2016/10/01 のログ
ご案内:「部屋」に相楽 満さんが現れました。
ご案内:「部屋」に霜月 芙蓉さんが現れました。
■相楽 満 >
「掃除完了っとー。
あ、やべ……ダンベル寄せなきゃ」
男子寮の一室、相楽君のお部屋。
今日はお客さんが来るので、わたわたと片付けをしている。
普段は参考書もトレーニング器具もそこら中に転がしてあるので、さすがに客を招ける状態ではなかった。
何せ、初めて彼女を部屋に呼ぶのだ。
「芳香剤の残りはー……まだ大丈夫だな」
置き型でせっけんの香りのする芳香剤の残量を確かめ、頷いた。
これで準備万端だ。
■霜月 芙蓉 > こんこん。
ちょっと周囲を気にしつつ、控えめにドアをノック。
流石に、いつも通りのテンションでここに来るのは恥ずかしい……なんせ、彼氏の部屋である。
しかも男子寮。兄も住んでいるところだ。緊張するなと言う方が無理である。
「え、えっと、満くーん、芙蓉でーす……」
普段からは想像もつかない、小さく弱弱しい声で声を掛ける。
めっちゃ緊張してる。
■相楽 満 >
「お、来た来た」
ちょっとどきどきする。
男子寮に女子を招くなんて大それた……いや前例がたくさんあるから大それたというほどではないが。
何にせよ、女子が基本的に立ち入らない場所に招き、密室で二人きりだ。
「いらっしゃーい芙蓉ー。
……上がって上がって」
気持ち静かにドアを開け、早く入るように手招き。
なんとなく、悪いことをしてる気分になって、そんな意味でもテンションが上がる。
■霜月 芙蓉 > 「はーい……」
おどおどしつつ室内へ。
芳香剤の香りがし、室内は(ぱっと見)それなりに綺麗にされている。
わざわざ整頓してくれたのだろうか、それとももともとからなのか。そんなことを考えつつきょろきょろ。
「満君の部屋って、こんな感じなんだね……」
やっぱり、彼氏の部屋は気になる物。とは言え、これが兄の部屋ならエロ本チェックなどを堂々とやり始める芙蓉でも、自分の彼氏相手となると借りてきた猫である。
落ち着けば、いつも通りになるであろうが。
■相楽 満 >
「うん、一応片付けたけど、何も無いだろ?
ちょっとしたトレーニング器具とかはあるけど」
部屋の隅を指さすと、重そうなダンベルや、倒れるだけで腹筋出来そうなものが置いてある。
全て病気の進行を遅らせるためのものだったが、今では普通に使うトレーニンググッズだ。
参考書も机にしっかり入れてある。
よく見ると教科がちょっとぐちゃぐちゃだが。
「飲み物入れるけど、何がいい?
っても、ミネラルウォーターとコーラと……あ、オレンジジュースあったっけ。
それくらいしかないけど」
キッチン備え付けの冷蔵庫に向かい、コップを出しながら尋ねた。
なお、どれだけ探してもエロ本のたぐいは一切見つからないだろう。
■霜月 芙蓉 > 「あ、ホントだ。そういう所は、ちょっとお兄ちゃんの部屋に似てるかも」
くす、と笑う。
兄、霜月零は剣士である。よって、自室にはトレーニング器具がそこそこに置いてあったのだ。
整理の方は、兄の方がしっかりしているように見える。恐らく兄が几帳面と言うか変なところで真面目なだけだが。
そんなことをもやもやと考えつつ、掛けられた言葉にお返事。
「あ、じゃあミネラルウォーターお願い」
芙蓉も弓使い、よって健康には人一倍気を使っている。
なので、あんまりジュース系は飲まないのだ。付き合いなら普通に飲むけど。
■相楽 満 >
「芙蓉のアニキさん真面目そうだもんなー。
俺よりもっとガッチガチなんじゃねーの?」
けらけら笑いながら言い放つ。
行ったことはないが、満の頭にはもっと小難しい本と、大掛かりなトレーニング器具、
そして何より重そうな木刀とかあるイメージが浮かんでいる。
「おっけー、ミネラルウォーターでいいんだな」
どっかの山の天然水的なペットボトルを出し、二人分コップに注ぐ。
よく冷えたそれを持って、芙蓉の元へ。
テーブルに置いたら、ようやく一息つけた。
一応恋人が来たってことで、ちょっと緊張してる。
■霜月 芙蓉 > 「うん、真面目真面目。でも、料理器具とかの方がこっちの部屋だと多いかも?」
兄の趣味は、実は料理である。
なんでも『ちょっとやってみたらハマってしまった』らしく、他人が作る料理はなんでも食べるが、自作は拘りに拘り抜く人になってしまった。
実家では普通に台所を使っていたが、寮の自室だと多分無駄に凝った料理器具とかが置いてあるんだろう。
「うん、ありがと、満君」
言って、まず一口。
何の変哲もないミネラルウォーターだが、それでもちょっと緊張がほぐれた。
「え、えっと……な、なにしよっか」
だがノープラン。
■相楽 満 >
「料理!? マジ!?
