2015/07/02 のログ
■日恵野ビアトリクス > 「そうなのか……?」
首をひねる。言われてみればそうかもしれない。
いやそういう問題では無いのだが。
「うお」
突如の転移に、さすがに驚いて少し身を離す。
「なるほど、たいした腕だな。……転移魔術、ね」
些細な違和感を覚えたが、些細すぎたので口には出さない。
その次の瞬間には忘れていた。
「この格好は、まあ……一種の精神修養みたいなものだと解釈してくれ。
……おい、なんだ。犬の真似か」
嘘ではないが真実とも言いがたい、無難な返答。
一般的十代男性の体臭に加え、油絵具の臭いが微かにするだろう。
「いや。せっかくの提案だが、あいにくと乗る気はまったくない。
多分楽しいのはお前だけだろうしな」
なんの逡巡も見られない即答。1ミリ足りとも心動かされた気配はない。
ご案内:「ロビー」に光ヶ丘睦美さんが現れました。
■鈴成静佳 > そっかなー、女子寮潜入楽しいと思うんだけどなー……。
(読心術があれば「キミみたいなシャイボーイには分かんないだろうなー」と顔に書いてあるのがわかるであろう、人を小馬鹿にしたような表情を浮かべる)
なるほど、精神修養……むぅ。何のためのだろうなー。異能とかかな、魔術かな……。
(頭を巡らせるが、似合わぬ……というほどでもないが好まぬ女装を続ける精神的修行は思いつかない)
フフッ、人に会うとつい匂いが気になっちゃう体質でね~、ごめんね。
……ん、この匂い……塗料? あー、懐かしいなぁ……故郷でよく日曜大工やったっけなぁ。
ビアトリクス君は絵を描くの?
■光ヶ丘睦美 > 階段を降りてきた、上下ともにBMとロゴの入った蛍光プリントの長袖ジャージの人影が、ロビーにも人が居ることに少しだけ動揺する。
廊下を右見て、左見てと確認してから、二人に声をかけた。
『……ちょっと、ランニング行ってくる』
本人からすれば今日受けたばかりの幻術のテストで合格点を頂いた変声術である、ポニーテールもそこまで目立つとは思えない。
手元のベージュの可愛らしいハンドバッグを除けば。
そのまま正面玄関に向かおうとしたところで、
「っと、こっちじゃなくて…」
慌てて踵を返すとロビーを通って裏口に回ろうとした。
■鈴成静佳 > あ、はい、こんにちわ。気をつけて~……。
(唐突に声を掛けられ、まるで住人の1人であるかのように返答する侵入者)
………ううん? あの子、なんか会ったことあるような、ないような……?
(嗅いだことのあるような匂い。女子の気配。さりとて、声は男子のそれだ)
ちょっと、そこのポニーテールさん?(呼び止める)
■日恵野ビアトリクス > 「あのなあお前、男をみんな似たような生き物だと思ってないか」
バカにした表情には心底うんざりした表情と声で返す。
「いろいろだよ、いろいろ」
絵を描くのか、と訊かれて。
「ああ。一応美術部に入ってる。普段のかっこうで油絵やったら臭いがうつってね……。」
現れた新しい人影に目をこする。あれ?
「……ここ男子寮だよな」
思わず自信がなくなって、隣の静佳に聞いてしまう。
■光ヶ丘睦美 > 「ごほん、『あー、何か買ってくるものでも有るのか…』……は?」
自分の状況も忘れて相手を観察し返す。
目を細めて横に座るスカート姿の人と顔見知りの間を何度か視線を往復させた後に、
「……何やってるんですか師匠?この子を彼氏のところに連れてきたとか?」
指をビアトリクスさんの方に向けながら、鈴成さん…師匠へ問いかける。
■鈴成静佳 > えー、女子寮潜入って男子の夢じゃないのー?(漫画知識であろう)
……そっか、ビアトリクス君は美術部なんだねー。今度絵を見に見学に行ってみようかしら?
