2015/06/30 のログ
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」にエルピスさんが現れました。
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」に佐伯貴子さんが現れました。
エルピス > 「はぁー……」

 大きく溜息を付きながら、テーブルに突っ伏す少女が一人。
 張っていた気を一気に緩めた。そんな具合に身体を投げ出している。
 少々、行儀が悪いかもしれない。

佐伯貴子 > どうしたエルピス。
(入ってくるなり声をかける)
(夕食でも取ろうと思って入ったら顔見知りがいた)
(声をかけるのは自然なことだろう)
(そして相席するのも自然なことだろう)

エルピス >  
あ、うん、貴子ちゃん。
……うー、ちょっと最近色々大変でねー……

(突っ伏したまま、子犬の様に潤んだ瞳で貴子を見上げる。
 そう言えば彼――身体は彼女且つ機械だが――は結構凹みやすい所があったような。)

ほら、最近委員会絡みで変な事も多いし……あ、公安委員会だけなのかな……

佐伯貴子 > なるほどな。
噂では色々聞いているぞ。
(メニューを見ながらである)
(慣れたことなのだろう)
世間ではすっかり公安は黒いというイメージらしいぞ。
大変だな。
愚痴くらいならいくらでも聞くぞ。
(そんなことを言いながらメニューを眺めている)

エルピス > そうなんだよね。もう泣きそうかも……ぶっちゃけあながち間違いでもないし……
それに意味もなく黒い訳じゃないから、今の所はこれ以上は言えなくてー……でももうちょっとこう、うぅー……

だから……少しでもイメージ良くなるように、って、いっぱい頑張ってるけど……やっぱり大変だよ。

(姿勢をちょっと戻して、手元のオレンジジュースを飲んで一息。)

……貴子ちゃんの方はどう? 風紀委員会、みんななかよくやれてる?
最近はちょっと何かあったみたいだけど、やっぱり委員会同士仲良くしたいし、連携取れた方が絶対いいし……

佐伯貴子 > 泣くなよ…いや、泣いてもいいがここでは泣くなよ?
公安は風紀と違って先手を打って犯罪を取り締まる傾向が強いから少し怖いのは仕方ないさ。
ちょっとくらい怖がられたほうが権力をふるいやすいかもしれないぞ。
(メニューからハンバーグ定食を選び、店員に注文する)

風紀委員会はそうだな…ちょっと信頼しかねる先輩がひとりいるが…
基本的に仲はいいと思うぞ。
そうだなあ…元ロストサインが出てきてるみたいだから、風紀と公安は連携しなきゃならんよなあ…
(過去にあったという大抗争)
(再び起こるのだろうか)
(腕を組む)

エルピス > う、うん。じゃあ泣かない。ボクだって元男の子だもん。

(怖がられた方が権力を奮い易くなる、と聞けば)

……それはわかってるんだけどー……恐怖で縛るのって、なんか違う気がして……
……こんなだからちょろあまって云われちゃうのかなあ……あ、ハンバーグ定食にしたんだ。ここのハンバーグ定食、美味しいよね。

(こく、と頷く。エルピス自身はもう食べ終えたらしく、ドリンクバーのジュースだけだ。)

そっか、ボクのまわりの公安委員会はあんまりそういうのないから、ちょっと羨ましいかも……
……そうそう、そのロストサインのメンバーが最近ぞろぞろ出てきているからピリピリしているんだよね。
ボクもその一人の東郷さんと交戦したけど、大変だったよ。それで色々と……うぅ。

(消沈した様子で、再び大きくため息)

この調子じゃ、各委員会の親睦会とか、夢のまた夢かなぁー……

佐伯貴子 > そうしてくれると助かる。

ちょろあまか…ふむ。
やり方の一つだと割り切るしかないかもな。
風紀みたいに後手に回って対処するのも意外と神経に来るぞ。
誰かが被害に遭わないと動けないんだからな。
(複雑そうな表情で言う)
ここに来るのは初めてなんだが、当たりのようだな。よかった。
(ハンバーグ定食についてコメントする)

