2015/09/20 のログ
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」に『プリースト』さんが現れました。
『プリースト』 > 多少南国風なイメージを漂わせるファミレス『ニルヤカナヤ』。
今日も、常世の学生など、あらゆる客に賑わっている。
だが、そんな平和をイメージするこのファミレスにて、それを簡単にぶち壊すできごとが勃発してしまう。

ぞろぞろと入ってくるのは、十数名の落第街の住民。
二級学生やら犯罪者やらが、剣や銃器などを持って入ってきたのだ。
彼等は、銃器を一斉に構える。
サブマシンガンやショットガンなど、わりと厄介な武器もその姿を見せる。
中には、異能や魔術を扱えるものもいるという。
そしてその中心にいるのがシスター服の少女『プリースト』。
「キーシッシッシッシ!
 邪神様ぁ、あなたの導き通り、大量に虐殺しますねぇ。
 このファミレス『ニルヤカナヤ』は、この七英霊の一人『プリースト』が占拠させていただきましたぁ」
不気味に笑いながら、客たちに恐怖を煽る。
客たちはだんだん、その恐怖に顔が青ざめて行った。

『プリースト』 > 「私の目的は、そうですねぇ。
 あなた方の肉が引き裂かれ、内臓が抉り裂かれながら、苦痛に泣き叫ぶ姿を笑いながら眺める事ですよぉ。
 キーシッシッシ!」
つまり、占拠した事で客を人質にしようとか思っていないという事である。
この場にいる人を残虐に惨たらしく殺す。
それが『プリースト』の目的だ。
「それでは早速、あなた達には死んでもらいましょうかぁ。
 そうですねぇ……。
 まずそこのお子様。
 可愛らしい男の子ですねぇ。
 おいくつですかぁ?
 ・・・・・・。
 恐怖で声も上げられませんかぁ。
 ではまず、その子の四肢からぶった切ってあげましょう」
暴徒の一人が剣の刃を光らせながら、男の子に歩み寄る。
そして、男の子の四肢を切断すべく、剣を振り下ろさんとしていた。

ちなみにこの暴徒達は、『プリースト』の宝具『デス・アポカリプス』の能力により、全員洗脳されているのだ。

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」にマティアスさんが現れました。
マティアス > 「お止めくださいませ、お客様」
『プリースト』 > マティアスの姿を確認した『プリースト』はニタァと怪しげに笑う。
その言葉で、暴徒は一旦、男の子に振り下ろす刀をぴたりと止める。
「店員ですかぁ。
 この状況でまだ『お止めくださいませ』と言えるは、勇ましいですねぇ。
 そうですねぇ、他の客に迷惑はかけたらいけませんものねぇ。
 店員としては、注意したくなりますよねぇ。
 キーシッシッシッシ!」
そして不気味に笑った。

「ですがぁ。
 やめませんけどねぇ」
再び、暴徒は、幼い男の子に剣を振り下ろさんとしていた。
「やめてくださいと言われてやめるなんて、どこのあまちゃんですかぁ?
 私は血飛沫をながしながら泣き叫ぶ様を見たいのですよぉ。
 キーシッシッシ!」

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」に東雲七生さんが現れました。
東雲七生 > 「血しぶきがお望みなら、いっちょ派手に見せてやるけど。」

フォーク片手に仏頂面で一同を見守る姿。
たまたま昼食を摂りに来ていた東雲七生だった。

「……ていうかお前ら、こないだ異邦人街でギャーギャーしてた連中っぽいな。
 なんかそんな匂いがする。」

明らかに正気を失っていそうな暴徒たちを見ると、
さらに眉根を寄せて、一度だけ、鼻をすん、と鳴らした。

マティアス > 「ならこうします」

恐怖に包まれたファミレスに響く、場違いに明るい声。
嘲笑の含まれたそれがプリーストの耳に届いた瞬間、店内が赤く染まる。

『風素/変質/暴風/起動』

ノタリコンで綴られるのは暴風、マティアス・ベルンシュタインの構成物質たる赤色を乗せた風。
突如店内に紅い暴風が撒き散らされ、彼らの視界を閉ざす。

『細胞/変質/侵食/劣化』

続けて綴られるのは侵食の魔術、撒き散らした赤色を起点として、錆びで侵す魔術。
風が泊まり、赤色が晴れ__暴徒達の持っていた武器が、全て無力化されていた。
全ての武器が赤色に包まれ、赤色の下は錆びだらけになり使い物にならなくなっている。

