2016/05/23 のログ
ご案内:「部屋」に山吹 冠木さんが現れました。
ご案内:「部屋」にRK-4610さんが現れました。
山吹 冠木 > 明るく照らされた寮の中を、スリッパを小さく鳴らしながらゆっくりと歩いていく。
たまの休日ということで時間潰しも兼ねて商店街まで買い物に出ていたが、寄り道した先で思わぬ掘り出し物を見つけ……
気づけば、結構な時間を取られてしまっていた。

「片付けに、洗濯物も畳んでおかないとなー……」

食事までは余裕があるとはいえ、しなければいけないことはそこそこにある。
さてどうしたものかと思いながら、部屋まで足を進める

RK-4610 > 部屋にたどりつき自室のドアに手をかけたならば中からがさごそと音が出ていることに気付くだろう。
かといってとびらが破られたような形跡は見られない。

よくよく見れば玄関先に紙吹雪のようなゴミがちらちらと見える。

山吹 冠木 > 「……………………?」

扉に手をかけ……そして、予想外の事態に思わず動きが止まる。

耳に響くのは室内で何かが動く物音。
目にはいるのは何故か玄関先に散らばったごみ。

まさか泥棒か……?
いや、ガンロッカーもあるから鍵は念入りに確認した。

風紀委員の抜き打ちでの見回りか?
だとしたら寮が静かすぎる……もっとざわつくだろう。

まさか、野生の動物が入ったわけでもないだろうが……

「……誰だ!?」

念のために鉈の鞘に手をかけながら、扉を勢いよく開らいた。

RK-4610 > 扉を開ければいつかみたメイドがベッドメイキングをしている最中であった。

見回せば軽く散らかっていた部屋は見事に整頓され綺麗に掃除されている。
キラーンという効果音が脳内を駆け巡ったかもしれない。

さらにベッドのそばにはやろうと思っていた洗濯物がたたんでつまれ
それにならんで秘蔵の本が所在なげに積まれていた。

表紙にはご奉仕しちゃうぞの文字。

「お帰りなさいませご主人様」

声をかければ居住まいを正しぺこりと頭を下げる。

「おめでとうございます
 ご主人様はモニター登録に当選いたしました。
 虹彩認証を完了
 これからよろしくお願いいたします」

頭を上げればなぜかボタンの代わりに首元をとめる安全ピンがきらりと光った

山吹 冠木 > 「……あ、なに……? メイド、さん?」
流石にこれは予想外だ。

部屋に帰ったらメイドさんが掃除とベッドメイキングをしていたなど、
予想できる人間が居たらソイツは予知の異能持ちに違いない。
生憎と自分にはそんな便利な能力はないが。

荷物を抱えて室内に入るが……

目の前のメイドさんの優雅な一礼と、
それを追って揺れる髪とカチューシャ。
その優雅な所作と、人形のように綺麗な顔立ちに思わず
視線が奪われ……そして、メイド服の首もとで光る安全ピンに目がいく。

メイド服。安全ピン。

二つの要素が、先日の出来事を思い起こさせた。
商店街で出会ったあの不思議なメイドさん達のことを。

「懸賞かモニターか何かは分からないが、あんたまさかあのと、き、」


そこで、視界のはしにあるものが捉えられた。

畳まれた洗濯物。

となりに積まれた本。


表紙に書かれた「ご奉仕しちゃうぞ」の文字。


固まってしまうことを誰が笑えるだろうか。いやむしろ笑え。

RK-4610 > 「はい。一度別件にて面識がございます
 学園より懸賞の形式でメイドの実地研修モニターを募集しておりました。
 お申込者はご主人様の御祖父様、御祖母様です」

背筋をぴんと張り姿勢正しく。

エロ本を見つけられたあげく綺麗に整頓され並べられた青少年の気持ちなどわかるべくもなく。

山吹 冠木 > 「……………………あ、あ、うん、そか。
あの時のメイドさんか……元気そうでよかった。」

短時間で硬直から復帰したのはかなり頑張ったと思いたい。
そして何故ここにいるのかも分かった。
故郷のじいちゃんばあちゃんが頼んだわけか……
サプライズという意味では、これ以上ないほど驚いた。

「えーと、な……」

首もとの安全ピンが気になるとか、何をするのかとか色々聞きたいことはたくさんあるのだが。だが。

「…………」

話題を避けて通そうとしても、どうしても避けられない存在感がそこにあった。

「……その本…………見た?」

何て聞けばいいのか誰か教えてくれ。
思春期にはあまりにも難しい問題だった

RK-4610 > 「…… 『いかがですかご主人様』『すごい……すごいよこれ』『あっ そんな そこはダメですご主人様』―――」

中身をそらんじはじめた。
いつもの平坦な声音よりは熱が籠もっているような気もするが
質問への答えは言うまでも無いことである。

ジット見つめながら音読。
その手の趣味のヒトは喜びそうである。
表情が変わらないのをのぞけばであるが。
むしろその冷めた視線に青少年の心はバッキバキかもしれない。