仲良くしすぎても仕事に支障が出るときもあるさ。
能見先輩の報告で見たぞ。大変だったようだな。
まあ、あの先輩が唯一信用しきれない先輩なのだが…
(報告には上がっていない様々なことがあったのだろう)
(同情する)
親睦会なんて考えてたのか。
式典委員に頼めば何かしてくれるかもしれないぞ。
もっとも、今はテストと海開きでそれどころじゃないだろうが…
(ハンバーグ定食が運ばれてくる)
(いただきます、と言って早速ハンバーグを切り分ける)

エルピス > 式典委員会に頼もうと思ったけど、テスト海開きロストサインで、難しそうだよね。
あ、でもまたやるのかなー……スイカ割り……

……うん、そうだよね。それも大事だよね。
何事も程々かなぁ……能見さんはちょっと不思議だよね。何考えているか分からない所もあるし……

(ボクも名前は後で知ったんだけど。と、付け加えつつ)

この前のロストサインとの交戦だって、相手――東郷さんの戦闘スタイルどころか性癖まで熟知していて、
大体はあのお姉さんが追い詰めたようなものだよ。東郷さん。

……何か大きな秘密があるのかなぁ。

佐伯貴子 > 公式にやるのはちょっと難しいかな。
スイカ割りは…やるだろうな。
海開きにかこつけて浜辺でバーベキュー大会でも催してみるのもいいかもしれない。

程々がいい。仲が悪いと思ったら仲良くしてみるといいんじゃないかな。
(ハンバーグ定食をゆっくり味わいつつ話を続ける)
能見先輩は謎が多くてな。
私も正直正体がよくわかっていないんだ。
私は現場に出ないしな。
…しかし、共通の敵がいるのならばその間は信用してもいいと思うぞ。
少なくとも学園の風紀を守ることだけは本気のようだし。
(報告を見るかぎり一番働いているようにみえる謎の先輩についてはそうコメントした)

エルピス > うん。イベントも仲良くも能見さんの事も、ちょっと色々考えてみるー……
……えへへ、何時も色々聞いてくれてありがとう、貴子ちゃん。

(へにゃ、と、微笑んでみせた。
 人懐っこい子犬のような、無防備な笑みだ。)

……能見さんはしっかりしてて凄いよね。
あんまり落ち込んだり動じたりする所、全然見ないし……

佐伯貴子 > そうか。悩んだらまた愚痴ってくれ。
いいさ、私は現場に出ない分こういうのも仕事だ。
(ハンバーグ定食を黙々と食べる)

能見先輩の謎を暴くことでなにか色々納得できると思うんだが…
いかんせん問題を起こしているというわけではないからな。
逆に一番仕事していると言ってもいい。
だからこちらからは詳しく追求できんのだ。
難しいところだな…
(眉をひそめる)

エルピス > えへへ、貴子ちゃんは優しいね……
……うーん。そうだねえ、ボクも何か手伝えれば良いんだけど……
……逆に追求したら色々と悪化しちゃいそうな気がするから、下手に触れない方が良いのかも……

(ううん、と、一つ唸り)

あ、ジュース取ってくるけど、一緒に何か取ってくる?

佐伯貴子 > 優しいかな?困っている友人を見れば助ける。
それもできないなら風紀委員などやめている。
(至極真面目に言うのであった)
そうだな、今のところはロストサインの敵、つまり我々の味方だから。頼った方がいいだろうな。

そうだな…私にもオレンジジュースを取ってきてくれないか。
(せっかくだからドリンクバーも頼んでしまおう)

エルピス > (あれ、そういえば貴子さんドリンクバー頼んでたっけ?
 そんな事を思いながらドリンクバーでオレンジジュースを二つ注ぎ、戻って来る。果汁100%で濃厚な味わい。)

 おまたせ、貴子ちゃん。
 ……うん。迷いなくそうやって言える所、好きだよ。

(へにゃりと笑いながら、他意もなくそう言い切ってみせて)