あの人剣も術も勉強も出来て料理まで出来んの!?」
やべーすげーみたいにぶつぶつ呟く。
彼の頭の中では、霜月零という男が真面目系完璧超人になりつつある。
自分も水を一口含み、口の中を潤した。
緊張で口がパサついて大変だった。
そして彼女に切り出され、うむ、と頷いた。
「うん、ちょっと芙蓉にどうしても頼みたいことがあって」
改まった態度のように見えて、にこにこしてる。
■霜月 芙蓉 > 「勉強は、出来るってよりは量で何とかってタイプだけどね、お兄ちゃん」
最近でこそやっと『根源接続』と言う異能を自覚し、それを機に剣の腕も飛躍的に上昇した兄だが、それまでは、自分を『才能のない出涸らし』と自虐するくらいには、これと言った才に恵まれない人だった。
だからこそ、自分なりに応援もしたのだが、それ以上にあの兄はそれを嘆きつつも、足掻きを止めなかったのだ。
勉強も、それの延長線上。結構な努力の人なのである。
「で、えっと、頼みたい事……?」
ちょっと首を傾げる。が、内心は物凄く緊張している。
彼女を、自分の部屋に呼んで、頼みたい事。
となると、想像されることの中には、やっぱり肌を重ねることが含まれてしまう。
だが……霜月芙蓉は、己の初めてを最低最悪な形で奪われている。
虞淵。この学園の闇に潜む強大な暴力。
それに立ち向かい、力及ばず敗れ……連れ去られ、凌辱されたのだ。
あれから随分と時間もたったが、そのトラウマはまだ癒えてはいない。
もし、肌を重ねることを願われた場合……自分は、それに応えてあげられるのだろうか。
あの地獄がフラッシュバックして、拒絶してしまうのではないか。
そんな不安が、胸中に渦巻いていた。
■相楽 満 >
「うーん……いやー、俺も最近勉強は頑張ってるけどさー……
俺、今やってることに加えて剣とか料理とかの勉強まで出来ねーよ。
やっぱ努力できるのって、それ自体が才能なんじゃねーかな」
漫画で読んだようなセリフを漏らした。
満には彼の努力も、才能もわからないが、色んなことに手を出して、それを伸ばしているというすごさはわかる。
何かを投げ出したり諦めたりしてるかもしれないが、退魔のために剣や術を学び、
その上で趣味の料理まで頑張ろうなんて思えるのは、それ自体が彼の凄さなのではないだろうか。
「うん……頼みたいことってのがな……」
ごそごそ、隣にあった小さなポーチをまさぐる。
小さな塗り薬やピンセットとかが入っている、救急箱のようなものだが。
今の芙蓉にとっては、これも恐ろしいものに見えるだろうか。
「耳かきしてくれない?」
取り出したのは、綿棒。そして金属製の耳かき。
芙蓉の不安を吹っ飛ばすような、いつも通りの変わらない普通の笑顔だった。
■霜月 芙蓉 > 「うん、そういう所は本当にすごいと思うし、だから好きなんだよね、お兄ちゃん」
にぱ、と笑う。
ダウナーな癖に、諦めが悪く、前に進む足を止めようとしない。
そんな兄が、大好きなのだ。
今となっては、それと同じくらいに好きな人が、目の前にいるのだが。
「…………」
だが、その笑顔はポーチをまさぐる手を見て固まる。
もしや、本当にアレなのだろうか。と言う事は、水筒代わりにもなると言われているアレが出てくるのだろうか。
そう思うと、不安で胸が締め付けられる。
が。
「…………ほえ?」
その後出たのは、間抜けな声。
えっと、その。
「みみ、かき……?」
いってるいみがいまいちわからなかった。
■相楽 満 >
「俺も憧れるなー、あの人。
色んなこと頑張ってるし、彼女さん……雪城との関係も良好だろ?