山吹 冠木 > 「おおおおおおわあああああああああ!?」

内容をつらつらと諳じはじめたメイドさんに
今だかって出したことの無い速さと身のこなしで近づくと、
柔らかく動く口を塞ごうと慌てて手を伸ばした。

ある意味貴重な体験と経験だろうが、
ただでさえ危険な状況に加えてメイドさんにメイドさん本の内容を音読されるなど追い討ちにもほどがある。
視線がどこかジトッと感じられてさらに辛い。

「分かった! 分かったから止めてくれ!!」

RK-4610 > 「『ああいけません私はメイドです。それ以上は―――むぎゅ」

勢いよく飛び込めばそのまま口をふさがれそのままの勢いでおされる。
感覚としてはメイドは見た目よりもはるかにずっしりとしており壁にでもぶつかったかのような印象だろう。
一部とても柔らかいが。

勢いのまま冠木が怪我をしないようにしっかりと守り自分がクッションになる形でやんわりと押し倒される。

「いけまへん ごしゅじんはま……」

下から見上げる形でもごもごと答えた

ご案内:「部屋」にカミューさんが現れました。
ご案内:「部屋」に相楽 満さんが現れました。
カミュー > 「どうした!で、ござ…る、か…。」

悲鳴を聞いて駆けつける女騎士。女騎士?
まあカミューは男子寮に普通に居るので知っていてもいいし、知らなくてもいいかもしれない。

何かあったのかといきおいよく駆けつけてきたものの。
その場の光景を目撃して困ったようにその声は尻すぼみになった。

ええと…みたいな顔している、かもしれない。

相楽 満 > 「なんだなんだー?」

ひょこ、と顔を出した。
廊下に居たのか部屋に居たのか、どっちにしても声が聞こえて。

ちなみにこいつの彼女、以前ひどいことをされたらしい。
のでまぁ、メイドの口を塞いで押し倒してる姿を見て。

「……ブッ飛ばすか」

とか思っても仕方ないよね。
扉の横がトンデモ握力で砕け始めた。
このままでは入り口が広がってしまう。

ご案内:「部屋」に柴木 香さんが現れました。
柴木 香 > 「わふ?」

騒動を聞きつけて犬まで来た。豆柴だ。
…………どうしよう、って顔で見ている!というか部員部屋の破壊はまずいよやめようよ。
と部員の足かりかり。

いや、なんかいろいろ気持ちはわかるけど。

山吹 冠木 > 「ほんとにそれ以上は止め……むぐっ!?」
メイドさんの口を手で塞ごうとして、勢い余ってそのまま倒れこんでしまう。

最初に感じたのはずっしりとした物に当たる感覚と、
そして柔らかく……一部特に柔らかかったような……
自分を受け止めた何かが、体の下にある感覚。

押し倒したんだか抱き締められているんだか分からない状況に
思考が止まりかけるが……

「…………」

背後から感じる複数の気配に、何とか振りかえり……
頭を抱えたくなった。
ある意味では、すでにかかえられているが。

柴木 香 > 「わふー……?」

はてさてどうしよう。と首がかくんと回る。
双方悪意はないから、どうぞお楽しみになって、でいい気はする。
部員の足かじかじ止めつつ。

まぁ、面白いしいっか。部員が部屋壊さなければ。

RK-4610 >  
「ご主人様?」

ひどい脂汗をかいてそうな顔だ。
エプロンドレスの懐からハンカチを取り出すと額をトントンし汗を拭う。

そして気付けば人だかりである。

「いらっしゃいませお客様」

渦中にありながら気にした風もない返答
とおもいきや

「どういたしましょう?ご主人様。
 再開なさいますか?」

となんとも解釈できそうな言葉を言い放った。

カミュー > 「…ぶ、武士の情けでござる!」

なんか変な言い訳で山吹くんをフォローしつつ、
後からきた二人…まあ、わんこまで気にしているかは謎だが、その視線をブロックするように手を振り回す。

「とりあえずこのまま押し入っては収拾がつかなくなるぞ。
野次馬を集めたいわけじゃないだろ。見世物にする気か?」

扉を壊そうとする相良君の手を引き剥がすようにしつつ、そう説得しながら。


「…とりあえず中にはいって扉を閉めるか、出て行くか決めようでござる。」

いらっしゃいませ、と言われてどうするか、みんなに聞いた。

相楽 満 > 「いやー悪い奴はたんこぶ十段重ねにしてから風紀に送りつけないと」

