2015/07/01 のログ
薄野ツヅラ > 「治安が悪いと云うか悪いからこそ……?
 うーん、今の同居人が落第街中心で生活してるって云うのもあるけどぉ──……」

あの街が好きなのよねェ、と頬を緩める。
甘いケーキを選択する少年を見遣りながら、氷の溶けたアイスコーヒーを傾ける。
ぼんやりメニューを眺めれば、自分も空腹感をコーヒーで紛らわすことはせず、
店員に一言「抹茶白玉ぜんざいひとつ」と告げた。

「付き合いねェ──……生憎よく覚えてなくて。
 でも気付いたら仲良かったしそこそこじゃあないかしらぁ」

申し訳なさそうに頬を掻く。

ギルバート > 「えーっ 秘密ッスかあ……残念。」

二人のやり取りに憧れていただけに、仔細を聞けず残念やらより気になるのやら。
そんな話を交えるうちに、芳醇なチーズの香りを漂わせた一皿が運ばれる。
クリームスープを思わせるような濃厚なソースが見目にも嬉しい。
常連客の間で、密かに定番と化している逸品である。
律儀に手を合わせてフォークを入れると、横合いから追加注文の声。

「……あ。ツヅラ先輩も甘いもの食べるんスね。」

二回の遭遇で手元にはどちらもコーヒー。
意外に思うには十分すぎる材料。

薄野ツヅラ > 「と云うか別に仲良い訳でもないしねェ……
 課題押し付けてご飯作ってもらって朝起こしてもらってただけだしぃ……」

照れ隠しのように先刻の言葉を否定する。
取り繕うかのように笑みを浮かべるものの若干頬が紅潮しているのに気付くかもしれない。
レアチーズタルトを目の前にすれば、「あ、それ人気の奴よねェ」と。

「別に甘いもの食べて死ぬ訳じゃあないわぁ───……
 偶に食べるくらいなら食べなくもない、ってくらいだけどぉ

 ───嫌いじゃないわぁ」

ごくごくとアイスコーヒーを呷る。
空になれば栞にさっと手渡して小さく「お替わりおんなじの」と呟く。

空閑 栞 > 「とりあえずツヅラが言ってる通りってことで……」

苦笑しつつメニューを見遣る。
色々なデザートがあり、目移りしてしまうが、ここはビシッと決めなければいけない。
目についたものを近くの店員に注文する。

「あ、クレームブリュレお願いします。あとエスプレッソとアイスコーヒー」

注文を終えると、手渡されたカップをテーブルの端に置き、課題の山に手をつけ始める。
この程度の問題ならばなんとでもなるだろうが、問題は筆跡の模倣だ。
ツヅラの文字ならば見なくても真似できるが、速記をすることができなくなる。
ゆっくりと丁寧に課題に答えを書き込んでいった。

ギルバート > 時折覗かせるツヅラの表情変化が、妙にじんわりと胸を打つ。
視線の落としどころに迷った挙句、少年もまたノートに向き合った。
明日の範囲は一般的な語学と数学。それらは基礎知識のみでなんとでもなるが、魔術だけはそうはいかない。
感性が大きく影響する教科であるが故に、そもそも魔術の使えないギルバートは苦手としている。

「魔術って、なんなんですかねー……。」

特に中身のない独白が不意に零れる。

薄野ツヅラ > 「魔術ねェ──……
 ボクに関してはキッカケがキッカケだからアドバイスもしようがないわぁ」

困ったように肩を竦める。
つい先日騒ぎを起こした公安の『前室長代理補佐』の魔術を喰らったものだ、
なんてそうそう云える訳もなければ特殊な事例すぎる。
ぽつり、出たその言葉に教えられればよかったんだけど、と内心で独り言つ。
薄野ツヅラにとっての魔術は『世界で二番目に大事な人の置土産』だ。
ほかの人とは考え方が違いすぎる、と栞に話題を振る。

「アンタ最近魔術とかやけに勉強してなかったかしらぁ?」

頬杖をつきながら、近くを通りかかる店員を目で追う。
生憎自分が注文したものではないらしい。店員はするりと席の横を通り抜ける。
そのたびに残念そうな表情を浮かべながら手を付けてなかったお冷を口に運ぶ。