試験ー……はお互い大丈夫だよね。多分。

佐伯貴子 > (気を使わせないよう、エルピスが席を外している間に店員に追加注文しておく)

そうか。前線に出てこれが言えれば格好良いんだろうけどな。
ありがとう。
(苦笑しながらジュースを受け取る)

試験対策はだいぶ前からやっているから平気だろう。
問題は試験期間中に事件が起きることかな。
最後の復習ができなくて点数が落ちるかもしれない。
まあ、最悪の事態でも単位はとれるつもりの勉強はしているが…
(昨今の流れを見ていると試験期間中だろうが必ず何か来るだろう)
(頭がいたい)
エルピスは海で泳げるのか?重いんだろ、その体。
(ハンバーグ定食を食べ終え、オレンジジュースに口をつけながらなんとなく聞いてみる)

エルピス > あー、うん。試験中に問題が起きてもおかしくないからねー……
そうするとやっぱり詰めが甘くなっちゃうし、コンディションも変わってくるから大変だよね。出来るだけ良い点数は取りたいし……)

(単位を落とす落とさない、では無く、
 点数が話題の中心となる辺り、勤勉さが伺えるだろうか。

 ちびちびとジュースを飲んで、一息。)

あ、うん、泳ぐのは出来るよ。思いけど、水中でも飛行ユニットを吹かせれば空中みたいに動けるし……

……それより水着、どうしよう……。

佐伯貴子 > おかしくないというか、起きると思っていたほうが無難だろうな。
なにせこちらは学生で相手は根無しの犯罪者だ。
こちらを考慮してくれんさ。
(神妙な面持ちで言う)

ずいぶん力技で泳ぐんだな。
周りを溺れさせるような事にはならないようにな。
(苦笑する)
…そうだな…水着は…女物の水着を選ぶのは…難しいぞ…
(絞りだすような声)

エルピス > だよね。……お互いにがんばろ、貴子ちゃん。
ボクだったら個人でも公安委員としてでも、協力出来るから。

(真剣な表情で、強く頷く。
 ……が、水着や海の話題に戻ればすぐに苦笑するようなソレになり。)

あはは、うん。そこは大丈夫。
そこは上手く調整できるから。

……う、うん。難しいよね。それに、恥ずかしくて……
……そ、その。今度一緒に選んでもらっちゃ、ダメかな……。
去年は結局泳がないで逃げたから、その、女の子の水着ってよく分からなくて、相談できる友達もいなくて……。

(……凄く、深刻そうだ。)

佐伯貴子 > お互いに、な。
私は前線に出ないからエルピスの助けは必要にならないとは思うが…
(真剣に言う)

流石の技術力だな。
羨ましいよ。
(泳ぐ話題には苦笑で返すが、水着の話題には苦しそうな顔をする)
恥ずかしいのは…わかる…
そして…友人として…私が行くべきだろうということも…わかっているんだ…
しかし…それだけは…勘弁してくれないか…
せめて…私が水着デビューしたら…多少なりとも自信を持って薦められるかも…知れない…
(ほとんどうめき声だ。苦悶の表情)
(というのも、水着を買うにあたって様々な心的外傷を追ったからである)
(具体的には茶化され憐れまれ言いふらされたりした)

エルピス > あ、うん、ごめんね……そうだよね……
えっと、今のは忘れて……

(しゅん、と、目を伏せる――気まずい風が流れた)

ほ、ほら、別に夏は海だけじゃないし、と言うかこのままでも多分入れちゃうし……
う、うん。大丈夫だよ貴子ちゃん、ボク、これからも頑張るから。

佐伯貴子 > 本当に…申し訳ないと…思っている…
(言葉にしなくても伝わるだろうという空気だ)

そ、そうだな…水着を着なきゃ泳いじゃいけないという決まりはないからな…
なんなら山に行くのもいい。君は虫に刺されないだろ。
キャンプとかもきっと楽しいぞ。
(話題がそれると若干回復したのか、口調がいつもどおりに戻る)