………?
(顔立ちをはっきりと確認すればさすがに静佳でも思い出す)
あっ! アンタ睦……(叫びかけるが、すぐに口を閉じ、露骨に顔を寄せる)
……あの子はここの寮の人よ。睦美ちゃんこそこんなところで何やってんのよ?(ひそひそ)
まさか、階段の上から来たってことはアンタ、まさかそんな、テスト期間中に……(ひそひそ。静佳の顔がゆがむ)
■日恵野ビアトリクス > 「じゃあぼくは男子じゃないのかもしれないな」
ジト目で冷たく言い返す。
「部室は閑散としてるけどな。部員少ない上に幽霊が多くて
見に来てもつまらないぜ。
それでも来るなら、まあ茶ぐらいは出すけど」
「…………」
声が男のものだったからスルーしかけたがやはり女性だ。
なぜ自分は男子寮のロビーで女性二人に挟まれているのだろう。
普段から不機嫌そうな顔の眉間にしわが寄る。
「師匠ってなんだよ……?
ぼくにもわかるようにこの状況を説明してくれ」
かえりたくなってきた。
■光ヶ丘睦美 > 二階からちょうど扉を開く音と声がして、睦美は背筋を震わせるとソファに腰掛け(廊下からは背中側が見えるように…対面ではなくビアトリクスさんの隣に)
『いやいや行きたくないとかないわー、やっぱ女子寮には一度入ってみたいと思うもんだよ、女子が風呂あがりにうろついてるんだろ?裸かもしんねー』
必死で会話を合わせようとした。
「……な、なるほど。こちらの方は男子寮の方、なんですね。思わず隣りに座ってしまいましたが光ヶ丘睦美です、どうぞよろしく見捨てないでください」
今立ち上がったら困る、とプレッシャーを掛けていく。
「私は昨日頼まれたものをこっちの先輩に渡しに来たんですよ…!怒るんだったら私じゃなくてそっちのカップルにしてください!」
ヒソヒソ声で、力を込めて反論する。
■鈴成静佳 > (ジャージ女子2人に囲まれるスカート男子の図は大変に滑稽であろう)
もう、男子じゃないなんてそんな淋しいこといわないの!(頬を膨らます)
男子は男子でしょ、もう少し欲望に忠実に生きたほうがいいッスよ~?
(女子に囲まれ慌てるスカート男子の本心など知らない)
なんなら、アタシをモデルに絵を描いてみる? 安く脱ぐよ! フフッ。
……あ、この子は……(自分から名乗ってるのを見ると、とくに身分を隠す意図がないんだと察し)
うん、睦美ちゃん。アタシのレ……レ……ズッ友だよ!(歯切れの悪い紹介)
で、なるほど渡すものがあったのね。しかしアタシでもロビーより先には行く勇気なかったのに、睦美ちゃんは度胸あるわねー。感心だわ。
なに、何か話を合わせることとかあるの?
(ビアトリクスさんを挟み、3人にしか聞こえない声量で意思疎通。身を乗り出しているためビアトリクスさんはなかなか立てまい)
■日恵野ビアトリクス > 「お前いいかげんにしろよ……。
言われずとも欲望にはそれなりに素直なつもりだ。
……なんだそりゃ露出癖でもあるのか? 悪いが金もらってもお断りだ」
徐々に声に隠し切れない怒りが滲んでくる。
ビアトリクスは淫蕩な人間は男女問わず嫌いだった。
「ははあ。ぼくは日恵野ビアトリクスです。
ズッ友……ね。ふうん」
ハイライトの失せた目で空疎な声を出す。
まだ状況が飲み込めていない。
なんだ……ぼくは何の罰を受けたんだ。
そもそもなぜぼくはここにいなくてはならないんだ……?