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」にライガさんが現れました。
空閑 栞 > 次に近くを通った店員に運ばれてきたクレームブリュレとエスプレッソに目を輝かせ、アイスコーヒーをツヅラの前に置く。
スプーンで表面を割ろうとした瞬間に話を振られて考え込む。

「うーん、私は教本を読んで我流にアレンジしてるからなんとも、かなぁ……
 割と簡単に新しいのを作れてびっくりだったよ」

新たな魔術を簡単に作れるはずはないのだが、運良く才能があったのか、実際にいくつかの魔術を作り出した少女はそう言った。
自作の魔術を説明しようかな。と思ったが、すぐ隣にツヅラが居るため、それはやめることにした。

ライガ > 「おお……」

試験勉強の帰りか、げっそりした顔つきで現れた大柄の男。
ふらりと席の一つに腰かけ、珈琲を頼もう。
近くで行われている会話には、まだ聞き耳を立てる余裕もない。

ギルバート > 「うーん……やっぱむずかしいんスねえ、魔術って……。」
「オレにもなんかできりゃいいんスけど、生憎とサッパリで。」
「アレンジどころか基礎すらダメダメで。」

やっぱ使えてこそ一人前だよなーと苦笑い。

「周りみんなすごい力持ってて、知らない人たちもそーゆーもんがあって。」
「でも自分は一切なんか縁遠くって……。」
「……逆になんか、特別みたいな感じありますよね。」

教科のためか境遇のためか。
口元に手を当て難しい顔。

薄野ツヅラ > (なンかでかいの居るわねェ──……)

ぼんやりと辺りを眺めつつ、どこかで見たことのある顔に思考を巡らせる。
確か公安委員内のデータで見たような気がする。
他の公安委員を把握しておこうと閲覧したデータを思い出す。
確か間違いない。
150cm弱の彼女よりも遥かに身長の高い彼を視界の隅に入れつつ、
目の前に差し出されたアイスコーヒーをストローでちびちびと啜る。

「まァ、良くも悪くも人其々よぉ。
 この間なんてロス───テロリストが異能や魔術だけを暴走させる薬とか撒いてたし」

そっちの方が便利かもしれないわぁ、と。

ライガ > やがて珈琲が運ばれてくれば、一口飲んで頭脳をシャキッとさせる。
そのあたりでようやく、魔術という単語に反応した。

「ちょっといいかな、君ら。
魔術について話してたみたいだけど……」

そちらの方へ、声をかけてみよう。
なんか同僚っぽい顔がちらほらいる、でも最近入ったばかりなので顔と名前が一致していないが。

空閑 栞 > 「んー、基礎はとりあえず教本を読んで理解を深めることからかなぁと……
 私はそうやってできるようになりましたし。まだ魔力は上手く扱えませんけど」

薬なしでは自分の奥の手は使うことができない。
練習を重ねるしかないな、これが終わったらどこかで練習しよう。
そう考えてクレームブリュレを掬い、スプーンを口に運ぶ。
仄かな苦味が甘さを引き立て、病みつきになりそうな美味しさだった。
思わず顔を綻ばせる。

「異能や魔術を暴走させる薬なんてあったんだ。そういうの怖いね」

薬はあそこ以外で買わないようにしようと心に決めた。

薄野ツヅラ > 「ボクは別に構わないわぁ」

にこりと笑顔を浮かべてギルバートの横を指す。
狭そうだなあ、なんて思いながら相も変わらずコーヒーを啜る。
ちらりとまた通りがかる店員を眺めれば、今度は待望の逸品だ。
抹茶白玉ぜんざい。抑えようとしても頬は緩む。

「随分前に落第街方面で流行ってねェ──……
 ほら此れとか。入れっぱなしにしてたわぁ」

ポシェットから粉薬を取り出してずいっと机の上に置く。
片手では白玉を口に運ぶ。美味しい。此の食感が好きだ。
もきゅもきゅと白玉を頬張りながら嬉しそうに笑みを浮かべる。