人間的に欠点ねーじゃん」
けらけら笑った。
この大切な恋人がそれだけ好きでいられる兄が、満にとっても憧れだった。
強くて、色んな事が出来て、勝負が終わったあとに相手を称えられる。
そんな彼が、かっこよく見えている。
「そ、耳かき」
笑顔のまま、もう一つ頷いた。
「部長がさ、なんか耳かき屋さんで耳かきしてもらうと気持ちよかったらしくてさ。
誰かにしてもらう耳かきっていうのが、そんな気持ちいいのかなーって思って。
……で、こんなこと頼めるの、芙蓉しか居ないじゃん」
照れた笑いを浮かべて、手に持っているその二つを差し出した。
照れ笑いを浮かべるシチュエーションがだいぶ違う気がする。
■霜月 芙蓉 > 「いやいや、それは違うよ満君。お兄ちゃんはアレで、結構抜けてるんだから」
くすくると笑う。
こう、普段ぬぼーっとしてるくせに、テンションが上がるとうっかりミスが増えたりとか。
ここぞで割と迂闊をやらかす人なのである。そういうシーンは、妹として何度も見てきた。
「ひょーかちゃんの様子見てると、上手くやってはいるようなんだけどねー……」
いいながら、話に耳を傾ける。
なんというか、こう……
「(もしかして、満君って結構天然……?)」
耳かき屋、と言う商売にまずもってアレな想像しかできないのだが、それを聞いて気になったから彼女に頼むというのもなんかズレてる気がする。
まあでも、そんなところも魅力的かも、なんて思ってる辺り、自分も随分とこの人にイカれてしまってるようだ。
「はーいはい、じゃあ芙蓉ちゃんのスーパー耳かきテク、堪能してね?」
苦笑気味に手を差し出す。
どうせだ、そんな耳かき屋なんて目じゃないんだぜくらいのテクを見せてやろうじゃないか。
……どういうテクなのかよくわかんないけど。
■相楽 満 >
「んー、そうかぁ……
逆に普段抜いてて、やるべきところはしっかりやる!
……みたいなタイプなんじゃねーの?」
当人の妹の前だからという状況抜きで、満にとって彼はすごい人物扱いだ。
そういうタイプの憧れなんだろう。
手を差し出してくれたので、やったぜといった風に耳かきを渡した。
「やー、さんきゅー!
……っても緊張するなぁ、人に耳かきしてもらうのなんて子供の頃以来だもんよ」
彼女の色んな葛藤をよそに、別のどきどきに身を任せている。
ちょっとそわそわしながら、芙蓉に近寄って。
「……もしかして、膝枕っていう状況になる?」
結構興奮しているのか緊張しているのか、若干声が上ずっている。
■霜月 芙蓉 > 「ん、そー言う人。普段は結構ものぐさだしねー」
割とどうでもいい事は、思いっきり手を抜くのも霜月零だ。
ある意味では、オンオフの切り替えがうまい、と言う事なのかもしれない。
「いやー、正直私も人に耳かきするのほぼ初めてでっす。おあいこって事で」
笑いながら手招き……をするも、言われてそこではっと気づく。
そうだ。耳かきの定番は、膝枕じゃないか。
「…………」
少し硬直する。
膝枕。まあ、つまり、彼の顔が、アソコの近くに来ちゃうわけで……。
一瞬、不安がよぎった。
だが……
「(こんなところで、止まってらんないんだから……!)」
膝枕での耳かきなんて、前戯も前戯、寧ろそれ以前レベルである。
そこでトラウマに怯えていたら、この先お付き合いなんてしていけるわけがない!