顔が青くなってくる。女子に挟まれてドギマギ的なアレとは明らかに違う方向性。
とりあえず、缶の紅茶を一口。あ、不味いこれ。失敗した。
■光ヶ丘睦美 > 「あ、絵を描かれるんですか?じゃ、今度私もぜひ伺いますね。…そうそう、私に頼み事が有れば尚の事嬉しいですよ、師匠みたいに脱ぐのはちょっと困りますけど」
当人を挟んで会話が投げ交わされていく。
「え、話しちゃまずかった感じなんですか、この人も共犯者で師匠を男子寮に手引していて、すでに何らかの報酬が約束されているとかではなくてですか…?」
高まる風評被害。
「いえ、私は知り合いでもなければ幻術でばれないと思いますけど」
妙な自信。
「……万に一つも、試験期間中に手枷と首輪を買い込んだなんてことがバレたら依頼者の先輩がかわいそうかな、と」
「ちなみに私、他人の欲望が見えますから変なこと考えないでくださいねビアトリクスさん。よろしくお願いします。」
歪んだ方向性は何処へ行くのか。安息の場所男子寮は何処へ行ってしまったのか。
■鈴成静佳 > あら、そう……。
(怒りを感じると、さすがに静佳も退く。肩をすくめて身体を引き、ソファの背もたれに戻した)
(そして静かに立ち上がり、改めて睦美さんの横に座り直す。ビアトリクスさんを挟む形を解いた)
……ま、欲望に素直になるっつっても出し方は人それぞれだからね、うん。
でも、それならますます、絵を描いてるとこ見てみたくなったかも。(緊張をほぐすように、優しい笑みを向ける)>ビアトリクスさん
アタシは暇つぶしにロビーでくつろいでいただけよ。人間観察。
ちょっとこのビアトリクスくんには嫌われちゃったみたいだけどねー。やれやれ。(鼻をフンと鳴らす)
……って、手枷と首輪??(思わず大声を出しそうになるがこらえる)アンタなにアブノーマルな頼み聞いてんのよ!
そんなことを女子に頼む奴がこの寮にいるんだ……こわ……。な、なんか怖い雰囲気するから深入りはよしておくわ……うん。
(生唾を飲み込み、目の前の少女に改めて畏敬の念を感じる)>睦美さん
■日恵野ビアトリクス > “脱ぐのはちょっと”“師匠を男子寮に手引”“手枷と首輪”
そんな不穏なフレーズがビアトリクスの耳に入る度に
一段階ずつビアトリクスの眉間に刻まれたしわが深くなっていく。
しかし静佳が位置を変えると、安堵したように息をつく。
顔色も少しはよくなったように見える。
「……助かった」
「ぼくはどうやって穏当にかつ後腐れなく
ここから立ち去るかしか考えてないが……」
もし睦美の異能でビアトリクスの欲望を覗いたなら、
その言葉以上のものは確認できないだろう。
実際、この二人に劣情のたぐいは一切覚えていなかった。
「……さっきは別に男女格差は気にしないとか言った気がするが、
やっぱり警備強化したほうがいいんじゃないかなこの寮」
心からのコメント。
■光ヶ丘睦美 > 「……?」
師匠が回りこんできたのを見ると、首を傾げながら体を引き、視線が通るようにする。
少しとは言わず、異能で見えない感情に関しては明らかに鈍い。
「いえ、頼まれたので買ってきただけですし、昨日渡せなかったのでこっちに来ただけですけど……そうですか?」
極めて普通の事のようにつぶやきつつ。
「ええと、その…何か気に触ったんでしたら謝りますが、出来ればもう少し居てもらえると助かるんです」
横目で自らの異能を確認しつつ、今度は時計を確認した上で、ビアトリクスに睦美は真面目な表情でお願いをした。
「さっき先輩に聞いていたんですが、毎年テスト期間中くらいに抜き打ちで密かに点検が入るらしくてですね、出るにも…ちょっと難しい時間帯なので。」
■鈴成静佳 > 別にいいじゃーん、ロビーに入るくらいは。(口をとがらせる)
睦美ちゃんみたいに部屋に上がり込むとかするのは確かに問題あるかもね。でもそれも、寮の男子に招かれてとかならいいんじゃない?