ギルバート > 突如として三人の世界が終わる。
目前に立つは白髪の大男。
実行部隊のギルバートは人員については同僚しか知らないし知らされていない。
例外と言えば、今隣に座っているツヅラぐらいだ。

「盗み聞きは感心しないな。」

ライガに臆することなく、露になっている右目で見上げつつ。
返答によっては……と目を細めるが、ツヅラの台詞に間抜けな声を出す。

「えっ ええーっ!?」

「(何でコイツがオレの隣に……ああもう!)」

そそくさと詰める。ライガから感じる威圧感は相当なものだが、少年は物怖じない。
まあ、彼女が差し出した品でまた驚くのだが。

「……あのちょっと、それ行政に届けなくていいんスか……?」

空閑 栞 > 突然巨漢に声をかけられ驚くも、ツヅラの対応を見てすぐに笑顔を浮かべてどうぞ、とだけ返す。

「へぇ、粉薬なんだ……なんか苦そう」

子どものような感想が口をついて出る。
自分が使用しているのは錠剤、液体タイプの2種類なので少し新鮮だったが、薬である以上、当然粉末タイプもあるのだろう。

「それよりツヅラ、それちょっと分けてくれない? こっちも食べていいからさ」

暢気にそんな提案をする。
美味しそうに食べているのを見ると自分も食べたくなってしまっていた。

薄野ツヅラ > 「なんだったか、ひと月前くらいに出回ってたやつだけどねェ……
 届けようと思って忘れてたわぁ」

届ける心算はさらさら無いものの口だけではそう云っておく。
小さく欠伸をしながらぼんやり巨躯の男とギルバートを見遣る。
自分の感じていた中型犬のような雰囲気は何処へやら、随分と男らしいなァ、と。
栞から声を掛けられればもきゅもきゅと口の中で弄んでいた白玉を呑みこんで、不機嫌そうに睨む。

「絶対ヤダ」

クレームブリュレにさっと手を伸ばしてひとすくい。
口に運べばほんのり感じる苦味と甘味。美味しい。

ライガ > まあ、この場にいるのはただの学生4人だ。そういうことにしておこう。

「いやーごめんごめん、気になる単語が聞こえたもんだから、つい、さ。
じゃ、ちょっと失礼するよ」

金髪蒼眼の少年にあからさまに警戒されてる気がするが、威圧的な外見のせいだろうか。
後頭部を掻き、申し訳なさそうな表情で笑って、珈琲を持ち、勧められた席に着こう。

「……まあ、そういう薬はあっちこっちで有名だからね。
楽して力を手に入れたいって需要はあるし、無くならないんだろう」

ところで、魔術がどうとか言ってたけど何の話だったんだい?と疑問を口にする。

空閑 栞 > 「けち! ばーか!」

子どものような罵倒をした後に、人前だったことを思い出してこほん、と咳払いをした。
誤魔化すかのようにエスプレッソを一口呷り、笑顔を浮かべる。
そして

「楽して力を手に入れてもそれなりの代償はあるものなんですけどね」

露骨に話題を逸らしにかかった。

ギルバート > 「あとでちゃんと届け出てくださいよそれ。ブツがブツですから。」
「『普通の学生』が持ち歩いてるなんて知れたら、それこそ拘束されますよ。」

彼なりに身を案じているのだろう。
あくまで"女学生が偶然手に入れた"形で念を押す。
見ず知らずの男の前である故に、警戒に越したことはない。
しかもどうにも輪の入り方が露骨。何かを聞きたがっているとしか彼には思えなかった。
それが何なのかまでは、見当も付かなかったが。

「オレからしたら、贅沢かなって。」
「特別な力があるだけいいじゃないッスか。」
「今よりももっと力を手に入れたい。凄くなりたいってのはわかりますけど……。」

「……だから。」

「その不安を煽って商売するのは、オレは許せないです。」

薄野ツヅラ > 「五月蝿い、つまみ出されたい訳ェ?」

栞の頭を丸めたメニューでスパンとしばき、怪しむように目を細める。
はて、自分たちの会話に興味を引くような単語はあったか、と思案する。
暫しの瞑目の後、おもむろにスプーンを咥えたまま、落とさないように口を開く。