そう己を奮い立たせ、正座をして手招きする。
「ふっふーん。芙蓉ちゃんのすべすべ太もも、ご堪能あれ!」
むふーっと笑って。
ちょっと空元気を含むところがあるが、出来るだけそれを見せないように、と。
■相楽 満 >
「……なるべく痛くしないでね?」
台詞を吐く性別が逆な気がする。
でも耳かきってそういうものだから仕方ない。
「よっしゃ!
じゃ早速……」
彼女を襲った恐怖感をよそに、頭をその太ももに下ろす。
芙蓉の腹に自分の後頭部を向けて。
満の髪は少しだけ細く、柔らかい。
「……おー、なんかこう……落ち着く……」
はふー、と息を吐いた。
ただ緊張はしてるらしい、肩に力が入っている。
■霜月 芙蓉 > 「それは保証できませーん」
意地悪く笑ってやる。まあ、細心の注意を払うつもりだが。
その上で、太ももに頭が置かれる瞬間、自分の中に物凄い緊張が走ったことを自覚する。
が……
「……ふふ。力入ってますよ、お客さーん?」
はふー、と息を吐く彼氏の顔を見て、緊張は抜けていった。
恐れる事は何もない。あのケダモノではなく、自分が愛した彼氏なんだから。
一回頭を撫でてから、そーっと耳の中に耳かきを差し込んでいく。
割と恐る恐るである。
■相楽 満 >
「……し、信じてるからな……?」
多分大丈夫だとは思うが。
太ももだけでなく、芙蓉の体が緊張したことには反応するが、特に言及することもなく。
「う、うーん……そーだなぁ……
落ち着かなきゃ……」
一度頭を撫でられただけで、なんとなく安心できる気がした。
見る見るうちに、肩から力が抜けていく。
のだが。
「ひゃい……」
変な声が漏れた。
耳かきが入ってきて、特に触れたわけでもないのに、である。
耳の中はとても敏感だ。
■霜月 芙蓉 > 「もー、普通に信じてくれていいのにー」
経験ないけど。
まあ、丁寧にやれば大丈夫だろう、タブン。
そんなことを思いながらかさかさと耳の中を耳かきで漁る。
変な声を出しているが、お構いなしにかさこそかさこそ。
ちなみに、変な声を聞いて可愛いとか思っているのは内緒だ。
■相楽 満 >
「んぉぉ……だだだいじょうぶ……」
だいぶ変な声が出まくってる。
耳をかりかりされるたびに、足とか指が緊張でびくびく跳ねる。
しかし、とても満たされた感じがする。
「あぁぁぁー……でもなんかこう……
気持ちいいかもしんねー……」
ゆるんだ顔で呟く。
ともすれば涎が落ちそうなくらいゆるい。
■霜月 芙蓉 > 「ふっふーん、そうでしょー!」
どやぁ、と笑いながら耳をかりこり。
とは言え、弓兵として培った目を使って細心の注意を払っている。
触れすぎないように、傷つけないように。
耳の中のごみを少しずつ掻きだして、横に置いたティッシュの上に置いていく。
かりこりかりこり。
やりながら、ちょろっと様子を見ると、気持ちよさそうにしてくれているのがうれしかった。
■相楽 満 >
「やー……芙蓉に頼んでよかったー……」
うっとり顔で呟く。
最初こそおっかなびっくりな感じがしたが、今は随分と落ち着いた手つきでしてくれている気がする。
ほとんど緊張は無く、耳に刺激が走ったときの緊張で体がちょっと動く程度にまで納まった。
「……あのさ、芙蓉。
ちょっとだけ、変な話するけどさ」
耳かきをしてもらいながら、唐突に切り出した。