エルピス > う、うん。そうだよね。山も良いよねっ。
(にこ、っと微笑んでみせる。確かに虫には刺されない身体だ。
 嬉しそうに頷けば、あっという間に元の空気。)

でも、その前に色々落ち着かせなきゃねー……ボク、頑張るよ。えへへ……

佐伯貴子 > そうだな…とりあえず、試験期間を無事に逃げ切ろう。
戦闘で治療…じゃないか、修理中で試験が受けられませんでした、だけはないようにしような。
だからあんまり頑張りすぎるなよ。
(二人分の伝票を持って席を立つ)
明日から試験だ。
私はそろそろ戻るが、君はどうする?

エルピス > あはは、壊れてでも試験を受けちゃうよ。
……う、うん。ボクもそろそろ行くよ。だいぶ長居しちゃったし。

(二人分の伝票を持った貴子の姿を見ると、あっ、と、声を漏らしながら立ち上がる)

って、あ……だ、大丈夫だよ。愚痴まで聞いてもらった上に出させちゃうのも悪いし……

佐伯貴子 > そうか…なら会計は別々で。
(相手の分の伝票を渡す。譲り合いになりそうな気がした)
さて、帰ったら軽く復習して寝るか…
(大きく伸びをしながらレジに向かって歩いて行った)

エルピス > う、うん。流石に悪いからね……
(貴子の次に会計を済ませ、おまけのあめちゃんを貰う。嬉しそうになめはじめた)

うん、またね! 貴子ちゃんっ

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」から佐伯貴子さんが去りました。
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」からエルピスさんが去りました。
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」に薄野ツヅラさんが現れました。
薄野ツヅラ > 混みあった店内のボックス席に勢いよく腰を下ろす。
明らかに不機嫌極まりない、といった様子で杖を立て掛けながらメニューを手に取る。

『公安の仕事で単位が全部賄える訳無いでしょ』
「はァ?」

先刻、委員会棟で仕事を終わらせた後にすれ違った教師に"念の為"確認を取った。
登校していないことは教師の中でも重々承知だったようで、さらりと話をしてくれた。
その結果解ったのは、このままだと明らかに留年が確定する───ということだ。
急遽教師に可愛らしくお願いすれば、妥協案を幾つか提示された。

きちんと登校する、筆記試験で成績優秀上位者に入ること。
そして、渡された課題の束をこなすことの中の2つ。
意地でも登校しないと判断した教師に言い渡されたのは、地獄のような課題の量だった。
そんな彼女が重い荷物を抱えて店内に入店したのがつい10分前。
溜息を吐きながら店員を呼んだ。

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」に空閑 栞さんが現れました。
空閑 栞 > 「こんなとこにファミレス出来てたんだ……」

そんなことを言いつつファミレスに入っていく。
テスト前に家で勉強するよりも図書館で、と思っていたが、こういうところも悪くないと思い、重い鞄を持って入った。
席の空きはちらほら見える。 なんの気なしに周囲を見渡していると、よく見知った顔があった。

「あ、ツヅラー!」

声を少し落としてそう呼び、黒髪を揺らして近づいていった。

薄野ツヅラ > 手早く注文を終えて一息つけば、どうにも喧しい見知った声が聞こえる。
間違いなくあの五月蝿い同居人の声である。

(───聞こえないわぁ)

無視を決行する。
明らかに聞こえているにも関わらず、近寄る黒髪から目を背ける。
わざとらしくタブレット端末に目を落とす。
ブラックコーヒーをちびちびと啜る。

空閑 栞 > あ、無視されてる。 そう確信した。
無視をするのならこちらにも考えがある。そう言わんばかりにドカッと――実際にはちょっと強め程度だが――すぐ横の椅子に腰かける。