「まァ、本人がそうしたいなら勝手にすればいいのよぉ──……
 ボクは別にそんな莫迦がどうなろうが知ったこっちゃない訳だしぃ

 で、其処の乱入者さんは何時になったら自己紹介するのかしらぁ?
 質問より先にするべきことがあるんじゃないのかしらぁ?、なんてぇ」

不快感を隠す気もなく、ニコニコと作り笑いを張り付ける。
先ずは疑うことから入るのは彼女の癖だった。

空閑 栞 > 「あいたっ……ケチなツヅラが悪い……」

恨めしそうにそう呟いた後、ツヅラの反応を見て
巨漢は知り合いじゃなかったのか
と軽く喫驚する。
知り合いでないのなら何かをされた場合の対処を考えなければ
そう考え、談笑しつつも課題に走らせていたペンをテーブルの上に置いた。

ライガ > カチューシャの少女の子供じみた罵倒を困った顔で見る。
しかも取り繕いきれてないし……

「ああ、これは失礼。
僕はライガだ、ライガ・遠来・ゴルバドコール。長いから名前の方はいいんだけどね。
一応こんなでも魔術系教科を選択してる。体質的にどうも魔術師に向かないらしいから、低コストのやり方でやってるけど」

よく見ると、ヘッドホンの少女の腕には腕章が見える。
ので、まあどっかでそのうち会うかもしれないけど、と付け足した。

薄野ツヅラ > 「ンッンー……アレねェ、
 名前って区別するためのモノかと思ったけどあんまり長いと不便そうだわぁ」

自分から名乗れ、と云いながら極めて如何でもよさそうに欠伸をひとつ。
ぱくぱくと白玉がなくなったぜんざいをさくさくと口に運んでいく。
甘い。超美味しい。暫く我慢しただけあって久々の甘味は美味しい。

「そ、魔術ねェ──……そりゃご苦労なこって」

興味ないわぁ、とでもいいたげに愛想なく、ひとつ。

空閑 栞 > 「ライガさんですか、随分長いお名前ですね。
 私は空閑栞と申します」

名乗られた以上は名乗るのが礼儀だろう。
そう考えて名乗り返すが、すぐに目線を外して課題に取り掛かる。
結構な速度で進めているが、明らかに量が多すぎる。
本当に終わるのかな、と危惧しつつも3人の言葉に耳を傾けていた。

「低コストで魔術が使えるならいいと思いますよ。
 代償も少ないでしょうし」

課題から目線を逸らさず、独り言のように呟いた。

ギルバート > 深くため息。
話は副産物で、あくまで主題は課題と復習だったんだけどなと外を見る。
夜闇は深い。効率的な観点からすれば、明日までに終わりそうもないのは明白だった。

「残り少しなんで、あとは自室でちゃっと済ませます。」
「それじゃ先輩方、お世話になりました!」

一礼をして席を後にする。

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」からギルバートさんが去りました。
ライガ > 「あっと、もしかして作業の邪魔だったかな?
こりゃあ失礼したね、僕の方はもう気にしなくて大丈夫だよ」

どうも、期待してた話じゃなさそうだ。
珈琲を飲み干すと、コトリとカップを置き、ポケットからタブレットを取り出す。
画面からアプリを開き、数日前から難航している、ある呪詛の対策について考察を再開した。見られてもかまわないが、斜め読みでは記号の羅列にしか見えないだろう。

「そりゃあ低コストだけあって使用魔力は抑えられるけど、肉体への負担の方が大きくてさ。ままならないもんだよ」

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」に能見さゆりさんが現れました。
薄野ツヅラ > 「ンー、ボクは別に甘いもの食べれて満足だしぃ──……」

ふああ、と欠伸をしながら杖を片手に立ち上がる。
栞に紙袋を手渡せばのんびりと机から出る。

「じゃ、ボクはこの辺で。栞は課題よろしくねェ」

ひらひらと手を振ってその場を後にする。
食べた分の支払いをする意思は当然のようにない。
帰り掛けに能見とすれ違えば、「先日はおつかれさまでした」と小さく呟いた。

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」から薄野ツヅラさんが去りました。
ライガ > 「ま、迷惑料じゃないけど、ここの支払いは持つから。
それで勘弁してくれない?」