「止めなかったのでこうしました♪」

厨房の奥から現れた、店員らしき少年__マティアスが嘲う。

『プリースト』 > 東雲七生を見ると、さらに不気味な顔へと変貌する。
「キーシッシッシ!
 その赤髪、覚えていますよぉ。
 異邦人街の時は、お世話になりましたねぇ。
 あの時の使えない人達は捕まりましたのでねぇ。
 今は総入れ替えしているんですよぉ。
 また集めるのは大変だったんですよぉ」
なにせ、落第街は『シーフ』がテリトリーにしている。
『シーフ』の目を盗んで活動するのは、かなり困難。
なので、落第街の住民を洗脳すればすぐ立ち去るという条件で『シーフ』にお願いして集めた暴徒達なのだ。
「赤髪の少年。
 あの時のお礼はたっぷりとさせていただきますねぇ」


そんな時、紅の暴風が『プリースト』達の視界を奪った。
「なんですかぁ、これは」
風が収まった時、暴徒達の武器は錆だらけである。
これでは、戦力がかなり削がれてしまったも同然。
「やってくれましたねぇ……
 キーシッシッシ!」
一手目から、こちらの攻撃手段を奪ってくる。
これにより、男の子に振り下ろした剣も錆びてしまった。
つまり、男の子は無事である。

「それでは、手段をかえさせていただきますねぇ」
暴徒の数名が『プリースト』の前に出る。
「今回の手下は、前回よりも強いですよぉ。
 なんたって異能や魔術を使える人もいますからねぇ」
暴徒の一人は手から電撃を出し、マティアスを襲おうとしていた。
本来、そいつの電撃はかなりしょぼいものである。
だが洗脳されし部下は『プリースト』の補助魔術により、大幅に強化されていた。
暴徒が放つこの電撃もまた、人一人なら黒こげにする程の威力がある。

そしてまた別の暴徒は、念力で店のガラスを粉々に割る。
それを音速とも言える速さで東雲七生へと飛ばした。
音速により、店内には風が吹く。
音速のガラスの破片が、七生へと迫ろうとしていた。

東雲七生 > 「うわぁ。」

突如店内に吹き荒れた紅い風に感嘆にも似た声が漏れる。
その後起こった現象、暴徒たちの持つ武器が次々と錆び付いたのを確認すると、
思わず自分の持っていたフォークの安否を確認する。
次いで、まだ半分残ってる大盛りカルボナーラの安否を。

人質は──まあ無事だろうと、半ば勝手に決めつけての行動だが。

「──別に忘れて貰ってて良かったんだけど。」

溜息混じりに呟いた直後、窓ガラスが割れたのが視界の端に映った。
先の『プリースト』の言葉と併せ、穏やかじゃないものを感じていた七生は殆ど反射的にテーブルの下に身を隠す。

……きっとカルボナーラは無事じゃ済まないだろう。
こんな事ならもっと早食いスキルを身に着けておくんだったと僅かな後悔で七生は顔を歪める。
 

マティアス > 飛来する電撃にも眉一つ動かさず、嘲笑を張り付けた顔のまま。

「店内での店員に対する暴力行為は禁止ですよ」

そう煽るように言いながら、軽く腕を振るう。
風が吹き、紙一重で電撃が掻き消えた。
別にこれぐらい大したことはないが、服が焦げるのは勘弁だ。
術式事態は単調だったので、潰すのは楽だ。

一瞬東雲の方を見たが、彼は彼で回避できたらしい。
どうやらプリーストに執着されているようなので、彼にも気を張っておく。

『プリースト』 > 音速を超えたガラスの破片は、テーブルや椅子に次々と突き刺さっていく。
いやむしろ、テーブルをも貫通するのではないか、と危惧してしまうかもしれない程の威力だった。
それはまるで、ナイフか何かでも刺さっているかのようだ。
ちなみに、カルボナーラはガラスの破片混入により、もちろん無事ではない。
食べたら、口切れるよ。