ミシミシ壁が言ってる。
だいぶヤバいかもしれない。

「……よっしゃ、じゃあ中入るか。
 悪いこと出来ないように見てないといけないよな?」

な? といつもよりだいぶキツめの目つきでカミューちゃんを見て。
足元の部長を片手でつまみ上げようとする。

柴木 香 > 「わふー……」

ぷらーん。つまみあげられつつぱたぱた前足が空を掻いている。

山吹 冠木 > 「…………ありがとう……」

魂が抜けたような声でメイドさんに応えつつ、
額に触れる微かにくすぐったい感触に、気分が少しだけ落ち着く。

「…………おいそこの。部屋壊すなよ……
少なくとも、犯罪になるようなことはしてない……」
一周回って半ば自棄になったのか、
メイドさんを床から抱え起こしつつ、力ない視線を玄関に向ける。
普段なら敬語を考えるところだが、その余裕はあまりない。
そして、これだけは言わなければならない。

「……音読はもう止めてくれ……見られたのは分かったから……」

綺麗に掃除された部屋。
部屋にきちっとおかれたある本。
音読。

このまま倒れてしまいたいが、そうも言えないだろう。
状況は変わらないし

RK-4610 >  
「かしこまりました」

助け起こされるとすくっと立ち上がり待機ポーズに入る。
背筋はピンとしておりりんとした雰囲気が戻ってくるだろう。

「お客様にお茶をお出ししましょうか?」

おそらく友人たちであると推測した上で提案する。

カミュー > カミュー > 「どうみても同意の上でござる。
冷静になれないなら無理やり追い出すが、いいでござるか。」

びしっ、と積み上げられた書籍の束を指差して、そう相楽くんが暴れないよういい含める。
さらにいえばここで中に入るとその、そう言うことの邪魔になりそうだが…
まあ、そこまではいえないだろう。

中に入るかどうかをそれぞれ確認し、扉を閉めようとする。

「とりあえずこれ以上見られるのは不味いでござる。
一応男子寮で…まあ、男子寮であるわけだし。あー、お茶まではいいでござるよ。」

しょっちゅう女子が入ってきているような気がカミューの記憶ではあるが、
建前は大事。
というかカミューの入った理由的にはあんまりゆずれないとこであった。

そしてお茶は断っておく。長居するのも不味いだろう。
そのあたりでつい山吹くんをちらっとみたりしてはしまうが。

柴木 香 > 「わふー。わふっ。」

あ、そういえば初めまして、と。犬語で。犬語である。
ぷらーんとゆられながらくるくると視線が動く――うん、やっぱり同意の上か突発的な事故?
その視線が一点にとまった。

「……わふ?」

綺麗にたたまれた洗濯物の横に置かれた本。
ご奉仕しちゃうぞ?メイドさん?なんだろう?

かくん。

相楽 満 > 「そういう状況に持ってく男も居るかもしれねーからな」

額に青筋ブッチンくっつけて、ビキビキ音がしそうな顔で見下ろしてる。珍しい。

とはいえ暴れないように落ち着いて、頭の上に部長を乗せる。

「あー、俺もお構いなく。
 何してたのか簡潔に教えてくれりゃすぐ帰るかしょっぴくか決めるから」

ふんす、と鼻から息を一つ。

柴木 香 > 「くぅーん?……わふ。わふ。」
4kgくらいなら部員には多分軽い。
部員の頭の上でのてーん。としながら、前脚でぺちぺち。
あれなに、あれなに、と本の存在を主張する。

山吹 冠木 > 「…………」
気遣いが嬉しいような、誤解が悲しいような。
嬉しさと悲しさが同居したらこんな感情を抱けるんだなと、
知りたくもなかった成長ができた気分だ。

多分明日にはメイドフェチとして広まっていることだろう。

騎士姿の男子…………男子。確かカミューと言っただろうか。
話したことはあまり無いが、軽く頭を下げる。

「悪い。迷惑かける……扉は閉めてくれたら嬉しい」
ビシィ!! と指差された本に、心の中でさめざめと涙は流しておく。
少なくとも見られて嬉しい趣味はない。

「……多分、お茶会とかそういう用事で来た訳じゃないだろうし、大丈夫だろ……」
メイドさんにそう応えつつ、
小さな……あれは豆柴犬だったろうか。何故寮にいるかは分からないが……
を撫でようとして、それをつまみ上げた相手に視線を向ける。

