2016/08/15 のログ
■加賀見 望 > 「はい、です」
小さく頷いて、メニューを眺めていく。
……先ほどまでに比べれば、体の調子はよくなっているが……
それでも、あまりたくさん食べられそうにない。
まだ喉も渇いているし、何か飲み物をお願いしようとメニューに目を通していく。
「……うんー……」
ぺラリ ぺラリ
『ニュッ』
ぺラリ ぺラリ
時折、店内の照明に照らされて出来た影から這い出た棒状の何かが、
器用にメニューのページをめくっていく
■祐樹臨助 > 「……それ異能か?器用なもんだな」
自分は何を食うかとメニューを漁っていたら、影のような触手が伸びていた。
先程も気になっていたが、中々上手に、まるでもう一本腕が生えたように器用に繰る。
魔力を集めて放出するだけの自分には、とてもとても真似できない芸当だ。
■加賀見 望 > 「……?」
言われた言葉がわからない。
ソレ……といわれて、視線を辿り……
その先にある、黒い物体に気がつく。
「えと、これは異能――じゃない、です。
これは、コルダイトで、ぼくです」
応じる様に、背後から――椅子と体の間に出来た影から、
ゆっくりとソレが這い出てくる。
長く太い銃身を腕に見立て。
細く小さな拳銃を指に見立て。
巨大な回転式弾層を胴体と見立てるなら。
なるほど、それは頭の欠けた歪な人形のように見えるだろうか。
随分と不恰好であり……周囲を気にしているのか、胴と腕の一部だけが顕現したその姿は、なんとも頼りないものではあるが
■祐樹臨助 > もっと流動的に蠢くものかと思いきや、その姿のより多くを晒せば、
ずいぶんと硬質で、無機質で———自分にとってはよく見慣れたモノをかき集めて、シルエットが形成されていた。
遠慮がちに這い出たその影は、どことなく、首を欠いた人型を模してるようにも見えた。
「半身……それが人の形を模した人形だってなら藁人形みたいなもんで……つまり魔術か?何にしても大したもんだな、俺は魔術苦手だから尚更関心するぜ」
■加賀見 望 > 「んー、と。魔術……とは、ちがい……ます?」
首を傾げて、困った様に視線を横に――
這い出た姿のまま黙然と佇むコルダイトに向ける。
「コルダイトは、ぼくだから……半身……? 半身っていう、のです……? え、っと……?」
どこか困ったかのように、自分を見て、コルダイトを見て、と
視線をさ迷わせる。
その様子からは――どこか、当然と思っていたことを問われて戸惑っている様にも、
考えてもいなかったことを考えて立ちすくむ様な、そんな雰囲気が感じられるだろうか
■祐樹臨助 > 「ふうん、もっと密接したもんか。」
マジマジとその半身とやらを見つめていたが、のぞむの戸惑った様子に気がついて視線をどかした。
「っと。なら、知り合ったばかり人間にそんな事を聞かれるのはデリカシーに欠けるよな。変な事聞いて悪りぃな」
■加賀見 望 > 「ん、んーと……えっと……?」
困惑した様子の望と違い、コルダイトはじっとその場に佇んでいる。
その様子を観察するならば――頭部がなく、当然目も存在しないはずのコルダイトから、
存在しない筈の視線が向けられている錯覚を感じるかもしれない。
こちらが観察しているのと同じく――向こうも、こちらのことを観察しているかのように。
「――あ、いえ。大丈夫、です。その、考えたこともなかったから……」
うんうんと考えこんでいたが……慌てた様に手を振る。
考えたこともなかったこと――だけれど、考えるべきこと、なのだろうか?
■祐樹臨助 > どこから見てるのかはわからないが、出先のわかる視線は特に危険とも思わず、其の人形の視線は放置した。
「のぞむにとっちゃ、当たり前に在るもんなんだろ。のぞむがそれについて不自由しないなら、考える事もねぇだろう」
それはまさに、自分たちが自分の腕の存在に懐疑を抱くような、哲学的な問題の入り口になるだろう。
コギト・エルゴ・スム、という奴だ。
その思考は、哲学的な意味はあるかもしれないが、それ以外に於いては何の意味も指し示さないと言えるだろう。
目的もなく、意義も感じないのにわざわざ袋小路に入り込む必要はないだろう、と思う。
答えの成り立たないところに問いは成り立たないのだ。
■加賀見 望 > 「そう、です……か?」
首を傾げつつ……しかし、コルダイトの指が開かれたままの
メニューをツンツンと突いたことで、その疑問は強制的にとめられることになる。
「あ、あわわわわ」
注文しかけたままだったことに気づき、思考が一気に不確かなものから明確な注文内容へと移り変わる。
その様子を見届けると――最後にチラリと臨助に視線に似た何かを向けると、
そのまま影の中へと沈みこんでいった。
■祐樹臨助 > 『……あの人形から視線を向けられてた気がする。本人の意識が朦朧としてても動いてたところを見るとあの半身には、別の意識があるのか』
人形について推測を立ててみる。
が、まぁ、特に気にする必要もない……かもしれない。
特に危険はないので、やはり放置する事にした。
「無理に食う必要はないんだぜ、食うなら食うで何でも注文していい」
■加賀見 望 > 「は、はい…………」
そのままメニューをぺらぺらとめくり……
何を頼んだのかは、それはまた別の機会に
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」から加賀見 望さんが去りました。
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」から祐樹臨助さんが去りました。