マティアスに向かった電撃。
しかし風がまた吹いたかと思えば、その電撃は消えていた。
この店員、厄介な能力を持っているようだ。
さて、どうしたものか……。

「二人とも回避しましたぁ。
 暴力行為が禁止なんて、この店はあまいですねぇ。
 こんな店こそ、もっと人々が血飛沫をあげる姿を楽しもうではありませんかぁ。
 邪神様もそれを望んでいますよぉ。
 キーシッシッシ!」

暴徒の一人の手はまるでクラーケンのような触手に変わる。
触手の数は合計十本。
この暴徒も元々は雑魚であった。
精々、小さな触手一本を生やす程度である。
しかし、『プリースト』の補助魔術により強化されているのだ。
その巨大な触手は、東雲七生とマティアス、両方を突き刺そうとしていた。
迫る触手の数は、七生に五本、マティアスに五本だ。

「次の攻撃も待ってはいませんよぉ」
そんな『プリースト』の言葉通りに、次の攻撃がやってくる。
武器を失った暴徒だが、『プリースト』の補助魔術をうけているので格闘もそれなりに強い。
三人の暴徒は七生に接近し、全力で顔面や腹を殴ろうとしていた。
そしてもう三人の暴徒がマティアスの元へと向かい、これまた顔面やら腹を蹴ろうとしている。


ちなみに、現在入口は『プリースト』他暴徒集団が塞いでいる。
少なくとも、この入口からの脱出は、か弱い客ではまず不可能だと考えていい。

東雲七生 > 「自衛はするから、余裕があったら他の客の安全確保をよろしく!!」

こちらへと向けられる気配に、視線を送る事もせず告げて。
同じ場所に留まるのは危険と判断してテーブルの下から這い出れば。
迫る触手と、暴徒達に辟易とした顔をした。この分じゃ本当に自衛だけで手一杯になりそうだ。

「……せめて、こう、何て言うか。ええいままよ!!」

前回の様に暴徒たちをほぼ無傷で鎮圧させるのは困難と見て。
自分のテーブルにあったフォークとナイフ、そしてその隣にあったそれらを失敬し、まずは自分へ向かう触手へと投げつける。
少なくとも音速で殴る蹴るが来ない限り、暴徒の攻撃はギリギリで往なせる事だろう。

前回の奇襲めいた戦法が使えない以上、今回は防戦からのスタートである。

マティアス > 「あっは」

「禁止なのは店員と客への暴力行為ですよ、貴方達が血飛沫を上げるのは別に禁止してませんので」

暴徒達は言い終わるのを待つ気は無いようだ、触手が突き刺さらんと襲来する。
触手が腹部に触れた刹那__何かを弾くような鈍い音が響く。
腹部が出血したように赤く染まり、触手で服が破れるのを防いでいた。
遅れて飛来した四本を軽やかに回避、最初に飛んできた触手を両手で掴み、嘲笑う。

「というワケで__店に寄る蝿は死ね」

化物めいた腕力で触手を振り回し、まだ無事な窓へと叩きつける。
甲高い破壊音、術者は血まみれになり外に投げ捨てられた。
後ろから飛んでくる東雲の声を聞きながら、駆ける。

そのまま殴りかかってくる暴徒を的確にいなし、無力化しながら、プリーストへと一直線に肉薄する。
そしてプリーストの顔面へと鋭く殴りかかる!
直撃したなら更に腹を蹴り飛ばし追撃、殺るなら徹底的に殺るつもりだ。

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」にヴァルトラウテさんが現れました。
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」に流布堂 乱子さんが現れました。
『プリースト』 > 武器を持たない暴徒、またクラーケンは音速には達していない。
精々、結構厄介程度。
所詮、元々雑魚なだけはある。
『プリースト』の補助魔術なしでは、とても使いものにならない奴等なのだ。