ま、でもアタシは男子の味方だからね、警備については生活委員に口聞いておくわ。フフッ。
(冗談半分にコメントに同意する。ホントに上申するかどうかはさておき)
……なんだ、口が強いわりに意外と女子に耐性がなかったようね。ごめんね、挟んじゃって。>ビアトリクスさん
いやー、手枷や首輪はなかなかの危険物ッスよ。アタシじゃ持ち歩くのも恐れ多いし男子寮に持ち込むなど……。
睦美ちゃんって強い子だねぇ、フフッ……(女子寮の風呂での経験を思い出すと汗が伝う。たかが剃毛であそこまでエキサイトしようとは)
……って、点検!? アタシ聞いてない! やばっ……潜入してる場合じゃなかったわ……こわ……>睦美さん
■日恵野ビアトリクス > 「女子に耐性がないって言うか……」
言葉を一度区切り、紅茶に口をつける。
「……苦手なんだよ。性的なあれそれとか、男女のあれそれとかの話を
あけすけにされるのが」
ふう、と嘆息。最近ためいきばかりだ。
「点検……ね。
まあ、居てやるくらいは構わないが」
まじめに頼まれてしまうと引き受けてしまいたくなるぐらいには人がいい。
自分がいることで何ができるのかはいまいちわかっていなかったが。
■光ヶ丘睦美 > 「あくまでも頼まれごとですし、ちょっとお茶を頂いただけですってば。…私の友達と付き合ってることもありますし、ちょっと相談にも乗りましたけど。でも、帰ろうとした時に点検の話も教えてくれましたし。『俺が誤魔化すからもう少し居なよ、ルームメイトも戻るの遅いからさ』って。」
師匠にツッコミを入れたところで、
ビアトリクスさんの言葉を聞いて段々と顔を青くしながら椅子を降りると床に両手をついた。
「大変申し訳ありませんでした…っ」
「……私も"頼まれごとじゃなかったら不可能"ですよ。ノーストロングです。」
青汗をかきながらぶつぶつと言っていたが、
「いくら点検官がええと…風紀?委員会?だとしても、玄関か裏口から入ってくる誰かのはずですから、誰か入ってきたらテストに怯える男子三人組のふりをしてやり過ごして、その後出れば大丈夫なはず、です」
話題を変えた。偽物二人よりは本物が一人混じったほうが良い。古事記にも書いてある。
■鈴成静佳 > ふーん、苦手かぁ……。純情だねぇ、ビアトリクスくんは。フフッ。
アタシゃもう汚れきってるからねー。(自嘲するような口調。その表情の中に、わずかに寂しさがちらついたように見えたかもしれない)
ま、アタシはこういう生き方が楽しくてやってるけどね、キミが嫌ならしないよ。フフッ。>ビアトリクスさん
なによー睦美ちゃん、匿ってくれるって誘いを断ったの? もったいなーい。(羨ましそうな視線を向ける)
話に乗ってそのままお泊りとかしちゃえばよかったのにー。フフッ。(このへんのセリフはビアトリクスさんにもギリ聞こえない程度の小声で)
まぁこうなっちゃった以上は、女子だけで居るよりは寮の子が1人はいたほうが不自然さは消えるわね……。
不自然さは……(その唯一の寮生がスカート姿であるが)。
って、何土下座してるのよ、そ、そこまでする必要はないでしょ?>睦美さん
■日恵野ビアトリクス > 「いや……そんなに大げさに詫びなくてもいいよ」
土下座されても腹がふくれるわけでもないし。
「だいたい分かった。ぼくにその役が務められるかは怪しいが……
あとでなんか奢ってくれよ。それで許す」
ということはつまりその誰かが入ってくるまでこの二人と
一緒にいなくてはならないのか……と気づき、少し憂鬱に。
「ま、ぼくが男性だってのは寮の関係者なら周知のはずだし
なんとかなるだろ……多分」
「純情」