思ったより雲行きが怪しそうだ、どうも今日は調子が良くない。

空閑 栞 > 「ああ、そっちのコストが大きい感じでしたか。
 それなら大変そうですね、お気持ちはわかりますよ」

自分の魔術を思い出してそう言う。
世の中簡単にはいかないものだ。

「あ、ちょっ、半分くらい自分で!」

そう言った頃にはもう同居人は出口の近くだった。
これを全部やるのか……そう思うと気分が重くなる。
支払いを持つと言われてきょとんとした。

「あら、私が支払うつもりでしたけど……いいんですか?」

能見さゆり > ……おや。
【素性が素性なので、特に摂食の必要があるわけでもなく、ファミレスやカフェには理由がない限りあまり来ないのだが。
見知った顔が入れ違いに。
もっとも、適当に顔を拾うならこういった場所は便利なのだ
それに風紀とはいえもともとあまりうるさくないタイプの能見としては、多少逸脱してようとあまり気にするところもない

時期的には自習の生徒も多いようだ】

やはり試験対策ですかね、皆さん

ライガ > 「いいさ、なんだか申し訳ないしね」

一応伝票を確認する。うん、余裕はあるな。
新たにやってきた顔に対しては、顔をあげてまあねと答えた。知らない人だけど。
再びタブレットに目を落とし、しきりに操作している。
(やっぱ中心部を即座に把握して、引き寄せる力と同等の押し出す力をぶつけたほうがいいのかな……)

空閑 栞 > 「それならお言葉に甘えて」

そう言って笑顔を向ける。
流石に申し訳ないので追加注文はせずに課題をどんどん進めていくことにした。
何か報酬をねだってやる……そう心に決めた。

「他の人はそうかもしれませんね」

声がしたの方向を見ずにそう答えた。

ライガ > どうにも進まない。
あきらめてタブレットをポケットにしまうと立ち上がった。

「さて、僕もこの辺で失礼するよ。
あと頼みたいものはホントに、ない?」

伝票を抜き取りつつ、栞に声をかける。

能見さゆり > ……なるほど

【別に詮索がしたいわけでもない、適度に応じる
まあ、ファミレスはこの時期、だいたいそんなものだ

……だがそれ以外となるとそれはそれで興味深い
案外つまらない理由だったりもするのだが】

他の人、ということは何かしらご用事で?

空閑 栞 > 「ええ、課題を進める分にはこれで十分ですから」

苦笑しながら小さなカップとラメキン皿を見遣る。
殆ど目を向けずに課題を進めていたからか、エスプレッソは冷めてしまっていた。
少し残念そうにしつつも軽く一口呷って集中しなおす。


「ああ、つまらない理由ですよ。
 さっき出ていった子の課題を手伝ってるだけです。
 ほんとは魔術の術式を整理したかったんですけどね」

ここでようやく声の主を見る。
そこには自分と同じ程度の身長の少女が立っていた。

能見さゆり > はじめまして
なるほど、魔術について造詣はないのですが、最近少々興味が出てるところでして気にはなっているのです

【魔術の課題は他人が手伝う意味がどれくらいあるんだろうと思いつつ
資料探しや検索などといった調べ物は確かに手分けするべきかもしれないなどと考えていた】

すいません、もしよければお話を軽くしていただけるとありがたいのですが相席よろしいでしょうか?

ライガ > 「ん、じゃーね」

お金を払って、出ていく。

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」からライガさんが去りました。
空閑 栞 > 「ああ、課題の内容は魔術と関係ないですよ。語弊があったみたいですみません」

申し訳なさそうに頬を掻く。
今栞が解き進めていたのは、一般教養レベルの課題だった。
誤解を招く付け足しはやめておかなきゃ。と反省する。

「ええ、もちろん。何か食べるならご馳走しますよ。
 本来払う分が浮いたところなので」

そう言って着席を促す。

「また機会があればお会いしましょう」

そう言ってライガに手を振り、見送った。

能見さゆり > ありがとうございます

魔術はうまく扱えるなら便利だな、と思いまして、場合によってはiアイテムとして使う手もあるかなと思いましてね
最近少々、思うところがありまして、色々とできることの確認から始めたりしてるんですよ