かなり怒っているらしく……
逆の立場なら自分もそうなるだろうが……
腕力で扉に皹をいれている。それを制してくれたカミューには重ねて感謝しないといけないだろう。

「……部屋に帰ったらこのメイドさんがいて、
あー……あの本を見つかって、だな。
読んだか確認したのを止めようとしたらこうなったんだよ」
所々は言いづらいし信じがたいが、事実だから仕方がない。
視線を受けつつ、傍らに立つメイドさんに視線を向ける。

「……えーと。間違ってない、よな」

RK-4610 >  
「かしこまりました」
必要ないと言われれば台所へ向かおうとした足を止める

間違っていないかの問いには

「はい 相違ございません」

と答えぺこりと一礼した。

その後はドタバタでちらかった部分をてきぱきと掃除していくことだろう。
メイド本も含めて。

カミュー > 「ふむ…連れ込んだかどうかは、入寮記録を調べれば…
…あのメイドがすり抜けてさえ居なければ、証明できるはずでござるな。」

よく見るとなんで玄関にクラッカーのごみがちらばってるんだろう、と思いながら。
座る場所を探す。

「本人もああいっていることだし…納得したでござろう?」

相良君に振り返って。

相楽 満 > 気にしなくていいから、みたいな感じで部長の目の前で手をぱっぱっと振る。
そして山吹の説明とメイドの答えを聞いて、むぅんみたいな顔をする。

「……まぁ嘘じゃねーならいいや。
 壁壊してごめんな」

若干むすっとした顔だが、なんとか納得したらしい。
部長を再びつまんで足元に置き、部屋から出ていくだろう。
多分ドアちゃんと締めて。

柴木 香 > 「わふー……」

結局あの本はなんだったのだろう。かくん。
気になったので仕方ない。
メイドさんが片づけている横の本をぱくりと咥えて。

「くぅん、わふ、わふぅ」

ぺこり、と何やら頭を下げて。無駄に礼儀正しく。
部員の〆かけたドアの間をするりと抜けていく。
意外とすばしっこい。

ご案内:「部屋」から相楽 満さんが去りました。
ご案内:「部屋」から柴木 香さんが去りました。
山吹 冠木 > 「……後で直すの手伝えよな」
冗談を軽く言いつつ、相楽に気にするなと告げる。

入寮記録、というカミューの言葉については……多分あるだろうと思うしかない。
それでなくても、メイドさんが通ったなら誰かしらは気づくだろう。
なんてことを考えていたら、相楽の頭の上にいた豆柴が器用件の本をくわえて外に…………

「っておい!?」

随分と器用で礼儀正しく強奪された

RK-4610 >  
「あら……」

柴犬が本を咥えてするするとわきを通り抜ける。
とてもすばやくつかまえられない。

「あらあら」

そのままくるくると翻弄されるだけされて逃げられてしまった。

カミュー > 「しかしそのメイドをどうするか…
えっ、あっ!?」

座りかけな不安定な姿勢の足元を豆柴に通り抜けられてバランスを崩す。
位置関係的に扉と山吹くんの間にいて、山吹くんが扉のほうを向いていれば…
おそらくそちらに倒れこむのではないだろうか。

ぽふん、と
ささやかな胸で彼の顔に飛び込んだ。

山吹 冠木 > 「おいおい、大丈夫か?」

翻弄されるメイドさんに軽く手を伸ばしながら、
かけられた言葉に応じようとする。

「事情は聞いてるからとりあえず……むぐ!?」

そのまま、ささやかな膨らみを顔で受けることになった。
さっきも似たようなことがあったような……と一瞬考えるが、
慌てて身を離す。

「と、と。わ、悪い。大丈夫か?」

浮かびかけた疑念に、僅かに首をかしげた

RK-4610 >  
「はい 問題ありません」

先ほど倒れたのは冠木が反動で倒れたりしないよう優しく受け止めるためである。
彼女のオートバランサーを持ってすればボールの上でも静止状態のまま待機ができる。

「私の存在については禁則事項により私からは申し上げられません
 常世学園本部へお問い合わせください」

たとえ問い合わせたとしてもメイドの実地研修だとかモニター応募と言った回答しか帰ってこないだろうがそう答えた

カミュー > 「じ、事情…え、えーっとえっと…メイド服でなくて申し訳ないでご主人様ー!?」

女性らしい羞恥心がある、というわけではないが。
わざわざやってきて状況をさらにカオスにするのは申し訳ない。
つまり失態とあわせてプライド的に恥ずかしい。

メイドさんの口調をなぜか模倣しつつ。
そそくさと立ち上がって何度か騎士の礼とか侍女の礼とかで振り返りつつ
機敏な動きで扉を開け、廊下に脱出。ぴしゃっと閉めて撤退してしまった。