静佳の言葉に、ハッ、とせせら笑う。
はじめて見せた不機嫌や怒り以外の表情だったかもしれない。
「安心しろよ、潔癖だが別に綺麗なわけじゃない」
■光ヶ丘睦美 > 「ふ、ふぅ…ゆ、許してもらえそうなら何よりですね。」
声を聞くと、ゆっくりと頭を上げて体を起こした。
「あ、もしかして紅茶お好きなんですか?もう一本買ってきます?」
「んー、まあ何といいますか。好みじゃなかったんですよ」
曖昧な表情。先ほどまで例の先輩について語っていた時の『困った人なんですよね』といったそれとは違って、自分でも答えに困っているような言い方だった。
「それはさておきますと、私こうして世間話するの学園に来て以来久々なもので、ちょっと勝手を忘れ気味でして」
「……そこまでする必要ない感じでした?」
割と真顔で。
■鈴成静佳 > (綺麗じゃない、という言葉に静佳の眉間に皺が寄る。相手が違えばそこの詳細をほじくり返したところではあるが……)
……いいじゃない、潔癖ならそれで。綺麗かどうかと、綺麗さを求めるかどうかは別の問題ッスよ。
アタシが言えたことじゃないかもしれないけどね。好きこのんで汚れを求める人なんてそうはいないよ。
そう、アタシが変なヤツなだけッス……(むすっとした表情で、ペットボトルの底に残った紫色の水滴をすする)>ビアトリクスさん
おお、睦美ちゃん意外にズバッと言うねぇ。ま、好みはあるよね~。
(直球な物言いには再び笑みを浮かべ)
アタシは結構ストライクゾーン広いって自認してるッスけどね。
抜き打ち点検が終わるまでここで時間潰す必要があるなら、ほら、無理に世間話する必要もないッスよ。
勉強してるか、勉強してるフリでもしてれば……ねっ。(腰に下げたバッグから教科書を取り出しつつ)>睦美さん
■日恵野ビアトリクス > 「紅茶……はいい。じゃあカルピス買ってきて」
紅茶自体は好きでも嫌いでもないがさっき買ったのは失敗だった。
匂いが強すぎる。
「そうか、そりゃ安心したよ。
ぼくだけが一人おかしくなったのかと思ってしまった」
静佳の言葉に、くつくつと愉快そうに笑う。
「でも、汚れているのに綺麗なものを求めるなんて、
分不相応だとは思わないか? ……なんて、ね」
皮肉げに目を細める。
「にしても、なんか変わった女性とばっかり関わってる気がするな……」
缶を片手に、天井を見つめる。
ぼんやりとひとりごちて、最近知り合った女性を思い返す。
空飛ぶ女。格ゲーキャラ。美人退魔士。そして淫売式典副委員長……etc。
加えてこの二人である。
■光ヶ丘睦美 > 「そうそう、好みです、好み。」
否定もできないのでそのまま曖昧に相槌を打つと、釣られて自分もカバンをゴソゴソと漁るとレジュメと過去問を取り出した。
「そうですね、勉強してたほうが良さそうです。ちょうどよく頭も下げていられますし…バレにくくなるの大事ですからね…」
「明日って言うと、召喚術とか……社会環境論とか、法学とかでしたよね。過去問ありますよ。"要ります"?」
いつもの…教室での様子と同じように、頼み事をせびった。
「カルピスですね、わかりました。あ、過去問選んでてくださっていいですよ、ただ使うときに声をかけてもらえれば。」
頼まれた途端に顔が少し明るくなる。…他人の頼み事で力を得るのも、異能の内だ。
てこてこと歩いて、無事にお使い終了。所要時間一分。
「はいどうぞ。」
(私はべつに何を求めてもいいと……そういえば先ほど例外がありましたね)
失言の多さを自覚し始めると、今度の発言は心中に流し込んで埋めた。
「えー、普通ですよ普通、わた…『僕達こうして試験勉強までしてるんだ、全員して真面目な学生極まりないだろ。』」