「俺、なんかイヤなことが起こる前に、変な音が聞こえるんだ。
聞こえるようになったの、病気を治してからなんだけど」
ぽつりぽつりと紡ぐ。
■霜月 芙蓉 > 「ふっふーん、そう言って貰えると私もうれしいよ!」
頼んでよかった、と言われてご機嫌に。やっぱり彼氏にそう言って貰えるのは嬉しいものだ。
だが、その後のちょっと真剣な言葉に驚きつつ耳を傾ける。
「嫌なことが起こる前に、変な音……予知系の異能でも開眼したのかな……?」
首をかしげる。後天的に異能が花開くことはないわけではないが……
■相楽 満 >
耳掃除の心地よさに身を任せながらも、言葉を選ぶ。
非常に説明の難しい、感覚的なものを言語化していく。
「うーん、それがわかんねーんだよな……
いつでもわかるわけじゃねーし……。
それに俺、超パワーの異能あるし、もう一つってことは無いと思うし」
んーっと考え、あっと思い出す。
「ほら、芙蓉がグエンのおっさんに二回目絡まれた時。
俺が助けに行くの、間に合ったじゃん。
あれもその変な……ていうか、嫌な音が聞こえて、それを追っかけてったら見つけたんだよ」
おかげで恋人を救えたのだが、それにしたってよくわからない。
使い勝手がいいわけでもなく、ただ何か嫌な予感を音にしたような。
いわば虫の知らせが明確に聞けるような。
■霜月 芙蓉 > 「んーどうだろ、異能が二つ開眼する場合もあるんじゃない?」
可能性としては、低いがゼロではない。
複数の異能を使い分ける異能使いも存在するのだ。
「あ、あの時……あの時は、ありがとね」
そして、虞淵のことを思いだし、少し身震いする。
が、ここにはそこから助けてくれた人がいる。なら、恐れる事は何もない。
■相楽 満 > 「かもなー……基本は無いらしいけど」
学園の講義で一応聞いたことはある。
それこそ、かなり低確率の話らしい。
それを自分が引くとは思えないのだが。
「ん、あん時はほんと間に合ってよかった。
……また芙蓉が酷い目に遭ったってなったら、俺さすがにどうすればいいかわかんねーもん」
それに関しては感謝だなーと呟いた。
妙な能力だが、いい方向に使えるのはいいものだ。
「んで本題なんだけど、その変な音が最近ちょくちょく聞こえるんだよ。
……俺に関することか、芙蓉に関することか、別のことか…」
不安感だけ煽られるのも困る話だ。
恋人が守れたのは過去の話、これから何かが誰かに起こることしかわからないのは、また精神的な負担になる。
■霜月 芙蓉 > 「どうだろ、とんでも宝くじあたった的な事もあるかもよ?」
くすくすと笑って口にする。
運の無駄遣いだー、なんていうかもしれないが。
「ごめんね……今度からは、無理しないから」
そう、流石にアレで思い知った。
完全に、今の自分では虞淵と比べて数段下だ。
ならば、無理をすることはできない。するわけにはいかない。
自分の程度を知ることは、大事である。
「えっ……それって、私とか、満君に、悪いことが起こりそう、ってこと……?」
不安そうに問い掛ける。
いいままでの話を総合すると、そういうことだ。
■相楽 満 >
「そんな運は難病引いたので全部使い切っててほしいなぁ」
苦笑しながら呟く。
低確率はもうこりごりだ。
「……芙蓉、あれから無理してないじゃん?