クラーケンの触手は、投げつけられたフォークやナイフにより引っ込んでいく。
触手を出している人にも痛覚は伝わったようで、その表情が苦痛のものへと変わる。
「いいですねぇ、その痛みを感じさせる表情。
 もっと痛い目にあって、私を喜ばせてくださいねぇ」
味方であるはずの暴徒の傷にすら喜ぶ『プリースト』だった。
音速には及ばない暴徒の攻撃を東雲七生は紙一重で回避していく。
だがそれでは暴徒三人の猛攻は終わらない。
次々と三人の拳が七生を襲う。

武器を持たない暴徒三人の攻撃だけなら幾分楽だろう。
だが忘れてはならない、この場には念力使いがいるという事を──。
念力使いは元々東雲七生が使っていたテーブルを念力で持ち上げ、それを七生へと落とした。


「そうですかぁ、店員と客にも是非とも血飛沫をあげてほしいものですねぇ。
 せっかくですから、皆殺しといきたいところですよぉ」
クラーケンの触手は、マティアスにより掴まれる。
そのまま触手の能力者は振り回される。
その時、窓ガラスにぶち当たった事で触手の能力者は血塗れ。
そして外に投げ出された事で、触手の能力者は戦闘不能に追い込まれた。

マティアスに殴りかかる雑魚三人も鎮圧される。
そして、不気味に笑う『プリースト』の顔面にマティアスの拳が入った。
「ぐおふっ!」
みごとクリーンヒット!
マティアスはさらに腹を蹴り飛ばした事で、『プリースト』はファミレスの入り口の外へと投げ出された。
「げふっ!!」

・・・・・・・

しばらく倒れたままだった『プリースト』だが、やがてゆっくりと立ち上がる。
「よくもやってくれましたねぇ……。
 今のは痛かったですよぉ。
 しかし、容易にこの集団に接近したのは失敗でしたねぇ」
『プリースト』は口から出る血を手で拭う。

電撃の能力者は、接近してきたマティアスを羽交い絞めにしようとしていた。
いや彼だけではない。
暴徒集団は一斉に一斉に、マティアスを捕えようとしている。
そして電撃の能力者はゼロ距離からマティアスに電撃を放った。

ヴァルトラウテ > ……?
(編入で学校に行くまでにはまだ日があるので、それまでに街を散策している
……はずだったのだが。

ファミレスは基本的に中で暴れるためのものではないはずである。

明らかになにかおかしい。
ファミレスは食事をするところである
となれば、食事の流儀を教え無くてはならない。
そもそも日本のファミレスと言うものは安価で美味しいと聞いている
食事を粗末にするのはよくないはずだ

少女は何事もないような素振りで、逃げ惑う人々とは反対に明るく店に入っていく)

……すいません、一人、お願いします。
(ファミレスというのは初めてである
取り敢えず目の前を飛んで行くテーブルを呼び鈴代わりにその場に落とした。)

流布堂 乱子 > むくり。
「……ここは、何時で……今は、何処に居るんでしたでしょうか……」
ガラス片に囲まれて、
毒りんごでも食べたかのように四人がけの席で眠っていた少女が、
ゆっくりと目を覚まして、体を起こした。

辺りには、一言で言い表せないような音の塊。
目の前には、惨状、という言葉でしか表しようのないようなファミレスの店内。
よく動き回る、此処で出会ってから一月くらい経ちそうな小さな赤毛の少年。
窓を打破って触手人類を投げ飛ばし、店の外に女性を蹴り飛ばして、今度は集団に絡まれている少年。
あとなんかテーブルを叩き落として来店を伝えている少女。私も追加注文がしたい。とりあえず水がほしい。

ズキズキと頭が痛む。今更になって昼の燃料補給が効き始めたのかと思うと、明日の自分の調子がどうなるのか考えたくもなかった。


「ふーきいいんです……即座に……抵抗を…止め……」
その身のうちから現れるのは黄金の鉾。ふらつく体を支えさせるように床に突き立てて、寄りかかる。
ガラスが割れ放題とはいえ室内である。
気化毒を撒いてもそこそこ効果は残るだろう。
そう考えて、鉾を抜くと頭の上でぐるこーんぐるこーんと回し始める。
生成まで一間。拡散まで更に一間。
吐き気をこらえながら用意する毒を脳裏に思い浮かべていく。