「珍しいね、こんなとこで勉強?」

無視をさせまいと話しかける。
これで無視をするのなら擽ってやろう。そんなことを考えながら。

薄野ツヅラ > ───ここまでは想定内だ。どうせずかずか来るのは知っていた。
其れならば徹底して人違いを貫こう。
普段の機嫌の悪そうな表情を追いやって、ふんわりと笑顔を浮かべる。

「こんにちは、ええと───はじめましてですよね。
 テスト前だとやっぱり勉強に来る生徒さんが多いのかなあ……
 はい、いつもは図書館なんですけど」

同居人に対して此の様である。
明らかに赤いジャージにヘッドフォン。左腕に巻かれた公安の腕章。
其れから席に立てかけられた前腕部支持型の杖。
そんなのお構いなしに、華麗に猫を被った。

空閑 栞 > なるほどそう来たか。そう内心で舌打ちをする。
ウザがられるとは思ったが、この反応は予想外だった。
それならば他の方法を試すまで、そう考えてポケットに手を入れる。

「あらあら、人違いでしたか……これは失礼しました。
 テスト前ですからね、そうかもしれません」

一先ずは合わせておく。
そして言葉を続けた。

「そんなことよりもチュッパチャップス食べない?
 お好み鯛焼きも奢るし課題っぽいそれも手伝うけど?」

笑顔を浮かべてポケットから手を出す。
そこにはチュッパチャップスが3本握られていた。

薄野ツヅラ > 「手伝うって其れ本気なわ────」

コーヒーを一口。
ふんわりと笑顔を浮かべる。

「あはは、課題手伝ってくれるんですか?
 有難いです、長い間入院生活していて登校できてなくって。
 鯛焼きかあ、いいですねえ。美味しいですよねお好み鯛焼き」

ふふ、と小さく笑って目の前に課題の束をドンと置く。

「じゃあ此れ、全部お願いしていいですか?
 初対面の人に押し付けるのはどうかと思ったんですけど袖振り合うも他生の縁。
 是非お願いしますね」

握られたチュッパチャップスを強奪して笑顔を浮かべた。

空閑 栞 > これで無視を貫こうとするのだからある意味すごいと思う。
当たり前のように強奪されたチュッパチャップスを見て苦笑を浮かべた。

「ああ、でも私は同居人の課題を手伝わないといけないんですよねぇ……
 手伝えると思ったんですけど、ご飯を食べたら同居人を探さないとですね
 というわけで申し訳ないですけどお手伝いはできなくなっちゃいました」

苦笑から一転、満面の笑みを浮かべてそう言い放つ。
無視を決め込むのなら手伝わないだけだ。
自分にも魔術の開発を進めるという大事な作業がある。
目の前の相手がツヅラならば手伝うが、そうでないなら手伝わない。至極当然の反応だろう。

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」にギルバートさんが現れました。
薄野ツヅラ > チッ、とおもむろに舌を打つ。
こういう時ばかり頭の回るやつだ、と内心独り言ちる。
其れで居て違法な薬を買おうとする辺り、間違いなく頭のいい莫迦だ、とも思う。

「手伝え」

先刻までの営業スマイルを一瞬で取っ払って不愛想にひとつ。
何の躊躇いもなくファミレスでチュッパチャップスを咥える暴挙に出た。

ギルバート > 公安含めてオフの日とはいえ、目下の予定はテスト対策。
異能も魔術も使えないギルバートは、他の要素で点を稼ぐしかない。
どれだけ公安の責務を全うしたところで、評価点とならないのはツヅラと同じ。

夕食を取るついでもあってか、鞄を提げて店内へとやってきた。
ウェイトレスに案内されながら期間限定メニューは何かなと店内の広告に目を移す。
ちらりと視界に移ったのは、先日知り合ったばかりの少女であったが―――誰かと話している?