人の気配がしたのか、筆記具を取り出しながら声音を変える。あげく、発言にビアトリクスまで巻き込んだ。
■鈴成静佳 > アハハー、そんなに変わった女性いっぱい居るんスか?(自分の会ってきた女性を思い出すが、静佳は変態ゆえに「変わった女性」という感覚にピンと来ないようだ)
常世島は広いッスね~。んふふ。
……んー、まぁ、分不相応なんてことはないと思うッスよ。
ビアトリクス君のいう「汚れ」がアタシにはどういうのかは分かんないけどね。アタシと重ねるのも失礼かもしれないし。
キミはもっと自信を持ったほうがいいと思うッスよ。分不相応だとか言って逃げるのは勿体無いっしょ。
ただ、難しさはあるんじゃないかな、ってのは、アタシも最近思う……(やや曇った顔で俯く)
(快楽を求める汚い自分が、恋にときめく美しい瞬間に憧れる。実は分不相応だったりするだろうか?)>ビアトリクスさん
お、過去問まで持ってるの? ちょっと見せてもらおうかなー。アタシは自信あるけどね、だから遊びに来てるわけだし……。
(席を立った睦美さんの荷物をごそごそと漁る)
……フッ、まったくだぜ。オレたち仲良し三人組で首席取って卒業するって誓ったもんな!(野太い声色で応える。幻術ほど精巧ではないが男っぽい声も出せる)>睦美さん
■日恵野ビアトリクス > 「あ、どうも……」
飲み下した紅茶の缶を、カルピスに持ちかえて飲み始める。
こっちは問題ない味だ。
(……頼まれたり奉仕したりするのが好きなのだろうか?)
静佳の答えに、表情を凪にする。
「そうだな。……別に、資格が必要な話でもないかもしれない。
でも、汚れた手で綺麗なものに触ったら、
それはもう――」
その先は言わない。少ししゃべりすぎたな、と反省。
変わった女性というか、女性とばかり知り合っているからかもしれない。
とか考えていたら、
「真面目な学生だったら今こんなに慌ててつめ込まないだろ?」
睦美の調子が変わったのでそれに合わせてやる。やれやれ。
■光ヶ丘睦美 > こそこそっと囁くように、反論する。
「わ、私だって自主勉強会出席率は1位ですからね、自信はありますよ」
「でもですね……私の頼みを聞いてくれる人ってそう居ないですから!」
「こうしてビアトリクスさんと師匠が付き合ってくれることが結構嬉しいんですよ。」
ペンを握ると、何度か解いたことのある過去問を解き始めた。大まじめに。明日の試験に再起をかける学生らしく。
『二人とも、ありがとな。』
■鈴成静佳 > 完全無欠にキレイな人なんて、いないッスよ。一点のシミもない人なんて。
(口どもるビアトリクスさんに、静佳も小声で応える。聞こえるか聞こえないかくらいの声量)
だから、そんなに怖がっても仕方がないッス。その汚れが、相手の人生にいい影響を与える可能性だって、きっと……。
(汚れきった自分がいま幸せかと問われたら、幸せであろう。人生万事塞翁が馬である)
(とはいえ、ビアトリクスさんへの干渉に躊躇してる自分もいる。駆け引きといえば聞こえはいいが、自分もまた彼を傷つけるのを怖がっているのだろう……)
……フッ、オレたち友達だろ? オレはもうテストは余裕だけど、お前たちの面倒を見なくちゃな!
(弱気を振り払うように、再び声色を張り上げる)
(と言っても実際は過去問はありがたいものであった)
(そのまま、ロビーで勉強しつつ点検の動向を見守り、落ち着いた頃に帰っていく静佳であった)
ご案内:「ロビー」から鈴成静佳さんが去りました。
ご案内:「ロビー」から日恵野ビアトリクスさんが去りました。
ご案内:「ロビー」から光ヶ丘睦美さんが去りました。