東雲七生 > 「よしっ、まずは厄介なのを捌いた!」

海鮮メニューは注文していないのでお引き取り願って。
次はこの暴徒三人をどうするか、などと少し余裕が出来た動きで拳を躱しながら思案する。

──と言った余裕も無く。
頭上に運ばれてきたテーブルを見ると、流石に表情が凍りついた。

「おいおい、サイキックとか無しだろ……。」

諦めの混じった呟きと共に、靴の具合を確かめると。
降ってきたテーブルをサッカーボールでも蹴り飛ばす様に、暴徒三人組へと蹴り放った。

「──優先順位確認!
 まず一般客の安全確保および被害の拡大阻止!
 次いで暴徒たちの無力化および捕縛!多少の怪我は已む無し!」
          サイキッカー
一番面倒臭い相手は念動力者、次に触手持ち。

七生は三人組がテーブルに怯んでる隙に念動力者の居場所を素早く探る。

マティアス > 「おっと」

プリーストを殴り飛ばしたはいいが、どうやら敵の敷いた網に突っ込んでしまったようだ。
背後から忍びよってきた電気使いの急所を蹴り飛ばしてあしらい、処理する。
しかし電撃で靴が焦げてしまった、少し残念だが仕方ないことだ。

一人あしらったはいいが、こちらに寄ってくるのは一人だけではない。
いまだに大勢の暴徒に囲まれ、プリーストへ接近できない。
なんとか羽交い締めされないように避けては殴っているが、このままではプリーストに逃げられそうだ。

「……仕方ないですねぇ」

あまり”あの手段”は使いたくなかったが、背に腹は変えられない。
困った声で呟き__自身の肉体を流体へと変える。
着ていた服がすとんと落ち、暴徒達の拳が空を切る。

そのまま流体の体を揺らし、するすると暴徒達の隙間を抜けて包囲網から脱出。
外に投げ出されたプリーストへと接近し__体から杭を伸ばし、プリーストの腹部を貫通せんと襲来する。
とりあえずショック死さえしなければどうにかなる、まずは捕らえるつもりだ。

『プリースト』 > 入口は『プリースト』達が占拠していた。
そこにファミレスに入ってくる少女が一人。
だが、『プリースト』は絶賛殴られて蹴られてで、さらに暴徒集団もマティアスに掴みかかったりで、ヴァルトラウテに構っている場合ではなかった。
つまり、ヴァルトウラテは問題なく入店でき、飛んでくるテーブルは蹴り落とされた。

そんな時、ふーきいいんと名乗る人が一人……さっきまで眠っていたようだ。
どうやらふらついているようで、こいつが敵勢戦力になる人かどうかは分からない。
だが、そんな流布堂乱子が毒を用意しているなどと、『プリースト』は考えもしていなかった。

東雲七生に振り落ちるテーブル。
だがそれは、七生により蹴り飛ばされ、テーブルは暴徒三人に直撃する。
その暴徒はテーブルに押し潰されて、気絶してしまった。
こうなってはもはや、この三人は戦闘を続行できない。

ちなみに念動力者は、マティアスを取り囲む集団の外にいる。
なぜそいつが念動力者だと分かるかというと、明らかに東雲七生を睨んでおり、掌を七生に向けていたからだ。
もはや、そいつが念動力者だと考えて間違いない、そんな状況だ。
その念動力者は客三人を浮かせて、東雲七生へと放った。
この客達は、何の罪もない善良な一般市民だ。
それらが七生へと向かって突撃しようとしていた。
『うわあああああ』『やめてくれええええ』『死にたくないいいいい』などと三人は声を上げる。
「その方々は善良な一般市民ですよぉ。
 どう防ぎますかぁ?
 キーシッシッシッシ」

電撃能力者はマティアスの蹴りにより処理されてしまう。
その電撃使いは、そのまま壁に激突した。
だが、次々と暴徒達はマティアスに迫っていく。
「どうしますかぁ?
 この七英霊の一人『プリースト』をどう止めてみせますかぁ?
 キーシッシッシ!」
またもや怪しげに笑った。
そんな時、マティアスの肉体は流体へと変わった。
それにより暴徒達の拳は、マティアスには命中せずに終わる。
暴徒達の包囲網を抜けて、マティアスは外の『プリースト』に接近!
そして杭が『プリースト』の腹部を貫通した!
「ぐはああああああああっ!!」