「あ、先輩。この間はどうも。」
「お友達です……か、ね?」

以前と会ったときとは様子が違う。というよりかは、こちらの方が本性なのだろう。
それを知る術は今のギルバートにはないのだが。

空閑 栞 > 普段の様子に戻ったのを見て、安心したように微笑む。
よかった、自分の作戦は間違ってなかった。
そんなことを思いながら口を開く。

「ん、もちろん。ツヅラの先輩になるなんて面白くって勉強に手がつかないだろうからね」

普段登校をしていないツヅラがこの課題ということは進級をかけた課題だろう。そう推理して皮肉を投げかける。
鞄から筆記用具を取り出していると、見知らぬ人影が近づいてきた。
見知らぬ少年がツヅラに声をかけたのを見て、少し不思議そうな顔になる。

薄野ツヅラ > ゆらり、顔を上げる。
目前には先日第二特別教室で顔を合わせた少年。
普段は猫をかぶっていることが多いとはいえ、あまりにも素を見られてしまった。
能力で記憶を吹っ飛ばしてやろうか、とも思ったがまあいいかと肩を竦める。

「や、この間はドーモ。
 お友達………いや、お友達ではないわよぉ──……?
 突然横の席に押しかけてきた不審者、かしらぁ」

取り締まってもいいわよぉ、と軽口を叩きながらひょこひょこと飴の棒を揺らす。
栞の言葉を聞けば、「うっさい」と一蹴、テーブルの下で思い切り足を踏んだ。

空閑 栞 > 「そんなこと言ってると課題の手伝いとお好み鯛焼きなしにするからっ………」

突然の不審者扱いにムッとしてそんなことを言い放つ。
それとほぼ同時に足を踏み抜かれ、悶絶した。
まさかこんなところで攻撃されるとは思っていなかったからか、完全に油断していた。
痛みのあまり、テーブルに思い切り突っ伏す。
その目尻には、大粒の涙が浮かんでいた。

ギルバート > 「や、でも今『ツヅラ』って……。」

と、そこで口ごもる。
彼女は特別教室の人間だ。
普段は本名を伏せて活動している。
そのため、偶然とはいえ知ってしまったのは何かしらまずかったかなと目を泳がせた。
その様子を見ていたウェイトレスは、顔見知り同士の学生なのかと気を利かせ、「相席にしますか?」と。

「えっ。 いやいきなりだと迷惑っていうか、あの……えっと、大丈夫ッスか……?」

目の前で身悶える栞。

薄野ツヅラ > 「え、そんな酷い事云う訳ェ──……
 もう二度とアパート帰らないしぃ……」

悶絶する同居人を気にも留めず、のんびりと笑顔を浮かべる。

「ええ、相席でも大丈夫よぉ、何一つ問題ないわぁ」

店員に問われればにっこりと笑顔を作る。
得意の営業スマイルは何時であろうが完璧だ。

「薄野ツヅラよぉ、ええっと───ギルバートくん、だったかしらぁ
 ボクは結構本名の方が知れてるから気にしなくてもいいわよぉ」

「寧ろ活動名の方が知らない人多いしぃ」、と。
ぽすぽすと栞の頭を叩きながら向かいの席を指した。

空閑 栞 > 「踏んだり蹴ったりだよ……泣きそう……
 アパートに色々準備してるのに……」

頭を軽く叩かれ、ゆっくりと姿勢を正し、一度深呼吸をする。
相席をするであろう少年に営業スマイルを向ける。
ツヅラほどではないが、完璧だ。

「えっと、ギルバートさんって言うんですね。
 私は2年に在籍している空閑栞と申します。ツヅラとは普通じゃない関係ですよ」

そう言ってすぐに足元と脇腹付近の空気を固定して踏まれても大丈夫なように壁を作る。
こんな巫山戯たことを言えばツヅラが殴ってくるのは想像にかたくない。
予想できる攻撃の中で痛いものだけを回避するために異能を使ったのだった。

ギルバート > 「あっスイマセン。なんか邪魔しちゃって……。」

こうなると無碍にすることもできず、栞に向けて一年のギルバートだと名乗り直す。
この様子で復習ができるとは自分でも思えなかったが、少なくとも気は紛れるだろうとメニューをテーブルに広げた。