俺も信じてるから」
謝罪の言葉に対し、そう告げる。
あんまり暗い気持ちにさせたくない。
なのに、今後のことを考えるとくらい気持ちにもなってしまう。
「かも、しれないかなー。
……一応この嫌な音、的中率高いからな……
ただ、こう……上手くすれば回避も出来るし。
……この話も芙蓉くらいにしか詳しく話せないからさ」
耳かきもそうだが、これを芙蓉に伝えておきたかったのだ。
不安以上に、情報の共有がしたかった。
■霜月 芙蓉 > 「いやいやいや、低確率のバッドを引いたから、低確率のグッドを引いたのかもよ?」
まるで、天秤が釣り合うかのように。そんなことも中々ないだろうけれど。
「うん、してない。自分のできる事を、しっかりとやってる」
こくん、と頷く。
出来ることをこなして、出来ないことはしっかり出来るようにして。
それを積み重ねていくのが、一番のはずだから。
「……満君も、気を付けてね。私やだよ?これ以上大事なものがなくなっちゃうの。絶対泣いちゃうから」
寂しそうに、不安そうに。
失うのは嫌だ、無事でいて欲しい、と縋るような声を出した。
■相楽 満 >
「うん、芙蓉は芙蓉なりに反省したんだし、懲りたんだし、それでいいと思う」
ふいっと顔を向ける。
太ももの上で、恋人に笑顔を向けた。
「任せとけって。
絶対芙蓉を泣かせたりしないから。
そんな嫌なことに負けてたまるかって」
な?と、いつも通りのゆるい笑顔を見せた。
■霜月 芙蓉 > 「うん、反省したし懲りたよ」
もう一つ頷いて、向けられた顔をじっと見る。
「……うん、信じてるよ満君。
絶対だよ?」
緩い笑顔を見て、微笑みながら。
この笑顔は本当に安心するし、心強い。なんでだろう?
■相楽 満 >
「任せとけって。
もし本当にヤバかったら、芙蓉にも助けてくれーって言うから」
情けないようなことを言うが、案外そうでもない。
力こそあるが、自分に出来ることは限られていることを理解している。
その時はきっと、皆の力を頼らねばならないであろう。
無理だとわかったら、すぐにプライドをかなぐり捨てる。
長かった病人生活で、それがしっかり身についている。
「……じゃ、反対側もお願いしていい?」
笑顔で言いながら、くるんと反転して逆の耳を向ける。
今度は芙蓉のお腹側に顔を向けることになった。
■霜月 芙蓉 > 「うん、その時は言ってね。どこでも駆けつけちゃう!」
むん、と力こぶを作って。
弓使いの芙蓉は、インファイターの満の支援には向いている。
芙蓉の弓はこれでいてかなり精度が高い。誤射もないだろう。
何より、やっぱり好きな人の力にはなりたいものだ。
「はーいはい、おっまかせあれー!」
にこにこと笑ってもう片方の耳に耳かきを入れる。
前に、一回頭を撫でる。愛おしさを込めて一撫でした。
■相楽 満 >
「持ちつ持たれつ、ってヤツだな」
時々彼女を守り、その彼女にも守ってもらう。
一方的に守らなきゃいけない関係よりも、健全で幸せな気がする。
恋人が、今度は全く抵抗も緊張も示さなかった。
それがとても嬉しく、頭を撫でられてまた心が落ち着いた。
「……最初は無理な頼みしちまったかなーと思ったけど……
もう大丈夫っぽい?」
なんとなくだが、それには感付いていたらしい。
■霜月 芙蓉 > 「そーそー。支え合っていこうね」
にぱ、と笑う。
お互いがお互いを支える。それは、とても理想的な関係に思えた。
「……あ、もしかして緊張してたの、バレてた?」
大丈夫っぽい?と聞かれて。
自分なりに結構誤魔化していたつもりだったが、そこはそれそこまで腹芸の上手くない芙蓉である。
割と分かりやすかったのかもしれない。
■相楽 満 >
「ちょっとだけ。俺の緊張とは違うのも。
でもイヤだったらイヤって言ってくれるかなーって思って、信じてた。
ごめんな」
さらりと謝った。
自分のわがままで、芙蓉にイヤなことをさせていたら、自分自身がイヤだなと思う。
だから今回、芙蓉が普通に笑ってくれたことが嬉しかったのだ。
■霜月 芙蓉 > 「うん、大丈夫。ちょっと自分で不安なところがあったんだけど、大丈夫だったからさ」
笑顔を見せて。
自分がトラウマに負けるのではないかと不安だった。
だが、彼の笑顔は、そんなトラウマを吹っ飛ばしてくれるほどの力を秘めていた。
それが、とても心強い。
■相楽 満 >
ちらっと顔を傾け、芙蓉の顔を見る。
そこに笑顔があって、とても安心した。
「……んじゃ、このまま頼むー。
これなかなかクセになりそう」
ということで、ひとまず耳かきを堪能することにした。
心配が吹き飛び、ようやく心まで脱力出来る気持ちだ。
■霜月 芙蓉 > 「はーいはい、お任せあれ~!」
いつも通りの明るい芙蓉で、ちまちまとしっかり耳かきをしていく。
多分、痛かったら言ってくれるだろうし、とちょっと大胆にかりかりかり。
あ、おっきいのでた。
「満君、普段しっかり耳掃除してるー?」
掻きだしながら、そんな軽口をたたく余裕も出てきていた。
■相楽 満 >
ノリノリになってくれた。幸せである。
ちょくちょく、また変な声を出したり反応したりしつつ。
「んー……なんか気分次第……?