バタリ。

そのまま『プリースト』は大量の血を流しながら地面に倒れてしまう。
『プリースト』は倒れた。

──だがしかし、暴徒の猛攻は止まらない。

大勢の暴徒、約十人は再びマティアスを羽交い絞めにしたり、殴ったり、蹴ったりと攻撃を加えようとしていた。
武器は所持していない。
だが、『プリースト』の補助魔術もまだ解けていないのだ。

流布堂 乱子 > 頭上で鉾を旋回させる。足元はあと何分かくらいは立っていられるのではなかろうか。
鉾をつなぎ合わせる血液が脈動する。
ゆっくりと旋回する矛先で空気を切り裂く音が、
やがて一つながりになり、吼えるように高まっていく。

生成された毒は矛先から棚引くようにして水平に拡散していく予定だ。
空気よりも比重が軽いため、そこから落ちることはない。天井には溜まるかもしれないが。
だから、今のうちに―
「私の背よりも高い方はしゃがんでいて下さいね」

吸いこめば急性導入で、意識こそなくならないものの体は動かなくなる。
吸い込まずともしゃがんでしまえば人型で出来ることはそう多くない。

……視界の端に、一瞬で人型を失った少年を捉えながら。
麻痺毒の生成はやがて完了する。

ヴァルトラウテ > ……なるほど。
食事の作法を知らぬ輩を躾ければよいのですね?

(理由はともかく、不埒な輩は糺すべきである
騒ぐ狼藉者を見かければ、つかつかと歩いて行って、太刀の鞘で容赦なく打ち据える
念動は相殺し、相手の攻撃は逸らした上で行っているので
見た目ほど単純な行為ではないのだが、傍目には無防備に歩いて行っているようにも見えるかもしれない)

……ここは食事の場
不心得者には御仕置きが必要ではないでしょうか

(放っておけば、問題が起きなければ同じように暴徒をひとりずつ解決していこうとするだろうか
市民だろうとなんだろうと、知ったことではない
ヴァルトラウテには暴徒は暴徒でしかない

不思議と彼女には攻撃が当たらない
そして当たらないことがわかっているかのように堂々と振舞っていた)

マティアス > プリーストの腹部をぶち抜き、なんとか無力化。
しかし暴徒達の動きは止まらない、十数名ほどこちらに向かって来ている。

(……しつこい)

地面に撒き散らしたプリーストの血液を吸収しながら、内心そう毒づく。
血液の魔力は一級品だが、味がしつこいのが難点か。

暴徒達が一斉に襲いかかるが、マティアスは動かない。
暴徒の一人がマティアスに肉薄した瞬間__流体から杭が伸び、暴徒の手首に突き刺さる。
そのまま失血で倒れるまで吸いながら、次に殴りかかったものにも杭を刺す、その繰り返し。
少し時間がかかったが、なんとか十数名全員無力化した。

東雲七生 > 「ど、どないせーって……」

飛んでくる一般客三人を見てあからさまに狼狽する。

・選択せよ・
1:テーブルみたく蹴り飛ばす
2:身を張って受け止める
3:ええいもう無視だ無視!
  ガラスとか椅子やテーブルの破片とか散らかってるけど何とかなる!

「……1で!!」

とんっ、と軽く床を蹴って跳躍した七生は。
持ち前の動体視力で三人の軌道を予測し、かつ急所を外してそれぞれ三人ともをソファや床の上に蹴り飛ばした。
飛来物が人間ほどの大きさがあれば十分可能な芸当だろうか。
少なくとも飛んでくる銃弾を捌くよりは、七生にとっては容易い。

──だが。

「……っ?」

跳躍をした事で麻痺毒の影響を受けてしまう。
流石に毒物耐性などそう都合良くあるわけも無く、再びテーブルの下に隠れるように避難して。僅かに痺れ始める手足に大仰に舌打ちをした。