2015/09/07 のログ
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」に谷蜂 檻葉さんが現れました。
谷蜂 檻葉 > 寮に住んでからというもの、大体の食事は寮の食堂で済ませるようになったと思う。

そうじゃなければ惣菜パンか、家で作ってきた携帯食(大体サンドイッチ)。
それと、最近は同居人ともう少し手を入れた料理をつくることもある。

だが基本的にはお金がかからないから、という言葉の下で食費を節約し



―――こうして、本代に替わる。



(……おお、ここで……うわー……凄いなぁ。どうやったらこんな発想出来るんだろう。)


今月発売の本を読み耽ること1時間。
頼んだアラビアータは完食まで残り少しというところで放置され、冷め切って捨て置かれている。

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」に嶋野陽子さんが現れました。
谷蜂 檻葉 > その横には”最初から氷だけ入ったコップ”に半分ほどキンキンに冷えた水が入っており、
その回りは結露でビショビショになっている。

店の隅、二人がけの小さな机がズラッと並んでいるコーナーの一つに座っているから
流石に混み始めた店内で冷めた視線も注意も受けずに済む。


(次のページから最終章……。)

区切りのところまで来た所で、喉の渇きを覚えて本が濡れないように脇にどかして水を手に取る。
一口だけ残ったアラビアータはドリンクバーすら頼まないまま長居するための囮《デコイ》。

(……ちょっと伏線見直す……い、いや一度読みきってから……。)

ぷは。
と、一息ついたところでこのまま読み切るか一度戻して考察しながら読むかを吟味する。

嶋野陽子 > 今日は食材の買い置きが少ない
のと、運動してお腹が空いているので、大盛りセット
があるファミレスに入る陽子。
空席を探していると、一度お話した事のある顔を見か
ける。確か谷蜂先輩だったかな…でも髪の色がもっと
濃かったような気が…
小さな机だから邪魔かな?と思ったら、通路を挟んだ
テーブルが空いているので、谷蜂先輩?に声だけかけ
て、反応が思わしくなければ通路の向こう側に座る事
にして、声をかける陽子。
「谷蜂先輩…ですよね?」

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」に嶋野陽子さんが現れました。
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」に嶋野陽子さんが現れました。
谷蜂 檻葉 > 「―――ん?」

ふ、と。

やはり此処は一度読みなおして、自分なりの考察を引っさげて結末を迎えよう。
そう結論づけてページを戻そうとしたところに声をかけられ、顔を上げる。

ボンヤリとした記憶の淵。
アレだけの巨体を持った人間というのは該当する数もなく。

「……あー……えっと、嶋野さんだっけ?こんばんは。貴方も此処で食事?」

軽く会釈して、挨拶を返す。

嶋野陽子 > やはり谷蜂先輩だった。しかも覚えていて
くれたようだ。この身体では忘れる方が難しいという
のは脇に置いとく。
「はい、保健課一年の嶋野陽子です。お久しぶりです」
と挨拶する陽子。
『あなたも此処で食事?』と聞かれたので、
「はい、運動したので、ここの大きなセットを頂こう
かと。読書中のようですが、ご相席はご迷惑でしょう
か?」と遠慮がちに尋ねる陽子。

谷蜂 檻葉 > 「ん、良い――――」

良いよ。と、軽く了承するつもりだったが、言葉が止まる。

いや待て。
この小さい机にあの巨体で座って『大きなセット』って乗るのか。

「……んだけど、ここ(机)小さいし。隣座る?空いてるよ。」

苦笑気味に、そう勧める。
喋る距離ならば、対面でなくとも出来るだろう。そう笑って

嶋野陽子 > 『隣座る?』との提案に、
机の面積と、自分の食べたい物を比較して、相席は無理
との結論に達した陽子は、
「それが良さそうですね」と言って、通路を挟んだ隣の
席に座ると、今月のスペシャルメニューらしい
《ミラノ風カツレツとジェノベーゼのセット》を、大
で頼み、更にドリンクバーも付ける。
「先輩も何かお飲みになりますか?私が出しますので」
と聞いてみる。

谷蜂 檻葉 > 「あはは、良いって良いって。お金に困ってるわけじゃないし、今日は水って気分なだけ。」

先輩だからって奢らせたりなんかしないよ、と手をひらひらさせて

「……って、そういえばどうしたの?何か相談事とか? ―――それとも、1人じゃ食べづらいタイプ?」

嶋野陽子 > 「何か相談事とか?ーーーそれとも一人じゃ
食べづらいタイプ?」と先輩に聞かれると、

少し考えて、
「今日は両方正解、という感じですね。7月に編入す
るまで、ずっと二人の食卓が続いていたので、一人
にはどうも馴れないのと、確か谷蜂先輩が図書委員
だったと思ったので、本のアドバイスを頂こうかと」
と、一人で食べ慣れていない事と、図書に関する相談
がある事を告げる陽子。