でも前耳掃除したのいつだっけ……」
思い出せない程度には前のことらしい。
「……これから芙蓉に任せようかなぁ、耳掃除……」
それを検討するくらいには心地のいい体験だ。
部長がハマるのもわかるくらい。
そんなこんなで、いい感じに耳の中がすっきりした感じがする。
■霜月 芙蓉 > 「もー、私がいない時ずっと溜め続けるつもりー?」
これからは任せようかな、と言う言葉を聞いて。
そんな毎度毎度耳かき出来るとも限らないというのに。
でも、そんなことを言ってくれるのは純粋に嬉しかった。
「はい、終わったよー」
言いながらティッシュを畳む。これは後で捨てておこう。
■相楽 満 >
「いやでもそんな頻繁にやることでもないじゃん?
たまーにお願いするくらいで、頻度的にもちょうどいいと思うんだけど」
それに、この気持ちよさと気楽さを知ってしまったら、自分で耳かきはなかなかやる気になれない。
これからは綿棒で適当に済ませるくらいにしよう、とか考えてる。
「さんきゅー。
いやー、すげーよかったな、芙蓉の耳かき……」
耳たぶをつまんで、きゅっきゅっと耳の穴に押し付ける。
すっかり満足した。
「……礼に何かおやつでもありゃいいんだけどなぁ。
今うちに無いし、これからカフェにちょっと甘いものでも食べに行かね?」
息抜きも兼ねて、ということでデートのお誘いだ。
■霜月 芙蓉 > 「まあそうなんだけどさー。ま、私もちょっとやってて楽しかったし、どんどんやったげる!」
浮かべる笑顔に翳りはない。
まだ一歩先は分からないが……このラインなら、全然問題なしと言う事だろう。
「あ、いくいくー!折角だし、今日一日遊んじゃおっか!」
そしてハイテンションになり、デートのお誘いを受ける。
すっかりいつもの芙蓉である。
■相楽 満 >
「よっしゃ!
なんかすげー嬉しい!」
ぐっと握りこぶしで喜んだ。
つまりまた部屋に呼んだりしても大丈夫……ということな気がする。
二人きりというのは、とても幸せなものだ。
「お、いいなー……じゃカフェで甘いもの食べて、ゲーセンでも行くか!」
芙蓉の膝から頭を離し、立ち上がる。
外出用のジャケットをクローゼットから出して羽織り。
「よし、準備出来た!」
部屋のドアを開け、手を繋ごうと差し出す。
芙蓉の手を取ったら、すぐに出よう。
■霜月 芙蓉 > 「わーお、満君テンションたっかーい」
大げさに驚いてみたりして。
ついでに芙蓉は、呼び出し全然おっけーである。
「私も、おっけーだよ!」
元々、簡単に出かける用意をしてここに来ているので、用意と言えばそれをもっていくだけ。
直ぐに準備完了して、差し出された手をきゅっと握った。
ご案内:「部屋」から相楽 満さんが去りました。
ご案内:「部屋」から霜月 芙蓉さんが去りました。