「うーん……新作のケーキかあ……。」

メインはパスタと決めての入店だったが、デザートプランは白紙ため思い悩んでいる。
レアチーズタルトかバナナパフェか。
年頃の男子が取る行動にしては、物珍しく映るだろうか。

薄野ツヅラ > 踏んで蹴った次は当然指だ。
机の上の課題に置かれた、其の白くて長い指に思い切り握った拳を叩きつける。
ガン、と机を揺らす。
からりとコーヒーの氷が崩れる音がする。夏だ。
ぼんやりと向かいに座った少年を眺めれば、おもむろに口を開いた。

「………甘党な訳ェ?」

それと普通じゃない関係なんかじゃなくて唯の同居人よぉ──と訂正。
栞には「アンタ今日全額だしなさいよぉ」、と不機嫌そうに呟く。

ギルバート > 「なんかいいッスね、同居人がいるって。」
「オレ寮に一人暮らしだから、なんか憧れちゃいますよ。」

そう返しつつもメニューを前に迷う指先。
ツヅラの続く言葉にビクリと跳ねる。

「えっ!」

「だ、だめっスかね……?」

ツヅラに向けた顔から一転、助け舟を求めるように栞を見やる。

空閑 栞 > 「〜〜〜〜〜ッ」

予想外の場所を攻撃され、またも机に突っ伏す。
思い切り殴られた左手の指を右手で握って痛みを堪える。
まさか見える位置での攻撃とは、予想外だった。

たっぷり数秒悶え苦しんだ後、平気そうな顔を作ってメニューを見る。
期間限定のパフェやケーキがとても美味しそうだ。

「えっと、別に男性が甘党でもおかしくないと思いますけど……
 ほら、漫画とかだと宇治金時丼を食べる男性主人公も居ますし」

視線を向けられ、そう返す。
甘いものが好きなのは男女共通のはずだ。何もおかしいことはない。

全額出せという言葉は聞こえなかったことにした。

薄野ツヅラ > 「普段はあんまり帰らないけどねェ、
 あの落第街のホテル解るかしらぁ───……?
 今はのんびりあそこで暮らしてるけどねェ、悪くはないわよぉ」

栞とのショートコントのような日常生活を想起しながら笑顔を浮かべる。
落第街に入り浸るようになってからは足を遠ざけていたアパート。
風紀や公安に目を付けられているのを解った上でこの同居人に迷惑を
掛けないように、と自ら帰ることをやめた。

「宇治金時丼ってなにそれ、
 最高に不味そうだし米と宇治金時に喧嘩売ってるわねェ」

ギルバート > 「いや、オレも流石に宇治金時丼はちょっと!」
「っていうか、どんなマンガなんスかそれ……!」

妙なメニューを登場させるもんだなとくすりと笑う。
結局その後ウェイトレスには、レアチーズタルトと伝えたようだ。

「あの辺りは結構治安悪いのに、凄いッスね先輩。」
「結構人の出入り激しいのもあってホットスポットって呼ばれてますよ。うちじゃ。」

公安がどうだと明言するわけにも行かない手前、言葉を濁しつつ。
職務が職務のため、事情にはなんとなく察しが付いたようだ。

「先輩方って、同居するぐらいだし付き合いも長いんです?」

空閑 栞 > 落第街か……またぶらついてツヅラ探しをしようかな。
そんなことを考えつつ、一年前の毎日を思い出して顔を綻ばせる。
突然帰ることが少なくなって心配したなぁ、などと懐かしさを感じた。

「食べてみたことあるけどもう食べたくないね、あれはダメ」

あの味の不協和音を思い出すだけで食欲が失せそうだ。
試した自分を殴りたいと思う程度にあれはダメなものだった。

「えーっと、それは秘密ってことで」

軽く微笑み、頬を掻く。
昔のことを覚えていないと言われた手前、なんと言っていいのかわからなかったのだった。