まあ、心情がわからなければもしかしたら誤解くらいはされてしまうかもしれないが。
それは山吹くん次第と言う事になる。

ご案内:「部屋」からカミューさんが去りました。
山吹 冠木 > 「…………」

半ば呆然と、部屋から去っていったカミューを見送る形になる。
最後にとんでもないことを言い残していった気がするが……
恐らくは混乱してたのだろうし、
詳しく思い返さない方が向こうの名誉の為だろう。
あの服以外にもメイド服でもあるのか、と半ば現実逃避するように考えた。

「…………」

とりあえず、扉がきちんと締まっているのを確認する。念入りに

「悪いな……えっと、読ませたり……その、倒れたりして」

メイドさんのエッチな本を音読させたり押し倒したりとは流石に言えない。

RK-4610 >  
「問題ありません。
 ご主人様にお仕えするのが私の存在理由です」

そうしっかりと言い切った。
やったことに対して何とも男前である。

そう。正直そういう趣味でも問題ない。

山吹 冠木 > かっこよく言い切られたが、
同時に凄い誤解が生まれた気がする。
誤解と言い切りづらいのが何より辛い。実物見られたし。

「……それは嬉しいけど、
同じくらい、自分のことを大事にしてくれよ。俺はその方が嬉しい」

メイド服の首もとに光る安全ピンに視線を向ける。
出会った時の姿が思い出されて……
きっと、そういう危険にもあったのだろうと思う。
出来るなら、無事で居て欲しいと思うのは我が儘だろうか。

同時に、破けたメイド服から覗いた肌と先ほど持っていかれた
エッチな本まで思い出されて、思わず壁に頭突きをしてしまった

RK-4610 >  
「かしこまりました。自身の防衛の重要度を更新いたします」

わかったのかわかってないのか。
何ともわかりづらい。

そして壁に頭突きをする姿には首を傾げるばかりだった。

それから頭突きされる壁を見て思い出したように

「もうしわけありません、ご主人様」

と頭を下げ

「木材の修復技能は私たちの獲得技能の中にございません。
 お役に立てず……」

本当に申し訳なさそうにしていた。

山吹 冠木 > 良い音を立てた頭を軽くおさえながら、
申し訳なさそうな言葉に小さく手を振る。

「ああ、大丈夫だよ。直すのにはそこまでかからないだろうし」

罅の入った壁に軽く触れる。
半分自業自得ではあるし……ある程度は自分で直すべきか。
一応は生活委員の端くれ。技能として覚えてないわけではないのだが。

「……よかったら、直すの一緒に手伝ってくれるか?」

本当に申し訳なさそうな様子に、そう声をかけた。
これから掃除や洗濯で世話になるだろうから、心苦しさもあるのだが

RK-4610 >  
「かしこまりました。
 お心遣い感謝いたします」

そう言ってまた頭を下げる。

技能が増えることは素直に喜ばしいし。
共同作戦ならぬ共同作業というのも初めてのものである。

山吹 冠木 > その様子に苦笑しつつ、はたと気がつく。

「えーと……ごめん。名前、何ていうんだ?」

そっくりな姉妹? がいるようだが、
まさかメイドさんという名前ではないだろう……

RK-4610 >  
「申し遅れました。私はRK-4610です」
 お好きなようにお呼びください」

こちらも気付いていなかったようでぺこりと謝り答えた。

名乗り忘れるなどメイドにあるまじき行為。
恥じ入るばかりである。

山吹 冠木 > 「R……んー」

腕を組み、しばし考える。
そのままというのは、流石に機械的というか、何か違う気がする。

ブツブツと口の中で何度か繰返しーー


「……フルート」

ぽつり、と呟くようにその言葉が出てきた。
数字の並びから浮かんだような発想だが……
綺麗な声音には、なんとなく合うような気がした

「ん。じゃあ、フルートって呼んでいいか?」

RK-4610 > 気に入ったのだろう
 
「はい。良い名前だと思います」

と、ふわりと微笑んだ。

山吹 冠木 > 「……ん、なら、良かった」

ふと浮かべた笑みを、思わず見つめてしまう。
そして照れた様に視線をそらしながら、座卓の前に置かれた座布団を示した。

「とりあえず、色々と話したいこともあるから、そこに座って」


……この後、仕事や寝場所などについて色々と話すことになるのだが、
それはまた別の機会になるだろう

ご案内:「部屋」から山吹 冠木さんが去りました。
ご案内:「部屋」からRK-4610さんが去りました。