谷蜂 檻葉 > 「………? ま、いっか。 それで、本のアドバイス? アドバイス、ねぇ……。」

普通、編入前。だとか言えば家族との食事になり、
『二人で』という言い方ではなく『家族で』という言い回しになる。

更に彼女体躯から”真っ当じゃない”のは当然だろうとなれば、どこかしらの研究所か―――

……なんて、そんな風にあまり詮索しづらい物事しか思いつかずに突っ込むのをやめる。


「アドバイスって、どんな本を読みたいとかある?
 例えば頭を使いながら考察して読むミステリ系とか、逆に頭空っぽにして読みたいコメディとか。」

嶋野陽子 > 「ここに来る前は、本土で恋人と二人
暮らしだったのですよ」と説明する陽子の表情は、ほの
かに寂しげだ、がすぐに首を振ると、

「で、アドバイスなんですが、魔術から身を守る方法
を調べようとしたら、どんな本を読めば良いのでしょ
うか?」魔術に関する本は多いが、魔力を持たない人
間を魔法から守る方法は、あまり書いていないのだ。

谷蜂 檻葉 > 「……ふぅーん……。」

何か言いづらい事情でもあるのかと考えて損した。
……恋人か。自慢だろうか、自慢だな。


「魔術からの防衛法?
 ……えっと、普通に授業の教科書が一番よ?変に飛ばして専門書に行くより学園で段階ごとに教わってるものを使ったほうが付け焼き刃にならなくていいもの。

―――まぁ、それで足りないなら禁書庫手前の方まで行ったところにある魔術書関係の棚とか、本当に『実践的な』ものが置いてあると思うわ。使えるかどうか、は別だけどね。」

図書館の奥の奥。
禁書庫として区分分けされる手前まで行けば、相応の難易度の本が並んでいる。

そしてそのレベルで書かれているのは『一から十まで書かれた魔術書』だ。
始まりの手ほどきや、応用がどうとか、ではなく。

記録と伝承のためにだけ書かれた、1つの魔術に関する歴史書。
それを知るというのは、それを使って【戦う】事の知識を得る事に通づる。

『彼を知り己を知れば百戦殆からず。
 彼を知らずして己を知れば、一勝一負す。
 彼を知らず己を知らざれば、戦う毎に必ず殆し』


過去の人間が遺した兵法は、いざ【武器】が変わろうとも通用している。

嶋野陽子 > 『普通に授業の教科書が一番よ』と
言う回答に、
「それって、どの授業ですか?私も受けたいですね」
と少し身を乗り出す陽子だが、はっと気付いて元の
位置に戻る。

基礎をきちんと学ぶ場があるならば、そこに行くに
越したことはない。

谷蜂 檻葉 > 「簡単なものなら『魔術史』、実践なら『戦闘魔術運用論』かな。
 授業の中で同じように防御術についてやるから。

 ……もしかして、【守る】って事ばかり考えて見逃してた、とか?

 攻撃は最大の~、って事じゃないけど大なり小なり人を傷付けるだけの規模がある魔術について説明する授業なら、それから身を守る方法も一緒にやるわよ。 まぁ、変に技術とかじゃなくて心構えだったり知識的なことが大半だけど。 結局魔術だろうが、銃だろうが剣だろうが『危険』から身を守る方法なんて大して変わらないってことかしらね。」

そう肩を竦めて、冷め切ったパスタの最後の一口を水で流し込む。


と、ふと時計を見れば自分が考えていた以上に此処で時間を過ごしすぎていたらしい。


「―――って、もうこんな時間経ってたんだ。 うわ、パスタが固くなるわけだ……。
 ごめん、そろそろ出るね。 買わなきゃいけないものがあるんだ。」

言いながら、鞄に小説をしまって肩に掛ける

嶋野陽子 > 『もしかして、【守る】って事ばかり
考えて見逃してた、とか?』という指摘には、

「自分が魔力ゼロなので、魔力の存在を前提とした
講義は意味がないと思って全部切りました。まさ
か防御の方法もセットだったとは…」と頭を抱える
陽子。

『そろそろ出なきゃ』という谷蜂先輩には、
「貴重なアドバイス、ありがとうございました」
と言って頭を下げる陽子。

そして、冷めかけてしまったカツレツとジェノベーゼ
を本格的に攻略し始める。

谷蜂 檻葉 > 「ありゃ。ま、そう思うのも無理ないか……。

 ま。シラバスはちゃんとチェックするといいと思うよ。魔力が必要かどうか、ちゃんと書いてあるし、大体の授業は魔術が使えない人用のカリキュラムも組んであるから」

学園において、一定範囲までの『足切り』はあっても根本的な原因における【切り捨て】というのは少ない。 そのための学園であり、そのための授業なのだから。


そうして、早足で家路につく―――。

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」から谷蜂 檻葉さんが去りました。
嶋野陽子 > セットを食べ終わると、
名物の橘のスイーツを注文した陽子は、今からでも
『魔術史』と『善導寺魔術運用論』の講義を追加で
きないかと、携帯端末でシラバスを読み始める。
特大のドジっ娘をやってしまった陽子だった。

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」から嶋野陽子さんが去りました。