【ありがたく着席させてもらいながら、いきなりそこまでは世話になれないと遠慮がちに】

空閑 栞 > 「ですね、異能と同じでうまく扱えるのなら多分便利だと思います。
 アイテムを使うのはありだと思いますよ。私も使いますし」

アイテムと言っても薬の類だが嘘はついていない。
相手がもし風紀や公安でも適当に誤魔化せばなんとかなるだろうと楽観的に考える。

「思うところ、というと?」

浮かんだ疑問をそのままぶつけた。

能見さゆり > そうですね……少々、手数が入り用でして
そこを色々と補えればな、と思う次第です
どちらかと言うと、便利だから使う、という意味でそれ以上でもそれ以下でもない気もしますが

【もっとも、自身の素性もあって、ややスルー気味だったことも確かだ。
ケーキと飲み物を注文する】

空閑 栞 > 「手数、ですか……なんだか大変そうですね。物騒なことじゃなければいいんですけれど。
 ああ、それは違いないですね。便利じゃないなら使わないでしょうし」

そう答えつつも課題からはペンを離さない。
白の紙がどんどん黒で埋め尽くされていった。

能見さゆり > 【魔術のいいところは確かに素養がなくても扱える点にある
そういった点では魔術的なことを駆藤に師事するまでスルーしていたことは反省点だ】

物騒、といえば物騒な部類になるのかもしれませんね
もともと立場が立場ですから、いろんなことに出会うタイミングも多いですし
なにより、それが誰かの為になるんであれば幸いですしね!

【屈託なく笑う、進む課題を見て、丁寧で真面目なんだな、と思う。
魔術の話が軽くでも出来るのはほんとうに有難い】

空閑 栞 > 「あらあら、物騒なことでその可愛らしい顔に傷がつくかもと考えると身震いしちゃいますね。
 えーっと、立場、というと?」

少し大げさに言い過ぎたかもしれない。
誰かのためになるなら幸いと聞き、とてもいい方なんだなぁという感想を抱いた。
そろそろ課題も一段落がつきそうだ。少しペースを落としてもいいかもしれない。

能見さゆり > これは失礼。こう見えても風紀委員なんですよ
風紀の能見さゆりと申します
なので、立場上、どうしてもいろんな物事に会うことが多いですからね

【作業のじゃまにならないようにしつつ、適度なタイミングで話せば
相応に息抜き的な話にもなるだろうか】

空閑 栞 > 「あら、風紀委員さんでしたか。
 毎日お疲れ様です」

笑顔を向けてそう言う。
薬のことを漏らす前に相手の立場を知れたのはラッキーだった。
薬を頭から排除して課題と談笑だけに集中する。

能見さゆり > 【もっともさゆりは厳罰気味なことを除けば、案外鷹揚だ
別に問題があるんでなければ、比較的スルーしたり注意でとどめるくらいだ】

まあ、そんなこんなでしてね
なにかしら扱えればな、そういった次第です

【早速ケーキを口に運びつつ】

空閑 栞 > 「扱えるに越したことはないですからね、教本を読んで地道に勉強するのもいいと思いますよ」

そう言って課題を閉じる。
ある程度は終わらせることができたようだ。

「ふぅ……課題も一段落しましたし私はこれで失礼しますね。
 ああ、名乗り忘れてました。私は2年の空閑栞と申します。
 機会があればよろしくお願いしますね、能見さん」

残っていたエスプレッソを一息に飲み干し、伝票を持ってその場をゆっくりと去っていった。

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」から空閑 栞さんが去りました。
能見さゆり > はい、ありがとうございました
そうですね、あまり気負わず地道に進めていこうかと思います
色々有り難うございました、こちらこそよろしくお願いしますね

【とりあえず他のことと同じで基本は変わらないようだと改めて確認
魔導器階分野も視野に入れつつ今後の方策を考えていこう

と思いつつ、笑顔で見送って

チョコケーキを口に運ぶのだった】

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」から能見さゆりさんが去りました。