
へっへ…そんなに心配になるような面ぁしてたかね。

(自嘲気味に笑う。もしそうだとしたら、さすがに情けなくて。)

……

(答えない。ただ、ワインを一口で飲み干し、再びグラスをワインで満たす。)

ウィリー > 「俺ですら、妙だとわかった。あの人がわからないはずがないだろう」
完全に勘だが、これは的中しているという自信がある。

「……打ちのめされたか? この一連の流れの全てに」
手酌で赤を注いでぐいと煽る。味付けの濃いグリルされた肉を頬張って、またワインで流し込んだ。

「あの二人は、もう割けない仲になるだろうな。
 だからお前は逃げ出した。あの場で告白していれば、何かが変わったかもしれない。
 8割形玉砕だったかもしれないが、気持ちは正しく伝わったはずだ」

「……この、腰抜けめ」
萎縮した感情を叩き起こさせなければならない。
センチメンタリズムに浸るのは、ケリをつけてからで十分なはずだ。

烏丸 九郎 > そうか…情けねぇ。

(通せると思った意地がまさに張り子でしかなかったことに
自嘲の笑いしか出ない。あの人は、きっと全部お見通しだったんだろう。
本当に――情けない。)

腰抜け。腑抜け。そのとおりだ…。
だけどよ…俺にも、わからなかった…。
あいつのことが好きだなんてことに気づけなかったんだよ。
お笑いだろ?

(つまみのたぐいには手を付けず、まずい酒だけを飲み続ける。
少年の幽鬼のようだった顔は、すでに朱に染まっていた。)

ウィリー > 「動揺していたなら、無理もない。誰だってそういうものだ」

「好きになっていて、でもその好意を自覚する前に実らず恋の実は落ちた
 ……ああ、笑い草だな」言葉の割に、少し悲しそうな顔をした。
恐らくは、タイミングだったのだろう。全てにおいて後手に回り、
経験の不足が招いた、幕切れ。

「自分が憎いか? 一歩を踏み出せず悔しいか? 手をとれず悲しいか?
 それとも、さっきまでと同じように……ただ腑抜けて、気持ちを封じて粘土の人形のように黙っていたいか?」

煽り立てる。いうなれば失恋は一つのターニングポイントだ。
だが忘れてはならない事がある。自分が一人の女性を愛した事実を。
そして、それが叶わぬとしても伝えておかねばならないということを。

「お前は、ケリをつけなければならない」
そうしなければ、呪いのようにそれを引きずるハメになるだろう。
思い出すたび、思い出すたび、一生。

烏丸 九郎 > ああ、まったくだ…お笑い草だ。

(そう、つぶやきワインを飲み干す。
こんな飲み方を繰り返せば…いずれ潰れてしまうだろうが
少年はそれでもかまわなかった。)

憎い、悔しい、悲しい…そういうんじゃねぇよ。
ただ、俺は間抜けだっただけだ。
間抜けは黙るべきなんだよ。
あいつの…キズにはならねぇ。

(少年はこの気持ちを伝える気はなかった。
これから、幸せになるであるであろう、氷架に…重荷を背負わせたくはなかった。)

ウィリー > 「頑固なやつだ」ワインが空になった。随分と飲んだ気がするが、
言う程でもないのだろう。頭はよく回っていた。
なるほど、彼の愛情は彼女の心の一片にすら汚れを残さない、それほどの純粋さにあふれているのだ。

「……では聞こう。その黙ったままの間抜けは、その後幸せを手にできる自信があるか?」

「お前はあの子に傷を、十字架を、背負わせたくないといった。
 全てを腹の中に隠しておこうとな」

「それで、お前は他にどんな生き方をする? それ程に愛したものを見守り続けるか? なるほど、陰の番人のようだな」

「彼女は必ず知るべきだ。彼女にとってお前の愛は傷にはなりえまい。
特に、好きあっている相手が決まっているんだ。傷つくのはお前だけ」

「どんなに辛くとも、相手を傷つけてでも、お前の人生を進むのは、お前自身なんだ……わかるよな?」

烏丸 九郎 > 俺の幸せのために、あいつに知らなくてもいいことを伝えろってのか!
そんなこと…できるか…。
俺は、男なんだよ。
そんな真似が…できるか。

(少年は大きな声をあげた。周囲の客は驚き、こちらを見るだろう。)

ウィリー > 「男の矜持か? それを今更、盾にしようと?」
意地の悪そうな顔でニィと笑った。視線など構わない。
酒の勢いだろうがなんだろうが、鬱屈は晴らさねば澱みとなっていくだけだから。

「好きな人に、好きな人がいて。きっと叶わない思いを胸に生きる。
 そうすれば、あの子は幸せなんだと。……利他的にも程がある」

急に、声が真剣味を帯びた。
「なあ、九郎。もっと、自分自身を大事にしてやれ。
 どれだけ愛した女でも、お前の代わりにお前の道を歩むわけじゃないんだ。
 彼女は彼女なりに生きる。その中で、お前という男に愛されていたという事実を伝えれば、
 それをきっと誇りに思うだろう。……誰かに好きでいてもらえる、
 この世でそれほどに幸せなことは、まずないんだから」

烏丸 九郎 > ……あんたは俺に、無様に死んで来いって言ってるんだ。
わかるか?

俺という男が死ぬさまを、そんなに見たいって言うなら
見せてやろうじゃねぇか

自分自身を大事にしろといったな、だから…俺は……。
でも、そこまで言うなら…死んでやる。

(座った目で立ち上がると、少し足元がおぼつかない。
少年は財布から、ドリンクバー分の代金だけ支払う。
このへんは、わりとちゃっかりしてるかもしれない。)

ウィリー > 「勘違いしているようだな? お前自身とお前のプライドは別物だ。
情けなくても、お前自身が次に進むためなら……そんなプライドは間の悪い恋とともに捨ててしまえ」
残っていた料理を平らげて口元を拭う。

「そして全部ぶつけるといい。なれそめも好きになった理由も、好きになっていった理由も、叶わぬ恋だったとしても、大好きだと」

「そうでなければ、お前も、お前を恋に狂わせたあの子も、そして零も訳のわからないままモヤモヤをかかえるだけだろう?」

静かに、背中を押すように。

「潔くフラレて、男を上げてこい。もしも保留にされたら……まあ、そのへんは頑張ってくれ」

支払いを済ませて、ひらひらと手を振って去る。
待つのはけして幸せな結末ではなかろう。だが。

「大丈夫さ、まごころは伝わるもんだ」

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」から烏丸 九郎さんが去りました。
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」からウィリーさんが去りました。